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関係詞16 |
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2025年12月15日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 少し前に分詞構文について解説しましたが、そこでは分詞構文が従属接続詞、等位接続詞、或いは非接続用法の関係詞(=関係代名詞、関係形容詞、関係副詞など)を利用しての書き換えが適宜可能である事を述べました。いずれも1つの文(主文)に対して、別の情報を加える、併記する用法ですが、考えて見ると少なくとも英語とは、ダラダラと何かの文言を付け加えるのが好きな一面のある言語であることが分かります。しかし、人間の脳の認知機能からは一つの発想に対してあれこれ付け加えるには理解の限度が有り、当然乍ら際限なく文言を加えて行くことは出来ません。<節度>が求められると言うことになります。分詞構文についても然りなのですが、複数の文章を<短縮して繋ぎ合わせる>と言葉の経済に資する上に、<何だか端整で知的な雰囲気も纏えて>カッコいい、の発想自体は特に悪いものではありませんが、1つの文にては単純な1つの事実のみを述べるのが矢張り本来のあるべき姿なのだろうと塾長は考えます。複数情報を繋ぎ合わせる際に、主文に対して、どの文言が付け加えの部分であるのかを示す標識、即ちマーカーの類いを接続詞と言うのですが、関係詞はその1つになります。 まぁ、文章同士をくっつけて<関係させる>際に利用される語のことを関係詞と呼称するのですが、広い意味での接続詞の仲間の1つになります。従属接続詞、等位接続詞を利用して付け加える文構造、即ち従属接続節、等位接続節(独立節とも言う)は、飽くまで主文全体に付加情報を与えるものであるのに対し、主文の中の特定の名詞や主文が主張する想念(これは1つのモノ扱いになります)をキメ打ちして追加情報を<貼り付ける>、強い或いは比較的強い接着剤の働きをするのが関係詞です。この意味で形容詞として機能するもの故、関係詞が構成する節、即ち関詞詞節 relative clauses は形容詞節と呼称出来ます。 モノの形容に関してですが、日本語ではモノの形容語句は名詞の前に置く一方、英語では極く短い文言は別として、長い構造は後置修飾させます。これ故、日本語で解釈するには返り点読みを余儀なくされ、特に初学者は頭を抱えるに至りますし、実際そのまま愚直に!訳したところで意味が取れないなどと却って苦情を言われてしまい兼ねません。この返り点読みを止めさせ、英文を語順のままに理解させるべく、巷ではスラッシュリーディング法が良い、同時通訳的者を倣え(これは当塾長の考え)などと主張されますが、要は、そのまま意味を頭に input しつつ英文を読み下すのが合理的だ、との指導法になりますね。 この様な英文解釈、リーディング上の技法面にも触れつつ、関係詞−関係代名詞、関係形容詞、関係副詞などが有ります−を文法面と意味用法面から含めてザッと一通り見て行きましょう。関係詞の構文上の理解は容易ゆえ、個々の用法や注意点を列挙する形がメインとなりますが、これまでの知識の整理がてら読み進めてみて下さい。損はしない筈です。その第16回目となります。 英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/whenhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/wherehttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/howhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/whyhttps://en.wikipedia.org/wiki/English_relative_clauseshttps://en.wikipedia.org/wiki/Conjunction_(grammar)#Subordinating_conjunctionshttps://ja.wikipedia.org/wiki/関係詞https://en.wikipedia.org/wiki/Relativizer*これらに引用されている文献を参照すると更に詳細な学説が得られます。『試験に出る英文法』 森一郎、青春出版社、1971年 第4章 関係代名詞・関係副詞 pp.58-78『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第2編文の構造上よりの解釈 第3章2 形容詞節 pp.132-168『チャート式 英文法』 荒木良治、数研出版、昭和62年、第3章 5関係代名詞pp.103-11 第5章 3関係副詞 pp.164-168これらの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。 |
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関係副詞 (Relative Adverb)*関係副詞は、接続詞と副詞の働きを兼ねるものです。*文中では接続詞のように働き、関係節の中では副詞として働きます。*いずれも形容詞節か名詞節(この場合は先行詞が略されていると捉えます)を導きます。*即ち、意味的には副詞であっても、機能としては形容詞節として先行詞を修飾する、或いは、節単独で名詞節として機能することにご注意下さい。*それゆえ、厳密な意味での文法用語と言うよりは、使用される関係詞に関する区分とも言うべき用語の面もあるでしょう。*場所や時、方法、理由を表す語 (先行詞) を受けてそれを後の文に結びつけます。*先行詞が略されている場合は、疑問文を平叙文の語順にして名詞節化したものか、関係副詞節なのかの区別は着けられません。*疑問副詞と同形の where, when, how, why の4つの他に、特に口語に於いては that も関係副詞として用いられます。---------------------------------------------A, 種類where, when, how, why, that の5つがあります。先行詞が表わすものに拠って where, when, how, why, that を使い分けます。先行詞が場所This is the town where he was born.ここが彼の生まれた町です。*the place where S V の形を用いることもありますが、先行詞なしで名詞節として機能することが多いです。先行詞が時It was a time when motorcars were rare.自動車の珍しい時代だった。*the time when の形で用いられることがあります。先行詞が方法Do you know how he did it ?彼がどういう風にしてそれをしたのか知っていますか?*the way how という形はなく、the way のみか how のみで用いられます。方法・状態を表す名詞節を導きます。*この文は、Do you know, "How did he do it?" を間接疑問文化したものとも考えられますし、先行詞を略した関係副詞節とも理解し可能です。先行詞が理由The reason why he did so is unknown.彼がそうした理由は不明です。*先行詞は reason のみで、文法的には、reason why の形のときは形容詞節、why のみの形のときは名詞節を導くことになります。* 全ての先行詞に対して*that が、when, where, why の代用として口語では頻用されます。 |
