英文長文読解 短期集中 個別指導 

分詞構文11  分詞節 Participle clauses    

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年7月20日






分詞構文11



2025年7月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまでのシリーズの中にてところどころ断片的に分詞構文についての説明を行って来てはいましたが、意外や纏めて解説した事は無く、本構文シリーズの1つに加えるのも悪くない、いや欠かす方が寧ろおかしいぐらいですね。学校英語の場でも入試に際しても、必ず解釈を問われるのが分詞構文ですので、その意味合い並びに成立をがっちりと把握しておくことは勿論大きな強み、得点源となります。長文読解などに於いて、文構造が把握出来ない、何を言っているのか不明で困る、などのシーンでは、分詞構文が使用されているかどうかをまず見抜くことがキモになりますし、その様な<ヒネた>文章ゆえ、−誰でも分かる英文を和訳させても点差が付かなくなる−和訳しなさいなどと設問が為されることになります。特に難関大学の入試では、with で始まる付帯状況を表す分詞構文の意味をどうやって日本語に好適に変換するのか、などに習熟しておく必要があるでしょう。この辺りは、扱い方、和訳の遣り方の型がありますので、知っておいて損な事は全くありません。余談ですが、これまで扱って来た、条件法、否定、比較、倒置、省略、挿入、強調表現などに加え、分詞構文、更には関係詞も我が懐中の物としておく− native の規定する英語習熟度のランキングで言うと C1  advanced level  以上に相当します−と、語彙の面は別として、大学入試のみならず英語圏での文章にはほぼ対応が出来ることになります。逆に言えば、英文読解の極意ここにあり、なのですが、英語とは或る意味単純明快な言語であるとも言えましょう。

 いわゆる付帯状況や情報の追加説明を便利に表現出来る用法を除き、口語では利用されることは普通は見られませんが、基本的に non-fiction writing ではなく、fiction writing に利用される表現として、分詞構文は軽い記述の書き物、エッセイ、に始まり、重々しい文学作品に至るまでの幅広い範囲で頻用されます。non-fiction に於いては、例えば(少なくとも現行の)自然科学の学術雑誌では、編集部の方針で利用を禁じていることが殆どですし、分詞構文の或る特定の記述形式(文末に、カンマ+doing の形で文を延長する単純接続の分詞構文)のみOKを出す雑誌も存在します。何故かと言うと、本来的に明確な意味を持つ接続詞を用いて文を明確に記述すべきところ、論理結合子である肝心の接続詞、更には主語までを省略し、副詞句として主文に添える形が分詞構文だからです。詰まりは、文が簡潔になったのは良いが、意味合いに曖昧性を持ち込んでしまう大きな欠点を併せ持つのが分詞構文になります。別な見方をすれば、書き手側が本来的にどの接続詞を用いるべきかを意識することなく、<取り敢えず知的にも見えるしサラっとこの修辞法を用いて文を述べて繋いでしまおう>との意識の表れか、とも言えそうです。これでは、読者に対して揺るぎの無い明確性に立ち真実を伝えんとする学術論文の場では適当な表現法とは言えなくなるのは自明かと思います。言わば、口語では利用されず、文章中では formal  などとされて頻用されるものの、厳密な意味合いを伝達する場では利用出来ない、との半端な性質を持つ表現になります。まぁ、文学的な修辞に近い立ち位置ですね−表現に曖昧性を含ませることが(少なくとも嘗ての)英語の文学性の1つの特徴だったのかと勘ぐりたくもなります・・・。この様な分詞構文の抱えるマイナス点を明確に説明する国内外の動画などは塾長は殆ど見たことがなく、鹿爪顔で分詞構文の一通りの説明を事務仕事のように加えて済ますだけで、分詞構文利用の実態やその精神にまで深く踏み込んだ例は数少ないです。塾長は理系研究者としての経験と立場から、この様な点に対しても第三者的な切り込みを入れつつそろりと、いや濃厚に!、説明を加えて行きます。本シリーズの第11回目、最終回です。

