KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

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塾長コラム記事




英語塾開設のご挨拶

2019年4月1日















 塾長のコラム (順次掲載版) 


2023年 1月〜6月分 (テキストのみ)




*時系列でそのまま上に追記しています。 

*PCサイトの、塾長コラム一覧リストより、フルバージョンの記事にアクセス出来ます。どうぞご覧ください。

*フルバーションの記事の改訂部分がこのテキストバージョンには反映されていない場合があります。

* ソフトのバグに拠り、単語同士がくっついてしまう問題が発生しています。フルバージョンの記事をご参照ください(まだ発生頻度が低いです)。







様態を表す表現5



2023年6月25日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまで過去半年近くに亘り、英語の様相表現、即ち法助動詞とその関連表現について詳細に解説してきました。これは、話す内容の確からしさの程度と義務の念の2つを語る表現でした。様相とは少し似た言葉ですが、話のついで?とばかりに、次には、様態表現、即ち、〜に似た、〜の様だ、の一連の表現について個々に取り上げることにしましょう。まぁ、広義の比喩表現になります。他と比べることで言いたい物事がより鮮明に浮かび上がる事例は日常茶飯ですし、学問の根本的方法論を支える支柱でもあります。。これまで折に触れ断片的に解説を加えてきたものの集成ともなります。その解説の第5回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-too

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/same-similar-identical

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-or-like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/alike

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-if-and-as-though


https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/as

https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/as




接続詞としての as (つづき)



5. that  is  a  fact  that,  (of)  which  fact,  event,  etc,  which

 (referring to the previous statement)

 〜考える、述べる、期待する、予想する、知っている(その事実の)ことであるが、〜なんですが、〜との事実ですが、事実そうなのだが、〜の通りに


考える、述べる、期待する、予想する、知っているなどの想念(主文の内容)が、事実そうだった、事実そうなのだが、事実そうなるだろうが と、付加的に添える表現であり、本質的に、様態、〜に類似して、を意味する表現ではありません。それを日本語に意訳して、〜の様に、と表現するとスンナリ来る話になります。


*簡単に考えれば、既に知られていること、以前に述べられたことを、そうである、と付け加える用法です。

*主節内容について、それが過去に、現在に、未来に於いても事実の事だが、との情報を付け加える為の従節ですね。

まぁ情報追加、側方支援の接続詞用法とも言えそうです。挿入句的な意味合いの用法と言えますね。


*動作の様態の as と同様にこちらの  as も、〜の様に、とそのまま訳すとスンナリ意味が取れる場合が多いですね。

*日本語の〜の様には、動作と想念の2つの様態を表現する言葉ですが、英語の as は実はそうではないと言う事です。

*まぁ、日本語にすると、〜の様にと訳せますが、本当は様態ではない表現であり、日本人には混乱を招きますね。


*とは言うものの、様態とも主文内容の事実性を強調する用法のいずれにも解釈可能なケースは確実に存在します。

*<様態・事実の as>などと言うのも面白ろそうですね。


*付加的に真実を添える点で、関係代名詞の非制限用法(, which)に置換可能です。訳もそれに準じて context に合わせて訳出すると良いでしょう。

関係代名詞の非制限用法は勿論文頭に置けませんが、こちらは文頭に置くことが出来て便利ですこちらも、関係詞として振る舞う訳ですね。


*逆に言えば、, which に置き換えられない場合は、この用法では無く、多分に様態を表す as と考えて良さそうです。


as + S + (know, see, understand, expect,  say,  predict,  remember などの思考を表す動詞) の組み合わせで語られる場合が多いです。


*他の as の接続使用法と同様に、文章の要素が省略される場合が多いです。


*考える、述べる、期待する、予想する、知っているなどの想念が同様である、との様態表現として強調したい場合は、

like the idea that,  like what, などの語に置換すると理解し易いでしょう。但し、これは意訳になります。英語自体にこの意味はありません。


*前置詞の as は直後に名詞若しくは名詞相当句を取ります。従って as の後ろに文章の一部の要素が来る場合には、その as は接続詞であり、多分に、ここで解説している5または6の意味用法になると考えて下さい。



*以下の as との用法の違いにご注意下さい。

1765年、ジェームズ・ワットが初めて実用的な蒸気機関を開発したのが、私たちが今日知る工業の始まりである。

In 1765, James Watt developed the first practical  steam  engine, which marked the beginning of the industry as we know it today.

In 1765, James Watt developed the first practical  steam  engine, which marked the beginning of the industry that we know today.


こちらの as は関係代名詞的に機能し、先行詞  industry  を直接修飾するものであり、as を用いた従節の副詞節ではありません

*<我々がそれを今日知っているところの>、になります。

*様態の意味は無く、どちらかと言えば真実の情報を追加する用法であるとも言えます。

*関係代名詞を用いて書き直すと、他動詞の目的語を削除する必要が出て来ます。


皆さんご存じの通りに、と文全体に掛けたいのであれば、

As we all know, in 1765, James Watt developed  the  first  practical steam engine, which marked the beginning of the industry today.

 皆さんご存じの通りに、1765年、ジェームズ・ワットが初めて実用的な蒸気機関を開発したのが今日の工業の始まりである。

などと記述します。


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*過去の事象に関して述べる: それが事実であった

 〜の通り、〜したことですが


She arrived early, as I expected.

 僕の予想通り、彼女は早く到着しました。

= She arrived early, of which fact I expected.

= She arrived early, which I expected. (which は前文内容を表す)

= She arrived early, and  I expected that.

= She arrived early, and that was a fact that I expected.

→ She arrived early, like what I expected. (意訳)


As the forecast predicted, the weather was dreadful for the whole of the weekend.

 天気予報の通り、週末はずっとひどい天気でした。

The weather was dreadful for the whole of the weekend, of which the fact the forecast predicted,

→ Like what the forecast predicted, the weather was dreadful for the whole of the weekend. (意訳)


as  I was  saying 先ほども述べたように

As I was just saying, I think the proposal needs further consideration.

 先ほども申し上げたことですが、この提案にはさらなる検討が必要だと考えています。(この as は様態の as とも解釈可能です)

= I think the proposal needs further consideration, which I was just saying,

→ Like what I was just saying, I think the proposal needs further consideration. (意訳)

 先ほども申し上げたように、この提案にはさらなる検討が必要だと考えています。



They face a hard task, as yesterday's discussions amply demonstrated.

 昨日の議論でも十二分に明らかにされた通り、彼らは大変な仕事に直面している。

= They face a hard task, of which the fact yesterday's discussions amply demonstrated.

 昨日の議論でも十二分に明らかにされたことであるが、彼らは大変な仕事に直面している。

→ They face a hard task, like what yesterday's discussions amply demonstrated. (意訳)

*この文は、demonstrate したのと同じやり方で、の意味では無く、demonstrate された中身の様に、の意味です。

cf. amply 十二分に


As explained previously, the last time the man was seen was last night at approximately 8:30pm.

 前回説明しましたが、最後に男性が目撃されたのは、昨夜20時30分頃でした。

= The last time the man was seen was last night at approximately 8:30pm, which was explained previously.


As I explained on the phone, your request will be considered at the next meeting.  

 電話で説明したように(したことですが)、あなたの要求は次回の会議で検討されるでしょう。


As Napoleon once said, attack is the best method of defence.

 かつてナポレオンが言ったように(言ったことですが)、攻撃は最良の防御法です。




*現在の事象に関して述べる: それが事実である

 〜の通り、〜ですが


As you can see, we're still working.

 お判りの様に我々はまだ仕事中です。

= We're still working, of which fact you can see.

= We're still working, which you can see.


David, as you know, has not been well lately.  

 デイビッドはご存知の通り、最近調子が悪いんです。


As we have seen, President Trump is never afraid to lie to the madia.

 これまで見て来たことですが、トランプ大統領はメディアに嘘を衝くことを全く怖れません。

President Trump is never afraid to kie to the madia, which we have seen.


We were sitting, as I remember, in a riverside restaurant.

 覚えているが、我々は川沿いのレストランに座っていた。

= We were sitting, of which fact I remember, in a riverside restaurant.

= We were sitting, which I remember, in a riverside restaurant.


To become wise, as we all know, is not easy

To become wise, of which fact we all know, is not easy

To become wise, which we all know, is not easy

To become wise is not easy, which we all know,

我々が全員知っていることですが、賢くなることは容易ではありません。

我々が全員知っているように、賢くなることは容易ではありません。


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as is often the case with

〜には良くあることだが

As is often the case with children, Amy was completely better by the time the doctor arrived.

 子供にはよくあることですが、エイミーは医者が到着する頃にはすっかり良くなっていました。


= In the same way that often happens with chidren, Amy was completely better by the time the doctor arrived. (様態としての解釈)

= Amy was completely better by the time the doctor arrived, which is often the case with children (:現在に於ける事実情報の追加としての解釈)


*上記例の様に、接続詞 as  には多義性がありますが、日本語では、〜の様に、の訳を当てればそれで済みます...。いずれの解釈も正解でしょう。


*分詞構文の意味を考える時に複数の接続詞が取り得る場合と類似します。as の用法には曖昧性を含んでいる訳ですね。



as distinct from

rather than:, which is distinct from 〜とは異なっていることですが


She's a personal assistant, as distinct from a secretary.

 彼女はパーソナルアシスタントで、秘書とは違います。

= She's a personal assistant, which is distinct from a secretary.


The rate of increase, as distinct from the amount of the increase, is really what's important here.

 ここで重要なのは、増加の量とは異なっていることですが、増加率です。

= The rate of increase, which is distinct from the amount of the increase, is really what's important here.


Material comfort was seen as distinct from overall happiness.

 物質的な快適さは、全体的な幸福とは別物であると考えられている。

= Material comfort was seen as the thing which is distinct from overall happiness.

 (この as は、〜としての意味の前置詞として実質機能しています)


To be a lover of nature, as distinct from a lover of perfectly tended gardens, is to reject pesticides and herbicides in all their forms.

 自然を愛するということは、完璧に手入れされた庭を愛するということとは異なり、農薬や除草剤をあらゆる形で拒否することである。


I like to think that our staff work with us, as distinct from working for us.

 私たちのスタッフは、私たちのために働くのではなく、私たちとともに働くのだと思いたいのです。


There's a lot of evidence that oily fish, as distinct from fatty meat, has a beneficial effect.

 脂身の多い肉とは異なり、脂身の多い魚が有益な効果をもたらすという証拠はたくさんあります。



as opposed to

rather than,  as against,  as contrasted with、instead of

〜とは反対のことだが、〜とは対照的に、〜ではなく


I would rather live in Los Angels as opposed to New York.

 ニューヨークなんかじゃなくロスに住みたいね。


In my English class we practice speaking as opposed to just memorizing grammar.

 私の英語のクラスでは単に文法を暗記するなどせずに話す練習をします。


I'd rather save money and get a less expensive phone as opposed to Iphone.

僕はお金を貯めてiPhoneじゃなくてもっと安いスマホを買いたいね。

(上3つの例文は、 How to say As Opposed to, aLanguageLearner 2021/10/25, https://youtu.be/f0Vbpg1UhMo から借用)


We ate in the restaurant, as opposed to the bistro.

 ビストロではなく、その代わりにレストランで食べました。


as against

2つの事実を対照或いは比較して述べる、〜に対する

= as opposed to,  as compared with


The study found that the average length of US TV breaks was 141 seconds as against 236 seconds in Britain.

 この調査では、米国のテレビ休憩時間の平均が141秒であるのに対し、英国では236秒であることが判明しました。


The global impact of combustion as against electric vehicles depends on the electrical generating technology.

 電気自動車に対する燃焼式自動車の世界的な影響は、発電技術に依存する。


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*未来の事象について述べる: それが事実だろう

As we will see on Sunday, a toal eclipse of the sun can cause quite a lot od darkness.

= A toal eclipse of the sun can cause quite a lot od darkness, which we will see on Sunday,

 日曜日に見ることになりますが、皆既日食はかなりの暗闇を引き起こす可能性があります。

 (未来の真実、即ち確実に起こることについて述べています)


as the case might be (also whatever the case might be)

one of the stated possibilities that is true: もしかすると本当にそうなるかも知れないが


When the election is called in April, or June, as the case might be, we shall be ready for it.

= When the election is called in April, or June, which might be the case, we shall be ready for it.

 そうなるかも知れないことだが、4月か6月に選挙が招集された時には、私たちはその準備をしなければなりません。








様態を表す表現4



2023年6月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまで過去半年近くに亘り、英語の様相表現、即ち法助動詞とその関連表現について詳細に解説してきました。これは、話す内容の確からしさの程度と義務の念の2つを語る表現でした。様相とは少し似た言葉ですが、話のついで?とばかりに、次には、様態表現、即ち、〜に似た、〜の様だ、の一連の表現について個々に取り上げることにしましょう。まぁ、広義の比喩表現になります。他と比べることで言いたい物事がより鮮明に浮かび上がる事例は日常茶飯ですし、学問の根本的方法論を支える支柱でもあります。。これまで折に触れ断片的に解説を加えてきたものの集成ともなります。その解説の第4回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-too

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/same-similar-identical

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-or-like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/alike

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-if-and-as-though




接続詞としての as



接続詞としての as


*接続詞としての as には幾つかの異なる意味用法があります。

*ここでは、様態の意味を持つ以外の as の用法ついて一通り触れて行きます。これは 様態の接続詞 as の意味を鮮明に捉える為にも役立ちます。


*即ち as は多義性を有しており、読み手、聴き手は context に応じて as がどの意味用法なのかを判断しなければならない煩雑さを抱えます。

*non-native にも、使用されている as  がどの様な意味用法で使われているのか判然としないケースもあり、as とは頻用される語でありつつも、<良く分からない>語とも言えます。


*と言う次第で、文意に第一に明確性を備えるべき学術論文等に於いては、出来るだけ明確な一意の意味を持つ他の接続詞に置き換えるべきでしょう。


*接続詞+主語を略した分詞構文、カンマ+関係代名詞の文、は、いずれも適当な接続詞+文に戻すことが出来ますが、その際に判断の揺れが生じることがあります。この意味からも、明らかに明確な意味に再現出来るケースを除いて、分詞構文は as と同様に学術論文などには用いないのが望ましいでしょうね。


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1.  during  the t ime  that,   while  

 〜している間に、1つの動作が進行中に別の事が起きる。


この用例ではas 以下の動詞を現在進行形にするのが普通ですが、進行形を取らない場合もあります。

*その様な場合は、動作が続いているの意味の動詞 continue などが使われることが多いです。


They arrived as we were leaving. (time  conjunction  meaning  ‘while’ or ‘when’)

 私たちが帰ろうとしている時に、彼らは到着しました。

= They arrived while we were leaving.

≒They arrived when we were leaving.

 (when がピンポイント的に狭い時間間隔を表すのに対して、 while は時間の幅が広いですね。)


*この用法の as は、while に置換出来ますが、 when に置換しても問題無い場合が多いです。


I saw him as I was coming into the building.

ビルに入ってくるときに僕は彼を見たんだ。


Just as I was sitting down to watch TV, the  phone rang.

 私が座ってテレビを見ていると、ちょうど電話が鳴った。

*丁度〜している時に、の表現ですが、英作文にも利用出来ますね。


Just as I got on the bus, I noticed I had left  my  bus  pass  at home.

 丁度バスに乗り込んだところで、バスの定期券を家に忘れてきたことに気づきました。

= As soon as I got on the bus, I noticed I had  left  my  bus pass at home.


Everyone cheered as the winners received  their  medals.

 優勝者がメダルを受け取ると、みんな歓声を上げた。


I tripped as I got off the bus.

 私はバスを降りるときにつまずいた。


He checked off their names on the list as  they  got on the coach.

 彼は、彼らがバスに乗り込む間、彼らの名前をリストでチェックした。


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2. simultaneous  changes

 2つの事象が同時に起こる、〜につれて


*as 節内に、増大する increase,、成長する grow、 〜になる get 、などの、時の推移に伴い変動する意味の動詞と共に利用されます。


As the show increases in popularity,  more  and  more  tickets are sold daily.

 ショーの人気が高まるにつれ、毎日多くのチケットが販売されるようになりました。


As you get older, moving house gets harder.

 人は年齢を重ねるごとに、引っ越しが大変になります。


この文を

× While you get older, moving house gets harder. とすることはできません。


◯ When you get older, moving house gets harder.

 人は年を取ると、引っ越しが大変になります。

*この文は成立します。これは、一つの事象が先ず起き、ついでその結果として二つ目の記述が真実になる、との意味です。


He gets more attractive as he gets older.

 彼は年を重ねるごとに魅力的になっていく。


The flames grew larger as the fire  spread.

 火が燃え広がるにつれ、炎は大きくなっていった。




3. because,  since

理由とその帰結・結果を示す、〜なので、〜を考慮すると


*この用法のas は、理由を述べているなと簡単に判別出来る  context で利用される例が殆どです。


I went to bed at 9 pm as I had a plane to catch  at  6 am. (reason and result meaning ‘because’)

 朝6時の飛行機に乗るため、夜9時に寝た。

= I went to bed at 9 pm because I had a  plane  to  catch at 6 am.


As it was getting late, I decided to book into  a  hotel.

 遅くなったので、ホテルに予約することにした。


You can go first as you're the oldest.

 君は一番年上だから先に行けるよ。



I'd frayed the edges of my jeans as that  was  the  fashion in those days.

 当時の流行立ったので私はジーンズの端をほつれさせたものです。

= I'd frayed the edges of my jeans because  that  was t he fashion in those days.


cf. I'd frayed the edges of my jeans as  was  the fashion  in those days.

= I'd frayed the edges of my jeans as was fashionable  at the time

 当時の流行の様に、私はジーンズの端をほつれさせたものです。(様態の as)

= I'd frayed the edges of my jeans in the way  that  was  the fashion in those days.


*理由なのか様態なのか区別がつけにくい例文ですが、理由の場合は as の後ろに完全文が来る例が多いですね。

*as を because に置換して意味が通れば<理由の  as>だった訳です。



I asked the teacher if I could be excused  from  football  practice as my knee still hurt.

 まだ膝が痛いので、サッカーの練習を休ませてもらえないかどうか、先生に尋ねた。

= I asked the teacher, "Can I be excused f rom  football  practice as my knee still hurt?"


The ceasefire treaty was meaningless, as  neither  side  ever  had any intention of keeping to it.

 停戦条約は無意味だった。どちらも守る気がなかったからだ。


Improved safety measures in cars can be  counterproductive  as  they encourage people to drive faster.

 自動車の安全対策が改善されると、人々はより速く運転するようになるので、逆効果になることがある。


This man is desperate and should not be  approached  as he may have a gun.

 この男は自暴自棄になっている。銃を持っている可能性がある ので近づいてはいけない。


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4.  although: 〜にも関わらず、 〜ではあるが

*倒置形式でのみ利用されるやや堅苦しい表現です。


Angry as he was, he couldn't help smiling.

 彼は怒っていたものの、思わず笑みがこぼれた。


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even as

*2つの意味があります。


1. 時間表現としての at the same time = simultaneously  同時に



2. 譲歩表現としての at the same time as = while, nevertheless 〜にも関わらず

*while 自体が時間と譲歩表現の両方を持ちますね。

稀にeven を省略する用例が有りますが破格です。non-native には意味が取れなくなります。

*even if のeven を省略する様な用法ですね。


I tried to reason with him, but even as I started to explain what had happened he stood up to leave.

 私は彼を説得しようとしたが、何が起こったのかを説明し始めると、彼は立ち去ろうとした。


Even as temperatures fall, the fashion industry is gearing up for its next summer season.

 気温が下がっても、ファッション業界は次のサマーシーズンに向けて準備を進めている。


They were forced to spend more on advertising even as the cost of raw materials soared.

 原材料が高騰しているにもかかわらず、広告宣伝費を増やさざるを得なかったのだ。



(つづく)








様態を表す表現3



2023年6月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまで過去半年近くに亘り、英語の様相表現、即ち法助動詞とその関連表現について詳細に解説してきました。これは、話す内容の確からしさの程度と義務の念の2つを語る表現でした。様相とは少し似た言葉ですが、話のついで?とばかりに、次には、様態表現、即ち、〜に似た、〜の様だ、の一連の表現について個々に取り上げることにしましょう。まぁ、広義の比喩表現になります。他と比べることで言いたい物事がより鮮明に浮かび上がる事例は日常茶飯ですし、学問の根本的方法論を支える支柱でもあります。。これまで折に触れ断片的に解説を加えてきたものの集成ともなります。その解説の第2回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-too

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/same-similar-identical

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-or-like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/alike

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-if-and-as-though




as .....as.. の構造を持つ慣用表現 (つづき)




as/so far as I know

 私の知る限りでは

He isn't coming today, as far as I  know.

