英文長文読解 短期集中 個別指導 

関係詞2 関係代名詞  which  

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年10月5日






関係詞2



2025年10月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 少し前に分詞構文について解説しましたが、そこでは分詞構文が従属接続詞、等位接続詞、或いは非接続用法の関係詞(=関係代名詞、関係形容詞、関係副詞など)を利用しての書き換えが適宜可能である事を述べました。いずれも1つの文(主文)に対して、別の情報を加える、併記する用法ですが、考えて見ると少なくとも英語とは、ダラダラと何かの文言を付け加えるのが好きな一面のある言語であることが分かります。しかし、人間の脳の認知機能からは一つの発想に対してあれこれ付け加えるには理解の限度が有り、当然乍ら際限なく文言を加えて行くことは出来ません。<節度>が求められると言うことになります。分詞構文についても然りなのですが、複数の文章を<短縮して繋ぎ合わせる>と言葉の経済に資する上に、<何だか端整で知的な雰囲気も纏えて>カッコいい、の発想自体は特に悪いものではありませんが、1つの文にては単純な1つの事実のみを述べるのが矢張り本来のあるべき姿なのだろうと塾長は考えます。複数情報を繋ぎ合わせる際に、主文に対して、どの文言が付け加えの部分であるのかを示す標識、即ちマーカーの類いを接続詞と言うのですが、関係詞はその1つになります。

 まぁ、文章同士をくっつけて<関係させる>際に利用される語のことを関係詞と呼称するのですが、広い意味での接続詞の仲間の1つになります。従属接続詞、等位接続詞を利用して付け加える文構造、即ち従属接続節、等位接続節(独立節とも言う)は、飽くまで主文全体に付加情報を与えるものであるのに対し、主文の中の特定の名詞や主文が主張する想念(これは1つのモノ扱いになります)をキメ打ちして追加情報を<貼り付ける>、強い或いは比較的強い接着剤の働きをするのが関係詞です。この意味で形容詞として機能するもの故、関係詞が構成する節、即ち関詞詞節 relative clauses は形容詞節と呼称出来ます。

 モノの形容に関してですが、日本語ではモノの形容語句は名詞の前に置く一方、英語では極く短い文言は別として、長い構造は後置修飾させます。これ故、日本語で解釈するには返り点読みを余儀なくされ、特に初学者は頭を抱えるに至りますし、実際そのまま愚直に!訳したところで意味が取れないなどと却って苦情を言われてしまい兼ねません。この返り点読みを止めさせ、英文を語順のままに理解させるべく、巷ではスラッシュリーディング法が良い、同時通訳的者を倣え(これは当塾長の考え)などと主張されますが、要は、そのまま意味を頭に input しつつ英文を読み下すのが合理的だ、との指導法になりますね。

 この様な英文解釈、リーディング上の技法面にも触れつつ、関係詞−関係代名詞、関係形容詞、関係副詞などが有ります−を文法面と意味用法面から含めてザッと一通り見て行きましょう。関係詞の構文上の理解は容易ゆえ、個々の用法や注意点を列挙する形がメインとなりますが、これまでの知識の整理がてら読み進めてみて下さい。損はしない筈です。その第2回目となります。


英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/which

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/which


https://en.wikipedia.org/wiki/English_relative_clauses

https://en.wikipedia.org/wiki/Conjunction_(grammar)#Subordinating_conjunctions

https://ja.wikipedia.org/wiki/関係詞

https://en.wikipedia.org/wiki/Relativizer

*これらに引用されている文献を参照すると更に詳細な学説が得られます。


https://www.thoughtco.com/zero-relative-pronoun-1692623

https://www.thoughtco.com/zero-or-bare-infinitive-1692621


『試験に出る英文法』 森一郎、青春出版社、1971年 第4章 関係代名詞・関係副詞 pp.58-78


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第2編文の構造上よりの解釈  第3章2 形容詞節 pp.132-168

『チャート式 英文法』 荒木良治、数研出版、昭和62年、第3章 5関係代名詞pp.103-11 第5章 3関係副詞 pp.164-168

 これらの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。


『文法化する英語』 保坂道雄 開拓社 2024年第3刷 第6章 関係代名詞の文法化






ネイティブはどんな時に関係代名詞を使うのか?

