英文長文読解 短期集中 個別指導 

KVC Tokyo  英語塾

                               





















































































































































































































































































































































































































































































塾長のコラム 2020年5月10日  入試和文英訳B 2020大阪大学T







入試和文英訳B 2020大阪大学T




2020年5月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 和文英訳の問題を<解読>してみよう、のコラムの第3回目です。今回と次回の2度に分けて阪大の問題にトライします。

 基本的なアプローチとしては、和文英訳とは与えられた日本語の表現を論理的に考え直し、高校卒業程度の英語のフレーズを利用して易しく置き換える、との操作になります。即ち、実は日本語の出題文の方を添削する作業になります。出題側も、高校卒業程度の語彙レベルでの解答以上のもの、例えば文章の風格など、は期待していませんので、自分の知り得る平易な単語、フレーズ、構文を引っ張り出して兎に角解答を埋めることが大切であり、それでそこそこの点数は取れる筈です。入試英文添削の時と同じく、完成形?に至る塾長の考え、迷いなど思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。

以下、参考サイト:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/









Toyotamaphimeia machikanensis

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/22/Crocodile_skeleton.jpg

Pavel Bochkov from Moscow, Russia / CC BY-SA

(https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0)


1964年、大阪大学豊中キャンパス理学部の新校舎工事現場にて発見された

ワニの化石(マチカネワニ)のレプリカ


吻先が尖っていて現生のガビアル風です。肩甲骨の形状含めて前肢の骨形態は今のワニと

変わりありません。昔は大阪湾も温暖化していてワニが棲息していた訳ですね。海面上昇

で豊中付近までが入り江だったのでしょうか。


阪大の吹田の人間科学部には何度も出掛けていますが、建物として阪大をシンボライズする

ものは無いとの事です。本部建物1Fで何か食べた記憶はあるのですが。

勿論売店で金メッキの栞は買いました!





(A)

過去の哲学者がどの様な問題に向き合い、どのように考えたかを知る事は、とりもなおさず、私たち自身が、当時の人間と同じような過ちを再び繰り返すことのないよう、高い費用を払って得た教訓を学ばせてもらうという側面があります。


(阪大2020年前期 外国語学部以外)




【和訳の基本戦略】


日本語に特に勿体ぶった修辞語句を加えたり衒学趣味的に漢語を用いたりはしておらず、極めて普通の日本語です。但し、逐語的に英訳すれば奇妙な英文となりますので、最初に行うべき事は、論理的表現且つ平易な日本語に置換する操作となります。


*TVなどで通行人に街頭インタビューしている時に気が付くことですが、頭に思いつくままにダラダラと考えを述べ、次の言葉、語句を追加している内に主題と述語の明確な対応が外れて来てしまう例が頻繁に見受けられます。述語が饅頭の餡だとすると、主題(主語)やその他の要素を順序構わず回りに幾らでも付け足して饅頭の皮として被せて仕上げるのが日本語の特徴でもあり、口語的にはその様な会話の流れであっても最後に<何か適当な>〆の述語を持って来ればすべてヨシとなります。この作法で問題無く相手に通じて相手も納得してしまいます。阿吽の呼吸での曖昧性を許容してしまう言語とも言えそうです。或る意味、日本語は話すのは簡単だと言われる所以です。これを明確性を持つ文章に仕上げる際に教養の差が強く出る言語とも言えそうです。これに関しては、昨年6月15日附の塾長コラム、『主語の概念 A 膠着語と屈折語』 https://www.kensvetblog.net/column/201906/20190615/ の項を是非ご参照下さい。


*上の阪大の和文を見て、これは会話文そのままの発想だ、と感じました。「Aであることを知る事」は、「Bである」ことを学ばせてもらう側面がある、ですが、感覚的には理解出来て思わず頷いてしまいますが、どこが主語(主題)でそれに対応する述語がどれなのか、文章の構造がどうなっているのか、その意味内容としては今ひとつ明確性に欠けるところがあります。まぁ、立派な悪文です。詰まりは、英訳する前に明確性の高い日本語に rewrite しないと訳せません。