 僕の知る限り、彼は今日は来ないよ。


As far as I know, there is no evidence to  back  up his claims.

 私の知る限りでは、彼の主張を裏付ける証拠はない。


I asked him to give her some money, and as  far  as I know, the matter was taken care of.

 私は彼にお金を渡すように頼み、私の知る限りその件は解決した。


I haven't seen Ray for years, but so far as  I  know, he's still alive.

 レイとはもう何年も会っていないが、私の知る限りでは、彼はまだ生きている。


So far as I know, her students were unaware of  the incident.

 私の知る限り、彼女の教え子たちはこの事件を知らなかった。



as/so far as I'm concerned

 私の意見では

She can come whenever she likes, as far as  I'm  concerned.

 僕の考えだけど彼女はいつでも好きな時に来れる。


As far as I'm concerned, a good online  shopping  site should be easy to use.

 私の意見ですが、良いオンラインショッピングサイトは使いやすいはずです。


That's the best argument for more women  in  business,  so far as I'm concerned.

 それこそが、ビジネスにおける女性の活躍を促す一番の理由だと思います。


My family no longer exists as far as I'm  concerned.

 私の家族は、私の意見としてはもはや存在しない。


So far as I'm concerned, she is an absolute  goddess.

 僕の考えだと、彼女は絶対的な女神だ。



as/so far as I can tell

 理解する限りでは

There's been no change, as far as I  can  tell.

 僕の理解する限りでは何の変化も起きてないよ。


As far as I can tell, we'd get no benefit  from  these  changes.

 私の理解する限りでは、このような変化から何の利益も得られないだろう。


They haven't done any research as far as I  can  tell.

 私の知る限り、彼らは何の調査もしていない。


So far as I can tell, they usually ignore  complaints.

 僕の知る限りでは、彼らは通常、苦情を無視するんだ。


It's a tiny kitchen, but so far as I can tell it  has  everything  we  need.

 小さなキッチンですが、私が見る限り、必要なものはすべて揃っています。



go so far as to do something

(極端に)〜までする、〜するまでに至る


It's good, but I wouldn't go so far as to say  that  it's  great.

 それはいいんだが、素晴らしいとまでは言わないね。


He went so far as to call his rivals dishonest.

 彼はライバルを不誠実とまで言い放った。


The campaigners went so far as to sue every  sherrif  in  the state.

 選挙運動家は、州内のすべての保安官を訴えるまでになった。


He conducted negotiations with members of  local  tribes, going  so far as to enlist some of them in his army.

 彼は地元の部族と交渉し、そのうちの何人かを自分の軍に参加させるまでになっていた。


One journalist went so far as to call him a  terrorist  sympathizer.

 あるジャーナリストは、彼をテロリストのシンパと呼ぶほどであった。



as far as it goes

used to say that something has good qualities  but  could  be better:

 質は良いが更に改善の余地は有る


It's a good essay as far as it goes.

 今の時点でも良い作文だ。


The perception is accurate as far as it goes, but  it  deserves  serious qualification.

 この認識は今の所は正確だが、重大な修飾を受けるに値する。


This is a perfectly acceptable argumentative  strategy  as  far as it goes.

 これは、それの限りにおいて、完全に受け入れられる論法である。


This objection is correct, as far as it goes.

 この反論は、その限りでは正しい。


This then is a clear and competent study as  far  as  it  goes.

 それならば、これは現況では明確で有能な研究である。


The analogy is good as far as it goes, but  how  far  does i t go?

 例えが良いのはその限りではあるが、どこまでがそうなのか?


This is all well done as far as it goes.

 これは、その限りではよくできている。


The interactive alignment account is good as far as  it  goes, but it must be embedded in a broader model encompassing alignment ofparalinguistic  representations.

対話的アライメントの説明は、その限りでは良いが、パラ言語表現のアライメントを包含する、より広範なモデルに組み込まれなければならない。


This hypothesis is fine as far as it goes, but it  neglects  entirely  the role of water, solvation, and ordering/disordering of water near surfaces.

 この仮説は、その限りでは良いのですが、水、溶媒和、表面付近での水の秩序・不秩序の役割を完全に無視しています。


This seems right as far as it goes, but it does  not  go  very  far at all.

 これは、行くところまでは正しいようですが、まったく行き届きません。


But that, as far as it goes, remains an  interest-based  value.

 しかし、それはどこまでいっても、利害に基づく価値観に変わりはない。


Also, his explication of reward-punishment  systems  in  the  brain  and their implications for emotion may be correct as far as it goes.

 また、脳内の報酬-懲罰システムとその感情への影響についての説明も、その限りでは正しいかもしれない。


This response is fine as far as it goes.

 この回答は、その限りでは問題ない。




できる限り〜、の意味の as ....as ...can.   as ...as possible


*出来る限り〜で、の意味で動詞に掛かる副詞句としての利用、また  as...as.+ noun ...can として目的語としても利用可能です。

日本語としては、<出来る限り>と訳しますが、実は、英語の意味では、〜出来るのと同じぐらい、の意味になります。まぁ、それを、出来る限り、と訳している訳ですね。


We tried as hard as wecould.

= We tried as hard as possible.

 私たちはできる限りの努力をしました。


You can feel as much as you can see and  remember.

 見る事の出来る分、覚えることの出来る分と同じ量をあなたは感じることができます。

→ 見た分だけ、覚えた分だけ、感じることができます。


He wants to be at home as much as possible  with  his friends and family.

 彼はできるだけ多く、家で友人や家族と一緒にいたいと思っています。


Points are earned for tagging as many as  the  other  team as possible before returning home without being tackled.

 出来るだけ多くの他チームにタグを付けてから、タックルされずに帰還するとポイントが加算されます。

*do A before B → do A and B  AしてからBする


We 'll include as many as we can in the  live  blog.

 ライブブログでは、できる限り多くの情報をお伝えしていきます。

= We 'll include as many things as we can in  the  live  blog.



as best one can

in the best way possible under the  circumstances

米国用法、たとい困難であっても最善を尽くす


We tried to smooth over the disagreement  as  best  we  could

 私たちは、できる限り不一致を滑らかにするよう努めました


The older people were left to carry on as best  they  could.

 年配の方々は、自分たちのできることを精一杯やり遂げようとされました。


cf. be left to do 〜する様に任せられる、好きに〜してくれと放置される








様態を表す表現2



2023年6月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまで過去半年近くに亘り、英語の様相表現、即ち法助動詞とその関連表現について詳細に解説してきました。これは、話す内容の確からしさの程度と義務の念の2つを語る表現でした。様相とは少し似た言葉ですが、話のついで?とばかりに、次には、様態表現、即ち、〜に似た、〜の様だ、の一連の表現について個々に取り上げることにしましょう。まぁ、広義の比喩表現になります。他と比べることで言いたい物事がより鮮明に浮かび上がる事例は日常茶飯ですし、学問の根本的方法論を支える支柱でもあります。。これまで折に触れ断片的に解説を加えてきたものの集成ともなります。その解説の第2回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-too

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/same-similar-identical

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-or-like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/alike

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-if-and-as-though




as .....as 構文の他の用法




as ....as ever

 嘗て〜したのと同じぐらいに → これまでで一番〜だ


I worked as hard as I had ever  donein my  life  for  my  final  exam.

= I worked as hard as I had ever  worked in my  life  for  my f inal  exam.

 期末テストのために、僕は人生で一番頑張った。

= I worked the hardest in my life for my final exam.


--------------------------------------------

*モノの数量が等しい場合には以下の表現を用います。


可算名詞に対しては

as many as 複数形名詞 as

as few as 複数形名詞 as


不可算名詞に対しては

as much as 不可算名詞 as

as little  as 複数形名詞 as


She had as much work as she needed and did not  want  to  take  on  any more.

 彼女は必要なだけの仕事を抱え、それ以上引き受けたくはなかったのです。


There are as many students in Class 2A as there  are  in  2B.

 2Aクラスには2Bクラスと同じだけの生徒がいます。


He spent as little money as he could.

 彼は出来るだけお金を使いませんでした。


He didn’t pay as much tax this year as last year  because  he  earned  less.

 彼は稼ぎが少なかったので、今年は昨年ほどには税金を払いませんでした。


I don’t read so many novels now as I used to.  (less  common)

 私は今は以前ほど多くの小説を読まなくなった。(あまり一般的でない)





強調表現としての as.......    as


as.....  as, は、数値の前に用いて、それが驚くほどの程度であることを示す強調の意味で利用されることもあります。

 〜もの〜の


as much as, as many as で驚くほど多くの、の意味に

同様に、as little as で、たったの〜、 as few as で、僅か〜の、になります。


As many as four and a half million people  watched  today's  parade.

 今日のパレードは、450万人もの人々が見守りました。


The organisers hope to raise as much as  £6m  for  charity.

 主催者は、チャリティーのために600万ポンドもの寄付金を集めることを望んでいます。


I've heard of people paying as much as 20 dollars for popcorn at a movie.

映画でポップコーンに20ドルも払う人がいると聞いたことがあります。


You can look forward to a significant cash return by saving from as little as ten dollars a month.

月々たったの10ドルからの節約で、大きなキャッシュリターンを期待できます。


Some people have been waiting in line as long as 24 hours to get new iPhone.

 新しいiPhoneを手に入れるために、24時間も行列している人もいる。




*以下はフレーズとしての特別な意味を持つ用法になります。

as much as

= almost,  practically; virtually; in effect  ほぼ、ほとんど、実質的に


He as much as admitted that it was his fault.

 彼は自分の所為だと認めたも同然です。

= He almost admitted that it was his fault.


cf. as it is

= already:

* as it is それが実際にそうである様に→既に


I'm not buying the children anything else today - I've spent far too much money as it is.

 今日はもう子供たちに何も買い与えない。既にあまりにもお金を使いすぎてしまったし。


as it is は多用される表現ですが、基本的に、今ある様に、の意味になります。



as much as

= although 〜にも関わらず、〜は山々だが


辞書には掲載されていない用法ですが、口語では as much as  を 接続詞 although の意味で利用します。

*これも原義は、〜と同じぐらい〜だ、の意味ですが、ここから、〜にも関わらず、生憎と〜だ、の意味が派生したのでしょう。


この様に、元の意味に譲歩の意味が加わる事が英語表現にはそこそこ見られます。英語の1つの性質、特徴と呼称出来るのかも知れません。


As much as I want to stay, I have to go.

滞在したいのは山々ですが行かねばなりません。


As much as I'd love to help you, I can't.

 あなたを助けたいのは山々ですが、できません。


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通常の意味用法としての as much as


*as....as は、2つのものがある規準に於いて同じことを示します。例えば as tall as だと同じぐらいの背丈である、の意味になりますね。

*では as much as の much は何を表す尺度なのでしょうか?

*これは1つには、物量が等しいことを表しますが、他には、事象の烈しさ、程度、度合いが等しいことを意味します。


例えば、A is as much B as A is C.で、


AがCであるのと同程度にAがBである、と訳せばOKです。


Food choice is as much about what's  available  to be  eaten as it is about what a species evolved to eat.

食物の選択とは或る動物が何を食べようかと進化したのと同程度に食べるには何が手に入るのかに関することである。

(about は口語では、コトの本質は〜だ、ぶっちゃけ〜だ、の用法がありますが、formal では利用しません。

 ここでは about = concerning, relating to 〜に関する、まつわる、として訳しています。)


*ちなみに受験に頻出するnot  so  much  A  as  B  は、Aよりも寧ろBだ、と定番に訳しますが、

S is not so much A as S is B.

 SがBである程度(ほど)にはSはAではない→SはAよりは寧ろBだ、ですね。

*落ち着いて考えれば混乱を来さないのではと思います。





as .....as.. の構造を持つ慣用表現




*as .....as.. の構造を持つ慣用表現があります。これらは固有の意味を持つ idiom と考えて良いものですが、そのまま意味を覚えてしまいましょう。


as likely as not

= probably  おそらく、多分、可能性が高い


As likely as not, she'll end up in court over this problem.

 おそらく、彼女はこの問題を巡り最後は裁判になる可能性もある。

= It is likely that she'll end up in court over this problem.


In those days, a woman would as likely as not be  widowed  by  50.

 当時、女性は50歳までに未亡人になる可能性が高かったのです。


If children are not given boundaries, they will as  likely  as  not feel  insecure.

 子どもは、境界線を与えられないと、不安になるものです。


You will find a warm welcome at the hotel and, as  likely  as  not,  several  more  groups  of  walkers.

 ホテルでは温かく迎えてくれるだろうし、ウォーカーのグループも何組かいるはずだ。


If you are a billionaire, you as likely as not have  several  homes  scattered  around  the  globe.

 あなたが億万長者なら、世界中にいくつもの家を持っている可能性が高い。


--------------------------------------------


as often as not

= more often than not

= usually: いつもは、普通は


More often than not when I make the effort to visit her, I wonder why I even bothered.

 彼女の元を折角訪れても、「なんでこんなことをわざわざしたんだろう」と思うことが多々あります。





as... as anything

informal 主に英国用法

used to add emphasis to an adjective or adverb:

 形容詞、副詞を強調する、何事にも負けないほどに

 

He's as fat as anything (= very fat).

 なにものにも等しく太っている。→ 奴はずげぇデブだぜ。


He used to be as smart as anything.

 昔は何事にも負けないくらい頭が良かった。


彼女はドアを開けると 何事にも臆すること無く飛び出した

 She opened the door and jumped out, quick as anything.



as all that

英国用法

as one might expect or hope ひょっとして人が期待するのと同様に


The show was not as great as all that

 そのショーは、人が期待したかも知れないほどには素晴らしいものではありませんでした。



--------------------------------------------


as good as

almost ほぼ、ほとんど


The decorating is as good as finished - I just need to finish off the painting.

 装飾は完了したも同然で、あとは塗装を仕上げるだけです。



--------------------------------------------


as well as

= in addition to whay we alredy know  我々が既に知っている事と同様に、加えて


In Japan, Honda makes excellent autumobiles as well as electronics.

 日本では、本田はエレクトロニクスだけでなく、優れた自動車も作っています。


She is really fit. She works out at the gym as well as jogs daily.

 彼女は本当に健康的です。毎日のジョギングに加え、もジムでのトレーニングもしています。


cf. just as well that

=a good thing 〜するのは丁度良い


It was just as well we arrived at the movie therter early. We ran into Mike and Sarah and chatted while we waited.

 早めに映画館に到着したのはちょうどよかった。たまたまマイクとサラに遭遇し、待ち時間におしゃべりをしました。



--------------------------------------------


as long as


1.  if: もし〜なら、〜する限りは (条件)

= on the condition that

条件や時間を表す接続詞内は未来の事を現在形で表現することにご注意下さい



You can have a dog as long as you promise to take care of it.

 もし世話をすることを約束するなら、犬を飼ってもいいよ。


I'll lend you some money as long as you can pay me back tomorrow.

 明日返してくれるなら、お金を貸してあげるよ。


Good things will happen to you only as long as you continue to work hard.

 努力を続けている間だけ、良いことが起こります。



2. 〜する間、〜の限り (時間)

I'll wait as long as it takes.

 時間の許す限り待つつもりです。


He won't forget what happened as long as he lives.

 彼は生きている限り、この出来事を忘れることはないでしょう。


(つづく)








様態を表す表現



2023年6月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これまで過去半年近くに亘り、英語の様相表現、即ち法助動詞とその関連表現について詳細に解説してきました。これは、話す内容の確からしさの程度と義務の念の2つを語る表現でした。様相とは少し似た言葉ですが、話のついで?とばかりに、次には、様態表現、即ち、〜に似た、〜の様だ、の一連の表現について個々に取り上げることにしましょう。まぁ、広義の比喩表現になります。他と比べることで言いたい物事がより鮮明に浮かび上がる事例は日常茶飯ですし、学問の根本的方法論を支える支柱でもあります。。これまで折に触れ断片的に解説を加えてきたものの集成ともなります。その解説の第1回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-as

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-too

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-or-like

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-if-and-as-though





様態表現とは




 様態表現とは、要は、Aなるものを記述する際に、それに類似したものを併記して、読み手の想像を高め、主張することをより理解し易くする為の表現になります。これは比喩、より正確に言えば広義の直喩に相当するものです。丸で〜の様だ、恰も〜の様だ、〜と同様だ、〜と同じやり方だ、〜と類似している、そっくりだ、比肩する、などの表現を含みますが、ここでは、ちょっと幅を広げ、〜と同じぐらい〜だ、などの、いわゆる比較表限も扱います。


 各表現並びにその周辺の注意事項などを含めて、主に語法を主軸に話を展開して行きましょう。まずはいの一番として as を取り上げます。




as

*as には、副詞としての用法に加え、前置詞、接続詞、また代名詞としての用法もあります。各々、形容詞・副詞、名詞(句)、そして文章に掛かります。


*各品詞の as は多義的なそれぞれ意味用法を持ち、同時に複数の解釈が可能な場合もありますがいずれも正しいと考えて良いでしょう。換言すれば曖昧性を内包する語であり、non-native には混乱を来しやすい語と言えます。まずは一通りの用法を復習がてらここで見て行きましょう。


*以下品詞分類に従い解説を進めますが、as は本来は品詞分類よりは意味用法の分類を先行して理解すべき語と言えます。




副詞としての as




*複数の意味を持ちます。いずれも動詞を修飾する副詞と見倣す事が出来ますが、as 以下に省略された語句が存在すると考えれば接続詞としても考える事が出来ます。即副詞以外の品詞として考えることが可能です。


*詰まりは as には多義が有り、その各々の意味に於いて文法上は各品詞として様々に利用される、と理解した方が早いでしょう。


*ここでは基本的な意味について解説するに留まり、のちほどのコラムにて、他語句との組み合わせによる慣用的用法について詳述致します


*以下の意味は as の他の品詞にもそのまま当てはまります。


--------------------------------------------


1. to the same degree, amount, or extent; similarly; equally

 同じ程度に、類似して、等しく


I don't think it's as hot and humid today as it was yesterday

 今日は昨日ほど蒸し暑くはないと思います。(後ろの as は副詞では無く接続詞)


I'm just as happy at home

 僕は家でも同じように楽しめる。



2. for example; for instance

 例えば〜


Some flowers, as the rose, require special care.

 例えばバラのように特別な手入れが必要な花もあります。



3. thought to be or considered to be

 〜と考えられる


It is the square as distinct from the rectangle.

 それは、長方形とは異なる正方形です。

= It is the square which is thought to be distinct from the rectangle.


This is the church as separate from the state.

 これは、国家から切り離された教会である。

= This is the church which is thought to be separate from the state.



4. in the manner (directed, agreed, promised, etc.)

 〜のようなやり方で


She sang as promised.

 彼女は約束通り歌いました。


He left as agreed.

 彼は合意通りに出発した。


romanticism as contrasted with classicism

 古典派に対するロマン派




as.....as....の構文



比較する2つの事象の程度や状態が等しいことを示します。即ち質や量に関する比較を行う表現になります。as + (形容詞 or 副詞)+as + (名詞 of 文章) の組み合わせとして用いられますが、後ろの方の as は名詞(実はこれは文章の一部)或いは文章を従えますので明らかに副詞ではありません。前方の as のみが文法的には副詞とされるでしょう。尤も、その様な品詞としてnative が区別して意識していることは無く、as.....as....の決まり文句として利用している他にはありません。等価を意味しますので、be equal to などを使って書き換えることができますが、<素直>に、 as....as... を使うのも良さそうです


He’s grown so much. He’s as tall as his father now.  (adj + noun  phrase)

 彼はとても大きく成長した。今や父親と同じぐらいの背だよ。

= He’s grown so much. He’s as tall as his father  is  tall  now.

彼はとても大きく成長した。今や父親が高いのと同じぐらいに背が高い。


*後ろの as は文章を本来的に従えていますので、文法的には、接続詞〜のようだ、になります。


= He’s grown so much. His height is now equal to that of his father.

 彼はとても成長しました。身長は今は父親と同じくらいになりました。


The team is still as good as it was five years  ago.  (adj  +  clause)

 そのチームはまだ5年前と同じぐらい良い。

= The team is still as good as it was good five  years  ago.


= The condition of the team is still equal to that of  five  years ago.

