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関係詞14 |
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2025年12月5日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 少し前に分詞構文について解説しましたが、そこでは分詞構文が従属接続詞、等位接続詞、或いは非接続用法の関係詞(=関係代名詞、関係形容詞、関係副詞など)を利用しての書き換えが適宜可能である事を述べました。いずれも1つの文(主文)に対して、別の情報を加える、併記する用法ですが、考えて見ると少なくとも英語とは、ダラダラと何かの文言を付け加えるのが好きな一面のある言語であることが分かります。しかし、人間の脳の認知機能からは一つの発想に対してあれこれ付け加えるには理解の限度が有り、当然乍ら際限なく文言を加えて行くことは出来ません。<節度>が求められると言うことになります。分詞構文についても然りなのですが、複数の文章を<短縮して繋ぎ合わせる>と言葉の経済に資する上に、<何だか端整で知的な雰囲気も纏えて>カッコいい、の発想自体は特に悪いものではありませんが、1つの文にては単純な1つの事実のみを述べるのが矢張り本来のあるべき姿なのだろうと塾長は考えます。複数情報を繋ぎ合わせる際に、主文に対して、どの文言が付け加えの部分であるのかを示す標識、即ちマーカーの類いを接続詞と言うのですが、関係詞はその1つになります。 まぁ、文章同士をくっつけて<関係させる>際に利用される語のことを関係詞と呼称するのですが、広い意味での接続詞の仲間の1つになります。従属接続詞、等位接続詞を利用して付け加える文構造、即ち従属接続節、等位接続節(独立節とも言う)は、飽くまで主文全体に付加情報を与えるものであるのに対し、主文の中の特定の名詞や主文が主張する想念(これは1つのモノ扱いになります)をキメ打ちして追加情報を<貼り付ける>、強い或いは比較的強い接着剤の働きをするのが関係詞です。この意味で形容詞として機能するもの故、関係詞が構成する節、即ち関詞詞節 relative clauses は形容詞節と呼称出来ます。 モノの形容に関してですが、日本語ではモノの形容語句は名詞の前に置く一方、英語では極く短い文言は別として、長い構造は後置修飾させます。これ故、日本語で解釈するには返り点読みを余儀なくされ、特に初学者は頭を抱えるに至りますし、実際そのまま愚直に!訳したところで意味が取れないなどと却って苦情を言われてしまい兼ねません。この返り点読みを止めさせ、英文を語順のままに理解させるべく、巷ではスラッシュリーディング法が良い、同時通訳的者を倣え(これは当塾長の考え)などと主張されますが、要は、そのまま意味を頭に input しつつ英文を読み下すのが合理的だ、との指導法になりますね。 この様な英文解釈、リーディング上の技法面にも触れつつ、関係詞−関係代名詞、関係形容詞、関係副詞などが有ります−を文法面と意味用法面から含めてザッと一通り見て行きましょう。関係詞の構文上の理解は容易ゆえ、個々の用法や注意点を列挙する形がメインとなりますが、これまでの知識の整理がてら読み進めてみて下さい。損はしない筈です。その第14回目となります。 英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/whichhttps://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/whichhttps://en.wikipedia.org/wiki/English_relative_clauseshttps://en.wikipedia.org/wiki/Conjunction_(grammar)#Subordinating_conjunctionshttps://ja.wikipedia.org/wiki/関係詞https://en.wikipedia.org/wiki/Relativizer*これらに引用されている文献を参照すると更に詳細な学説が得られます。https://www.thoughtco.com/zero-relative-pronoun-1692623https://www.thoughtco.com/zero-or-bare-infinitive-1692621『試験に出る英文法』 森一郎、青春出版社、1971年 第4章 関係代名詞・関係副詞 pp.58-78『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第2編文の構造上よりの解釈 第3章2 形容詞節 pp.132-168『チャート式 英文法』 荒木良治、数研出版、昭和62年、第3章 5関係代名詞pp.103-11 第5章 3関係副詞 pp.164-168これらの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。https://en.wikipedia.org/wiki/Reduced_relative_clausehttps://en.wikipedia.org/wiki/Postpositive_adjective |
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縮約関係詞節 Reduced Relative Clauses 1*接触節について触れた序で?に、関係節を<縮めて>先行詞の後ろに添えたスタイルとも見做せる縮約関係詞節 Reduced Relative Clauses についてザッと触れましょう。*これは関係代名詞を使わずに、現在分詞であれ過去分詞であれ、分詞を使って表す節 clause のことになります。*フルに記述する内容を短縮するのですから、<言葉の経済と引き替えに情報の一部が失われて行く危険性がある>のは、例えば分詞構文用法などと同じですが、注意をすればそれを避ける事は可能です。*即ち、基本的に個々の事象の記述では無く、一般化させた、普遍的な内容を語るニュアンスが強くなります。*文法的には可能であっても、分詞化すると native の間には違和感を覚えて通用しなくなる例がありますが、日本人にはその感触が分かりづらいところがあるでしょう。