British Council Learn English  Grammar C1  grammar  Participle  clauses

https://learnenglish.britishcouncil.org/grammar/c1-grammar/participle-clauses

 この British Council のサイトは分詞節の意味用法を従来の<分詞構文>の意味用法を包含させつつ分類しています。


https://en.wikipedia.org/wiki/British_Council


『試験に出る英文法』 森一郎、青春出版社、1971年 第3章 現在分詞・過去分詞 pp.48-53


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第2編文の構造上よりの解釈 第2章句を中心として

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






Participle  Clauses  in English Grammar Oxford  English Now 2021/02/27

https://youtu.be/8G2kKRqsMuQ

分詞構文のみならず分詞を利用する広い用法全体を Participlr clause 分詞節の名で

呼称し解説を加えています。いわゆる分詞構文の分類のワクを越えて分詞の利用法を

再考する点で有益な刺激を与えて呉れる動画かと思います。





分詞節  Participle  clauses とは




*最近では、従来の分詞の用法の1つとしての<分詞構文>の独立した括りを止め、分詞利用の他の用法をも含めて分詞節 Participle clauses なる包括的な概念で解説する動画や web ページを目にする事も増えて来ています。


*塾長がこれまで述べて来た分詞構文やその周辺に関する文法的解説は、<古典的且つ正統的な>解説に外れないものと思います−何せ50年以上前の定評ある複数の学参に依拠しています−が、そこに相当程度の合理性は認められるとしても−一面に於いて雁字搦め、自縄自縛の英文法ですね−別の新たな視点からの分詞に関する体系を見つめ直すのも全く悪いことではありません。


*実際のところ、例えば1つには疑似分詞構文を眺めて行くと、分詞構文には見えない一般的な分詞利用の表現方法と区別が無くなる場合が見受けられ、だったら分詞構文なる狭い名称ではなく、より広い、別の名で呼び、総合的な視点に立ち解説を行うことには確かに合理性を認めます。


*その様な按配で、ここでは分詞節 Participle clauses の考え方について軽く触れておきましょう。

*耳に入れて置いて損なことは全くありません。


*まず最初に注意しておきますが、節  clause  とは主語と述語部を備えたいわゆる<まともな体裁の文>を指しますが、sentense 文とほぼ意味は同じです。

*participle sentenses と言い換えても良いものですが、文法用語風に呼びたいとの気持の現れですね。

*participle construction にすると、文の構造に注目する呼び方になりますが、こちらも意味するところはほぼ同じです。




*分詞節の考え方では、分詞構文の意味用法の捉え方が<古典的>分類とはやや異なります。

*塾長は全てに賛成は出来ず、また分詞利用表現の意味用法の全てを網羅するものとはとても思えませんが、一定の合理性を認めます。


British Council からの解説


https://learnenglish.britishcouncil.org/grammar/c1-grammar/participle-clau 

*このサイトは以下の様に分詞構文の意味用法を分類しています。一部付け加えた他はほぼそのまま利用させて戴きます。


*因みに、British Council とは 「ブリティッシュ・カウンシル(英: British  Council)は、1934年に設立されたイギリスの非営利団体で、イギリス政府により設立された公的な国際文化交流機関であり、各国における英語の普及やイギリスと諸外国の間の教育・文化交流を目的としている。」 とWikipedia に掲載されています。

*詰まりは、ここでの英語指導内容は英国政府のお墨付き−内容レベルと別として−と言う話になりますね。

*但し、英語の話し手を増やす為の施策であって、語学としての英語理解とはやや離れる様に見えます。


*2025年3月17日附けの新聞報道によりますと、

「東京都立高入試の一環で行われている英語スピーキングテストの運営事業者で英国の公的機関「ブリティッシュ・カウンシル」(BC)が財政危機に陥っていることが17日、関係者への取材で分かった。BCはすでに財政危機に関する説明を都に行い、スピーキングテスト継続も約束。ただ、BCでは事業縮小の可能性が論じられている上、実施可能な発注先は限られているとみられ、スピーキングテストの継続性が疑問視されかねない状況だ。」

https://news.yahoo.co.jp/articles/f9c8837a1383fce29c7badd08f09b614ada3b3db

 とされています。

*コロナ禍の影響による資金繰りの悪化から1億9700万ポンド(約380億円)の負債を抱えていると報道もされているのですが、英語指導事業の需要が低迷し、それが尾を引いたとのことでしょう。


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1. Present participle clauses 現在分詞節


Here are some common ways we use  present  participle  clauses.  Note that present participles have a similar meaning to active verbs.