 チームのコンディションは5年前と変わらずに同等です。


He is a dangerous driver. He's always driving twice as fast as allowed.

奴は危険なドライバーで、許容される速度の2倍のスピードでいつも運転しているんだよ。

 (普通の者にはあり得ないことを現在進行形を用いて強調しています)


Why did they give you so many fries? I only got half as many as you.

どうしてあなたにはこんなにたくさんポテトをくれたの?私はあなたの半分しかもらえなかったよ。


--------------------------------------------


*どの程度の同一さなのかについて、適宜副詞を前に添えて述べます


I am almost/ nearly as old as my wife.

私は家内とほぼ同じ年齢です。


I am not almost as old as my wife.

私は家内とほぼ同じ年齢ということはありません。


I am not nearly as old as my wife.

 僕が家内と同じ歳だなんてとんでもない。(not nearly で強い否定を表します。)

= My wife is much older than I.


I don't know how many people live in Chicago, but there must be at least as many people there as in Los Angeles.

シカゴにどれだけの人が住んでいるかは知りませんが、少なくともロサンゼルスと同じくらいの人数はいるはずです。


I want to be able to speak English at least as well as you.

少なくとも、あなたと同じように英語を話せるようになりたいです。


--------------------------------------------


後ろの as  に文章が続く場合は、しばしば短縮されたり、動詞を do で言い換えたり、法助動詞で止めたりします。


The company is not performing as successfully as it  did when  Arthur  Carling was the President. (adv + clause)

その会社はアーサー・カーリングが社長だった時と同じ様には成功を遂げてはいません。

= The company is not performing as successfully as  it  performed  successfully when Arthur Carling was the President.

 その会社はアーサー・カーリングが社長だった時に成功を収めていたのと同じ様には成功を遂げてはいません。



cf. not ...as.A as B  B程にはAでない

これは、not so A as B よりは一般的です。


She’s not so shy as she used to be. (less common)

 彼女は嘗てそうだった程にはシャイではありません。



If the sales figures are as bad as  predicted, the  company  will  probably  go bankrupt.

If the sales figures are as bad as  economists  have  predicted,  the company will probably go bankrupt.

 もし、経済学者の予測通り販売状況が悪ければ、同社はおそらく倒産するだろう。


You have to unwrap it as carefully as you  can.  It’s quite fragile.

= You have to unwrap it as carefully as you  can  unwrap  it.  It’s quite fragile.

 できるだけ丁寧に包装を解いてください。 かなり壊れやすいんです。








法助動詞 modal verbs と関連表現30




2023年6月1日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第30回目です。5ヶ月に及ぶ長丁場でしたが、今回で modal expressions 様相表現の一連の解説は終わります。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types




be 動詞を用いた modal expression




*以下の表現は modal meaning を持ちます。即ち、いずれも確からしさの程度 degrees  of  certainty や義務の程度  degrees  of  obligation を表現します

*適宜 modal verb 或いは他の類似表現に置換可能です。


*多くは既にこれまでに解説して来た表現になりますが


 塾長のコラム 2020年 9月15日

 塾長のコラム 2021年12月 5日

 塾長のコラム 2021年12月10日

 塾長のコラム 2021年12月20日


 をご参照下さい。例文もそちらに掲載してあります。ここでは復習がてら簡易な言い換えのみを掲載しておきますね。


* model  verbs をこれらの表現の動詞 be の前に置いて組み合わせることは可能ですが、それ自体に未来の表現を含む場合には will  などとは組み合わせられません。また義務の念を含む場合には should や have to などとも組み合わせられません。意味が重複するからです。




A.未来に於ける確からしさを表す表現


*下記の表現があります:

be  to  do

be  going  to

be  due  to

be  about  to

be  supposed  to


*全て文の主語に拠らない他律的な未来をも意味し得ます。<〜と言う事になっている>のニュアンスです。

*未来の事を表しますので、will などとは同時に使えません。


*未来に於ける確からしさ→未来にそれが起こる事になっている→未来にそれが起こらねばならない→取り決めに従わねばならない→そうするべきだ

*この様に、英語では、未来への客観的な言及は義務の念に転じる性質を持ちます


*まぁ、be to do,  be + (adjective) + to do の表現に対しては、全て<〜することになっている>と解釈して外れません。


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be  to  do  sth

〜する手筈である to  be  held, to be arranged (過去表現として使えば、〜する運命だった、の意味)

〜する必要がある  need  to  do

〜すべきである、せねばならない  have  to  do,  be  obliged  to  do

〜する役務・役目がある   have a duty to do


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be  going  to  do  sth

be intending to do

〜するつもりだ

be planning to do

〜する計画をしている

to be certain or expected to happen in the  future

 (確たる証拠を持って)〜になる、〜する


*意味或いは用例的にはほぼ will に一致しますが、will の方は意志の力によって〜して見せる、などの意味も加わります。またwill には他の意味用法も存在します。

*未来表現については以前のコラムにて既に詳述しています。


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be  due  to  do  sth

*通常時間表現と共に用いられます。

= be expected to do, be  planned  to  do, be  intended  to  do,  be  going  to  do

 (特定の時に)起きることが期待されている、起きる事を計画している、そうする積もりである、〜することになっている


--------------------------------


be  about  to  do  sth

= be going to do very soon, be expected  to  do,  be  almost  ready  to  do,  be  intending  to  do

 すぐに〜する(ことになっている)、〜する積もりだ、〜するところだ、〜する手筈、意図だ

既に、 soon  の意味が含まれていますので、時間表現は利用出来ません



cf. 過去表現 was/  were  about  to  do . A....when B  

 Bした時にはあわやAするところだった

 (すんでのところでしそうだったが実現しなかったことを表します、一種のギリギリ表現ですね)

*これは下記の almost などと異なり、gradation ではなく、その前段階にあって nothing happened を表します。即ち直前で行為に踏み込まなかったことになります。



cf. almost

almost =  not completely the case but is nearly the case 完全ではないが極く近い、ほぼ

*all or nothing  ではなく、状態、事象に gradation があることが前提となります。


The effect is almost impossible to describe.

 その効果は、ほとんど説明することができません。

→極く僅かは説明可能だ。


The arrested man will almost certainly be kept at this police station.

 逮捕された男は、ほぼ間違いなくこの警察署に留め置かれることになる。(=高い確率で)


He contracted Spanish flu, which almost killed him.

 彼はスペイン風邪に感染し、ほとんど死にそうだった。

→瀕死の重症だったが辛うじて死ななかった。

= He contracted Spanish flu, which nearly killed him.

≒ When he contracted Spanish flu, he was about to be killed.


--------------------------------


be  supposed  to do  sth

 義務と取り決め、手筈を示す表現です。〜することなっている、〜する筈だ


@ to have to; to have a duty or a  responsibility  to

 〜せねばならない。〜すべき義務や責任がある、〜する筈となっている


A to be intended to

 〜と意図されている、意図している、〜する積もりである、〜する筈だ

= be meant to do


B It’s also used to talk about  people’s  expectations  or  beliefs  about  something:

 何かについての人々の(一般的な)期待や信心について述べる、〜することが期待される、〜するとされている、〜だとされている、〜の筈だ

= to be expected to do,  to be  believed  to  do



cf.be  not  supposed  to  do  sth

〜するのを許されない、許可されない、してはいけない (軽い禁止)


cf. was/were  supposed  to  do  sth,  but

 する筈だったが実現しなかったことを表します。


--------------------------------


be  meant  to  do  sth

 そうするのが望ましい、期待される、或いは意図されることを表現します。


・to be expected or desirable to do

 〜することが期待される、望ましい


・to be intended to:

 〜する様に意図されている、することになっている、〜の積もりだ、


・ to be planned to do

〜される計画、予定だ


人+ be meant to do sth

*受け身表現ですが、人称主語を取る場合は、場合に拠り受動体ではない日本語に適宜訳さないと意味が取れません。

*〜する積もり、予定である、するのが期待される、望まれる




B.現在/未来に於ける確からしさを表す表現


*全て仮主語 it を立てた文章に書き換え可能です。

*下記の表現があります:


be  certain  to

be  sure  to

be  likely  to

be  bound  to  do


--------------------------------


be  certain  to  do  sth

= it is certain that


be  sure  to  do sth

= it is sure that


be  likely  to/that

= be expected to happen; probable: 起こる事が期待される、おそらくあり得る

= it is likely that = it is probable that

 多分〜しそうだ、多分〜だ、おそらく〜だ


be  bound  to  do  sth

certain or extremely likely to happen:

 きっと〜になる

= it is certain that




C.現在に於ける能力を表す表現


be  able  to  do  sth

to have the necessary physical strength,  mental  power,  skill,  time, money, or opportunity to do something

 何かを行う為の肉体的な力、精神的な力、熟練、時間、金銭、機会を持つ、〜出来る




D.現在に於ける義務、許容を表す表現


be  obliged  to  do  sth

 状況により〜せざるを得なくなる(精神的な力の作用)


be  forced  to  do  sth

 物理的な力により〜せざるを得なくなる(暴力、権力の作用)


be  set  to  do  sth

 〜の仕事をさせられる

= be given some work to do


be  allowed  to  do  sth

 〜する許しを与えられる、〜する制限をなくされる、自由に〜できる、〜が可能になる、出来る


*受験参考などでは le someone do の受動態がこれだと言い換える例もあります。



cf. be  ready  to  do  sth

informal

2つの意味があります。

・to be  willing  to  do  something:

 何かをする気になっている、用意がある


・to be going  to  do  something  immediately:

 即座に〜する積もりである、〜するところだ





参考 auxiliary verbs とは何か




*日本の学校英語では modal verb と auxiliary  verb を一括りにして助動詞の名で教えますが、英語圏ではこの2つは明確に区別され名称も異なります。


auxiliary verb は do, be, have の3つです。modal  verb と同様に主動詞の前に置いて利用します。以下、判り切ったことですが念の為おさらいしましょう。


*時制的には、do:  simple  tenses 単純時制,  be:  continuous  senses 進行形,  have:  perfest  tenses  完了形、で利用されます


*いずれも、確からしさの程度 degrees  of  certainty や義務の程度  degrees  of  obligation を表現する法助動詞としての機能は全く持たず、単なる文法記号としての役割しか持ちません。機能が全く別個のものであることは明らかですね。


--------------------------------


do

*疑問文、否定文また強調表現で利用されます。


Does she live locally? (interrogative)

They didn’t know which house it was.  (negative)

I do like your new laptop! (emphatic, with  spoken  stress  on do)


be

*状態が連続している場合に、並びに受動表現に用いられます。


I’m waiting for Sally to come home. (continuous)

 僕はサリーが家に来るのを待っている。(連続、進行形)


Her car was stolen from outside her house.  (passive)

 彼女の車は自宅の屋外から盗まれた。(受動態)


have

*完了表現で利用されます。


I’ve lost my memory stick. Have you seen it  anywhere?  (present  perfect)

She had seen my car outside the shop.  (past  perfect)




 今回で modal expression 様相表現の一連の解説は終わります。様相表現とは、単なる事実の描写、記述に対して、話し手側からの思いを加える修飾表現の1つですが、物を感じ、推測し、考える人間固有の精神発現が加えられる表現ですので、これに習熟することは、話し手側の哲学性、表現力を深めることにつながります。是非皆さんも  modal expression  の扱いに習熟して下さい







法助動詞 modal verbs と関連表現29




2023年5月25日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞 (正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第29回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types


https://www.turtlediary.com/lesson/semi-modal-verbs.html




modality の意味を持つ形容詞、副詞B



(つづき)


clear/ clearly

used to show that you think something  is  obvious  or  certain: 明白だ、確かだ

= obvious, certain


The accident was clearly the lorry driver's  fault.

 この事故は、明らかにトラック運転手の過失だった。

 

Clearly, you should tell her the truth.

 明らかに、あなたは彼女に真実を伝えるべきです。

= It's clear that you should tell her the  truth.


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obvious/ obviously

easily seen, recognized, or understood: 容易に理解、認識される、明白な


an obvious solution 明白な解決法

For obvious reasons, he needs to  find  work  soon.

 彼が仕事をすぐに見つける必要があるのは明らかな理由があります。


[ + (that) ] It's obvious (that) she  doesn't  like  him.

 彼女が彼を嫌っているのは明らかだった。


They have a small child so for  obvious  reasons  they  need money.

 彼らは小さな子供を抱えていてそれで明白な理由からお金が必要な訳です。


I know you don't like her, but do you  have  to make  it  so obvious?

 君が彼女を好きでないことは僕も知ってるけど、でもそんなにあからさまにする必要あるの?


Am I stating the obvious (= saying  what  everyone  already  knows)?

 僕は皆が判り切っていることを今喋っているのかな?



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注意

* apparent には、完全な意味での、明白な、の意味は有りませんのでご注意を!

動詞型は appear ですので<外見的にその様に見える>を源義に持ちます。これから、obviously visible 外見的に明らかに見える、また更に、一見真実そうには見えるが本当のところは判らない

の2つの意味を持ちます。


1.外見的には明白だ、obviously visible 、一見すると〜だ

 able  to  be  seen  or  understood: 見て取れる、分かる

 の意味ですね。


真実に於いて明白な、には obvious, obviously を使います。


It was becoming increasingly apparent  that  he  could  no  longer look after himself.

 彼が最早自身の面倒が見れないことがますます見て取れて来ていた。

= It was becoming increasingly  understood  that  he  could no longer look after himself.


2.seeming  to  be  true:

 本当に見える、一見〜だ、しかし本当のところは判らない


The apparent cause of death was  drowning,  but  further  tests  were needed.

= The cause of death seemed to be  drowning,  but further  tests  were needed.

= The cause of death appeared to be  drowning,  but  further  tests  were needed.

= It appeared that the death was caused  by  drowning,  but  further tests were needed.


 死因は(一見)溺死と思われたが、さらなる検査が必要だった。




B.義務の程度を表す形容詞と副詞


形容詞:  necessary,  compulsory,  obligatory,  essential

副詞:  necessarily


*形容詞は It is ...that の形で利用出来ます。

*副詞の方は(that 節の)文に入れて利用が可能です。


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necessary/ necessarily


necessarily  はしばしば  not  と共に利用されます。<not ...necessarily>  = <必ずしも〜ではない>

*この表現は入試の英作課題に頻出します。

*これは、準法助動詞  need  が否定形として利用されることが多いのと類似します。


not necessory = not in every case  全ての場合で〜と言う訳では無い (事象について言う)

not always 常に〜と言う訳では無い (時間について言う)

似た様な表現なのですが、事象としての蓋然性か、時間としての蓋然性なのかのニュアンスの違いがあります。


An erudite is not necessarily a good  teacher.

= An erudite is not always a good teacher.

 博学の者が必ずしも良い教師とは限らない。


I met Gary in Wales when I was at university  there  and  we  ideally wanted to stay in Wales. Not necessarily in South Wales. (not obligatory ? it  can be South Wales or in another part of Wales)

 ウェールズの大学にいる時に私はそこでゲーリーに会いましたが、理想的には共にウェールズに滞在したく思いました。必ずしも南ウェールズではなくても。


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compulsory

(of something) that must be done; necessary  by  law  or  a  rule

されねばならない、法律や規則により必要とされる、義務の、強制の

= mandatory


Swimming was compulsory at my school.

 私の学校では水泳は必修です。


The law made wearing seat belts in  cars  compulsory.

 その法律は乗車時のシートベルト着用を義務化させた。


Education is compulsory for children between  the  ages  of  5  and  16.

 教育は5歳から16歳の子供には義務になっています。


compulsory (for sb) (to do sth)

It isn't compulsory for employers to offer  staff  private  healthcare,  but many do.

 雇用主が従業員にプライベートヘルスケアを提供することは義務づけられていませんが、多くの雇用主がそうしています。



mandatory

used to describe something that must be done,  usually  because  the law states that it is necessary

 法律的に義務の、強制の


Athletes must undergo a mandatory drugs test before competing in the championship.

 選手は選手権に出場する前に、必ず薬物検査を受けなければならない。


In 1991, the British government made it  mandatory  to  wear rear seat belts in cars.

1991年、イギリス政府は自動車の後部座席ベルトの着用を義務化した。


mandatory for sb to do sth

They would make it mandatory for everyone  to  have  health  insurance.

 彼らはすべての人が健康保険に加入している様に義務付けるだろう。


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obligatory

1. If something is obligatory, you must do it  because  of  a  rule or law, etc.: 義務の、必修の、義務とされている


compulsory が、法令、規則により強制される、の意味であるのに対し、obligatory は周囲の状況がそうさせる、の語感になります。


*be compelled to do vs. be obliged to do の意味の違いに対応します。


The medical examination before you start  work  is  obligatory.

 入社前の健康診断が義務付けられています。


[ + to infinitive ] The statute made it obligatory for all  healthy  males  between  14 and 60 to work.

 この法令により、14歳から60歳までの健康な男性には労働が義務づけられた。



it is obligatory for sb to do sth

It is obligatory for members in practice  to  hold  insurance.

 実務上、会員には保険加入が義務付けられています。



2. (of an action) expected, esp. because  it  is  what  most  people  do: 多くの者がそうすると期待されている、お決まりの

Everybody who goes to England makes the  obligatory  trip  to  Stonehenge.

 イギリスへ行くと、誰もがストーンヘンジへ行くことのがお決まりです(通例そうなっている)。


Several Secret Service agents surrounded the President,  all  wearing  the obligatory raincoat and hat.

 数人のシークレットサービスが大統領を取り囲み、全員お決まりのレインコートと帽子をかぶっている。


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essential

relating to something's or someone's basic  or  most  important  qualities: 基本的な、本質の、最も大切な、重要な、不可欠の、必須の

= all-important,  crucial,  indispensable,  vital  (IMPORTANT)


I love the building as it is, and don't want to  do  anything  to  change  its essential character.

 私はあるがままのこの建物が大好きで、その本質的な性格を変えるようなことはしたくありません。


She believes in the essential goodness of  human  beings.

 彼女は人間の本質的な良さを信じている。


Government support will be essential if the  project  is  to  succeed.

 プロジェクトを成功させるためには、政府の支援が不可欠です。


There is essential work to be done before  the  building  can  be re-occupied.

 再入居のためには必要不可欠な作業があります。


Water is essential for/to living things.

 水は生き物にとって必要不可欠なものです。


It is essential (that) our prices remain competitive.

 価格競争力を維持することが重要です。


[ + to infinitive ]

For the experiment to be valid, it is essential  to  record  the  data  accurately.

 実験が有効であるためには、データを正確に記録することが不可欠である。


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cf. crucial

 Cambridge dictionary では crucial = extremely important or necessary と掲載されています。

他のweb 辞書を参照すると、Synonyms 同義語として all-important,  essential (NECESSARY),  vital (IMPORTANT) が出て居ますが、数が少ないですね。


*essential, crucial は頻発する単語であり、医学論文などでも頻用されるます。very important と記述しても全く減点にはなりません。


https://www.etymonline.com/word/crucial

crucial (adj.)

The meaning "decisive, critical, finally disproving  one  of  two  alternative  suppositions" (1830) is extended from a logical term, Instantias  Crucis,  adopted by Francis Bacon (1620); the notion  is  of  cross  fingerboard signposts at forking roads, thus a requirement to choose.

また、「決定的な、決定的な、2つの仮説のうち1つを最終的に否定する」 (1830)という意味は、フランシス・ベーコン(1620)が採用した論理用語、InstantiasCrucis(決定的な事例)から拡張したもので、分かれ道の指板標識が交差していることから、選択の必要性を表す概念である。


山道で間違った方向に進むと命取りになる場合もありますが、それ故の、<とても重要>な、の意味になります



Her work has been crucial to the project's  success.

彼女の働きは、プロジェクトの成功に欠かせない。


[ + that ] It is crucial that the problem is  tackled  immediately.

 問題にすぐに取り組むことが肝要である。


The behavior of the oceans is a crucial aspect  of  global  warming.

 海洋の挙動は、地球温暖化の決定的な側面である。

 (意味が不鮮明な例文、悪文と言えそうですが、この手の英文に溢れています)

The change in the behavior of the oceans can be crucial  evidence  of  global warming.

海洋の挙動の変化は、地球温暖化の決定的な証拠と成り得ます。(ここまで明確に述べないと論文としては受理されないかもしれません)



crucially

The band wants to win over fans and,  more  crucially,  radio  programmers

そのバンドはファン、そしてより重要なことですが、ラジオプログラマーを獲得したいのです。








法助動詞 modal verbs と関連表現28




2023年5月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞 (正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第28回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types


https://www.turtlediary.com/lesson/semi-modal-verbs.html




modality の意味を持つ形容詞、副詞A




A.確からしさの程度を表す形容詞と副詞 (続き)


certain/ certainly


It’s a good machine.

