英文長文読解 短期集中 個別指導 

ほとんど〜ない、ギリギリだ の表現

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/
























































































































































塾長のコラム 2022年3月5日 ほとんど〜ない、ギリギリだ の表現@






 ほとんど〜ない、ギリギリだ の表現@




2022年3月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまでに時間を表す表現の内、過去に関する表現を解説して来ましたが、次に未来表現について触れる前に、番外編として、殆ど〜ない、ギリギリだ、辛うじてOKだとの、言わばキワモノ的状況を表す表現について学習して行きましょう。意味用法を曖昧なままにして利用している方も実は少なくないのではと推測しますが、ここでガツンとその理解を確かなものとして下さい。それに纏わる表現の第1回目です。


英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hardly-ever-rarely-scarcely-seldom

https://dictionary.cambridge.org/topics/size-and-quantity/merely-and-barely/








Adverbs of Frequency in English | Grammar  Lesson  2018/01/04 

7ESL Learning English What Are Adverbs  of  Frequency?

Adverbs of frequency tell us how often something takes  place  or  happens.

https://youtu.be/VAWo65QwP2c


頻度を表す副詞frequency adverb の相互関係が明快に示されます。本コラムで

扱う副詞は一番下のnever の少し上に位置するものとなります。




Adverbs of Frequency in English - Meaning, Word Order  and  Examples

2017/06/29 Woodward English Adverbs of Indefinite  Frequency  in  English 

We look at the following adverbs of frequency: Always,  usually,  normally,

generally,  https://youtu.be/vAHD0rqlj8I


前半は上の動画と重複しますが、後半からはこれらの副詞の語について

説明が為されます。この動画の講師はニュージーランド人ですが、英国でしばしば

発音される様に、often をオーフンではなくオフトゥンと発音しています。






否定の意味を持つ頻度を表す副詞 

hardly ever,  rarely,  scarcely,  seldom の文法的理解




*これらの語は物事が殆ど全く起きない、或いは余り頻繁には起きないことを言う時に利用される頻度を表す副詞  frequency  adverb  です。

*皆否定の意味を持っていますので通常 not と共に利用することはありません。

*rarely,  scarcely  と seldom は、会話よりは文章中で利用するのがより一般的です。


*殆ど〜ない、と言う事は、僅かには起こり得ることを意味します。詰まりはギリギリ肯定の意味が含まれています。それを否定的表現のサイドから強調する副詞と言えるでしょう。

*いずれも、滅多に〜無い、殆ど〜ない、と訳せばOKです。


He hardly ever smiles.

 彼は滅多に笑わない。


Providing fresh trout for dinner was  rarely  a  problem.

 晩餐に新鮮な鱒を提供する事が問題になることは稀です。

→ 晩餐に新鮮な鱒を提供しても滅多に問題になりません。


She scarcely saw her grandchildren.

 彼女は自分の孫達に滅多に会わなかった。


Griffin, the physics teacher, seldom  shouted.

 物理の教師であるグリフィンは叫んだことはほとんど無い。



*hardly と scarcely は‘almost not at all’ 殆ど全く無い、或いは‘only  just’ たったそれだけ、を意味します。

*hardly の方がより一般的に使われ、scarcely  はより  formal に利用されます。


Jen was so tired. She could scarcely keep  her  eyes  open.

 ジェンはとても疲れていた。目を開いていることが殆ど出来なかった。


I hardly know them. I’ve only met them  once.

 僕は連中の事は殆ど全く知らないよ。一度会っただけだし。


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*語順ですが、普通はこれらの副詞は主語と動詞の間、法助動詞並びに助動詞の後ろに、be  動詞の後ろに置かれます。

*より formal なスタイルではこれらの副詞を文頭に置き、主語と動詞を逆転させます。もし法助動詞、助動詞が無い場合は do/ does/did が用いられます。


*法助動詞 modal verb とは、

   can, could,  will, would,  shall, should,  may,  might,  must  の9個の助動詞を指します。

*助動詞には他に have, had, ought to などがありますね。


以下用例を示します:


neutral

She hardly ever went on holiday 

 彼女は休暇で出掛ける(旅行に行く)事は滅多にありませんでした。

*hardly ever = almost not ever =  almost  never


formal

Hardly ever did she go on holiday.



neutral

I had seldom seen so many people out  on  the  streets.

 道路に沢山の人々が出ているのは滅多に見た事は無かった。


formal

Seldom had I seen so many people out  on  the  streets.


neutral

Things are rarely as bad as you think  they’re  going  to  be.

 君がそうなるだろうと思うほどに事態が悪くなるのは稀だよ。


formal

Rarely are things as bad as you think  they’re  going  to  be.


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*より formal なスタイルでは、何かのすぐのちに何かが起きることを言う場合には、scarcely  /hardly … when の表現が使われます。

*この時も  scarcely  と  hardly  を文頭に持って来て、主語と動詞を逆転させます。


Scarcely [V]had [S]I got myself comfortable  and  closed  my  eyes  when  I  heard the sound of the alarm.

 自身を心地よくさせて目を閉じた途端にアラームの音を耳にした。


cf. I had got myself comfortable and closed  my  eyes  when  I  heard  the sound of the alarm.

 アラーム音を聞いた時には私は(既に)寛いで 目を閉じていた。(大過去+過去)

→I had hardly got myself comfortable and  closed  my  eyes  when  I  heard  the sound of the alarm.

 アラーム音を聞いた時には私は辛うじて自分を寛ろがせて目を閉じていた。

= 私が辛うじて自分を寛ろがせ目を閉じていた時にアラーム音を聞いた。

→ 私が寛いで目を閉じた途端にアラーム音を聞いた。


*hardly, scarcely にはギリギリの意味での肯定の意味が含まれることにご注意下さい。


*〜すると途端に、〜するや否や、の構文は no  sooner  than で同様に表現可能です。


Scarcely  had I got myself comfortable and closed  my  eyes  when I  heard the sound of the alarm.

=  No  soonerhad I got myself comfortable and  closed  my  eyes  thanI  heard the sound of the alarm.


*no sooner + than ですが、〜すると間髪を入れずに〜だ、と訳すとまだニュアンスが伝われるかもしれません。

*〜するより全然早く無かった、の源義ですが、実際には完全に同時に起きたのでは無く、辛うじて早かったの意味になります。詰まり、no sooner = hardly,  scarcely に相当します。

*字義からあれこれ考えても必ずしも明確な理解に繋がるとも言えず、慣用的にこの様な意味合いを持つのだと腹を括るのも一法です。

*塾長は高校生の時にこの no は強い意味では無く not 程度などと解釈されるのを見聞しましたが、その様な指導では混乱させられるばかりと感じました。


*過去完了+過去の組み合わせになる事にご注意下さい。



*これらの語順に関する構文は文法書や入試の参考書に屡々登場しますが、塾長が日常的に相手にする科学論文、評論文では過去30年一度も遭遇したことの無い表現です。文語的表現に留まるものであると理解して正しいでしょう。


*  Soon  after I got myself comfortable and  closed  my  eyes,  I  heard  the sound of the alarm.

*  Immediately  after I got myself comfortable  and  closed  my  eyes,  I  heard the sound of the alarm.

* I  only  just got  myself comfortable and closed  my  eyes  when I  heard the sound of the alarm.


 これらの構文だと口語的ですが、過去完了形を使わずに単純に<過去+過去>となることにご留意下さい。即ち時間の隔絶は無く、スンナリと続いている訳です。


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*次回から個々の表現についてじっくりと見ていきましょう。