To be or not to be
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/f_00076.html
河合教授以前に「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題か」の訳は無かったと強調していますがそれは果たして大げさに語るべきものなのでしょうか?
カトリックとプロテスタントとの鋭い対立がこの様な精神的緊張を生む背景となっているとの考えですが、日本でも太平記などを目通しすると凄まじいまでの生き死にの場面の記述に圧倒されます(因みに塾長の母方の先祖に関する記述もありました)。英国に於いてもその様な戦乱に明け暮れた時代趨勢も確かにあったでしょう。塾長としては生物学徒として、主人公のハムレットを精神病理学的に捉える論考を矢張り支持します。
Bob Dylan - Hurricane (Lyrics Video) Full Original Version
2019/07/27 Marshall's Studio
https://youtu.be/b_SUNDJT9DY
LP Desire 収録。当時の米軍極東放送にて毎週土曜の午後から
放送されていたAll American Top 40 ではこの曲の一部が望まし
くないとしてピーと言う音で消されていました。確かに下品な表現
は含まれていますが、ディランの、英語に強弱を置く発音から大
変聞き取り易く感じます。塾長はこのLPを50回は聞いています
が、この Hurricane に登場する英語表現−極めて普通の英語
表現−が楽に理解出来るレベルであれば入試の英作文も軽く突
破出来るでしょう。当英語コラムを通じそれが可能になる筈です。
【塾長の解答1】
In the worlds of fine art, music and performing arts, pure desire to explore the area where no one has ever reached helps maintain their culture. Actually, a group of people called scientists as well enjoy pursueing the limit of the world of knowledge. Not only the scientific results obtained but also the process of persueing this limit itself constitute the culture of science, where whether to be useful or not can be out of the question.
*from A to B で、AをスタートとしてBに至る場所、時間の範囲等を表す副詞句(動詞を修飾する句)として機能し得ます。
例えば、The train runs from Tokyo to Osaka. その列車は東京から大阪まで走る。
しかし上記表現のケースでは、時間要素 A から B まで、from cradle tograve 揺りかごから墓場まで、或いは場所要素 from Tokyo to Kyoto を扱うのではなく、芸術、芸事などの対等な種目(本質的に序列は無く、どこが始まりでどこが終わりかもない)について述べる訳ですから、 日本語そのままを受けてfrom to で括るのもどうかと言うところです。芸術関係の分野を網羅したいとの意味と思いますが、単に科目を並べるだけで良い様に思います。勿論、純粋芸術から大衆芸能まで、との序列を強調したいのであれば、In the worlds of from fine art, music and to performing arts と表現出来ます。
*In the world of art including fine art, music and performing arts 美術、音楽、芸事を含めた芸術の世界では、としても良いでしょう。including を such as 〜と言った、に置き換えてもOKです。
support their culture とすると、他の culture ではなくそれらの culture を応援するとの意味にもなります。この場合の<支える>は、凹まないように維持させる、ですので、より明確に maintain としました。他に、raise their culture, develop their cultute 文化を育てる、発展させる、なども可能ですが maintain or sustain でよいでしょう。
cf. desire to do 〜したいとの欲求、希望、欲望 ここでは「要求」ではなく「欲求」ですね。
A is composed of B, C,and D A はB, C,及びD から成る (やや硬い表現)
cf. out of the question 問題外だ、問題の外にある、問題として扱われない、相手にされない
科学者自身が役に立つ立たないかは問題では無いと考えても、資金を出す世間側は何か現実世界に役に立つのかの視線で見ますので、can be として、その様な(=有用性を問題にされない)場合もあり得る、としました。或いは<科学者>を明確に主語に据えて
where scientists regard it to be unimportant whether to be useful ornot とする手もあります。
beyond question 疑いなく、確かに、は誤用になります。
be open to question 疑問へのドアが開かれている→誰でも質問して良い→未解決の問題だ
= the question is not yet solved
cf. whether A or B AかBか (ここでは名詞句扱い)
whether to do A (or not) Aすべきか否か
whether to do A or to do B AすべきかBすべきか
To be or not to be: that is the question.
生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ(ハムレットの台詞) that は前文内容を示します。
= whether to be or not to be: that is the question.
→ It is a question whether to be or not to be.
cf. where = in the culture of science
科学に限らず芸術やその他を含め、文化には有用性は問われない、との主張ですが、<科学を含め全ての文化に於いては、役に立つ立たないは問題では無い>と新たに文章を立ち上げるのも大仰と考え、科学の文化に於いて、と限定させました。主張したい意味は通るでしょう。where を in which としても良いでしょう。
"To be, or not to be, that is the question" 2018/04/12
Andrew Scott, as Hamlet, performs the opening lines of
Shakespeare's most famous soliloquy. (via BBC Arts)
https://youtu.be/7iDds31CdNA
ハムレット開幕冒頭の最も有名な独白シーンです。
【塾長の解答2】
In each scene of fine art, music, performing arts, and so on, pure desire to pursue novelty helps sustain its culture. In the academic world as well, scientists enjoy pursueing their intellectual horizons. Not only obtaining the scientific results but also pursuieng the limit itself forms the culture of science. Whether to be practical or not is unimportant in there.
*to enlarge the intellectual horizons 知の水平線を拡大する、と日本語で頻用されますが、<水平線>は拡大など不可能ですので<今見えている領域の限界線、境界線を更に先に押し進める>の意味から、知の<領域>を拡大する、の日本語表記を当てるのが適当でしょう。因みにもともと horizon は境界線の意味です。
cf. the process は不要と考え削除します。
*the limit = the intellectual horizons 知的限界
cf. practical 現実生活に役立つ、実用的だ
科学的成果の中には宇宙の進化が分かったとか、テナガザルがどのようにして<ぶら下がり移動>を開始したのか推測した(塾長の本業!)、などが含まれますが、これらは学問的には valuable だろうと思いますが、工業面での発明などと異なり、useful or practical とは世間は認めないでしょう。ここでは useful のままでもOKです。useful to our daly lives 我々の日々の暮らし、人生に役立つ、との意味です。
cf. utilitarianism 功利主義
the ethical doctrine that virtue is based on utility, and that conduct should be directed toward promoting the greatest happiness of the greatest number of persons.
役に立つことを美徳の基盤に置き、最大数の者が最大幸福を得られる様に指揮推進する倫理教義。
(from Random House Webster's Unabridges Dictionary)
it is beyond utilitarianism.功利主義を超越している、で正しいですが、この哲学用語は思いつかなくて当然です。
*beyond calculating profit and loss 損得の計算を超えて、だと商行為の方に絞られすぎるでしょう。
cf. not important = umimportant 重要では無い
真の意味で実利性が問題とされない科学分野は理学 Science ですが、話が前後しますが、ここではその様な pure science の世界の話だと解釈するしかありません。なんとなれば、工学や医学では自分の研究テーマが如何に現実の役に立ち得るのか、科学研究費補助金を獲得しまた自己のポストを守る為には、常にアピールしなければならないからです。詰まりは人間生活に役に立つ(成果を挙げる)ことが常に鋭く問われる世界です。
in there の in は省略可能ですが、その世界の中での、<中で>を強調すべく付け足しました。詰まり、<外部の世間は兎も角も、彼らの内々では>、の意味を表し、科学者自身の価値観の世界では、と言う事を強調します。in there を、for them 彼らにとっては、としても良いでしょう。in there の in にアクセントを入れて発音します。