 それは良いPCだね。

Yeah. It certainly is. (I agree completely.)

 ああ、確かに良いよ。(完全に君の意見に同意する)


certain

(WITHOUT DOUBT)

having no doubt or knowing exactly that something  is true, or known to be true, correct, exact, or effective:

 真実である事を確かに知っている、疑いを抱かない

[ + (that) ] Are you absolutely certain (that) you  gave  them  the right number?

 彼らに正しい番号を渡したのは絶対確かなのかい?


I feel certain (that) you're doing the right  thing.

 君が正しいことをしていると僕は確信するよ。


You should make certain (that) everyone  understands  the  instructions.

 皆がその指示を理解しているか君は確かめた方がいい。


[ + question word ] I'm not certain how much it  will  cost.

 それが幾らになるのか僕は確信が持てない。


He was quite certain about/of his attacker's  identity.

 彼は自分への攻撃者の身許について完全に確信していた。


*certain は基本的に、節(=文章)内容が確かだ、と言うことを示す為に多く利用されます。



certainly

(IN NO DOUBT)

used to reply completely or to emphasize  something  and  show  that there is no doubt about it:

全く疑いがない事を強調する、返答する


She certainly had a friend called Mark, but I  don't  know  whether  he was her boyfriend.

 彼女は確かにマークと言う名の友人がいたが、僕は彼が彼女の恋人だったのかどうかは知らない。


"This is rather a difficult question." "Yes, it's  certainly  not easy."

 これはとても難しい質問だね。はい、確かに易しくはありませんね。


"Do you think more money should be given  to  education?"  "Certainly!"

 君は教育にもっとお金が与えられるべきと思いますか?勿論ですよ。


"Had you forgotten about our anniversary?" "Certainly  not!  I've reserved a table at Michel's restaurant for this evening."

 私たちの記念日を忘れてしまったの?絶対ないよ。今晩の為にレストランマイケルで席を予約しといたんだ。


cf. 相手からの問いかけに対して、そんなの有るはず無いよ、と口語で強く否定するときは、

 ceratinly not,  definitely not, of course not, no  way など適宜使い分けて下さい。


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sure/ surely


sure


*注意: certainly と surely は意味が違います。 certainly  は疑いが全く無い時に用います(確かに〜だ)が、surely は相手からの同意が欲しい時に利用します(確かに〜の筈だよね)。


*certainly は強確信的、客観的、surely  は弱客観的、主観的と考えても良いでしょう。


*この様なmodality の客観 vs. 主観の対比は、例えば  be  going  to  vs. will、 have  to  vs.  must,   should   vs.  ought  to  などにも見られ、英語表現の語感のニュアンスを理解する上で重要な概念になります。


発言内容に関しての話し手の関与の度合いがどの程度であるのかに注意を払うのが英語なる言語の特徴の1つとも言えますが、日本語にはその様な概念は希薄な様にも塾長は感じます。


surely と certainly の意味の違い

The car is certainly more comfortable than the  bike.  (I  have  no doubt about it.)

 その車はそのバイクよりは確かにもっと快適だ。(話し手はそのことについて確信を持っている)


The car is surely more comfortable than the bike. (I’m  not  certain but this seems likely.)

 その車はそのバイクよりは確かにもっと快適な筈だけど。(話し手はそのことについて確信が無いがその様に感じている)


When I go to town now in Cardiff, I don’t  know  anybody.

 カーディフで今街に出ると、誰も知る者がいないんだ。

But, Richard, surely you’ve still got lots of  friends  here. (The  speaker is asking for agreement with something that seems likely.)

 リチャード、でも君は確かにここで友人がまだ多い筈だよね。(話し手はそうだろうと思う事に相手の同意を求めている)


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definite/ definitely

= without any doubt, certainly, decidedly

 疑いなく、確かに、決定的だ、絶対だ

特に会話文中で強調の語として頻用されます。日本語でも、絶対〜だ、勿論だ、と会話で頻用されますがそれと全く同じですね。


Have you definitely decided to go to Costa Rica?

 絶対にコスタリカに行くと決めたのかい?


"Are you going to have children?" "Oh,  definitely (= without  any  doubt)."

 子供を産む予定なの? 勿論よ。


"She's not coming?" "No, definitely not."

 彼女は来ないのかな? 絶対ないよ。


"Are you really going to quit your job?"  "Definitely!"

 君は仕事を本当に止めるつもり? 決まってるさ。


(接客時に)

Could I try these on? これらを試着していいかしら?

Definitely. Let me show you to the  fitting  room.

勿論です。試着室にご案内しましょう。


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toally

会話では、absolutely,  definitely,  certainly,  totally,  for  sure などがほぼ同一の意味で使われます。


尤も、辞書的には

totally = completely 完全に、全く、或いは extremely  極度に、の意味ですので


Her second husband is totally different  from  Mark.

 彼女の2番目の夫は、マークとは全く違う。


I totally agree with you.

 私も全くあなたに同感です。


This book is totally different from her  last  one.

 この本は、前作とは全く違うものです。


 などの用例を覚えて下さい。





会話に於ける modal expression




*現在の米国の会話に於いては、certainly が  formal、 definitely  (自信満々の気持)と  absolutely (万難を排して)が中間的、totally (80,90年代を想起させる)と for sure がカジュアル、とのニュアンスが説明されもします。certainly は会話ではほぼ使わない固い表現であり、使うとすれば、certainly not の組み合わせてとして使う程度の模様です。


---------------------------------------


for  certain,   for  sure,   for  definiteは、informal な会話では<確かに ceratainly>の意味でとても普通に利用されます


*これら3つは動詞 know としばしば共に利用されます。


It’s nice to get something for free, that’s  for  sure.

 無料で何かを手に入れるのは嬉しいぜ。確かに。


When’s the wedding going to be? April?

 結婚式はいつにあるの?4月?

= When’s the wedding going to be held?  April?

April the seventeenth for definite.

 4月17日でキマリさ。


We think Graham is coming. We don’t know  for  certain.  (or  for  sure/ for  definite)

 グラハムは来ると思うよ。はっきりとは判らないけど。







法助動詞 modal verbs と関連表現27




2023年5月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞 (正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第27回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types


https://www.turtlediary.com/lesson/semi-modal-verbs.html




modality の意味を持つ形容詞・副詞@




*modal verbs 以外にも  modality  を表す数多くの言葉が存在します。


*いずれも <確からしさの程度 degrees  of  certainty> や、<義務の程度 degrees  of  obligation> を表現します


*今回からは形容詞と副詞について解説を加えます。




A.確からしさの程度を表す形容詞と副詞


形容詞:  possible,  probable,  certain,  sure,  likely,  unlikely,  definite,  clear,  obvious

副詞:  possibly,  probably,  certainly,  surely,  definitely,  clearly,  obviously, perhaps,  maybe


*形容詞は It is ...that の形で利用出来ます。

*副詞の方は(that 節の)文に入れて利用が可能です。


*It is ...that の文章は、<〜と言う事が、明白だ、確かだ、有りそうだ>、と訳すのも良いですが、適宜、前から、<明白なことだが、確かなことだが、おそらく〜だ>と訳すのも良く、特にthat 節以下が長い場合はこの遣り方が機能します。読み下しながら和訳していく同時通訳方式ですね。


法助動詞を使うと時制表現に制限がある、完了形を用いる必要がある、などのところを、これらの副詞、形容詞を使うと、単純時制と組み合わせてラクに表現出来る大きな利点があります。


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possible/ possibly

 可能性がある


*正確には可能性とはある事象の起きる確率が50%、即ち、<起きるかも知れないし起きないかも知れない>、ことを表現します。


*日本語で<可能性が高い>、と良く言いますが。可能性に高低は存在せずに<可能性がある/ない>のみですので、正しくは<蓋然性 probability が高い>などと表現すべきです。

*こう言う次第で、日本人で、蓋然性が高い、と表現する者がいれば、普段から言語感覚を研ぎ澄ませている相当のインテリと即座に判明します。



Is it possible to ring us back when my  husband  is  home?

= Can/could you (possibly) ring us back  when  my  husband is home?)

 夫が家に戻った時にかけ直して貰うことは可能ですか?

→夫が家に戻った時にかけ直して貰えますか?(依頼の意味になります)


*米国英語だと ring  が call に置き換わります。


I’m thinking of possibly buying a house  now.  (I  might  buy a house.)

 今家を買う可能性について考えて居ます (ひょっとすると家を買うかもしれない)

= I’m thinking of the possibility to buy a  house  now.  (I  might buy a house.)


cf.  possibility  doing =  possibility  of  doing


He may possibly decide not to come, in which case there's no problem.

 彼は来ないと決めたかもしれないけど、その場合も全然問題ではないよ。


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probable

 〜が起こりそうだ、多分〜だ、蓋然性が高い

likely  to  be  true  or  likely  to  happen:


*名詞形 probability 自体は蓋然性、即ち発生確率を単に言い、ゼロから100%の間まで取り得ます。


The probable cause of death was heart  failure.

 おそらくの死因は心不全だ。

= It is probable that the cause of death  was  heart f ailure.

= The cause of death was probably  heart  failure.


It is probable that share prices will fall  even  more.

 株価は更に下落しそうだ。


An election in June seems increasingly  probable.

 6月の選挙がますますあり得そうに見える。

= An election in June seems increasingly  likely  to  happen.


increasingly = more and more ますます〜だ



probably

used to mean that something is  very  likely: とても起こりそうだ、おそらく、多分


I'll probably be home by midnight.

 真夜中までには僕は多分家に戻ってるよ。


I'm probably going - it depends on the  weather.

 多分出掛けると思うけど天気次第だね。(現在進行形で未来を表す用法)


He probably didn't even notice.

 彼はおそらく気付きさえしてなかった。

= It is probable that he didn't even  notice.


Probably the best thing to do is to call  them  before  you go.

 多分最善の事は君が出掛ける前に彼らに電話することだ。





perhaps

used to show that something is possible  or  that  you  are  not certain about something:

 何かが可能性がある、或いは確信を持てない、かもしれない

possible に近い意味であり、probable ほどの蓋然性は示しません。従って、<多分>と訳すと誤りになります


He hasn't written to me recently - perhaps  he's  lost  my address.

 このところ彼から手紙が来ていない。私の宛先を無くしたのかもしれない。

= He hasn't written to me recently - he's  possibly  lost  my address.


Perhaps the most important question has  not  been  asked.

最も重要な質問はまだ問われてはいないかもしれない。

= The most important question may have  not  been  asked.


We plan to travel to Europe - to Spain or  Italy  perhaps.

僕らはヨーロッパに旅行する計画だけど、スペインやイタリアに行くかも。


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maybe

used to show that something is possible  or  that  something  might be true:

 あることがあり得る、本当かもしれない


Maybe they'll come tomorrow.

 彼らは明日来るかも知れない。

= They'll possibly come tomorrow.


*法助動詞 may に未来用法は無く、may と  wil  も同時には使えませんので、この意味で副詞としての maybe  = may be は役立ちます。


Maybe you were right after all.

結局のところ君は正しかったのかも知れない。

= You were possibly right after all.

= You may have been right after all.


過去に対する推測である <may + 完了形>の複雑な表現を、<maybe,  perhaps,  possibly +過去形>を用いて簡単に表現出来て便利です


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likely

If something is likely, it will probably happen or  is  expected:

 おそらく起こる、起こりそうだ、起こると期待される


*〜する可能性が高い、と訳すと上手く填まるシーンが多いです。


Do remind me because I'm likely to forget.

 僕は忘れそうだから思い出させてよ。


What's the likely outcome of this  whole  business?

 この仕事全体の可能性の高い結果は何ですか?

≒ このビジネスは一体どうなるんだろう?

= What the hell is going on in this  business?


I suppose that might happen but it's not  very  likely.

 僕が思うにそれはひょっとして起きるかもしれないがでもそれほどでも無さそうだ。

 (I suppose で証拠に基づかない考え、即ち思いつきを述べる)

[ + that ] It's quite likely that we'll be  in  Spain this  time next year.

 来年の今頃は、我々はスペインにいる可能性がとても高いですね。


unlikely

not probable or likely to happen:

起こりそうではない、〜は無さそうだ、〜しそうにない、〜ないだろう、可能性が低い


*〜する可能性が低い、と訳すと上手く填まるシーンが多いです。


[ + (that) ] It's pretty unlikely (that) they'll  turn  up  now - it's nearly ten o'clock.

 もう10時近いから、彼らが姿を現すことはほぼなさそうだ。

 

The lack of evidence means that the  case  is  unlikely  to go to court.

 証拠の欠如はその事件が法廷に行く可能性が低い事を意味する。

→ 証拠がないため、裁判になる可能性は低い。


The government is unlikely to agree to the  rebels'  demands for independence.

 政府は反政府勢力の独立要求に応じそうにない。


Such unpopular legislation is unlikely to be  introduced  before the next election.

 このような不人気な法案は、次の選挙前には提出されることはないだろう。


Let's face it, our team is most unlikely to  win.

 正直に言うと、私たちのチームが勝つ可能性は最も低いのです。


This film is unlikely to attract large audiences  unless  it  is given a big push in the media.

 この映画は、メディアで大々的にプッシュしない限り、多くの観客を集めることはできないだろう。


(つづく)








法助動詞 modal verbs と関連表現26




2023年5月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第26回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types


https://www.turtlediary.com/lesson/semi-modal-verbs.html




modality の意味を持つ動詞A




A 義務  obligation, 許可  permission, 必要性  necessity を表す動詞


allow,  let 〜を許す

force,  make,  oblige 強制的に〜させる

demand,  require,  want 命令、要求する

permit,  prohibit,  forbid 許可する、禁止する

involve  =  make  interested  興味を持たせる

mean  =  intend

be  meant  to  do  sth  =  to  be  intended  to 〜する様に意図されている


*個々の動詞の用例についてこれまでコラム各所で触れて来ていますので、ここでは幾つかを復習がてら簡略に説明するに留めます。


*大方、広義の SVOC の文型を取ります。SV + [OC = (S+V)] の形ですが、(S+V) である様に、許す、させる、禁止する、命じる、要求する、の意味になります。


-------------------------------------------------


allow,  let

〜を許す、させておく、〜を実行、実現可能にさせる


*自発的に〜したいと望む対象に、そうするのを許す、解き放つ、の意味を持ちます。法助動詞  may,  can しても良い、に似た意味ですね。

*日本語の使役(〜セシムル)の意味とは離れ、許可動詞、放任動詞と呼称しても良さそうです。


allow  A  to  do  B : A が B するのを許す、A は B出来る

let  A  do  B: A が B するのを放置する、A が Bす るのを好きにさせておく


*広義の SVOC 文型を作り、A が主語、B が述語になります。

*意味が取りにくかったら、<A がB する>とまず把握し、それが許される、可能になる、好きに置かれる、のだと理解して下さい。


* allow は動名詞も取ります。

There aren’t any flights that allow  smoking.

 喫煙を許可する航空便はありません。


cf. flight

a journey  in  an  aircraft: 航空機での移動旅行、航行、飛行機搭乗

I'll never forget my first flight.

 僕は初めての飛行機搭乗のことをけして忘れない。


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force,  make,  oblige,compel

 強制的に〜させる


force someone to do

oblige someone to do

compel someone to do

make someone do



*相手の意思にお構いなく無理遣りさせる、〜し向ける、の意味です。使役、義務を与える意味から、must, have to の意味にも近接します。


be forced to do,  be obliged to do, be compelled to do,  be  made  (to)  do の受動態を取ることも多いです。


*広義のSVOC 文型を作り、Aが主語、Bが述語になります。

 force A to do B →<AがBする>のを強いた


*意味が取りにくかったら、<AがBする>とまず把握し、それを強制する、のだと理解して下さい。



Millie made us walk back.

 ミリーは僕らを歩いて戻らせた。

→ Millie made <we walk back>.

<僕らが歩いて戻る>ことをミリーが強いた。

= Millie forced us to walk back.

= We were made (to) walk by Millie.


cf. walk back to 〜に徒歩で戻る



cf. involve someone in

= make someone interested in

 興味を持たせる


A good teacher tries to involve children  in  activities  where  they interact with each other.

 良い教師とは生徒達が互いに交流する活動へと子供達に興味を抱かせようとするものです。

→良い教師とは子供達が互いに交流し合える活動に興味を抱く様にと努めるものです。

=A good teacher tries to make  children  interested  in  activities where they interact with each other.



cf. involve vs. commit

commit は対象に全身全霊をどっぷり入れ込む、までの関与を意味しますが、involve はそのレベルまでには至らず、参加する、首を突っ込む程度に終わります。まぁ、そこそこ関与する、ですね。





demand,  require,  want 

 命令、要求する


demand someone to do

require someone to do

want someone to do


或いは

demand that

require that


 の形を取ります。want はthat 節を取りませんが、元々 want は、何が不足する → 欲しい、への転用ですので、意味的にthat は取れないのが分かります。


*命令を表す will, shall, can、或いは必要性を表す need などに意味が近接します。



*広義のSVOC 文型を作り、Aが主語、Bが述語になります。

 demand A to do B →<AがBする>のを要求する、<A が B する>様に要求する


*意味が取りにくかったら、<AがBする>とまず把握し、それを求める、のだと理解して下さい。


Do you want him to come and work here?

 君は彼にここに働きに来て欲しいのかい?

→ Do you want <he comes and work  here>

<彼がここに働きに来る>ことを君は欲するのか?


cf. come and do = come to do 〜しに来る

   go and do = go to do 〜しに行く

*casual な口語表現です


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permit,  prohibit,  forbid 

 許可する、禁止する


permit

= to allow something: 許可する

permit someone to do

permit doing

permit oneself do

permit of

の形を取ります


The security system will not permit  you  to  enter  without  the correct password.

 安全システムは正しいパスワード無しでは入室を許可しません。


The prison authorities permit visiting  only  once  a  month.

 刑務所当局は月に1度のみの訪問しか許可しません。


As it was such a special occasion, she  permitted  herself  a  small glass of champagne.

 特別な機会だったので、彼女は自分に小さなグラス一杯のシャンパンを許した。


The law permits of no other interpretation.

 その法律は他の解釈を許さない。



prohibit

to officially forbid something:

 公的に禁止する


The law prohibits smoking in restaurants.

 法律はレストランでの喫煙を禁じている。


The government introduced a law  prohibiting  tobacco  advertisements on TV.

 政府はTVでのタバコ広告を禁じる法律を導入した。


prohibit  A  from  doing B

AがBするのを禁じる


Motor vehicles are prohibited from driving in the town centre.

 エンジン付きの乗り物は街の中心部で運転することを禁じられている。

= The law prohibits motor vehicles from  driving  in  the t own centre. (この drive は自動詞)

= The law prohibits motor vehicles from  being  driven  in  the town centre.

= The law prohibits us from driving motor  vehicles  in  the  town centre.



forbid

to refuse to allow something, especially  officially,  or  to  prevent a particular plan of action by making it impossible:

 公的に禁止する


The law forbids the sale of cigarettes to  people  under  the age of 16.

 法律は16歳未満の者へのタバコの販売を禁じている。


forbid someone to do

 〜する事を人に禁じる

He's obviously really embarrassed about it  because  he  forbade  me to tell anyone.