サイモンのイキれる英語教室 2023/05/12

https://youtu.be/4_Da1W_xfdk

2:00 から native がどんな時に関係詞を用いるのかについて説明が為されます。

話し始めたはいいが更に情報を付け加えたい場合に重宝すると説明されます。





各論 (続き)




which


*which は先行詞が 「物」や「動物」 の場合に用いられます。

*所有格を表わすには of which または whose を用います。

*現代の英語では、by which の様に前置詞を伴う場合を除き、制限用法では that がより好まれる傾向があります。

*勿論、非制限用法では that は使えません。

*関係代名詞の制限用法、非制限用法については後のコラム(第4, 5, 6, 7回目)にて詳述します。

*今回はそれらの例文をザッと多目に掲載致しますが、更に詳細に関しては後のコラムにて扱います。



制限用法の関係代名詞としての  which


*コンマが打たれていないが故の制限用法と言っても、先行詞に対する記述説明的な情報を付加する場合には、コンマを打ち忘れた非制限用法と理解して読み下すのが正しい場合は実際多いです。

*この様なケースでは、非制限用法として訳しても意味合いに於いて違いが生じません。

*即ち、コンマがあるものとして意味を解釈した場合とコンマが無い場合との間で意味合いに大差がなければ、事実上の非制限用法と考えるべきでしょう。


*これに関しては、https://www.kensvetblog.net/column/202510/20251025 関係詞6 真の意味での制限用法では無い記述、にて詳述しています。



1. 主語になる場合


The task which confronted him had to be faced  alone.

 彼が直面 している仕事は、ひとりで立ち向かわねばならない仕事だった。


*受動態は避けて He had to face alone the task that  confronted  him. と記述するのが通常の英文です。


On our way to the Tower of London, we passed a tall  pillar  which  stands where the Great Fire of London broke out in 1666.

 ロンドン塔へ行く途中、我々は 1666年のロンドン大火が起こった地点に立っている高い記念柱の傍を通り過ぎました。

*which 以下は先行詞を追加説明するものですので、<, which> と見做し、分割して和訳しても同値です。

= ロンドン塔へ行く途中、我々は一本の高い記念柱の傍を通り過ぎましたが、それは1666年のロンドン大火が起きた場所に立っていました。


The band played a familiar tune which had everyone  clapping  along.

 バンドが馴染み深い曲を演奏すると、皆が手拍子を打ち始めました。

*the tune have everyone clapping along  これはSVOC の使役表現です。

*まず曲が演奏され、時間差を置いて手拍子が始まったのですから、ここも <, which >とするのが正しいでしょう。


It's a disease which affects mainly older people.

 それは主に高齢者に発症する病気です。


He denied all responsibility for the rumours which  have  been  circulating.

 彼は流布している数々の噂に関して一切の責任を否定しました。


These plants need a rich soil which retains moisture.

 これらの植物は水分を保持する肥沃な土壌を必要とします。


Soldiers opened fire on a car which failed to stop at  an  army  checkpoint.

 兵士たちは軍の検問所で停止しなかった車に発砲しました。


He was rushed to the hospital and put in a little  room  which had dust all over the bed.

 彼は病院に緊急搬送され、ベッド一面に埃が積もっている小さな部屋に収容されました。

= He was rushed to the hospital and put in a little  room,  which had dust all over the bed.

彼は病院に緊急搬送され、小さな部屋に収容されましたが、そこはベッド一面に埃が積もっていました。



2. 目的語になる場合


動詞の目的語

This gave him an imagination which other contemporary  writers  lacked.

 これは同時代の他の作家に欠けていた想像力を彼に与えました。


The ties (which) Tom wears is awfuL

 トムが締めているネクタイは実にひどいです。


These are principles which we all believe in.

 これらは私たち全員が信じている原則です。


You know that little Italian restaurant - the one which  I  mentioned  in my letter?

 私の手紙で触れたあの小さなイタリアンレストラン、知っていますか?



前置詞の目的語

Is that the film in which he kills his mother?

 それは彼が母親を殺すあの映画ですか?


The death of his son was an experience from which he  never  fully recovered.

 息子の死は、彼が完全に立ち直ることのなかった経験でした。


It isn't a subject to which I devote a great deal of  thought.

 私が深く考えるような主題ではありません。


The cliffs on which the houses are built are starting  to  crumble.

 家々が建つ崖が崩れ始めています。


The club to which he belonged had just become too  expensive.

 彼が所属していたクラブは、ただ単に費用が高くなり過ぎたのです。


Colic describes a whole variety of conditions in which  a  horse  suffers abdominal pain.

 疝痛とは馬が腹痛を伴う一連の様々な症状を指します。


It was a subject which he had never thought much about.

 それは彼がこれまであまり考えたことのない話題だった。



3. of which (所有格)、 whose

This is an experimental research whose results/ of  which  the  results/ the results of which have yet to be studied.

 これは結果を尚研究しなくてはならない実験的研究です。

= これは1つの実験的研究ですが、その結果を更に研究せねばなりません。


*which の先行詞は research で、haveの主語は resultsです。

*of which the results/ the results of which はゴテゴテして格式張った文語体であり、用いられることは少ないです。

*通常は This is an experimental research whose  results  have  yet to be studied. と簡潔に記述しますね。






https://youtu.be/7AfKYUwlClo

Defining and Non-Defining Relative clauses | Learn Basic English

English Animated  2021/02/24


制限用法と非制限用法とについては後のコラムにて詳述しますが、今は

基本的な違いのみを押さえておいて下さい。





非制限用法の関係代名詞としての  which


*which は非制限用法の関係代名詞 <, which> として特に多用されます。

*適当な接続詞+先行詞、などの組み合わせで書き換えが可能です。

*塾長が疑似関係代名詞構文と呼称している用法にも重なるところがあります。

  詳細は以下をご覧下さい: https://www.kensvetblog.net/column/202506/20250620/


*上にも述べましたが、コンマが無くても非制限用法と解釈すべきものは多々見られます。


He had studied the book, a part of which he understood,  but  the remainder was above his comprehension.

