英文長文読解 短期集中 個別指導 

分詞構文9 無人称独立分詞構文    

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年7月10日






分詞構文9



2025年7月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまでのシリーズの中にてところどころ断片的に分詞構文についての説明を行って来てはいましたが、意外や纏めて解説した事は無く、本構文シリーズの1つに加えるのも悪くない、いや欠かす方が寧ろおかしいぐらいですね。学校英語の場でも入試に際しても、必ず解釈を問われるのが分詞構文ですので、その意味合い並びに成立をがっちりと把握しておくことは勿論大きな強み、得点源となります。長文読解などに於いて、文構造が把握出来ない、何を言っているのか不明で困る、などのシーンでは、分詞構文が使用されているかどうかをまず見抜くことがキモになりますし、その様な<ヒネた>文章ゆえ、−誰でも分かる英文を和訳させても点差が付かなくなる−和訳しなさいなどと設問が為されることになります。特に難関大学の入試では、with で始まる付帯状況を表す分詞構文の意味をどうやって日本語に好適に変換するのか、などに習熟しておく必要があるでしょう。この辺りは、扱い方、和訳の遣り方の型がありますので、知っておいて損な事は全くありません。余談ですが、これまで扱って来た、条件法、否定、比較、倒置、省略、挿入、強調表現などに加え、分詞構文、更には関係詞も我が懐中の物としておく− native の規定する英語習熟度のランキングで言うと C1  advanced level  以上に相当します−と、語彙の面は別として、大学入試のみならず英語圏での文章にはほぼ対応が出来ることになります。逆に言えば、英文読解の極意ここにあり、なのですが、英語とは或る意味単純明快な言語であるとも言えましょう。

 いわゆる付帯状況や情報の追加説明を便利に表現出来る用法を除き、口語では利用されることは普通は見られませんが、基本的に non-fiction writing ではなく、fiction writing に利用される表現として、分詞構文は軽い記述の書き物、エッセイ、に始まり、重々しい文学作品に至るまでの幅広い範囲で頻用されます。non-fiction に於いては、例えば(少なくとも現行の)自然科学の学術雑誌では、編集部の方針で利用を禁じていることが殆どですし、分詞構文の或る特定の記述形式(文末に、カンマ+doing の形で文を延長する単純接続の分詞構文)のみOKを出す雑誌も存在します。何故かと言うと、本来的に明確な意味を持つ接続詞を用いて文を明確に記述すべきところ、論理結合子である肝心の接続詞、更には主語までを省略し、副詞句として主文に添える形が分詞構文だからです。詰まりは、文が簡潔になったのは良いが、意味合いに曖昧性を持ち込んでしまう大きな欠点を併せ持つのが分詞構文になります。別な見方をすれば、書き手側が本来的にどの接続詞を用いるべきかを意識することなく、<取り敢えず知的にも見えるしサラっとこの修辞法を用いて文を述べて繋いでしまおう>との意識の表れか、とも言えそうです。これでは、読者に対して揺るぎの無い明確性に立ち真実を伝えんとする学術論文の場では適当な表現法とは言えなくなるのは自明かと思います。言わば、口語では利用されず、文章中では formal  などとされて頻用されるものの、厳密な意味合いを伝達する場では利用出来ない、との半端な性質を持つ表現になります。まぁ、文学的な修辞に近い立ち位置ですね−表現に曖昧性を含ませることが(少なくとも嘗ての)英語の文学性の1つの特徴だったのかと勘ぐりたくもなります・・・。この様な分詞構文の抱えるマイナス点を明確に説明する国内外の動画などは塾長は殆ど見たことがなく、鹿爪顔で分詞構文の一通りの説明を事務仕事のように加えて済ますだけで、分詞構文利用の実態やその精神にまで深く踏み込んだ例は数少ないです。塾長は理系研究者としての経験と立場から、この様な点に対しても第三者的な切り込みを入れつつそろりと、いや濃厚に!、説明を加えて行きます。本シリーズの第9回目です。

British Council Learn English  Grammar C1  grammar  Participle  clauses

https://learnenglish.britishcouncil.org/grammar/c1-grammar/participle-clauses


『試験に出る英文法』 森一郎、青春出版社、1971年 第3章現在分詞・過去分詞 pp.48-53


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第2編文の構造上よりの解釈 第2章句を中心として

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。





NOMINATIVE  ABSOLUTE | IMPERSONAL ABSOLUTE | Participle as  Preposition

| Absolute  Phrase  English with Saumen Debnath  2023/01/14

https://youtu.be/F_q3f29F47k

16:32 から無人称独立分詞構文についての解説が始まります。いわゆる<正統的>な

英文法に乗っての解説は、最早 native 本国人は行わず、インド人、日本人などの英語を

第2言語(或いはそれ以下のランクにて)執り行う国の者達に拠る例が殆どです。youtube

英文法動画を検索していて最後はインド人のものに行き着く例は過去にも多々ありました。

解説を行う言語は日本語からは遠く離れていますが、内容が不思議と良く分かります!