誰にも言うなと私に禁じたので、彼はそのことに本当に困惑している。


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mean 

= intend

be meant to do sth = to be intended to 〜する様に意図されている


話し手側の意向、或いは客観的にそう言うことになっているんだ、の様相を加えます。目論まれている、そう決まっている、の意味合いですね。


文章の主語の意思ではないことにご注意下さい。全ての modality 関連語と同様に、客観的な視点から叙述します。








法助動詞 modal verbs と関連表現25




2023年5月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第25回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://ja.wikipedia.org/wiki/コピュラ




様相の意味  modal  meaning を表現する一般動詞@




*法助動詞以外に様相 (確からしさの程度と義務の程度) の意味 modal  meaning を表現する一般動詞がありますので解説していきましょう。



@ 可能性  possiblity  と蓋然性  likelihood  を表現する動詞


reckon,  suppose,  believe,  guess,  think 〜と思う、信じる

know  〜と分かっている、知っている

expect,  promise  期待、約束する

appear,  feel,  look,  seem,  sound 〜に見える、感じる、聞こえる

gather 〜だと理解する,  

tend 良く〜する、〜しがちだ、〜する確率が高い


*ここに示した大方の動詞は that 節を目的語として取りますが、that  節以下の文章内容に様相( 確からしさの程度或いは義務の程度)を加える点に於いて法助動詞的な意味を加える機能を持つことが理解出来るでしょう。


これらの動詞が to 不定詞を取る場合は、to 不定詞以下が、この先起こることを期待する、約束する、そうなりがちだ、との未来に対する可能性、蓋然性を述べる表現になりますね。


*that 節を取ることが出来る動詞については以下のコラムにてリストアップしてあります。目通しして下さい。

https://www.kensvetblog.net/column/201908/20190815/

動詞型E that 節を取る動詞T


https://www.kensvetblog.net/column/201908/20190820/

動詞型F that 節を取る動詞U


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幾つか例示します:


think

 〜と思う (或る程度以上の確信性を持って居る)


reckon

  〜と思う、英国の口語で利用されます


suppose 

 確信が持てないが〜ではと思う


guess 

 投げやりな気持で〜と思う、〜もいいかも、(推測する、との意味を除いて、ぞんざいな口語表現です)



I think the meeting is about to start.

 この会合はすぐに始まると思うよ。(単に心にそう思い浮かんだのではなく、或る程度の根拠を元にそう思っている)


I suppose we’d better go.

 行った方が良いと僕は思うけど。

→行かないとマズくないかい? (確信は持てないがそう思う)



gather

to understand or believe something as a result  of  something  that  has  been said or done:

 言及された或いは為された何かの結果としての何かを理解或いは信じる

Harry loves his new job, I gather.

 ハリーは自分の新たな仕事を愛していると僕は思う。


From what I can gather, they're old school  friends.

 私が理解し得るに、彼らは昔の学友だ。

= From what I can understand, they're old school  friends.

 (共に頻用される表現です)



tend to do

(be likely/  apt to do)

to be likely to happen or to have  a  particular  characteristic  or  effect:

起こりそうに見える、可能性が高い、特別の性格や効果を持っていそうに見える、良く〜する、〜し勝ちだ


*〜する蓋然性が高い、傾向にある、〜する割合が高い、ですね。


We tend to eat at home.

 我々は家で良く食事します。

= We often eat at home.


Children tend to be like their parents.

 子供は自分の両親に似るものです。

= It's likely that children are/will be like  their  parents.



expect & promise


I expect to be back home by 6.

 6時までに家に戻っている様にしたい(戻れると思う)。

 (そうなる蓋然性は高い、或いはその可能性がある)

=  I expect that I'll be back home by 6.


I promise you that I will continue to  listen  and,  where  I  can,  I  will  do my best.

 聴き続けること、そして出来るところではベストを尽くすこと、を君に約束するよ。

 (約束なる決意表明ゆえ、それが実現される蓋然性は低くは無い)

* where I can = where I can do my best


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appear,  feel,  look,  seem,  sound


*様態を表す動詞 appear,  feel,  look,  seem,  sound は仮の主語   it  を先に立てて、その内容を節で後ろに置く形式をしばしば取ります

文の主語のものではなく、その文章の話し手/書き手側の  opinion  意見の表明になることにご注意下さい。


It appears that they won’t be able to sell  the  house.

 彼らは(この先)家を売ることが出来ない様に見える。

≒ They don't appear to be able to sell  the  house  in  the  future

≒ They don't seem to be able to sell  the  house  in  the  future


*日本語には未来形が無く、現在形+未来を表す時間表現で未来を表すしか有りません。 <won't  be  able  to sell>  を、<売る事が出来ないだろう>、と訳すと、推測の意味が混入し単純な未来の意味が濁ってしまいます。時間表現を伴わない英語の  will,  won't  の文章を正しく和訳するには、適宜<この先>などの未来時間表現を加えた日本語の現在形で訳すのが一番でしょうね。



It seems like I was dreaming.

 僕は夢を見ていた様に思える。(like は前置詞なので文法的に後ろに文は取れないが、口語では一般的な表現)

≒  It seems as if I was dreaming.

≒  It seems that I was dreaming.

≒  I seem to have been dreaming.



*like 〜の様だ、は前置詞として機能しますが、後ろに文章を取る接続詞としての機能は本来は持ちません(会話表現になります)。

informal な会話等では 様態を示す接続詞  as  の代わりに  like  が普通に利用されます。次第に like の接続詞としての用法が文法として正式に許容されるになるかもしれませんね。


Like any good cookbook will tell you, don’t  let  the  milk  boil.

= As any good cookbook will tell you, don’t  let  the  milk  boil.

 まともな料理本ならどれも書いてある様に、ミルクを沸騰させては駄目だ。

≒ Any goodcook book will tell you not to  let  the  milk  boil.



It feels more comfortable in here than in  the  kitchen.

 台所よりここにいる方がもっと快適に感じるよ。

= It feels more comfortable for me to  be  in  here  than  in  the  kitchen.

= I feels more comfortable in here than  in  the  kitchen.


*仮主語 it が代理する内容構造が簡略化され、一見、it が状況を表す形式主語の様に見えますね。


*in  here  の  in は本来不要ですが、 in  the  kitchen  との対称性及び、ここの中、の意味を強調する為に添えられたのでしょう。


 (次回コラムにつづく)




(補足説明)

Linking verbs 連結動詞


*linking verbs 連結動詞 或いは copular  verbs コピュラー・バーブズ 繋合 (けいごう) 動詞  と呼ばれる幾つかの動詞があります。後ろに目的語を取らず、その代わりに、主語についての更なる情報を付け加える語句 (名詞句、形容詞句、副詞句或いは前置詞句) が後に続きます。


*意味は変わって仕舞いますが、全て  be  動詞に置き換え可能です。

意味が取りにくい時は一旦  be  動詞に置き換えてから、プラスα の意味を添えて解釈して下さい。


*詰まりは、いわゆる文型で言うところの広義の SVC の文型になりますが、斯かる文型の概念を離れ、動詞としての取り得る型、即ち動詞型として理解、分類するのも大変合理的です。



appear,  look,  seem 〜の様に見える

feel,  sound,  smell,  taste 〜に感じる、聞こえる、匂う、味がする

be,  get,  become,  remain, stay 〜に成る、〜のままで有り続ける


*他にもありますし、一般動詞をその様な用法で扱うこともあります。


cf. He stood silent.

 彼は黙って立っていた。


He returned empty.

 彼は手ぶらで戻った。

 (silent, empty 共に形容詞であり、副詞ではありません)


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A face  appeared at the window. It was Pauline.

 その窓に顔が1つ覗いた。ポリーヌだった。

cf. A face was at the window.


This coat  feels good.

 このコートは気持ちよい。

cf. This coat is good.


Sheremainedoutside while her sister  went  into  the  hospital.

 彼女は妹がその病院に入る間、外に居続けた。

→妹がその病院に入る時には彼女は外で待機していた。

cf. She was outside while her sister went  into  the  hospital.


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cf. go  into  hospital,  enter  hospital,  be  admitted  to  hospital

 (一般的な意味での)入院する


*go to school,  学校に通う、graduate from  university 大学を卒業する、などと同じく、抽象化した概念ゆえ名詞が無冠詞になります。

*go into the hospital は、その施設、建物としての病院内に立ち入る、と解釈出来ますが、その病院に入院するとも解釈出来、曖昧な表現ですね。


*その病院に入院する、を明確に言うには、be  admitted  to  the  hospital と表現出来ます。

She was admitted to the hospital.

 彼女はその病院に入院した。(動作)


*他にも be hopitalized 入院している、入院する、も利用出来ます。

His wife's been hospitalized for depression. (状態)

 彼の妻は鬱病でずっと入院しています。








法助動詞 modal verbs と関連表現24




2023年5月1日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びに関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第24回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modality-forms

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/dare


https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types




dare


*dare も need 同様に一般動詞と準法助動詞の間を揺れ動く様な存在です。


・to show that the subject is making a conscious effort,  or  has great desire to do the action of the main verb.

主語の意図的な努力や強い欲望を持って居る事を示す表現です。


 敢えて〜する、意図して敢行する、強いて〜する、勇気を持って〜する、一歩踏み込んで〜する


・to be brave enough or rude enough to do something

 勇敢/乱暴にも〜する



まぁ、基本的理解としては

*dare (to) do    〜する強い気持ち、気概がある、勇気がある、一線を踏み越える

*not dare (to) do  〜する勇気がない、わざわざしない、する気持が無い


*普通に利用される表現ですので、肯定形と否定形の、強い気持ちがある ⇔ その気が無い、の意味合いを瞬時に掴むようにして下さい。


他の用法としては

*dare + someone     〜に挑む、挑戦する

dare someone to do  人に〜してみろと言う


Some snakes can bite but I dare you to hold this big  snake.

 噛みつくヘビもいるけど、この大きなヘビを抱えてみてくれよ。



*一般動詞の場合 dare  +  to 不定詞、 dare  +  動詞原型のいずれでも利用出来ます。

*準法助動詞の場合は、dare + 動詞原型、のみです。


*準法助動詞として扱う場合には、格変化や時制変化は有りませんが、一般動詞として扱うときには当然それらの変化が発生します。

dare が準法助動詞として利用されるのはあまり一般的ではありません


Everyone in the office complains that he smells  awful,  but  nobody  dares (to) mention it to him. (一般動詞の dare)

 そのオフィスの皆が彼が恐ろしく臭いと不平を言うが、誰も敢えて(勇気を持って)そのことを彼に言おうとしない。

 そのオフィスの皆が彼が恐ろしく臭いと不平を言うが、誰もそれを彼に言う勇気がない。


Everyone in the office complains that he smells awful,  but  nobody  dare mention it to him. (準法助動詞の dare、格変化がありません)


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*dare は formal な疑問文でも利用されます。


Do they dare come to the wedding without formal  dress  clothes? (一般動詞の dare)

 彼らはフォーマルな衣装無しでその結婚式に敢えて来ようとするのかい?


cf. Do they come to the wedding without formal  dress  clothes?

 彼らはフォーマルな衣装無しでその結婚式に来るのかい?



Dare you tell him the news? (準法助動詞の dare)

 君は敢えてその知らせを彼に言うのかい?

= Do you dare tell him the news? (一般動詞の dare)


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*dare は need と同様に formal な否定文で(英国に於いて)より多く利用されます。


I don't dare think how much it's going to cost. (一般動詞の dare)

UK I daren't think how much it's going to cost. (準法助動詞の dare)

 それがどれくらい掛かるのかわざわざ考えようとは僕は思わない。(その気持は無い)


→ 費用がだいぶ掛かりそうだがおそろしくてそれを考えたくはないんだ。

≒ The cost is going to be very high, and I don't want to think about it.

= I am reluctant to think how much it's going to cost.

= I am unwilling to think how much it's going to cost.


No one dares (to) go there.(一般動詞の dare)

No one dare go there. (準法助動詞の dare)

 誰もそこに行く勇気がない。


I don't dare come late to class! (一般動詞の dare)

 僕は授業にわざわざ遅れては来ないよ。(そんな気持は無いよ)


cf. I don't come late to class! 

 僕は授業に遅れては来ないよ。(日常的習慣を表す動詞現在形)


I don't know how he dares behave so rudely in public! (一般動詞の dare)

 どうして彼が皆の前でそんな乱暴な振る舞いを敢えて行うのか僕には判らないんだ。

= I don't know why he dares behave so rudely in public!


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cf. not bother to do〜/ not bother doing


わざわざ〜することはない、面倒臭いので〜しない


She will not bother to come here.

 彼女はわざわざここに来ないだろう。


You don’t have to bother to come here and help me.

 君はわざわざここにまで助けに来なくてもいいんだよ。


Why bother doing that?

 なぜわざわざそんなことをするの?




ought to


 〜すべきだ、〜の筈だ

= should


*ought to はちょっと特殊な表現であり、法助動詞と同様に時制や人称も数に応じた格変化は持たず、また他の助動詞と共に使う事もありません。しかし、主動詞の前に to を入れる特徴があります。


*should よりは、より formal です。


*should が話し手側の見解を色濃く反映するのに対し、 ought  to は、より客観的に (社会通念上、或いは常識、周囲の状況から)、〜すべきだ、〜筈だ、を意味します。


*この関係は、より義務の念の強い法助動詞である、must と have to の関係に相当します。



*should は、〜だろう、〜の筈だ probably の期待 expectation  の意味を持ちますが、ought to のその用例は多くはありません。


*should と ought to の違いについては、過去の should の項にても触れていますので参照下さい。


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〜べきだ

She ought to spend more time practicing piano.

 彼女はもっとピアノの練習に時間を使うべきです。

≒ She should spend more time practicing piano.


Everyone knows that this is a very busy retaurant.

We ought to have made a reservation.

 誰もがこのレストランはとても繁盛していることを知っている。

 僕らは予約しておくべきだったね。


She oughtn't to spend more time practicing piano.

≒ She shouldn't spend more time practicing piano.

 彼女はピアノの練習に更に多くの(これ以上の)時間を使うべきではありません。


Ought she to spend more time practicing piano.

 彼女はもっとピアノの練習に時間を使うべきですか?

= Ought she spend more time practicing piano?


cf. spend time doing 〜して時間を過ごす


実際には、否定文や疑問文で  ought  to  を使う事は少なく、その場合は should を使います


*疑問文中の to は省略可能です。


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〜のはずだ、だろう

If the flight was on time, he should have arrived in  London  early  this morning.

 そのフライトが時間通りだったなら、彼は今朝早くロンドンに到着している筈です。(仮定法では無く、単なる過去時制の単純仮定)


= If the flight was on time, he ought to have arrived  in  London  early this morning.(この表現は一般的では有りません

= If the flight was on time, he would have arrived  in  London  early this morning.


cf. If the flight had been on time, he would have  arrived  in  London  early this morning.

 もしそのフライトが時間通りだったなら、彼は今朝早くロンドンに到着していたのだが。(仮定法過去完了)



未来のことを語る際に、ought to 単独で用い、前に will などを使う事は出来ません


We ought to go to the beach next week.

 僕たちは来週そのビーチに行くべきだ。




had better/ best do something

 〜しないとマズい、との脅し、忠告の気持を含めた強い表現です。


I'd better leave a note so they'll know I'll be late.

 彼らが僕が遅刻することがわかるように、メモを残しておいたほうがいいね。


You'd better go home now before the rain starts.

 雨が降り出す前に、今すぐ家に帰ったほうがいいぜ。


He'd better pay me back that money he owes me soon, or else.

 奴は早く借りた金を俺に返さないとマズいぜ。さもなくば。


had  better  not

 〜するとマズい、との脅し、忠告の気持を含めた強い表現です。


You'd better not be lying to me!

 お前、俺に嘘をついてんじゃあないぞ!




have (got) to

*この表現は semi-modal としての文法表現は取らず、単なる一般動詞 have 、或いは助動詞 have の意味用法の1つと考えるべきでしょう。

*従って、否定形、疑問形、過去形など have そのままに変化させます。


have got to do は形の上では現在完了形であり、その用法に従って、否定文、疑問文を作れば良いだけです



We have got to go to the beach next week.

 僕らは来週そのビーチに行かねばならない。

= We have to go to the beach next week.



We had got to go to the beach last week.

 僕らは先週そのビーチに行かねばならなかった。

= We had to go to the beach last week.



We haven't got to go to the beach next week.

 僕らは来週そのビーチに行く必要は無い。

= We don't have to go to the beach next week.



Have we got to go to the beach next week?

 僕らは来週そのビーチに行かねばならないのかい?

= Do we have to go to the beach next week?

 僕らは来週そのビーチに行かねばならないのかい?



https://www.kensvetblog.net/column/202004/20200405/

ここにも詳述していますが、義務の念を表す be to do は、have to do, be obliged to do などに適宜換え換え可能です。




 準法助動詞の解説は今回で終わり、次回からは modal expression の意味を持つその他の表現について解説していきます。








法助動詞 modal verbs と関連表現23




2023年4月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びに関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第23回目です。途中に間を開けましたが、今回からは準法助動詞に用法について用例を中心に見て行きます。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modality-forms

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/need


https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types




準法助動詞 semi-modal verbs




*法助動詞に準じた意味を持つ、準法助動詞 semi-modal verbs と呼称される語があります (その定義、範疇は揺れ動きが見られます)。これらは構成する語が一般的な動詞としての意味用法を持つ時もあれば、(全体として)法助動詞としての特別な意味用法を取る場合もあります。


法助動詞になりかけの <進化途上> の表現と言えるのかも知れませんね。


*文<法>としては統一性に欠け、慣用的な用法或いはその周辺での揺れ動き (法助動詞の規則或いは一般動詞の規則に従う)が見られますが、数は少ないので表現方法を全て頭に押し込んで下さい。


*ここでは、need,   dare,   used  to,   ought  to,   had  better,   have  to 

 の6つを準法助動詞として採り上げます。




need





*need は或る面で法助動詞として振る舞い、また別の面では一般動詞として振る舞う故に準法助動詞です。


殆どの場合、否定形で利用し、何かを行う義務や必要性が無いことを示す為に利用します。


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No obligation  (needn’t)

 現在の不必要性


You needn’t take off your shoes.

 靴を脱ぐ必要はありませんよ。


We needn’t spend much time on this topic. It’s  not  going  to be in the exam.

 このトピックにあまり時間を費やす必要は無いよ。試験には出ないことになってるんだから。


Cans of soup needn’t be kept in the fridge.

 スープ缶は冷蔵庫で保存する必要はありません。



No obligation in the past

 過去に於ける不必要


*準法助動詞 need 自体に過去形は無く、過去の不必要性を表す場合は、 didn’t  need  to または  didn’t  have  to  を利用します


I didn’t need to buy any books. They were all  in  the  library. (main verb need + to)

 本は一冊も買う必要はなかった。全て図書館にあった。(一般動詞 nee to do の利用)


= I didn’t have to buy any books. They were all  in  the  library.)



Unnecessary events

 過去に不要なことをしてしまった後悔、残念の念


*needn’t have + -ed の形で、(事情を知らなかったがゆえに)起きて仕舞ったが不必要だったと考えることを表現します。


You needn’t have waited for me. (You waited for  me  but  it  wasn’t necessary.)

 君は僕を待ってる必要は無かったんだよ。


You needn’t have bought so much food. There  are  only t hree of us staying for the weekend.

 (You bought a lot of food but it wasn’t  necessary.)

 君はそんなに沢山の食べ物を買う必要は無かったんだよ。週末に泊まるのは僕ら3人だけなんだから。


= You didn't know that there are only three of  us  staying  for the weekend, so you bought a lot of food.

 君は週末にそのホテルに泊まるのも僕たち3人だけと知らなかったから沢山食べ物を買った訳だ。


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Affirmative form

 肯定文


*準法助動詞 need を肯定文で利用することは一般的では無く、formal なシーンで利用されます。

*その場合も、 no one, nobody, nothing などの否定語や語句が殆ど常に伴います。


*〜する必要が無い  no one need do → 〜しないで下さい please  don't  do、の意味の軽い命令形にもなります。ちょっと口幅ったい言い回しですね。



No one need think that we are doing this  every  week. (we  are not doing this every week)

 我々がこれを毎週やっていると誰も思う必要はありません。

→僕らがこれを毎週やっているとは誰も思わないでください。

= Please don't think that we are doing this  every  week.


誰も思う必要は有りません=だれもそう思わないで下さい


Nobody need know the name of the person who  made  the  complaint.

 誰もこの苦情を言った者の名を知っている必要はありません。

→ この苦情を言った者の名を知らないで下さい。

= Please don't know the name of the person  who  made  the  complaint.


Not a thing need change on this page.

 この頁には変更箇所はありません。


Let’s forget about it. No one need know  about  it.

 それは忘れようぜ。誰もそれを知っている必要は無いのさ。


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Negative form

 否定形文

*need  の後ろに not を添えるだけです。


You need not spend a lot of money on  presents.  (formal)

  (or  You needn’t spend a lot of money on presents.)

 君はプレゼントの品に沢山のお金を使う必要は無いよ。


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Question form

疑問文


*準法助動詞 need の疑問文はあまり一般的ではありません。可なり formal な表現になります。


Need we write this down?

 僕らはこれを書き留める必要がありますか?