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B. 限定用法と非限定用法*関係代名詞と同じ様に関係副詞にも限定用法と非限定用法とがあります。1. 限定用法*場所の先行詞+where, 時の先行詞+when, 方法の先行詞+how, 理由の先行詞+why の様に組み合わせが決まっていますので、先行詞か関係副詞のいずれかを省略するのが特に口語の場合は一般的です。*that は常に限定用法のみに用いられます。.またこの that は省略されるのが普通であり、その場合は口語的になります。whenI would like to have completed my graduation thesis somehow by the time (when) the vacation comes to an end.休暇が終わるまでには卒論を何とかまとめておきたいと思う。I don't know (the time) when (= at which) he will be back.彼が戻る時間は知らない。He told me this the last time (that 〔= when〕) I saw him.この前彼に会った時に彼は私にそう言った。He was born in the year (when or that) his grandmother died.祖父が亡くなった年に彼は生まれました。The sea was very rough the day (that) we started.私たちが出発した日は海が荒かった。Come again (at a time) when I'm not busy.忙しくない時にまた来てください。*この文で at a time を略すと、when 以下は〜の時に、の意味の単なる副詞節になります。whereThat is (the house) where he used to live.あれが彼が嘗て住んでいた家です。That is (the house) in which he used to live.も可能ですが、冗長且つあまり formal ではない、不自然な英文とされます。*この文から whereを省略した場合、This is the house he used to live in. となります。*この場合、先行詞の house は、前置詞 in の目的語になっています。We must camp (at a place) where we can get water.キャンプは水がある所でしなければなりません。Leave the stick where you found it.ステッキを君がそれを見つけた場所に置いといて下さい。He took us to where he had found the key.彼は鍵を発見したところへわれわれを連れて行った。*to と where との間に the place が省 略されていると考えます。*where は物理的な場所以外にも、case, stuation, condition など抽象概念を先行詞として日常的に取ります。*しかしながら、下記例文の where を全て when に入れ替えても正しい英文になります。In short, the principal-agency problem is much more severe where fragmentation in the elective branches and in the public service exists.要するに、選挙による分権や公共サービスにおける分断が存在する場合、委託者・代理人問題ははるかに深刻化する。= In short, the principal-agency problem is much more severe when fragmentation in the elective branches and in the public service exists.We ignored the verbal morphology to the extent possible using base predicates where a questionable case arose.疑わしい事例が生じた際には基本述語を用いることで、可能な限り語彙形態論を無視した。We present notions independently where possible, allowing the effect of different choices to be assessed.可能な場合には概念を独立して提示し、異なる選択の効果を評価できるようにする。Where there is some mutual income sharing between husbands and wives, we proceed as follows.夫婦間で一定の収入共有がある場合には、以下の手順で進める。how*the way 或いは how 単独で用いられます。*即ち、the way how は用いられませんが、the way (that) の用法はOKです。I was satisfied with the way he did his work.、私は彼の仕事ぶりに満足しました。This is the way it happened.これがことの次第です。This is how ( = the way in which) it happened.ことの次第はこうなんです。This is the way (that) I did it. (the way how はまれ)それを私はこのようにしてやった。This is (the way) how he teaches English.これは彼が英語を教えるところの方法です。→彼の英語の教え方はこうです。cf. 名詞 way は前方に添えるべき前置詞 in, as, l ike などを略して、〜の遣り方で、の意味の副詞句として日常的に頻用されます。whyThis is (the reason) why he was absent.こんな理由で彼は欠席したのです。I know (the reason) why (= for which) he ran away.彼が逃げた理由を私は知っています。The only reason (why) her husband did not consult her about his business was that she did not wait to be consulted.彼女の夫が仕事のことで妻の意見を聞かなかった理由は、彼女が夫から意見を求められるのを待っているような神妙な女ではなかったということにほかならない。---------------------------------------------2. 非限定用法*先行詞に対して付帯的な説明を加える用法であり、適当な接続詞+副詞で置換できます。*関係副詞の前に comma を置きますが、.利用出来るのは when と where のみです。*コンマが無い場合でも、when や where 以下が特に長い文の場合、コンマがあるものとして解釈しても文意に大差が出ないケースも多いです。*即ち、その様な文は事実上のコンマ無しの非制限用法と解釈して構わないでしょう。*実際のところ、when, where 以下が長文である英文を、<律儀に>漢文の返り点式に前に戻って先行詞を修飾する様に訳出すると、苦しい訳出になるばかりか意味自体も把握し難くなってしまいます。Wait till eight, when (= and then) he will be back.8時まで待ちなさい。その時になれば彼は帰って来るでしょう.。*when 以下は先行詞 eight に掛かる形容詞節ですので will は利用可能です。*仮にこの when 以下が時を表す副詞節であるならば、節内には未来を表す will は使用できません。*またそれでは意味がちぐはぐな英文になってしまいます。We got to a farm house, where (= and there) we spent the night私たちは1軒の農家に着いた。そこで一夜を明かしました。I went to the station, where I met Jack.私は駅へ行った。そしてそこでジャックに会いました。 |
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