この動画はヒンディではなくベンガル語にての解説です。同じインドとは言っても

Saumen  Debnath  さんは東端に居住している方なのでしょう。





無人称独立分詞構文  Impersonal absolute  participle  construction




*独立分詞構文に於いて、分詞表現側の主語が、世間一般人、或いは目の前に居る we, I, you を差す場合は省略します。

*結果的に、分詞側に本来あるべき主語が消失しますので、人称が無い=無人称  impersonal の独立分詞構文だ、と呼称します。

*<非人称独立分詞構文>と呼ぶ者も散見されますが、これは間違いです。


定型的な表現に限定されて利用されます

*詰まりは自由に作る事が出来ません。


例えば、

The baby was sleeping peacefully while I baked the cake.

私がケーキを焼いている時に、赤ん坊はすやすやと寝ていた。


これを無理遣り分詞構文化すると

The baby was sleeping peacefully I baking the cake. (注意: これは非文です)


次にこの文の I を省略すると

The baby was sleeping peacefully baking the cake.

と出来ますが、

 baking の主語が赤ん坊になってしまいます。


*無人称化出来るのは、誤解を生まない定型句に限定される事がご理解戴けるでしょう。


*定型的な表現に限定されつつあると言う事は、言語表現様式の自由度を失いつつあると言う事に他なりませんが、形骸化し半ば死語になりつつあることを意味します。


<ちょっと気軽に使える便利な>表現として、命脈を現時点まで保っている、とも言えます。

*この意味で、仕事に使う口語英語−営利の為の折衝英語、或いは実務的な定型業務英語−では cliche 感丸出しではあっても便利に利用出来る筈です。

*尤も、塾長としては、相手がこの類いの表現を使うと、<ちょっと逃げたしたくなる>類いの英語表現ですね。


*それとは別に、学術論文を始め、formal な文中でも便利に利用出来るものがありますが、これは論理接続詞的な色合いの濃い利用法です。


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以下にて一通り触れていますが、ここにザッと再掲します。

https://www.kensvetblog.net/column/202010/20201015/

https://www.kensvetblog.net/column/202012/20201205/


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会話、文中などで頻用される表現


generally speaking

Generally speaking..if a grand idea happens  to  strike  anyliving  architect,   it is not the effect of study.

 一般的に言って、もし大きなアイデアが現存の建築家(の心)にたまたま思い浮かんだとしても、それは勉学の効果ではない。

 (=勉強したからと言って優れた建築アイデアが浮かぶ訳では無い、持って生まれた才能だ)


Generally speaking, most Japanese people  possess  the  virtue of modesty.

 一般的に言って、日本人は謙譲の美徳を持っている。


broadly speaking = generally speaking

Broadly speaking, the women in that country  are  poorly  treated.

 大雑把に言うと、あの国の女性は冷遇されている。


properly speaking

It's not, properly speaking, champagne but it is  very  similar.

 正しく言うと、それはシャンパンではありませんが、大変よく似たものです。


strictly speaking

Strictly speaking, Great Britain consists of  Scotland,  Wales,  and  England,  and the United Kingdom consists of Great Britain and Northern  Ireland.

 厳密に言えば、大ブリテンはスコットランド、ウェールズ、及びイングランドから構成されており、連合王国は大ブリテンと北アイルランドから構成される。


When the more precise vocabulary is available, vagueness  can  be   reduced, but strictly speaking, it is not eliminated.

 より正しい語彙が得られれば曖昧さは減らせるが、厳密に言えば除外はされない。


Strictly speaking, because our study only  concerned  a  on-clinical   sample, our conclusions should only address non-pathological functioning.

 厳密に言うと、我々の研究は非臨床的な試料のみに関与しているゆえ、結論は非病理学的な機能についてのみ扱う(考察する)ことになる。


relatively speaking

 相対的に見ると

・said when you are judging one thing in  comparison  with  other things:

 他の事物と比較(して判断)すると


Relatively speaking, it's a fairly poor country.

 相対的に見て、それは可なりの貧困国です。

→他国と比較するとその国は相当の貧困国です。


plain speaking  

 あからさまに言えば

It's time for some plain speaking.

 ぶっちゃけ、何か喰わないか?


roughly speaking 

大雑把に言って、概略、あらかた


Roughly speaking, that is the state of the case.

 概略すれば事件の現況はこんなところです。


He weighs 120 kg, roughly speaking.

 大ざっぱに言えば 彼の目方は120 キロだ。

= He weighs roughly 120 kg.


Talking  (= Speaking)  of

 〜と言えば.

Talking of weather, how is it  in Scotland this time  of  year?

 天気と言えば, 一年の今ごろのイングランド (の気候) はどうですか?






Making  suggestions with Suppose, Supposing, and  What  if

Victoria Romanchuk  2021/05/06

https://youtu.be/mAOAsXk7bAY

suppose,  supposing は if に等しいですが、口語では、〜するとどうかしら、

の提案を示すシーンに頻用されます。





より formal なシーンでも利用出来る表現


以下の表現は、便利な論理接続詞として、やや硬いシーンでのスピーチ或いは論文などの formal な文中にて頻用されます。

*皆さんも英作などで自由に使える様にすると便利かと思います。

*分詞構文だ!などと意識せずにどしどし使って下さい!


considering

〜を考慮すると 〜を斟酌すると、〜の割には

*〜を考えながら、の通常の意味もあります


Considering he did not study,  he did well on the  test.