一般動詞 need と 準法助動詞 need の関係




*一般動詞 need を準法助動詞 need の代用として利用する事も出来ます。


*現在時制の表現は needn't が僅かに formal である以外は同じ意味になります:


Need it be so dark in here? (formal)

 ここはあまり暗くしなくてもいいと思うけど?

= Does it need to be so dark in  here?


You needn’t mention this to your  father.

 君はこのことをお父さんに話す必要は無いよ。

= You don’t need to mention this to  your father.

= You don’t have to mention this to  your father.


You don't need to worry about the exam. You've  studied  lots.

 君は試験に心配する必要は無いよ。沢山勉強したんだから。

= You needn't worry about the exam. You've  studied  lots.

 (needn't の方が僅かに formal です)



*一方、過去時制の表現は  didn't  need がその動作が不要であることを元々を知っていて、〜だから不要だった、しなかった、と表現するのに対し、needn't  have  done では、過去の時点に於いて理由を知らなかったので実際そうしてしまった、理由が分かっていれば不要だったのに、との残念な気持を表す表現になります。


一部の他の<法助動詞+ have  done> の表現同様に、過去に対する悔しさ、を表す表現ですね。



*didn't  need  で、理由を知っていたのでする必要が無かったし、しなかった

*needn't  have  done で、理由を知らなかったので不要な事を実際にしてしまった


He didn't need to worry about the exam  He  had  already  passed  the course.

 彼は試験について悩む必要は無かった。既にコースをパスしていたからだ。

(He had already passed the course, so he knew he didn't worry.)

 彼はコースをパスしていたので悩む必要がないと知っていた。(実際、悩まなかった)


He needn't have worried about the exam  It was  really  easy.

 彼はその試験について悩む必要など無かったのだ。本当に易しい試験だったから。

(He didn't know that the exam was going to  be  easy, s o  he was worried.)

 彼は試験が易しいものとなるだろうとは知らなかったので悩んだ。

→もし試験が易しいものとなろうと知っていれば、彼は悩む必要などなかったのだが。(実際に悩んだ


*注意: 後ろに名詞や名詞相当句を取る場合は法助動詞として利用出来ず、一般動詞化する他はありません。


◯ You don’t need an umbrella.

 傘は不要だよ。

×You needn’t an umbrella.


◯ My hair doesn’t need cutting for at  least  another  month.

私の髪は少なくともあと一月の間はカットして貰う必要は無いわ。

× My hair needn’t cutting for at  least  another  month.





一般動詞 need


*格変化、時制変化を受けます:


We need to go grocery shopping.

 我々は食料品店に行く必要がある。


He needs to go grocery shopping.

 彼は食料品店に行く必要がある。


He needed to go grocery shopping.

 彼は食料品店に行く必要があった。



*formal な否定文 (英国英語でより利用されます)では、need はしばしば to なしで利用されますが、この時は need が事実上の法助動詞になります。

*この場合、格変化、時制変化は受けません。

*まぁ、斯くして、 need  が一般動詞と準法助動詞の間を揺れ動く訳です。



法助動詞扱い

They needn't go to such trouble.

= They need not  go to such trouble.

 彼らはそんなに頑張る必要はありません。


一般動詞扱い (過去表現)

◯They didn't need to go to such trouble.

彼らはそんなに頑張る必要は無かった。

×They needed not  go to such trouble.


一般動詞扱い (未来表現)

◯They won't need to go to such trouble.

 彼らはそんなに頑張る必要はないだろう。

×They will need not  go to such trouble.



*文法上の扱いから need を一般動詞に扱うか、法助動詞として扱うかの区別はありますが、文の主語の意思ではなく第三者からの客観的な意見、提案、提言を与える点に於いては、一般動詞 need  も法助動詞として意味的に機能することにご注意下さい。


[ + -ing verb ]

This room needs cleaning.(米国用法)

= This room should be cleaned.

 この部屋は掃除する必要がある。


You need 250 g of grated cheese for this recipe.

 このレシピにはすりおろしたチーズ250gが必要です。


All she needed to complete her happiness was a  baby.

 彼女の幸せを完成させるために必要なのは赤んぼうだった。(註:主語 she ではなく、この文の話し手がそうだと思って居ることにご注意下さい)


She needs her hair washed.

 彼女は髪を洗わないとね。


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cf. go  to  the  trouble  of  doing  something

(also take the trouble to doing something)

= go to the trouble to do  something

= to  make  an  effort  to  do  something

 何かをする為の努力をする、頑張って〜する、骨折って〜する


If the police had gone to the trouble of  looking  up  his  record, they would not have released him.

 もし警察が彼の前科を頑張って調べていたのなら、彼を釈放することは無かったろうに。


≒ As the police didn't bother to look up his record, they released him.

 警察は彼の記録をわざわざ調べることもせず、彼を釈放してしまった。。


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cf. bother to do/ doing = to make the effort to do something


ほぼ否定文でのみ利用します。努力してわざわざ〜することはない、面倒臭くて〜しない


He hasn't even bothered to write.

 彼はわざわざ手紙を書くこともしていません。


You could have phoned us but you just didn't bother.

 あなたは電話することもできたはずですが、ちょっと面倒くさかったんでしょうね。


Don't bother making the bed - I'll do it later.

 わざわざベッドメイキングはしなくていいよ、後で自分でやるから。


You'd have found it if you'd bothered looking/to look.

 頑張って探していたなら、見つかったはずだけど


You won't get any credit for doing it, so why bother?

 それをやっても評価されないでしょう。だからわざわざやる必要はないでしょう?


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cf.  bothered


過去分詞型 bothered は形容詞として独立的に利用されると見做せる語です。


be bothered about

〜が重要性がありそれに心配している、気懸かりだ


He's very bothered about what people think  of  him.

 彼は人からどう思われるかをとても気にしている。


They were an hour late and she didn't seem at  all  bothered.

 彼らは1時間遅れたが、彼女はまったく気にしていないようだった。


The bright sunshine made him feel hot and  bothered  (=  hot and uncomfortable).

 明るい日差しが彼を暑苦しくさせた(=暑くて不快)。



be not bothered about

 重要ではないので気にも留めない


"Tea or coffee?" "Either - I'm not bothered."

"紅茶かコーヒーかどっち?" "どっちでもいいよ。"


can't be bothered to do

be not bothered to do

 必要性がない或いは面倒なので〜する積もりは無い、〜しない


I just can't be bothered to look after the  house.

その家の面倒を見るなんて絶対するつもりはないよ。


I haven't been bothered to download it

 そんなのわざわざダウンロードすることはないとずっと思ってるよ。








謙譲・丁寧・曖昧表現H




2023年4月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現についてについて纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 その第9回目ですが、引き続き euphemism <婉曲表現・語句> について解説して行きます。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions


https://www.studiobinder.com/blog/what-is-a-euphemism-definition/

https://examples.yourdictionary.com/examples-of-euphemism.html




euphemismの様々な定型的表現



*全ては網羅出来ませんが、良く見られる、或いは面白い婉曲表現を見て行きましょう。大方は、死、病、性、排泄、各種の障害等に関する表現になります。


*normal  な直截表現を、 diplomatic/ sensitive  の用語で、或いは humor  表現で言い換えます。



死ぬ

pass  way  =  die

 事実を客観的に伝えるニュース報道などでは die を使いますが、自分に親しい人、知っている人の死に際しては pass way を通常用います。これは日本のニュース番組然りですが、ウクライナ東部地区の戦闘でロシア兵600名が50名が死亡したと報道されますが、他方、顔の思い浮かぶ政治家や芸能人の死亡に際しては、逝去しました、亡くなりました、との表現が利用されます。これには当人に対する個人的な繋りの気持、尊敬の念が込められていると考える事も出来そうです。まぁ、心情的な関係性の有る者に対しては pass way が使われる訳です。


be  passed  on  =  be  dead


kick  the  bucket  (informal)  =  die

 バケツを蹴る、ですが、ちょっと乱暴な表現ですね。死にやがった、などの語感でしょう。意味は分かっていても、自分から使うのは控えて下さい。


*死に纏わる英語の動詞表現については以下のコラムをご参照下さい:

 https://www.kensvetblog.net/column/202106/20210615/



吐く

blow  chunks,  pray  to  the  porcelain  god,  be  gugging  the  toilet  = throw  up

 呑みすぎた挙げ句のことですが、便器の前にひざまずいて神に祈る姿勢から。これは若い学生には分からずに、どこか教会にでも行くのですか?と通じない事もある様です。日本で登山中にキジ撃ちに行く、お花を摘みに行く、といっても登山初心者には通じないのと似ていますね。


lose  one's  lunch  =  vomit,  egaugigate, t hrow  up

 折角食べた昼ご飯を失う、ですが、日本語だと最近はリバースする、などの表現も見られます。



トイレに行く

have  to  go  number  one  =  pee,   number  two  =  poop,  blow  out

 子供が良く使う表現ですが諧謔表現として大人も使います。トイレに行くのが周囲に知られるのが恥ずかしいので、1番、2番と表現します。実は、日本の飲食業、接客業(デパート含む)では、顧客に知られないように、「1番」に行きます=食事休憩、「2番」はいります=15分の休憩、「3番」に行きます=トイレに行く、などの符牒、隠語が現在でも普通に利用されます。まぁ、業界用語、仲間内用語ですね。顧客に聴かれても角を立てない工夫でもあるでしょう。


do  one's  business  =  poop

 上の表現よりは端正な言い方になります。


powder  one's  nose  =  go  to  the  toilet

 女性の表現。お化粧を直しに行くわ、です。



肥 満

be  big-boned  =  be  fat,  be  overweight

 太っている、デブとは言わずに、骨太と表現します。これは男女問わずに利用可能です。日本語でも、只の贅肉親爺を、貫禄が付きましたね、などと巧みに言い換えます。


be  plus-sized  =  be  fat


chubby, plump マシュマロ女子、ぽっちゃり、ふくよかな、

 まぁ、物は言い様ですね...


love  handles  = e xcess  fat  around  the  waistline

 ウェスト周りのぶよぶよの脂肪を握ると手に心地よい、から派生した表現なのでしょうか?



性交渉

make  love  =  have  sex

 ロマンティックな、意味あるものにしたいとの気持を込めているとも言えます。日本語でも愛し合いたい、などと表現しますね。



馘首

let  (someone)  go  =   fire

 アナの女王の歌詞ではなく、丁寧なビジネス用語になります。You are let go. お仕事を離れて戴きます。= You are fired. 君は解雇だ(これは非常に強烈な表現になります)、の丁寧表現になります。家族の前で自分が解雇されたことを言う場合も、I was let go from my job.などと刺激的では無い表現を使う時もあります。入社面接に来た者に対して、あなたは別の場で可能性を探すことをお勧めします、などの<お祈りメール>が届くことがありますが、euphemism letter が来たぜと笑い飛ばすのも豪快ですね。


be  between  jobs  =  be  temporalily  unemployed

 仕事と仕事の間にいる、と表現すると、解雇されて無職なのか、職探ししても雇用されないのか、自己都合で遊民状態を享楽しているのかをボカすことが出来ます。まぁ、相手はいずれかを直ちに察知する筈ですが、配慮して当たり障りの無い対応をして呉れるでしょう。



馬鹿だ

not  the  sharpest  tool  in  the  shed  =  a  person  who  is  not  smart;  stupid;  an  idiot

 アイツはちょっと(いや相当の)馬鹿だ。最上級の否定表現ですが、英語には、一番〜と言う訳では無い、の表現で、月並み、凡庸、或いは逆に底辺を意味する場合はそこそこ見受けられます。日本語でも、相手を憎からず思って居る=愛してる、の、奥ゆかし過ぎる?表現もあります。小屋の中の一番鋭い道具ではないのか、なるほどそこそこなんだ、などと思っていると、アイツに加えお前も阿呆だったのか思われますで、ご注意のほどを。



古びた

vintage  =  old

 

ボロボロのタンスでもビンテイジと呼ぶと、途端に歴史の後光が差して価値がある様に感じさせる効果も確かにありそうですね。


万引き

five-finger  discount  =  shoplifting

 5本の指遣いで商品をポケットやバッグに入れて只で入手する訳ですが、諧謔の精神が感じられます。



性器

privates/  private parts  =  genitals

 極めて個人的な身体部位ですが、日本語で言うところの<隠しどころ>に相当しますね。男女性器についての用語 はごまんと存在しますが、公共の場で表現出来る語、即ち euphemism は可なり限定されると思います。大方は放送禁止用語の類いですね。



ヌード

be  in  one's  birthday  suit  =  be  naked

 生まれた時の服装とは素っ裸のことです。これもユーモアを感じる表現ですね。日本語でも同様に、生まれたままの姿で、と表現します。




euphemismの様々な文章表現



*上で述べたような、pass way の様に、ほぼ定型的な言い換え表現が存在しますが、offensive, negative な物言いを避けるべく、巧みな言い換えをその都度工夫して作り上げることも出来ます。それらの幾つかを見て行きましょう。



安楽死

The vet gave Joeya lethal injection.

 獣医はジョイに致死性の注射を与えました(=安楽死させた)。

The only option that the vet had was  to  pu t Joey  to  sleep.

 獣医の行える唯一の手立てはジョイを眠らせることでした。



解雇

The CEOfiredJohn.

CEO はジョンを解雇しました。

After his interview with CEO, John is  now  seeking  a  career-change oppotunity.

 CEO との面談を終え、ジョンは今は職歴変更の機会を探っています。


Simon has beenfired.

 サイモンは解雇されました。

Simon has beendehired.

 サイモンは雇用 されていませんでした。



攻撃

Wewill attackthe regime.

 我々は一丸となって政敵を攻撃します。

Our  active defencewill be initiated against  the  regime.

 我々の防御活動は政敵に向けて開始されるでしょう。



景気後退

Arecessionis pending.

 景気後退が懸念されています。

A period of negative growthhas been  forecast.

 マイナス成長の時期が予想されています。



不可能

The task isimpossible.

 その仕事は不可能です。

The task willraise some unique  challenges.

 その仕事は何か独特の困難を高めるでしょう。



死ぬ

When did Jackdie?

 ジャックはいつ死んだの?


When did Jackpass way?

 ジャックはいつ亡くなったの?

When did Jack give up the oxygen habit?

 ジャックはいつ酸素の習慣を止めたの?(ユーモア)




*英文で何を語っているのか不明な文に出会った際は、敢えて曖昧な物言いをしているのではないかと一度勘ぐってみて下さい。


*その先を言ってはお仕舞いだ、マズいとばかりに、あとは読者側の想像に任せる訳です。これが分からずにweb 上の質問コーナーなどに、この文は何を言っているのか分からない、文法的にも正しいのですかなどと疑問を寄せる者が出ますが、もしかするとこいつは何も分かっていない天然系だ、と呆れられるかも知れませんね...。




euphemismに利用される単語




  euphemism だと身構えて利用することがなくても、聞こえの悪い語句を別のまだしも無難な単語に言い換える例は枚挙に暇がありません。例えば <explicitあからさまな、露骨な>は、


https://www.etymonline.com/word/explicit

As a euphemism for "pornographic" it dates from  1971  (phrases such as sexually explicit are earlier). Related: Explicitness.


"pornographic" の euphemism としての explicit は、1971年の使用に遡る (sexually explicit 性的にあからさまな、などの語句はもっと早くから)。

とあります。次第に性的な意味表現へと性格を強めても行った訳ですね。現在では、ポルノ、そのものを指す形容詞としても利用されます。一般的な辞書には、この語に、明らかな、などの間延びした訳語を第一に当てていますが、社会で用いられる言葉の実際の意味、第一の意味用法に注意をしないとミスを招く事もあります。


 学術論文などでは、全てを率直且つ明確に記述する指命があるゆえ、euphemism は用いられませんが、文学作品、特に性的な描写に強い社会的な規制が掛けられていた時代のものでは、そのようなシーンを雲を掴む様な記述で書き抜けていることが多々あります。作家側の苦労の痕を辿りながら深読みするのも面白いかもしれませんね。


  euphemism に関する解説はこれで終わりとしますが、英語表現の<別の世界>に注意しつつ英語を読み解くのもまた一興かと思います。


 今回で謙譲・丁寧・曖昧表現のシリーズを終え、次回からは様態表現に戻り、その1つである準法助動詞表現に解説を加えて行きます。








謙譲・丁寧・曖昧表現G




2023年4月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現についてについて纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 その第8回目ですが、今回からはシリーズの最後として euphemism <婉曲表現・語句> について解説して行きます。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions


https://www.studiobinder.com/blog/what-is-a-euphemism-definition/

https://www.grammarly.com/blog/euphemism/




euphemism <婉曲表現・語句> とは



以下、下記のサイトに掲載される内容を参考にして構成したものになります:

https://www.studiobinder.com/blog/what-is-a-euphemism-definition/

https://www.grammarly.com/blog/euphemism/




euphemism 定義  (ユーフェミズム)

the use of a word or phrase to avoid saying  another  word  or  phrase that may be unpleasant or offensive, or the word or phrase used:

 不愉快または不快と思われる他の言葉やフレーズを言うのを避けるために、ある言葉やフレーズを使うこと、またはその言葉やフレーズのこと。婉曲表現、婉曲語句。


*日本語では<語弊>があるゆえに別の表現を遣うべき、とされるシーンが多々あります。例えば、死、不幸、病苦、性的表現など、口にすると相手が不快に感じたり立腹する類いの用語を遣わざるを得ないときは、穏やかな言葉に言い換えたすることが求められます。こちらが何を言いたいのか聴き手側が察することの出来る<やや離れた、仄めかし言葉に置き換えて表現する訳ですが、英語にも−おそらくほぼ全ての言語にも−類似の言い換え表現が多々あり、その様な言葉や表現方法を euphemism と呼びます。これは相手の立場や場の雰囲気を尊重すると同時に、発言する側の身を守り好印象を保つのに必要な言語表現ですが、一種の丁寧表現、敬語とも言えますね。


*この様な表現は普段から英語遣いをしている native にはスンナリと意味が通じますが、 non-native が字面通りの辞書的な意味解釈を行ってしまい誤解が生じる危険性も併せ持ちます。例えば die 死ぬ、の言い換えで pass away とするのは極めて一般的ですが、英語に不慣れな者は単純に <遠くに行った> としか思いつかないかもしれません。



以下使用例:

Senior citizen" is a euphemism for "old person".

Senior citizen "(年長の市民)は "old person "(老齢の者たち)の婉曲表現です。


The article made so much use of euphemism  that  often  its  meaning was unclear.

 その記事は婉曲的な表現が多く、意味がよくわからないことが多かった。


The phrase “left to pursue other interests” is  a  euphemism  for “fired.”

 "left to pursue other interests "(別の興味を追い求めるためにここを去ります)という言葉は、"fired "(解雇される)の婉曲表現です。



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euphemism とは何か?


*婉曲表現とは、不適切または不快と思われるフレーズや言葉の代わりに使用される適切な表現です。婉曲表現は、日常会話や文学において、ある人が不快に感じるかもしれない言葉を置き換えるためによく使われます。


*婉曲的な表現は、文学、特に古い作品において、下品な表現で検閲の対象となるリスクを冒すことなくメッセージを伝える方法として一般的に使用されています。


婉曲表現の例


“Passed away” instead of “died”    "死亡 "ではなく "逝去"


“Let go” instead of “fired” "      クビ "ではなく "手放す"


“Make love” instead of “sex”      "セックス "ではなく "メイクラブ"


“Put down” instead of “euthanized”  "安楽死 "ではなく "鎮静"


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euphemism はどの様な場合に使われるのか?