(A)の文をカッコで括ると、


{(過去の哲学者がどの様な問題に向き合い、どのように考えた)かを知る事}は、とりもなおさず、{私たち自身が、(当時の人間と同じような過ちを再び繰り返すことのないよう、<彼らが>高い費用を払って得た教訓)を学ばせてもらう}という側面があります。


 とでもなりましょうか。複雑な入れ子構造です。高い費用を払ったのはどうも当時の人々の様ですね。この阪大の問題は日本語を改訂する問題、との比重が非常に高い様に見受けられます。この改訂作業をさっさかこなす、或いは自分の中で把握した大意の通りに英語を仕上げてしまう、のが基本政略となります。




【和文の大意】


*和文が入れ子構造になっており、判ったような分からない様な構造の悪文ですが、簡単に言うならば、


<哲学書を読めば先人と同じ間違いせんための教訓をタダで得られてええで(大阪弁もどき?)>、ですね。




【英語化し易い和文への変換】


*複雑な構造の文章に加え、明確性の低い述語<という側面があります>と表記しています。<脳内日本語−日本語変換>で熱が出そうになります。文意を理解したのちに和文を分解して前後を入れ替えたり繋ぎ換えたりしてみます。


*英語風な表現に変換すると


「過去の哲学者がどの様な問題を扱い、それをどのように考えたかを知るならば(知る時)、当時の人たちが痛みを伴って得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を正に得ることが出来る。それは哲学書を読むことのもう一つの利点である。」


「過去の哲学者がどの様な問題を扱い、それをどのように考えたかを知る事には、当時の人たちが痛みを伴い得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を我々に与え得る別の利点がある。」


「哲学者が扱った過去のテーマとその考察を調べることに拠り、また我々は1つの教訓を学ぶ為のコストを正に理解出来るし当時の人々が犯したのと同じ過ちを避けることが出来る。」


*<哲学者>は<哲学>としても良いでしょう。





【英文化の要点】


 おさらいとなりますが、


*大意を掴んだ平易な英文をまず作り、今度は日本語の文意に正確に近づけるべく、英語の表現を練っていきます。


流れとしては、


 @和文の修辞をはぎ取り論理的且つ平易な文章に直す


 A自分の知っている平易な英語にさっとひとまず英訳(これでそこそこの配点は得られる)


 B和文原文のもつ意味合いに修整、推敲(時間的余裕があれば)


 となります。


*基本は英語の授業中に出て来たような表現、易しい単語、語句などを上手く利用して英語を組み立てる戦略です。






Sofies Welt - Die komplette Serie - Jetzt erstmals auf DVD! - Fernsehjuwelen

2014/05/27 Film- und Fernsehjuwelen

https://youtu.be/bOZ40DMfkKQ

ソフィーの世界


本はベストセラーとなりましたが映像はほとんどヒットしなかった様です。活字、動画いずれも

これまでの哲学者の姿を理解する入門編として大変好適と感じます。


塾長がノルウェー語を耳にしたのはこの映画が初めてでしたが北方ゲルマン語ですので

確かにドイツ語にも似て聞こえます。日本語字幕付きのDVDが売られていますが、現在、

価格が高騰しているのが残念です。






【塾長の解答1】


When we get to know  what kind of subjects philosophers of the past dealt with and how  they  discussed them, we can easily obtain the lesson  which people of those days  learned  with pain  and which helps prevent us from making the same mistakes as they   did. This is  second  benefit  of reading philosophy books.


「過去の哲学者がどの様な問題を扱い、それをどのように考えたかを知る時、当時の人たちが痛みを伴って習った、そして彼らと同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を容易に得ることが出来る。それは哲学書を読むことのもう一つの利点である。」




*単語know は<知っている>状態を意味する言葉であり、言い換えれば、 to be aware of 〜に気づいているの意味です。何かを<知る>との状態変化つまりは動作を示すには、get (come) to know とします。

be aware of を動作化するには get aware of 〜に気づく、とすれば良い訳です。


*哲学の問題は、problem 困りごと、ではなく、考えるべき対象テーマ、主題ですので、subject としました。これは thesis 或いは theme テーマと置き換えても良いと思います。主題についてあれこれ考えることから、discuss を用いています。