 以下に現在分詞節の一般的な使い方の幾つかを紹介します。現在分詞は動作動詞と似たような意味を持っていることに注意してください。


・To give the result of an action 動作の結果を表す <結果>

The bomb exploded, destroying the building.

  爆弾が爆発し、建物を破壊した。


*これは、

 The bomb exploded, and it (= the bomb) destroyed the  building  <動作の連続>

 The bomb exploded, which destroyed the  building <which は前文内容を先行詞に取る 結果用法>

 の2通りに解釈可能です。まぁ、ここにも曖昧性が出て来ます。


・To give the reason for an action 動作の理由を述べる  <理由>

Knowing she loved reading, Richard bought her  a  book.

 彼女が読書好きだと知っていたので、リチャードは彼女に本を買ってあげた。

→ As Richard knew she loved reading, he bought  her  a  book.


・To talk about an action that happened at  the  same  time  as another action  他の動作と同時に起こった動作について話す。 <同時>

Standing in the queue, I realised I didn't have  any  money.

 列に並んでいて、私はお金を持っていないことに気づいた。

→While I stood in thw queue, I realised I  didn't  have  any  money.


・To add information about the subject of the  main  clause     主節の主語に関する情報を追加する。 <情報追加>

Starting in the new year, the new policy bans  cars  in  the  city center.

 新年から、新しい方針で市街地での車の乗り入れが禁止される。

→As it starts in the new year, the new policy  bans  cars  in  the city center.

*ここの as は真実を述べる用法です。「新年から開始されることなのだが」


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2. Past participle clauses 過去分詞節


Here are some common ways that we use  past  participle  clauses. Note that past participles normally have a passive meaning.

 過去分詞節の一般的な使い方の幾つかを紹介します。過去分詞は通常、受動態の意味を持つことに注意してください。


・With a similar meaning to an if condition  if  条件に似た意味を持つ <条件>

Used in this way, participles can make your  writing  more  concise.

 このように分詞を使えば、文章をより簡潔にすることができます。

→ If you use participles in this way, it can  make  your  writing more concise.


・To give the reason for an action 動作の理由を述べる <理由>


Worried by the news, she called the  hospital.

 そのニュースに心配になり、彼女は病院に電話した。

→As she was worried by the news, she  called  the  hospital.


・To add information about the subject of the  main  clause 主節の主語に関する情報を加える。 <情報追加>

Filled with pride, he walked towards the stage.

 プライドを胸に満たし、彼はステージに向かって歩いた。

→He was filled with pride and walked towards  the  stage.

→He alked towards the stage and he was  filled  with  pride.

→He walked to the stage with pride.

*状態を述べる付帯状況の言い換えは、そのままで完成形とも言えるので意外や難しく、適宜工夫を凝らす必要があります。


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3. Perfect participle clauses 完了分詞節


Perfect participle clauses show that the  action  they  describe  was finished before the action in the main clause. Perfect participles can bestructured to make an active or passive meaning.

 完了分詞節は、主節の動作の前に記述した動作が終了したことを示します。完了分詞は能動的な意味にも受動的な意味にも構成可能です。


以下全て<前時>

Having got dressed, he slowly went  downstairs.

 服を着終え、彼はゆっくりと階下へ降りて行った。


Having finished their training, they will be  fully  qualified  doctors.

 研修を終えたので、彼らは完全に資格を持った医者になるだろう。


Having been made redundant, she started  looking  for  a  new job.

 余剰人員になったので、彼女は新しい仕事を探し始めた。


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塾長註

*元の文が、現在完了(これは時制上は現在形)+現在形の場合も、仕立てた分詞l利用表現側は完了分詞になります。

*これを元に戻す場合、過去+現在、なのか、現在完了+現在なのか区別が出来ません。

*文脈でいずれかを判断することになります。


Having been ill since last night, he cannot go  to  school.