*婉曲的な表現は、文学の世界でも日常会話でも、いたるところで見受けられます。しかし、婉曲表現とはそもそも何のために使われるのでしょうか?その意味をより深く理解するために、以下その機能を見て行きましょう。


婉曲的な言葉を使う理由は1つでは無く幾つかが考えられます。

 


1. 不快な言葉を避けるために


 特に過去の保守的な時代には、不快な言葉やタブーを避けるために、日常会話で婉曲表現が良く利用されました。婉曲表現が使われる最も一般的な話題は、性表現についてです。例えば、“making love,” 「愛し合う」、“the birds and the bees,”「鳥と蜂」、“going all the way” 「とことんやる」などは、性的な行為について話す時に使われ、当時の者にとっての不快な言葉を直接口にすることはありませんでした。昔は、文学に於いても性的な描写が道徳的に或いは更には法律的に問題があるとされて来ましたので、その様な男女間の営みがあることを、書き手と読み手が<阿吽>の呼吸で伝達できる言葉を使い描写されました。現今は、その様な言葉に対するタガが緩みましたが、formal な場、公共放送の場などでは厳しい制限がとり続けられていますね。


 その時代の宜しとされる水準を超えて仕舞うと、例えば猥褻物として検閲され有罪となる場合もあります。表現の自由と<当局>とのせめぎ合いですが、例えばD.H. Lawrence の Lady  Chatterley  『チャタレー夫人の恋人』 を巡っては、各国で発禁にもなりましたし、国内でも伊藤整の訳本を巡り裁判が長期化しました。今となっては大したことでもない様な場面描写が当時はけしからんとされた訳ですが、不快な言葉の規準が時代により揺れ動く一例です。私は 70年代後半にはFEN (在日米軍極東放送)の毎週土曜日の昼から3時間掛けて放送される All American Top 40 を聴いていましたが、そのチャートに上がる Bob Dylan の楽曲を聴いた折に、ピーという音で歌詞が消されているものがありました。(少なくとも在日米軍の)公共放送にて流せない歌詞との判断で検閲が課せられたものと思います。当時の許容水準を超えていたのでしょう。



2. キャラクター特性の描出


 映画や文学の中で特定の人物が婉曲表現を使っている場合、その人物はどちらかというと保守的であったり、不適切な言葉を使うことに気を配っている人物と判断できます。無難なバージョンの文章を言うという選択は、彼らの性格、生まれ育ちを端的に表します。まぁ、日本語で言うところの人前でTPOを弁えられる人物であることを表出出来ます。勿論、人前では無いウラの場では汚い言葉を<思わず>使うことも人間としてあるでしょう。



3. 時代を設定する道具


 婉曲表現は、物語の時代背景によって変化したり、明確さが変動することが多いのです。小説や映画、テレビ番組では、婉曲表現はその時代の風俗を表現するために使われることがあります。或いは昔の映画が放映される場合に、<不適切な表現が見られますが、当時のまま放映しています、ご理解下さい>などのテロップが出ることがたびたび有ります。人の身体的特徴、病い、身分などを端的に表す表現が制作等時はまだ許容されてはいたものの、現在に於いては差別的表現として糾弾される危険性が出ているための hedge ですね。現在でも、思わずその様な言葉を生放送中に口にしてしまい以降出禁となる者も少なくは有りません。これに対しては一種の言葉狩りとの批判も存在します。これを上手く利用すれば、その時代の社会の文化的規範を正しく描写するのにも役立ちます。例えば、1920年代の作品にはその時代の性描写に関する婉曲的な表現を用い、1970年代の時代設定には同じことを別の婉曲表現で表しもします。



4. 言語表現の多様性をもたらす


 婉曲表現を通じて作家は創造性を発揮し、文章に多様性を持たせることができます。言い換えを通じてフレーズが単調にならない様にできる訳です。婉曲表現に拠り、詩的で、文字通りの直接な言葉では表現できないようなイメージを作り出すことができます。例えば、Shakespeare シェイクスピアは Othello 『オセロ』 の中で、 “the beast with two backs” 「背中が二つある獣」 のフレーズで性交渉の婉曲表現としています。この例は、単に2人が性交渉していたと言うよりも、イメージと多様性の両者を作り出しています。




文学に於ける euphemism


 婉曲表現によって、不穏な言葉を使うことなく会話をすることができます。例えば、上司が従業員に“fired” 「クビ」ではなく “let go” 「手放す」と言うのは、衝撃を和らげる狙いがあります。しかし、文学における婉曲表現の例はどうでしょうか。


 George Orwell’s 1984, ジョージ・オーウェルの 『1984年』 では、ディストピア社会のプロパガンダを描くために、物語の中で婉曲表現が使われています。この本の中では、“newspeak” 「ニュースピーク」 がオセアニアの公用語になっています。“forced-labor camp” 「強制労働収容所」の代わりに“joycamp” 「ジョイキャンプ」が、“Minister of War.” 「陸軍大臣」 の代わりに“Minipax”「ミニパックス」 といった表現が使われています。 『1984年』 における婉曲な言葉の使用を通じて、オーウェルは、強力なプロパガンダで市民を欺こうとする政府の試みを効果的に批判しています。



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TV に於ける euphemism


 作家が婉曲表現を使う理由のひとつに、物語の時代設定を確かなものとするが挙げられます。これは、時代劇を執筆或いは制作する時に特に当てはまります。時代劇における婉曲表現の役割とは何でしょうか。理解を深めるために、いくつかのテレビの例を見てみましょう。


 例えば、1960年代のアメリカ社会は、文化的に今よりも保守的でした。『Mad Men』のパイロット版では、脚本家のマシュー・ワイナーがこの保守的な文化を描写するために婉曲表現を用いています。ピート・キャンベルが、女性が多くの男性と寝たという表現を独自に作り出しているのですが、この婉曲表現でさえも、1960年代当時には不快に映るでしょうが、当時の言葉がいかに保守的で丁寧であったかを示しています。これは、時代劇を書くときに重要な点です。これらの例からわかるように、婉曲表現は単に下品な言葉を避けるための手段ではありません。文学や脚本において、社会規範を正しく再現し、それを批判するために使用することができます。作家として、自分が創造している世界とそこに住むキャラクターを反映させる手段として、婉曲表現の使用が検討されます。


 まぁ、時代考証との話に落ち着きますね。








謙譲・丁寧・曖昧表現F




2023年4月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現についてについて纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 その第7回目ですが、<曖昧語>を構成する stuff,  kind  of,  sort  of  について解説して行きます。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions




stuff


*stuff は口語で最も普通に用いられる名詞の1つになります。

thing よりは、より informalであり、書き言葉に利用するのは全く一般的ではありません。まぁ、ぞんざいな口語表現です


stuff  は不可算名詞です。名詞 thing と同様な使い方をしますが、曖昧表現 (例: stuff  like that) に特に良く利用されます。


Where can we put our stuff?  (our belongings)  

(very similar  to, but more informal than,  Where  can  we  put our things?)

 自分らのブツ(持ち物)はどこに入れればいいんだい? (Where  can we put our things? よりも より informal )


She didn’t have much advice to offer. She  just  told  us to learn lots of new English vocabularyand stuff like that.

 彼女は提供出来る助言を余り持っていなかった、彼女は僕らに沢山の英語の語彙やその手の事を学びなさいとだけ言った。


cf. She didn’t have much advice to offer.  She  told  us just  to learn lots of new English vocabularyand stuff like that.

 彼女は提供出来る助言を余り持っていなかった、彼女は僕らに沢山の英語の語彙やその手の事だけを学びなさいとだけ言った。


cf.  tell  someone  to  do  で軽い命令を表します。j


cf. staff

a group of people who work for an organization, often  for  a  special purpose, or who work for a manager within an organization:

 組織のために働く人のグルーブ、組織内でマネージャーとして働く者、要員


*要員全体のことを指しますので、特に個々の成員について考察する時 (staffs とする)以外は、staff は単数扱いになります。これは名詞 food 食べ物が単数扱いであることと同様ですね。個々の食べ物について考察するときは複数扱い foods になります。


She joined the staff of the Smithsonian Institution  in  1954.

 彼女は1954年にスミソニア研究所の1スタップに加わった。


*stuff  と staff の混同にご注意下さい。発音からして違いますね。




kind of and sort of




曖昧表現として(口語)


*kind of と sort of は口語ではとても一般的な表現です。言葉や語句が直接的或いは正確過ぎぬよう和らげます。まぁ、曖昧、ボカシ表現です。

*米国英語では kind of が、英国英語では sort of がより一般的です。

 〜みたいな、ちょっと〜みたいだ、なんか〜だ


ボカしたい語 (名詞、形容詞、動詞、副詞)の直前に挿入して使います


He’s kind of jealous that they have  become  such  good  friends.

 彼らがとても良い友人同士に成ったことに彼はちょっと嫉妬している。


I’m sorry but she’s just kind of lost  interest  in  buying  the  car.

 済みませんが、彼女はその車を買うことにちょっと興味を失っています。


cf. get interested in  〜に興味を抱く

  be interested in 〜に興味がある

  lose interest in 〜への興味を失う


They said it was a chalet but it was more  like  a  sort  of wooden  hut.

 彼らはそれがバンガローだと言ったが、でも木造の小屋の類い以上のものだった。


She’s spent the whole year  sort  oft ravelling  around  the  world.

 彼女はちょっと世界一周みたいな事をしてその丸一年を費やした。


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同類、種類の提示


*sort, type, kind は皆同様の意味を持ちます。同じ特性を共有する人々や物事の集団を言いますが、物事を記述する際に特に多く利用しますし、辞書にその用例をしばしば見ます。

 〜の類い、仲間、〜の種類、

*この用法は名詞の前にのみ利用されます。

*学校英語で習う用法ですね。


Jazz isn’t  the  sort  of  music I can  listen  to  for  very  long.

 ジャズは長時間僕が聴いてられる類いの音楽では無い。


A fastener is  a  type  of metal button which  fits  together  to  join clothes, for example a coat might have fasteners.

 ファスナーとは布をくっつけ合う金属製のボタンの一種で、例えばコートにはそれが有るかもしれません。


There are  many  kinds  of  birds  coming  to f eed in  my  garden at the moment.

 今私の庭に餌を求めて遣って来る多くの種類のトリがいます。


cf. my kind of

informal

 自分の好きなタイプの

This is my kind of music.

 これは僕の好きな類いの音楽だよ。


× my sort of の表現は利用しません


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類似の提示


*何かが何か別の物に似ていると思うことを示す為に曖昧表現として sort, type, kind を利用します。

 一種の〜


[joking about a cheap perfume that someone got as a present]

And it was, it was really cheap, I mean, it wasa  sort  ofa rose perfumeand I think the whole box only cost him one pound fifty,  or  something.You could probably run your car off it.

 (誰かがプレゼントとして入手した安物香水をからかって)

 そしてそれはホントに安物でした。一種のバラの香りでしたが、僕が思うに一箱丸ごとで彼はたったの2.5ポンドかそこらで買ったのです。(臭いので)車に乗ってそれから逃げるのも十分にアリですね。


*sort, type, kind の前に曖昧表現として時に some を付けます。

*この場合、或る種の、を意味し、sort, type, kind は不可算名詞扱いになります


Karen has made  some   sort   of  cake for  the  party.

 カレンはこのパーティの為に或る種のケーキを作った。


There was  some  type  of  hole  in the  road  and  we  didn’t  see it.

 道路には或る種の穴が開いていたが我々にはそれが見えなかった。


There’s  some   kind    of strange   smell  in  here.

 ここの中には或る種変わった匂いがしている。



cf. kind of like + 名詞

 ちょっと〜みたいな


"Izakaya " is kind of like a pub where you can  have  alcoholic  drinks  and some food..

 居酒屋と言うのはハブみたいなところで酒や食べ物が摂れるとこだよ。



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カテゴリーの提示


and  that  kind  of  thing  や  and  that  sort  of  thing の表現をカテゴリーを示す為にしばしば利用します。最初に1つか2つの例を与え次にこれらを並べます。

*例えば、apples and that kind of thing リンゴとその種の果物、 bookshops and libraries and that sort of thing 書店と図書館、その種のもの、と言った具合にです。

 〜とその種のもの


A: What are you doing tonight?

B: Well, first, I’ve got lots of marking  and  that  sort  of  thing  to  do.

 今夜は何する予定?

 ええと、まずは沢山の採点とその手の仕事だね。


cf. marking

noun (CORRECTING)

UK the activity of checking, correcting, and  giving  a  mark  to students' written work:

(英国用法) 採点


I couldn't go out with the others because I  had  a  pile  of  marking to do.

 山ほどの為すべき採点が有ったので私は他人と外出が出来ませんでした。



A: Are you taking anything to eat?

B: Just a few snacks - crisps  and  that  kind  of  thing.

 何か食べ物を摂っているかい?

 おやつとカリカリしたものとかをちょっとだけだよ。








謙譲・丁寧・曖昧表現E




2023年4月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現についてについて纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 その第6回目ですが、<曖昧語>を構成する thing について解説して行きます。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions





thing  and  stuff




thing


We use the general noun thing more commonly  in  speaking  than  in  writing.

 一般的な名詞 thing は書き言葉よりは話し言葉でより普通に使われます。普通は物体を差すのに使いますがアイデア、行動や出来事についても言及可能です。

*まぁ、適当な言葉が思い浮かばなかった時に、日本語でもアレなどと言い換えますが、その感覚で使うと便利な言葉です。


*入試問題の作文等でも thing を使って取り敢えずは<減点少なく逃げ切る>戦法も採れそうです。単語が思いつかず空欄とするよりは遙かに良いことです。



What’s that thing over there in the car park?

 向こうの駐車場にあるアレは何かな?


She always says that she hasn’t a thing to wear.

 彼女はいつも着るものが無いと言っている。


Can you put your things in the upstairs room?  (things  here =  personal  belongings)

 モノを二階の部屋に押し込んで呉れないか?(モノ = 個人の持ち物)


Anger is a very dangerous thing in a young man.

 怒りとは若者に於いてはとても危険なものだ。


So don’t rush him. These things take time and we  certainly  don’t  want  to  upset him.

 だから彼を急かすなよ。これらのことは時間を要するしそれに僕らは絶対彼を怒らせたくは無いんだ。


A holiday? That’s just the thing for you.

 休みかい?君にはまさに必要だった事だ。


cf.  just  the  thing

idiom  (also  the  very  thing)

exactly  what  is  needed:

 まさに必要だったもの



A: Hi Geoff. How’s things? (How’s things is a  common  informal  greeting.)

B:  Fine, thanks. How are you?

おお、ジェフ、お前調子どうだい?

 いいよ。あんがと。君はどう?




cleft-construction

things  は  cleft-construction  (一種の強調構文)を作る際にも利用されます。

*聴き手にとっての新たな情報を is 以下の節、句にて述べ強調します。

*(〜であること)は(〜だ、〜と言う事だ)


The thing we need to know is why they missed  the  train.

 我々が知る必要のあることはどうして彼らがその列車を逃したのかと言う事だ。


All (the thing) we need to know is why they missed the train.

私たちが知りたいのは、なぜ電車に乗り遅れたのか、ということだけです。

≒ We only need to know why they missed the train.


The thing they said that we shouldn’t forget was to take  a  boat  trip on the lake.

 僕らが忘れるべきでは無いと彼らが言った事は、その湖では観光ボートに乗れと言う事だった。

= They said that we shouldn’t forget to  take  a  boat  trip  on the lake.

≒ They told us not to forget to take a boat trip  on  the  lake.


The best thing to do is to phone the doctor at  once.

 すべき最善の事はすぐに医者に電話することで す。

= The best solution to take is to phone the doctor at once.


The thing that worries me most is the cost  of  the  holiday.

 僕を最も悩ませる事はその休暇の費用です。

= The problem that worries me most is the cost of the holiday.


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cf. cleft-sentences

 分裂文とは


cf. cleft-sentences とは1つの文を2つに分離することにより、元々分かっている内容に対して新たな情報を追加する役目を果たします。


一種の強調構文とも言えます。


It-cleft sentences

It is/ was.....that....の形を取ります。that の前の語が人である場合は、that をwho に換えてもOKです。


実際のところ、It is/ was ......wh-clause の形でも頻用されます。



Did you find your MP3 player, Lisa?

It was my phone that I’d lost.(Focus: it was my  phone  (not  my  MP3  player). Already understood: I’d lost something.)

 リサ、MP3プレーヤーは見付かったかい?

 私が無くしたのは (MP3 player ではなくて) 電話よ。

* my  phone を新たな情報として提示、追加しています。

=  I’d lost my phone の強調



補語を強調する強調構文


He once was a teacher.

→補語部分を強調すると

→It is a teacher that he once was.

*このthat はしばしば省略されます。

→It is a teacher he once was.

彼が嘗てそうだっのは先生です。

= 彼のかつての仕事は先生です。

適宜 that を補って強調構文であることに気付いて下さい。



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Wh-cleft sentences

*古い情報は  wh 節内に収め、(聴き手にとっての)新たな情報を  is  以下で述べます。

*その新たな情報を相手に強調し印象づける表現方法になります。


wh-clause  is  A.

=  It  is  A  wh-clause. で、Aが強調されます。


What I love about you is  your sense of  humour.

 あなたについて大好きな点はユーモアのセンスだよ。

→強調すると

=  It is  your sense of  humour what I love about you.

=  I love your sense of humour. の強調


Where you’ll find great seafood is  Molly’s Seafood  Restaurant  on  the  quay.

 凄いシーフードが見つけられるところは岸壁にあるモリーのレストランだね。

= The place where you’ll find great seafood is Molly’s  Seafood  Restaurant  on  the quay.

→強調すると

= It is  Molly’s Seafood  Restaurant  on  the  quay where you’ll find great seafood.

= You’ll find great seafood at Molly’s Seafood  Restaurant  on  the  quay. の強調


cf. quay 岸壁

 キーと発音することにご注意下さい。


-----------------------------------------


the thing

= the exact fact, object, idea, event, etc.

 事実、対象、考え、事象など


The article was exactly the thing I needed for my research.

 その記事は研究の為に僕が必要としていたまさにそのものでした。


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The  thing  is

*口語では  The  thing  is(that-caluse) の表現も普通に利用されます。何か言いたいことに焦点を当てたり、問題がある事を示すのに利用します。

 事実を言うと、こう言う訳だが (説明や言い訳を導入する

 問題は〜ということだ


The thing is, my parents like me to be home by ten o'clock.

 実は、僕の親が10時までには帰宅して欲しがってるんだよ。


The thing is, the shops close early on Sundays.

 実のところ日曜日には店は早じまいすることになっててね。


Yeah, that’s OK, but the thing is, he still hasn’t  apologised  for  being  late.

 はい、それでOK。でも問題は彼が遅刻したことを未だ陳謝していないままでいることだ。


The thing is … erm … we don’t have time to visit New York as well as Washington.

 問題はと言うと、ええと。僕らにはワシントンと同様NYを訪ねる時間がないってことです。

= we don’t have time to visit (New York as well as Washington).

= we don’t have time to visit New York and  also we don’t have time to visit Washington

= we don’t have time to visit New York and  we don’t have time to visit Washington either


= Neither do we have time to visit New York nor Washington. (文法的には正しいですが口語では使わない表現です)



cf. as well as

in addition; and also: 〜に加えて、〜もまた

We have a responsibility to our community as well as to our families.

 私たちには自分たちの家族に加え地域社会にも責任があります。





cf.apologize

to tell someone that you are sorry for having done something that has caused problems or unhappiness for them:

他人に対し問題を起こしたり不幸にさせたことが残念だと告げる、陳謝する


自分が相手に行ったマズい点を陳謝することは、その時点で問題にケリを付ける効果があり、一種の防護壁を作る行為とも言えますね。


apologize (to someont) for    (〜に)〜を陳謝する


I must apologize to Isobel for my lateness.

 僕はイソベルに遅刻したことを陳謝せねばならない。


Trains may be subject to delay - we apologize for any inconvenience caused.

 列車は遅延するかもしれない。起きるご不便を陳謝します。


She apologized profusely for having to leave at 3.30 p.m.

 彼女は午後3時半に立たねばならないことを大いに陳謝しました。


apologize +that 節の形も取れますが、apologize + for + 動名詞の利用がより一般的です。


-----------------------------------------


thing  は曖昧語としても利用されます。相手に対して直截過ぎないように聞こえさせる目的に利用されますが、話し手側が詳細を述べるのを避けたい場合にも利用されます。


* things like that, that kind of thing などのフレーズでしばしば利用します。


They’re cooking lots of different Italian and Spanish dishes  and  things  like  that.

 彼らは沢山の様々のイタリアとスペイン料理とその手のものを調理しているところです。


When I worked in a newspaper office, there wasn’t time for eating lunch or that kind of thing, you know.

 私が新聞社のオフィス内で働いた時、昼食やその手のものを食べたりする時間はなかったよ。



cf. eat (lunch or that kind of thing)

eat some sandwiches for lunch 昼食にサンドイッチを食べる


What do you want to eat for lunch?

 昼には何を食べたい?


US have lunch 昼食を摂る (抽象概念化しているので lunch は無冠詞になります、cf. go to school 学校に行く)

UK take lunch

US have a meal食事を摂る

UK take a meal


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適当な形容詞を伴わせて、愛情を込めた、或いは否定的な態度を示すのに thing を用います


Our cat is too old now to leave the house, poor thing.

 僕らのネコは可哀想に今は歳を取り家から出られないんだよ。


You lucky thing! I wish I had the chance to visit New Zealand.

