英文長文読解 短期集中 個別指導 弱点克服
KVC Tokyo 英語塾

                               




























本コラム執筆の参考サイト:

https://en.wikipedia.org/wiki/Japanese_language

https://ja.wikipedia.org/wiki/インド・ヨーロッパ語族

https://en.wikipedia.org/wiki/Indo-European_languages









































































































日本女子大学文学部日本文学科
個人レポート『源氏物語』の本文と英語訳の生活・文化の表現の違いについて
竹 内 理 穂
http://mcm-www.jwu.ac.jp/~nichibun/thesis/research-note/KENO_43_01.pdf

源氏物語の桐壺の一節(光源氏の三歳の御袴着のシーン)に於いて、生活様式や文化についてどの様に英訳されているのかを以下3名の訳文で比較・考究した論文であり、特に主語の扱い、訳出時の明確性の比について論じたものではありません。

・末松謙澄 『GENJIMONOGATARI』1974 Rutland・アーサー・ウェイリー(Arther Waley)By Lady Murasaki, translated from the Japanese by Arthur Waley.『The Tale of Genji』 Modern Library 1960・エドワード・サイデンステッカー(Edward G Seidensticker)Murasaki shikibu, translated with An introduction by Edward G.Sidensticker『The tales of Genji』1978

しかしながら、塾長には、現代日本語訳よりもサイデンステッカー氏の英訳の方がなぜか読んでいて情景が明瞭に浮かんできます。その後に原文や現代日本語訳を読み直すと味わいが深くなります。どうも日本語だと言葉に流されていくだけで情景が目に浮かびませんが、皆さんはいかがでしょうか?

英訳したものを読むと<視覚効果>が高まる訳ですが、日本文学が、違う aspect から読み直され、脳が刺激を受けるのかもしれませんね。

翻訳時に失われてしまうニュアンスもありますが
(lost in translation と言います)、他言語訳と原文とを併せて読む遣り方も面白ろそうです。







































 塾長のコラム 2019年6月20日  『主語の概念 B 膠着語と屈折語U』








主語の概念 B 膠着語と屈折語U


2019年6月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

前回に続きます。


日本語の文章構造:超初心者向けガイド(塾長和訳)

文章構造の英語 vs.日本語

 殆どの方は、日本語は文章構造が難しくて頭がこんごらがるものだと知るようになるでしょう。日本語が他の言語とは根本的に違っていることを考えれば全くもって理解できることです。ですが、日本語の文法は正しい視点からみれば実際には信じられないほど論理的なのが真実なんです。

 一般的には日本語の基本構造はSOV だと考えられていますね。主語−目的語−述語の順です(例:ワタシ−スシ−タベル)。この記述法は、SVO 構造に従う英語と比較するのを容易にします。しかし本当は、この2つの言語は全く異なる遣り方で機能するものゆえ、この様な比較は殆ど意味がありません。SOV のレッテルを貼るのも時には誤りで、と言うのは、主語Sの前に目的語Oが現れるのは日本語では全然稀では無いからです。うぅ〜ん、マジでますます混乱してきた・・・。

 日本語の形をした杭を英語の形の穴に無理に当てはめようとするのは止めて、もう一度始めましょう。

 最初に、英語では、文章の主要なカケラは決まった順序に置かれます。何か動作を行おうとする人(主語、例:I、ワタシ)が最初に来て、その動作を記述する言葉(述語、例:eat タベル)、更にその動作が為されるもの(目的語、例:スシ)が続きます。英語では誰が何をしたのかを述べるのは語順なのです。日本語の文章は助詞と呼ばれる文法マーカーが縁取って構成されます。各助詞は、その前に並ぶ単語が文中でどの単語−たいていは動詞−に対してどの様に関与するのかを示すのです。動詞は文末に現れますが、各単語の順序は、誰が何をしたのかを述べるのは、語順では無く助詞であるが故に、変動可能です。例えば、文章内容が話題を採り上げる場合(これはしばしば主語に等しい)は「は」が続き、目的語には「を」が、そして最後に動詞が続くのです。基本的な語順ゆえに日本語はSOV言語だとしばしば考えられますが、単語に適切に助詞を組み合われば単語の実際の順序は変えて構わないのです。