→ As he has been ill since last night, he  cannot  go  to  school. (since の語があるので、現在完了の継続用法だと判断出来ました)

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 Despite  &  In  spite  of - Basic English  Grammar

JForrest  English   2020/01/30 https://youtu.be/rdQlR5UX-3A

3:08 から despite, in  spite  of + gerund (動名詞)の用法に付いて

ザッと触れられます。前置詞(句)の後ろに来る語ゆえ名詞扱いとなり

現在分詞では有りません。従ってこれらの表現を分詞節などと

呼称するのは通用しないでしょうね。



How  to use 'after having' + past  participle

2025年2月12日

https://www.youtube.com/shorts/PM_BG3Lcmo0

'after + having + past participle' で、主文の前に1つの動作が完全に終わっている

ことを意味出来ます。after + verb+ing でも同様の意味になりますが、完了形を使うと

<完了>を強調でき、より formal です。


これらに利用される after を前置詞と見做せば後ろは動名詞となり、従属接続詞

と見做せば分詞構文扱いになります。文法はさておき、意味に差はありません。





4. Participle clauses after conjunctions and prepositions 

     接続詞や前置詞の後の分詞節


It is also common for participle clauses,  especially  with  -ing,  to follow conjunctions and prepositions such as before, after, instead of, on,since, when, while and in spite of.

 分詞節、特に-ingを伴う分詞節は、before, after,  instead   of,   on, since, when, while, in spite of などの接続詞や前置詞の後に続くのも一般的です。


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塾長註

*doing の前に位置する文言を前置詞(句)とみなせば、doing は動名詞ですが、接続詞と考えれば doing は現在分詞に相当し、分詞構文を構成すると考えられます。

*しかし、一般的な文法に於いて、例えば in spite of,  despite は前置詞(句)とされ、次に来る doing は gerund 即ち動名詞そのものとして理解されます。

*従って、このBritish Council の<分詞節>扱いは、世間一般の英文法理解とはズレて居ます。


*native 一般には、動名詞も分詞も無く、似た様な構造にて同じ意味の文章を作る事が出来る、と扱う姿勢を、British Council 側が示しているとのことでしょう。

*英語を全く知らない初学者にはこの様な指導法で足りますし、実際、問題なく日常英語も話せるようになる筈です。

*ここに指導上の合理性が存在します。

*<文法アタマでっかち、英語話せない日本人>には向いた指導法にも見えます。


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Before cooking, you should wash your hands.

 料理をする前に、手を洗うべきです。

= Before you cook, you should wash your  hands.

*最初の文の before を分詞構文の接続詞では無く、単なる前置詞だと見倣す者が大半でしょう。


While packing her things, she thought about  the  last  two  years.

  荷物をまとめながら、彼女はこの2年間のことを考えた。

→While she packed her things, she thought  about  the  last two years.

= While she was packing her things, she  thought  about  the  last two years.(進行形+状態動詞の組み合わせです)



*以下の例文を British Council は<分詞節>、即ち doing を現在分詞として扱いますが、一般的な文法解説では、instead of, on, in spite of などは前置詞(句)とされており、次に来る doing は gerund 動名詞とされます。


Instead of complaining about it, they should try  doing  something  positive.

 文句を言う代わりに、何か前向きなことをしてみるべきだ。

→ They should stop complaining and try doing  something  positive.

*try to do 〜しようと努力する(実際に行うかは不明)、try  doing 実際に手を染めて行ってみる


On arriving at the hotel, he went to get  changed.

 ホテルに着くと、彼は着替えに行った。

= When he arrived at the hotel, he went to  get  changed.


In spite of having read the instructions twice, I  still  couldn't  understand how to use it.

 説明書を2度読んだにもかかわらず、使い方が理解できなかった。

= Although I (had) read the instructions  twice,  I  still  couldn't  understand how to use it.

*この having は動名詞ですが、in spite of を接続詞とみなせば現在分詞であり分詞構文相当になります。









 今回で分詞構文の解説を終わります。錯綜するところも多々あったと思いますが、大まかな意味用法を理解して戴ければと思います。接続詞などを省略している関係から意味の曖昧性を全ては排除出来るものではありません。その視点の上に、あとは文脈からの意味の把握を進める形になりますね。


 一連の<特殊>構文の解説はこれで終わりになりますが、何度も見返し曖昧なところは排除するべく理解を深めて戴ければと思います。皆様の大きな力となる筈です。さて、次のテーマですが、<更に輪を掛けた特殊>構文を扱います。ここまで来ると、毒を喰らわば皿まで、の心境!?ですね・・・。