 ちなみに、困りごとを解決するのは solve a problem、疑問に答えるのなら answer the question ですね。


*痛みを伴って得た、ですから、それとの対比を強めるべく justobtain ではなく easily obtain 簡単に得られる、としてみました。


*とりもなおさず =正に just


cf. deal with a subject

 主題を扱う、論じる


cf. prevent sb from sth

 起こらないように防ぐ、妨害する、遠ざける 入試に頻出の表現です。


*which 以下は、<which を目的語とする文章>+<which を主語とする文章>となり、対照性が崩れて良い文章ではありませんが、意味は通ります。


cf. make a mistake 間違える、間違いを犯す


cf. philosophy 哲学、phil (愛する)+sophy (智慧),  philosopher 哲学者

  thinker 思想家、物事を考える人

  philharmony ハーモニーを愛する、詰まりオケ


 反対語は phobia フォビア (〜嫌い、〜恐怖症)、言葉の末尾に添えます、a school fobia 学校恐怖症


cf. second 別の、もう一つの、他の

  名詞 benefit が不可算名詞なので another が利用出来ません。




【塾長の解答2】


Studying what thesis philosophers of the past dealt with and how they  discussed them  just  gives us the second  benefit of obtaining the lesson  which people of those days  gained with  pain and which helps prevent us from making the same mistakes as they did.


「過去の哲学者がどの様なテーマを扱い、それをどのように考えたかを知る事は、当時の人たちが痛みを伴って得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を得るとの別の利点を正に我々に与える。」




*読み方としては、英文の順序通りに、「過去の哲学者がどの様なテーマを扱い、それをどのように考えたかを知る事は、教訓となる別の利点を我々に正に与える。その教訓とは、当時の人たちが痛みを伴って得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓だ。」と理解します。


*getting to know とは studying 勉強することで得られる事ですから、studying でも問題ありません。


cf. obtain の意味上の主語は we です。

  obtain = get = gain = acquire 獲得する、手に入れる


*benefit = obtaining... 間の of は前後が等しいこと、同格を示します。of は、まぁ、等号=です。


cf. with pain (精神的)痛みを伴って,   with difficulty 困難を伴って


*1つの文章にすると、主語自体が長い上に、which 以下の説明記述も長くなり、読み進めるのに息切れがしそうになります。従属節+主節の複文構成或いは細切れの文章の直列にした方が読み易い英文になりそうです。まぁ、文章は長いだけで悪文扱いされる傾向にあります。


次に<〜を知る事>部分を手段の従属節にして英文を作成してみます。




【塾長の解答3】


Through studying the theme philosophers discussed in the past, we also  can just feel  the pain with which people of those days learned a lesson  and thus avoid making the  same mistakes as day did.


「哲学者が考察した過去のテーマを調べることを通じ、また我々は当時の人々が1つの教訓を学んだ際の正にその痛みを感じることが出来るし、斯くして彼らが犯したのと同じ過ちを避けることが出来る。」




*also の語で<哲学の理解そのものが深まる事に加えて他に>、<側面もある>の意味を持たせます。これは can 以下の2つの内容をカバーしますので can  の前に置きます。


cf. avoid doing  〜することを避ける


*真偽を問うべき命題とその考察のセットが有って初めて哲学と呼べますので、単に philosophical  propositions 哲学的命題、としても間違いではない筈です。




【塾長の解答4】


By studying the past propositions philosophers dealt with, we also can deeply  understand  how  people of those days learned  a lesson and thus  avoid making the same  mistakes as  they did.


「哲学者が扱った過去の命題を調べることを通じ、また我々は当時の人々が如何にして教訓を学んだかを深く理解し、斯くして彼らが犯した同じ過ちを避けることが出来る。」


*設問の和文が意味内容の曖昧性を含むものでしたので、英文も突っ込まれては却ってやぶ蛇とばかりに、そつなくクールに、粛々と書いてしまうのも手です。語数もだいぶ減ってスッキリしました。但し、これもやり過ぎると文の生彩が無くなり能面のようになってしまいますが。




皆さんなりの英文を作成してみて下さい。1つの問題をじっくり研究し

繰り返し何度も演習を積めばコツが掴めて来る筈です。

英文読解と英作文は表裏一体で、語彙、構文など含め

英語の実力、総合力が如実に問われる分野だと

改めて認識出来るのではないでしょうか?