 語順で言語を把握する方法論が、日本語では当てはまらない、別の概念で捉えれば、日本語は合理的な言語体系であって、基本構造はいとも簡単に理解ができる、との簡潔明快で優れた指摘です。

 日本語が膠着語であることを考えると、動作主体や話題提示に関しても、それらが動詞(述語)を取り巻く修飾的概念の中の対等な要素に過ぎないことが理解できます。これは常に<動作主体+述語>の組み合わせを確たる配列のコアとして、物事を把握して世界認識を行う言語体系とは丸で違った認識で世界を捉えていることに他なりません。ある意味、「動作内容、物事の状態」を記述する概念がメインの言語とも言えそうです。「あぁ、静かだ」と言えば、何が静かなのかはさておいて、自分の周りが静かであることをまず感じ取り、第一に叙述する意識ですね。繰り返しますが、動作主体、即ち欧米語の主語相当語は、日本語では動詞(述語)を取り巻く要素の1つに過ぎない訳です。

 日本人はどれが動作の主体主語或いは話題として採り上げる主題主語かを弁別する意識薄く (だから主語に関する論争が起きたまま!)、逆に欧米語に翻訳する過程でそれらが明確に浮かび上がるところもありますね。

 例えば前々回の@にて例示した文章 「太郎には 才能がある。」 ですが、太郎と才能のいずれかを主体主語扱いにして英語、即ち動作の主体に「拘る」言語の1つにて表現すれば、

  As to Taro, a great talent is noticiable/ recognized. 太郎に関しては、才能が認められる。


  Taro is endowed with a great talent. 太郎は才能をもって生まれた。


 と言うところでしょうか。全然別の言語体系に接し、その言語体系の元で元の概念を把握し直すと、元の概念を明確化させて捉えることも出来ます。これが日本人が欧米語を学習することの最大の利点かもしれません。






How language shapes the way we think | Lera Boroditsky TED 2018/05/02 に公開

There are about 7,000 languages spoken around the world -- and they all have different sounds, vocabularies and structures. But do they shape the way we think? Cognitive scientist Lera Boroditsky shares examples of language -- from an Aboriginal

https://youtu.be/RKK7wGAYP6k


言語がそれを使う人間の思考形態そのものに影響を与えること

が明快に語られます。英語では、事故で壺が壊れたときに、誰が

壺を壊したとの文章になるが故に、誰が責任を負うべきかの方向

に意識が向かいがちになりますが、スペイン語では壺が壊れたと

表現し、責任を問うことが和らぐとの例が示されます。誰の所為だ

と問う意識は主語代名詞を必ず文頭に添える言語の特質かもしれ

ません。日本では重大な過失に拠り社会に実害を与えても当事者

の責任を曖昧にする風潮がありますが、これは主語概念が先鋭化

していない日本語の性質が悪影響を及ぼしている(或いはそれを

意図的に利用する)様にも見えます。この辺は英語を見習うべきか

もしれません。






 日本語が欧米語の様な主語・主体優勢言語とは明確に異なるものであることは確かであり、英語に苦手意識を持つ日本人が多いのも、この様な本質的な言語表現法、そしてそれを裏で支える発想法の大きな違いが作用していそうに見えます。ちょっと大仰に言えば脳機能の違いですね。脳内変換がその都度必要な訳です。単に語順が違っていて配列し直せば済むような問題ではありません。

 だいぶ前の話になりますが、塾長が初めて英語に触れた中学1年生の時に、どうして英語はいちいち主語を明記する、なんと面倒臭くてくどい言葉なのだろうと感じていたことを思い出しました。教員が欧米語と日本語の主語概念の違いを説明してくれていたら、英語学習にまつわるこの様なもどかしさも幾ばくかは軽減されていたろうにと思います。