*主文の後ろに添えて、主文の内容全体若しくはその一部を <, which> で引き継ぐ用法がありますが、これを分詞化すると簡潔な表現が可能になりますので、formal な表現中に、また academic writing の場でも頻用されます。**制限用法、非制限用法共に、<元の意味合いを基本的には残したまま>、短縮が可能です。*非制限用法の場合は、元々<適当な接続詞+clause> で書き換え可能な表現ゆえ、基本的に分詞構文に書き換え可能です。*中学英語でその一部をザッと習うレベルのことですが、知られていない注意点もあります。ここで一通り見直しましょう。*以下の英文用例並びに説明内容の一部は、Reduced Relative Clauses - Defining and Non- DefiningRelative ClausesAdvanced Grammar Lesson Oxford English Nowhttps://www.youtube.com/watch?v=W-lgmBwBOpE並びにReduced relative clauses - Advanced English Grammar forAcademic WritingEnglish with Emhttps://www.youtube.com/watch?v=wGIMv4p5-u8からお借りしています。*ここに記して感謝致します。---------------------------------------------------------現在分詞を使う例*以下お気づきかと思いますが、元の文は全て進行形です・There are two children who are waiting in the class room.教室で待っている子供が二人います。→ There are two children waiting in the class room.There were teachers who were shouting and students whowere running out of the school building.叫んでいる教師と校舎から走り出している生徒がいました。→There were teachers shouting and students running out of the school building.The old van, which was trailling black smoke, drove off towards the desert.その古いバンは、黒い煙を吐きながら、砂漠の方へ走り去った。→ The old van, trailling black smoke, drove off towards the desert.Paracetamol, which is an effective pain killer, is available without prescription.パラセタモールは効果的な鎮痛剤であり、処方箋なしで購入できます。→ Paracetamol, an effective painkiller, is available without prescription.*同格用法ですね。過去分詞を使う例The bananas, which had been dipped in chocolate, were really yummy.バナナはチョコレートに浸してみたら本当に美味しかった。=The bananas, when it had been dipped in chocolate, were really yummy.→△ The bananas, having been dipped in chocolate, were really delicious. (分詞構文化)→◯ The bananas dipped in chocolate were really yummy.(dripped の時制情報消失と一般化)Ron only drinks coffee that is made from fresh coffee beans that are grown organically.ロンは有機栽培の新鮮なコーヒー豆から作られたコーヒーしか飲まない。→ Ron only drinks coffee made from fresh coffee beans grown organically.Brian Smith, who was nicknamed Black Bear was my favorite uncle.ブライアン・スミスは、ブラック・ベアという渾名でしたが、私の最も好きな叔父でした。→ Brian Smith, nicknamed Black Bear was my favorite uncle. |
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時制の消失*分詞を用いて、単純に、一般化された状況を記述をすることになりますので、時制の表出には重きを置きません。*即ち、関係代名詞構文を時制のニュアンスを保ったまま分詞表現にする事は出来ません。*主節の時制と分詞側の時側のズレは歓迎されません。*現在分詞、過去分詞とも名詞を修飾する単なる形容詞扱いになる訳ですが、これは一般の形容詞が時制を持たないことに同じです。The winner is the person who scored the most goals in the game.勝者は試合で最も多くの得点を挙げた選手です。→ The winner is the person scoring the most goals in the game.The winner is the person who scores the most goals in the game.勝者は試合で最多得点を記録する選手です。→ The winner is the person scoring the most goals in the game.The winner is the person who will score the most goals inthe game.勝者は試合で最多得点を記録することになる選手です。