 彼はその本を精読した。そしてその一部は理解したものの、あとは理解できなかっ た。

= He had studied the book. He understood just a part  of  the  book but the remainder was above his comprehension.


That bar on Milton Street, which by the way is very nice,  is  owned by Trevor's brother.

 ミルトン通りのあのバー、ちなみにとても素敵な店なんだけど、トレバーの兄が経営してるんだ。


She says it's Charlotte's fault, which is stupid, and that  she  blames her.

 彼女はシャーロットの所為だって言うんだけど、それは馬鹿げてるし、それで彼女を責めてるんだ。


Anyway, that evening, which I'll tell you more about later,  I  ended up staying at Rachel's place.

 とにかく、その夜のことは、詳しくは後で話すけど、僕は結局レイチェルの家に泊まることになったんだ。


It's the third in a sequence of three books, the first of  which  I really enjoyed.

 これは三部作の三作目で、一作目は本当に面白かった。


He said the police assaulted him while he was in custody,  a  claim which the police deny.

 彼は拘留中に警察から暴行を受けたと主張しているが、警察側はこれを否定している。


His mother lives in the next street to us, which is a  little  too  close for comfort.

 彼の母親は私たちの家の隣の通りに住んでいて、少し近すぎるのが気にかかる。


He's got pink walls and a green carpet, which to my mind looks all wrong.

 彼の部屋の壁はピンクでカーペットは緑色で、私の目にはまったく似つかわしくない。


The bomb, which killed 15 people, was the worst of a  series  of terrorist outrages.

 その爆弾は、15人の命を奪ったものですが、一連のテロ行為の中で最悪のものでした。


The training, for which you will be paid, takes four  weeks.

 この研修は有給ですが、4週間要します。


He's based in Banja Luka, which is the largest city in  northern  Bosnia.

 彼はバニャ・ルカを拠点としていますが、そこはボスニア北部最大の都市です。


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前文全体或いはその一部を先行詞とする which


* which は一般的には名詞、代名詞を先行詞としますが、場合によっては前に出ている節全体またはその一部を先行詞とします。

*これは非制限用法の場合だけです。

*文を切り離して、全文全体或いは一部を That で受けて文を起こすのと同値です。

*ぞんざいな口語表現等を除き頻用されます。

*以下はその例。


The decision was postponed, which was exactly what  he  wanted.

 その決定は延期されましたが、それは彼の思うつぼでした。

= The decision was postponed. That was exactly what  he  wanted.


I have forgotten them all, which makes no difference.

 私はそれらを全部忘れてしまったのですが、それでどうということもありません。


He said he saw me there, which was a lie.

 彼は私をそこで見掛けたと言いましたが、それは嘘でした.。


The cake was burnt, which made me angry.

 ケーキが焦げたので私は腹が立ちました。


He showed me round the town, which was very kind  of  him.

 彼は町を巡って案内してくれた。とても親切な行為だった。


She appears to actually like the man, which I find  incredible.

 彼女は実際にその男を気に入っているようで、私には信じがたいことだ。


She said it would be done by March, which I doubt.

 彼女は3月までに終わるだろうと言ったのですが、私には信じられません。





非制限節の関係形容詞 (=関係限定辞)としての  which


*which を非制限節の関係形容詞 (=関係限定辞 relative  determiner ) として用いる用法があります。

*これは一般的ではありませんが、formal とされます。

*the/ that/ those, etc. + 名詞、を which + 名詞で受ける形式になります。


He painted a picture of the house, which painting I later  destroyed.

 彼は家の絵を描いたが、その絵は後で私が壊した。

= He painted a picture of the house. I later destroyed  the  painting

*which は限定辞の the, that の代用をしていることが理解出来ます。


*この限定辞用法の which の前に別の限定辞、例えば both  of  などが来ることもあります。

He went to the park and the shopping center, both of  which  places ...

 彼は公園とショッピングセンターに行った。どちらの場所も……


*この限定辞用法の which の前に前置詞が来ることもあります。

Every day, he visits me at the arcade, from which fact  I  derive  much pleasure.

 毎日、彼はゲームセンターで私に会いに来ます。その事実から私は大きな喜びを得ているのです。


The picking of the fruit, for which work they receive  no  money,  takes about a week.

 果実の収穫作業は、彼らはその仕事で報酬を受け取っていないのですが、約一週間掛かります。


*限定辞の which は物だけでなく人を指すこともあります。

Yesterday, I met three men with long beards, which men  I  remember  vividly

 昨日、私は長い髭を生やした3人の男性に会った。

= Yesterday, I met three men with long beards. I  remember  those  men vividly