  彼は勉強しなかった割に、試験はよくできた。(一種の譲歩表現)



Taking everything into consideration, he bought  the  car.

 すべてのことを考慮して彼はその車を買った。


Taking all things into consideration,his conduct  can  be  excused.

 あらゆる事情を考慮すると、彼の行為は許される。



judging from

 〜から判断して, 〜から察すると.


Judging from what you said,  he must be a very  good  man.

 君の言ったことから察するに、彼は非常に善良な人に違いない


= If I judge from what you said, he must be a very  good  man.



given

given that

〜を仮定すれば,〜がある[許される]とすれば、〜を考慮に入れると

= if


Given good health (Given that one is in good  health),   one  can achieve    anything.

 人間健康でいられれば何でも成し遂げられる.



(even) granted [granting] (that)

仮に〜だとしても、仮に〜(の言い分)を認めるにしても

= even if , even though


Granted [Granting] that what you say is  true,  it's  no  excuse.

 仮に君の言うことが本当だとしても, それは言い訳にはならない.

= Even if what you say is  true, it's no excuse.


Granting it to be true [Granted that it is true,  Granting  that  it is true],  you   are  still  in the wrong.

 たとえそれが本当にしても、やはり君の方が間違っている.


Granting that he was drunk,―Granted that he was  drunk,―that  is no  excuse   for  his  behaviour.

 彼が酔っていたにしても、そう言ったところで彼の振る舞いの言い訳には全然ならない。



(even) admitting

Admitting that you aren't a native English speaker,  I'm  sorry   I  don't   catch   what you'd like to express  in  the abstract of your paper.

 君がネイティブスピーカーで無い事は認めるにしても、残念ながら君が論文の抄録で何を言おうとしているのか理解出来ない。

*adnitting の前に人称を於いて独立分詞構文として使う遣り方も幾らか観察されますが、 adnitting を動名詞として使い名詞句として利用するシーン(〜だと認めることは〜だ)が遙かに多いです。



even supposing (that)

= even if 仮に〜であるにしても、〜であると仮定するにしても

*even が無い場合は、if の意味ですが、even が略されている場合もあります。その場合は適宜 even を補って解釈します。

*後ろには現在時制、過去時制が取れます。単なる条件から仮定法まで利用が可能です。


supposing (that)

*分詞形にせずとも suppose (that) の形でも利用出来ます。

*if の代わりとして利用出来ます。

*口語では、もし〜するとどうかしら、の意味で、相手に物事を提案するシーンで使う例も多いですね。

*今思いついた事をそのまま述べる様な利用ですね。


*後ろには現在時制、過去時制が取れます。単なる条件から仮定法まで利用が可能です。

*全く同じ用法で What if...? の表現も利用出来ます。


Supposing this is not the right way to the  station,  what  shall  we do?

 これが駅に行く正しい道ではないとすると、俺たちはどうしたらいいのか?

= If this is not the right way to the station,  what  shall  we  do?


Supposing that it were true,  nothing would be  different.

 仮にそれが本当だとしても、何1つ変わらないだろう。(仮定法、譲歩表現)

= Even if  it were true,  nothing would be  different.

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Supposing I don't bring my car and You and I  travel  together,  that would save us half the cost of gas and parking

 仮に僕が車を持っていかず、君と僕が一緒に旅行するとしたら、ガソリン代と駐車場代を半分節約できることになるけど。

  (話し手は、車を使いたくないと提案しています。)

*that は前文の意味内容 that I don't bring my car  and  You  and I travel together を示します。


Supposing they had closed the road, would that  have  been  a good idea?

 仮に彼らが道路を閉鎖したとしたら、それは良い考えだったと思う?

  (口語表現ですが、単なる条件の提示です。)



assuming (that)

= if  もし〜なら、〜だとすると

*assume は think, believe の意味に近いです。


*我々日本人にはなじみが薄く、使い辛い動詞 assume ですが、仮定と言うと接続詞 if  などを使って毎度モノを述べるだけではなく、〜と仮定する、〜ではないかと思う、の動詞 assume を使う様にもして下さい。


If mistakes occurred, they were assumed to  be  the  fault  of the commander on the spot.

= If mistakes occurred, they were thought to  be  the  fault  of the commander on the spot.

 ミスが起きたとしても、それはその場にいる指揮官の責任だとされた。

cf. assume responsibility の用法で、責任を担う、引き受ける、の意味を持ちます。



provided that

if, or only if: 〜の条件に限り (硬い表現であり、法律の文言などに良く利用されます)

cf. provide = give の<高級表現>


ILO conventions allow school children to work  during  their  holidays and  free   time provided that strict  safety measures are taken.

 国際労働機関の定期総会は、厳格な安全手段が執られる限りに於いて、学童が休日中若しくは自由時間中に労働することを認めている。


cf. measures 複数形で<手段、手立て>の意味で頻用されます。