→ The winner is the person scoring the most goals in thegame.*<the person scoring the most goals in the game.>=<最多得点を記録する選手>と、事象が一般化されてしまい、時制は消失しています。The champion's cup is for the most goals which were scored in the match.優勝カップは試合で最も多く得点されたゴールに贈られます。→ The champion's cup is for the most goals scored in thematch.The champion's cup is for the most goals which are scored in the match.優勝カップは試合で最も多く得点されるゴールに贈られます。→The champion's cup is for the most goals scored in the match.The champion's cup is for the most goals which will be scored in the match.優勝カップは試合で最も多く得点されることになるゴールに贈られます。→ The champion's cup is for the most goals scored in the match.*<the most goals scored in the match.>=<試合で最も多く得点されるゴール>と、事象が一般化されてしまい、時制は消失しています。I am worried about the man who is held in prison without atrial.私は、裁判なしで拘置されているその男性が心配です。→ I am worried about the man held in prison without a trial.I am worried about the man who is being held in prison without a trial.私は、裁判なしで今正に拘置されているその男性が心配です。→ I am worried about the man being held in prison withouta trial.I am worried about the man who has been held in prison without a trial.私は、裁判なしで拘置されたままのその男性が心配です。→ I am worried about the man being held in prison withouta trial.I am worried about the man who was held in prison without atrial.私は、裁判なしで拘置されていたその男性が心配です。→ I am worried about the man being held in prison withouta trial.*<the man held in prison without a trial>=<裁判なしで拘置されているその男性><the man being held in prison without a trial>=<正に裁判なしで拘置されているその男性>と、事象が一般化されてしまい、時制は消失しています。*being は強調表現です。---------------------------------------------------------否定表現*否定の場合は not を分詞の前に置きます。My friend, who didnt have not much money, vever went outin the evening.友人はお金があまりなかったので、夜に出かけることは決してありませんでした。= My friend, not having much money, never went out in the evening.*理由を表す副詞句の分詞構文として時制は保たれます。形容詞用法では無いことにご注意下さい。I'd prefer trousers which are not made with synthetic materials if you have any.もしあれば、合成素材で作られていないズボンを希望します。= I'd prefer trousers not made with synthetic materials if you have any.---------------------------------------------------------後続修飾に利用可能な形容詞*分詞と同様に後続修飾スタイルで利用可能な形容詞と形容詞句が幾つかあります。*大学入試の整序問題に頻出しますので覚えて置いて下さい。*語調の関係で一般的な形容詞が時として単独で後置される場合もあります。*スンナリと解釈出来ない英文を目にした時は、後置の可能性を疑って下さい。There was one table available in the restaurant.レストランには空いているテーブルが一つあった。= There was one table which was available in the restaurant.Titanium is a metal, silver in color, often sed in making jewellery.チタンは銀色の金属で、宝飾品の製造によく使われます。= Titanium is a metal, which was silver in color, often used in making jewellery.*他に、necessary, needed, present, proper, ready, due, executed, possible, impossible, responsible, imaginable, liable, suitable, visible などが頻用されます。 |
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