 君は幸運だね。ニュージーランドを訪ねる機会があったらなと僕は思うよ。


A: You’re going to get paint on that dress. Why don’t you get changed?

B: It doesn’t matter. It’s just an old thing.

 そのドレスの上にペンキが付いちゃうよ、どうして着替えないの?

 別にいいのよ。どうせ古びてるし。



sure thing

idiom mainly US informal

同意を表す言葉です。もちろんだぜ。


"Could you give me a ride home tonight?" "Sure thing!"

 今晩家まで乗せてって貰えますか? もちろんよ!


something certain to win or succeed:

 確実に勝利する、成功するもの


Your promotion is a sure thing - you’re the best person for the job.

 君の出世は確かなものだよ −その仕事に最適の人物だし。 



a sure thing

idiom

something that is certain to happen:

 確実に起きるもの


The president's re-election is now far from a sure thing.

その大統領の再選挙は今や確実なものからは遙かに遠い。








謙譲・丁寧・曖昧表現D




2023年4月1日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現についてについて纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。その第5回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions




曖昧表現2




場所をボカす表現


I'll be in Oxford Street  or  thereabout.

 オクスフォード通りかそこら辺にいるよ。


or  thereabout は数字をボカすのにも利用出来ます。



cf. somewhere (US also someplace)

@ in or at a place having a position that is  not  stated  or  not known: 言及されていない或いは知られていない或る場所にて、どこかに

 (本当に知らないが故に、或いはボカす意図で、利用可能です)


He was last heard of living somewhere on  the  south  coast  of France.

 最後に聞いたのは、彼がフランスの南海岸のどこかに住んでいるということでした。

= I last heard of his living somewhere on the  south  coast of France.

= I last heard that he lived somewhere on the  south coast   of France.


You must have put their letter somewhere!

 君は彼らの手紙をどこかに置いたに違い無い。


[ + to infinitive ] I'm looking for somewhere  to  eat/ stay.

 僕は食事・宿泊できる場所を探しています。

 (somewhere は名詞として考えることも可能です)


Can we go somewhere else to talk - it's very  noisy  here.

 ここはとても騒がしいので、どこか別の場所で話しませんか?


Wouldn't you like to go to Disneyland or  somewhere  (=  or to a similar place)?

 ディズニーランドやどこか(=またはそれに近い場所)に行ってみたいと思いませんか?


 数字をボカす用法もあります:

A somewhere (APPROXIMATELY)

somewhere around,  somewhere between, etc.

= approximately; about: およそ、〜ぐらい


Somewhere between 900 and 1,100 minor  crimes  are  reported in this city every week.

この街では、毎週900件から1,100件の軽犯罪が報告されています。


It will take us somewhere between three and  four  hours  to get back.

 帰りは3時間から4時間くらいかかるだろう。


The company's annual turnover is somewhere  around  $70.7 million.

この会社の年間売上高は7,070万ドルほどです。





Talking  about  groups  and  categories

グループやカテゴリーについて話す場合の曖昧表現


*グループやカテゴリーに纏める為に或る特定の曖昧表現を用います。そのグループやカテゴリーの仲間の例を通常最初に与え、そしてそれから曖昧表現を加えます。例えば、ネックレス、ブレスレット、その種のもの、と言った具合です。



* 一般的に用いられるこの様な曖昧表現には、


and  that  kind  of  thing

and  stuff  like  that

 その種のものやそれに似たもの


and  that  sort  of thing  

and  stuff

 その種のものなど


and  that  type  of  thing  

and  so  on

 そのタイプのものやその他


and things like that

and this, that

and the other

 これやあれその他の様な品


and  the  like

その種のもの


something  like  that

 その様なもの

 

 などの表現があります。



Where are all the knives and forks and  that  kind  of  thing?

 全部のナイフとフォークとその手のものはどこにあるのかい?


I need to buy cards and wrapping paper  and  stuff  like  that.

 私はカードと包装紙それとその類いのものを買う必要がある。


A: Where’s Emma?

B: She’s gone to the doctor. She’s been  getting  pains  in  her  stomach and feeling tired  and  things  like  that.

 エマはどこにいるの?

 医者に行ってるよ。ずっと胃が痛くて疲れていて他にもその種の症状がある。。


He never eats chocolate, sweets and  that  type  of  thing.

 彼はチョコレート、甘い物やその手のものは絶対に食べない。


There are so many lorries and trucks and  that  sort  of  thing passing by our house, even during the night.

 貨物自動車、トラックそれとその種の車が夜間でさえも僕たちの家の傍をとても沢山通り過ぎるんだ。

→So many lorries and trucks and that sort  of  thing  are  passing  by our house, even during the night.


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formal なスピーチの場での曖昧なカテゴリー表現

通常は、and  so  forth,  et  cetera (= , etc),  and  so  on,  and  so  forth などの表現を使います。


[from a university lecture on literature]

The book has often been looked at from a  feminist  perspective  and  so  forth but I want to look at it from a political perspective today.

(文学に関する或る大学の講義から)

 女権拡張論者の視点やその他からその本はしばしば眺められて来ていますが、私は今日はそれを政治的な視点から眺めて見ようと思います。


[from a university lecture on communication]

If you use an advertisement in the newspaper,  a  thirty-second  ad  on  television  et cetera et cetera, it will receive quite a wide audiencebut    there’s relatively little you can say in it. (ad =  advertisement)

(意思伝達に関する或る大学の講義から)

 新聞紙上の広告やTVでの30秒の広告その他もろもろを利用すれば、極めて広い視聴者を集め得るが、視聴者側がそれに意見を言えることは比較的少ない。



What are your views on the new government  and  the  changes  they have made  and  so  forth?

 新政府と彼らが行って来た変化その他に関してあなたの見解は何ですか?


The new theatre will be used for big  events  such  as  opera,  ballet, drama  and  so  on.

 その新劇場はオペラ、バレーその他の大きな興業に利用されるでしょう。


The house is equipped with a cooker, washing  machine,  television,  etc.

 その家には調理器具、皿洗い機、TVその他が備えられています。





When  can  vague  expressions  be  impolite?

非礼を意図する曖昧表現


* stuff, whatever, whoever, whenever,  whichever などの表現が失礼な遣り方で物事を曖昧にする為に利用されます。これらは自分より年長の者から尋ねられた質問に直接返答する際にはとても失礼になります。まぁ、反抗期の子供達の返事ですね。



[a father to his son]

 父親が息子に

A: What did you do at school today?

B:  Stuff. (This is not a polite reply. It  can  mean ‘I  don’t  want  to  talk to you’.)

 学校では今日は何をしたんだい?

 別に。(お前と話したくない、との失礼な返答)


[parent to teenage daughter]

 親がティーネージャーの娘に

A: You spend too long on the phone.

B: Whatever. (This is a very impolite  response  and  means  ‘I don’t  care’.)

 電話が長ぎるわよ。

 別になんでもいいじゃん。(‘I don’t care’ の意味の非常に失礼な返答)


*映画試写会で「別にぃ〜」と答えて非難を浴びた女優もいた様ですが、たった1つの言葉で社会に顔を出せなくなる危険もあります。まぁ、愛語するのが肝要なようで・・・。



[two friends talking]

 2人の友人の会話


A: We’re meeting around seven at Mel’s  place.

B: No, it’s at six thirty.

A:Well,  whenever.  (This is not as impolite,  because  it  is  between  friends. A uses whenever to show that she is annoyed that she has been    contradicted about the time and that it doesn’t  really  matter  whether it’s six thirty or seven.)

 メルのところで7時頃に会う予定だね。

 いや、6時半だよ。

 ええっと、別にいつでもいいじゃん。

 (これは友人同士の会話なので失礼では無い。時間に反対されてムッとし、そして6時半か7時だろうと大した問題では無いことを示す為に whenever を使っている)








謙譲・丁寧・曖昧表現C




2023年3月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現についてについて纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。その第4回目です。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions





Vague  expressions 曖昧表現とは




*vague  expressions 曖昧表現は前回までに採りあげた hedge と重複するところがありますが、言質を取られないように意図的に予防線を張るとの狭義のhedge を包含する上位概念とも言えるでしょう。


*曖昧な言葉は大変広く−特に口語では良く−用いられます。例えば、about,  kind  of,  sort  of,  that  kind  of  thingと言った言葉や語句を、その事実をぼかして間接的なものとする為にしばしば追加して利用します。


*単に意図的に物言いをボカしたい、のシーンだけではなく、言葉が頭に浮かばない、例示の省略 (その他、などの言葉)、意図的な非礼な表現など様々な目的で利用されます。


There were  about twenty people at the meeting.

 その会合には20人ぐらいが居ました。


It’s  kind  of cold  in here.

 ここではそれは風邪みたいなもんだ。


Did you see lions and giraffes  and  that  kind  of  thing when  you  were in South Africa?

 南アに居た時はライオンやキリンやその手のものを見たかい?


*kind of を会話中に口癖の様に多用する  native  speaker  も散見します。




各種の Vague expressions 曖昧表現




vague  expressions  when  we  don’t  know  the  name  of  something

 モノの名が分からない時の表現


これらには、


what  do  you call  it?,  what’s  it  called?,

 なんて呼ぶんでしたっけ? えぇっとなんだっけね


it’s  a  kind  of  X,   it’s  a  sort  of  X,   it’s  a  type  of  X,

 それは一種の〜、〜みたいな


something,  thing,  stuff:

 何か、物、ブツ


 などがあります。



A: She’s had to have that test, er,  what  do  you  call  it?  Where  you have to go into  a  type  of X-ray machine.

B: A CAT scan?

 彼女はその何といったかな、検査を受けなきゃならなかった。一種のX線機器の中に入らきゃならないところだよ。

 CAT スキャンのこと?


She’s got a small dog, a kind of poodle,  or  something.

 彼女は一種のプードルか何かみたいな小さい犬を飼っている。


What’s  that  stuff you use when your lips  get  dry?

 唇が乾燥する時に使う物は何だっけ?


Where’s  the thing for cleaning the  window?

 窓を綺麗にするやつはどこだっけ?


*英作文時に固有の名詞が頭に出てこない時に、取り敢えず thing,  stuff,  something を使用して逃げ切る作戦も取れます。語彙は兎も角、英文構造を知っていると判断され点は取れるでしょう。


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*とてもぞんざいな口語では、ワチャマコーリト、ワチャマコーリムなどと what do you call it/him/her, etc. を発音しますが、けして書き言葉にしてはいけません。教養と品格を疑われますので会話でも使用は避けるべきです。


A: Andrew’s just moved in with  whatyamacallhim.

B: Barry?

 アンドリューはなんつう名前だったかの奴と共に引っ越してきたよ。

 バリーかい?




Making things sound less factual

 物事を事実からボカす


*ありのままそのものの言葉ではあまりに直截過ぎる時があります。それで意図的に曖昧表現でオブラートする訳です。


about,  kind  of,  sort  of,  -ish (suffix),  stuff,  things などの表現があります


*勿論これらの表現は、モノの名前を忘れて出てこない時にも利用出来ます。



There’s  sort  of something I don’t like  about  her.  (more  direct:  There’s something I don’t like about her.)

 彼女については好きになれない無い様なところがある。

(There’s something I don’t like about her. とかするとより直截)


It’s  kind  of bright in here. (more direct: It’s  too  bright  in  here.)

 ここの中はちょっと明るいわね。

(It’s too bright in here とするとより直截)


I can’t meet up later. I have too much  stuff to  do. (具体的な課題についてボカす)

 僕はあとで集合できないよ。遣ることが有りすぎるんだ。


I forget so many  things these days.

近頃はとても沢山のことを忘れるよ。




数字や量、回数をぼかす


*事実をオブラートで包む為に特に数字や量、回数の前に曖昧表現を使います。


I’ll see you at  about 8 tomorrow morning for  breakfast.  Is  that  okay?  (more direct: I’ll see you at 8 tomorrow morning for breakfast.)

 朝食の為に明日の朝8時頃に会おう。それでいいかい?

(I’ll see you at 8 tomorrow morning for breakfast とするとより直截)


We expect to take  in  or  around two years  to  complete  the  project.  (more direct: We expect to take two years and four months tocomplete the  project.)

 その事業計画を遂行する為に2年前後掛かると思うよ。

 (We expect to take two years and four  months  to  complete  the project.とするとより直截)

 

We’re meeting Veronica at  four-ish.  (more  direct:  We’re  meeting  Veronica at four.)

 ベロニカに4時ぐらいに合う予定だよ。

 (We’re meeting Veronica at four. だとより直截)


We’ve been living here for  more  or  less five years. (more direct: We’ve been living here for five years and three months.)

 僕らはここに5年ぐらい住んで居ます。

 (We’ve been living here for five  years  and  three  months. とするとより直截)


(つづく)








謙譲・丁寧・曖昧表現B




2023年3月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現について纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。その第3回目です。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions




Hedges in academic writing


学術文に於ける hedge 表現 (前回からの続き)




Language used in hedgingin academic writing


 hedging に使用される言葉





5. Modal adverbs

 様相副詞


*確信性、蓋然性について情報、見解を加えます。


e.g.  certainly 確かに,   definitely 絶対に,  clearly 明白に,  probably おそらく,  possibly 可能性がある,  perhaps 多分,  conceivably = possibly,  arguably 間違いなく



There are  certainly cases where this would  seem  to have been the only possible method of transmission.

 これらは、これが唯一可能性のある伝達方法であったろうと思える確かな事例です。


cf. There are cases where this would have  been the  only  possible method of transmission.

 これらは、これが唯一可能性のある伝達方法であったろう事例です。



cf. arguably

used when stating an opinion or belief that  you  think  can  be shown to be true:

 真実だと示し得ると思う、論拠のある、間違いなく


*英語の特徴として白黒を決めつけるのでは無く、反対意見にも余地を残していく言語であるゆえに、arguably = as may be shown by argument <討論・主張により示され得る>=<(他に反対意見もあるかも知れないが、一つには)私の主張だが> → <本当に自分はそう思うが>、の意味になる、丁寧な表現であると解説されもします。日本語に無理遣り訳せば、<異論があり得ることは重々承知していますがそれでも間違いなく>などの長い訳語になりそうです。


He is arguably the world's best football player.

 彼は間違いなく世界最高のフットボール選手です。


Arguably, the drug should not have been  made  available.

 議論の余地無く、その薬は入手可能とされるべきでは無かった。


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6. Modal adjectives

 様相形容詞


e.g.  certain 確かだ,  definite 決定的だ,  clear 明白だ,  probable おそらく〜だ,  possible 〜の可能性がある


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7. Modal nouns

 様相名詞


e.g.  assumption 仮定、前提,  possibility 可能性,  probability 蓋然性,  

     certainty 確実性,  conception 概念,  argument 論議


cf. conception

(IDEA)

an idea or a particular way you understand or think about something, or a basic understanding of a situation or principle:

 何かを理解し考える特有の方法やアイデア、或いは状況や教義の基礎的理解、概念


Most children have no conception of time.

 大方の子供は時間の概念を持ちません。




8.That clauses

 下記の様な that 節 表現の利用

e.g.

It could be the case that .

 〜と言う事例の可能性がある


It could be argued that

 〜と論議出来よう


It may be assumed that

 〜と推定可能である


It might be suggested that .

 ひょっとして〜と示唆される


*上記文例で、it = that clause 。that 節を主語として文頭に配置すると頭でっかちになるので 仮主語 it を建てて文を作ります。

*受け身形で文章を作るのは好まれない風潮もあります。受け身形で主語を意図的に消すとの意味合いもあり、正に hedge とも言えますね。自分を直接的に出さず、客観性を加えるかの様な印象操作もできます。


There is every possibility that .

 〜であるあらゆる可能性がある

*possibility  = that clause 同格の並記



It  may  be  said  that  the commitment to  some  of  the  social  and economic concepts was less strong than it is now.

 その社会経済的な概念の幾つかに対する言及は今日ほどには有力なものでは無かった、と言い得よう。

 (註:学術論文に於いては、can のより formal な形として may が使われますので、それを意識して和訳します)


cf. The commitment to some of the social  and  economic  concepts  was less strong than it is now.

 その社会経済的な概念の幾つかに対する言及は今日ほどには有力なものでは無かった。


Yet  often  it  cannot  have  been  the  case  that a  recalcitrant  trustee remained in possession of the property entrusted to him.

 にも関わらず、指示に従わない管財人が自分に信託されたその財産を所有し続けるとの事例はしばしばあり得ないことだった。


cf. Yet the recalcitrant trustee did not remain  in  possession  of  the property entrusted to him.

 にも関わらず、管財人は指示に従わなかったので、彼に信託されたその財産を所有し続ける事が出来なかった。

= Yet, due to his recalcitrance, the trustee couldn't  remain  to possess   the property entrusted to him.



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9.To-clause + adjective

 下記の様な to 節+形容詞 の使用

e.g.

It may be possible to obtain

 〜を得ることが可能かもしれない


It is important to develop

 〜を発展することが大切だ


It is useful to study

 〜を研究することは有用である



By analogy,  it may be possible towalk from  one  point  in  hilly  country  to another by a path which is always level or uphill, and yet a straightline between the points would cross a valley.

 類推すると、丘陵地のある地点から別の地点まで常に平らまたは上り坂の経路で歩くことも可能かもしれません。しかし2地点間を結ぶ直線が谷を横切る場合もあるでしょう。


cf. By analogy, one can walk from one point  in  hilly  country  to another by a path which is always level or uphill, and yet a straight line betweenthe points would cross a valley.

 類推すると、丘陵地のある地点から別の地点まで常に平らまたは上り坂の経路で歩くことができます。しかし2地点間を結ぶ直線が谷を横切る場合もあるでしょう。

(a straight line between the points would  cross  a  valley → it is a straight line between the points which would cross a valley)


cf.  and  yet  =  but ,  nevertheless

 しかし、にも関わらず


cf.  by  analogy

 複数のものの間の類似から、類推して








謙譲・丁寧・曖昧表現A




2023年3月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現について纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんがそれでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう。日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。その第2回目です。


https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions




Hedges  in  academic  writing


学術文に於ける  hedge  表現 (前回からの続き)




UEFAP  (Using English for Academic Purposes  For  Students  in  Higher  Education)

<高等教育の学生に対する学術目的の英語使用>のサイトに、学術目的で使用される hedge についての解説がありましたので、以下、同じ団体が youtube 動画で解説している内容を加えつつ引用、和訳します。

http://www.uefap.com/writing/feature/hedge.htm


*尤も、下記の分類法が格段に優れているとは塾長は感じませんでした。1つの参考に留めておく方が良さそうに見えます。


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It is often believed that academic writing,  particularly  scientific  writing, is factual, simply to convey facts and information. However it is now  recognised that an important feature of  academic  writing  is  the concept of cautious language, often called "hedging" or "vague language". In  other words, it is necessary to make decisions about  your  stance  on  a particular subject, or the strength of the claims you are making.  Different subjects prefer to do this in different ways.


 「学術文、特に科学的な記述は事実に即し、真実と情報をもたらすものであるとしばしば信じられています。しかしながら、学術文の重要な特徴の1つは、慎重に記述すること、即ちしばしば hedging や vague language と呼称される概念である、と今日は認識されています。換言すれば、特定の主題に関する自分の立ち位置を定め、その自分が主張することの強さを決めることが必要なわけです。論文の主題が異なれば異なる遣り方でこれを行うことが好まれます。」




Language  used  in  hedging  in  academic  writing


 学術文の hedging に使用される言葉





1. Introductory verbs:

 導入動詞


e.g. seem,  tend,  assume,  look like,  appear  to  be,  think,  believe,  doubt,  be sure,  indicate,  suggest,  be likely to


*全て断定的な物言いを避け、ワンクッション置く表現です。

 〜に見える、〜の様だ、〜と思う、信じる、確信する、疑う、〜だと示唆する



Nowadays the urinary symptoms seem to be of  a  lesser  order.

 今日、尿路関連症状は数を減らしている様に見える


cf. Nowadays the urinary symptoms are of a  lesser  order.

今日、尿路関連症状は数を減らしている。


Children tend to be like their parents.

 子供は親に似る傾向があります。

= Children are likely to be like their  parents.

 子供は親に似るものです。(現在表現で一般的真実を表します)


They had begun to doubt that it could  be  done.

 それが不可能ではないかと彼らは疑念を抱き始めていた。


cf.  doubt  that  〜であることに確信が持てない、〜では無いのではと思う  ≒  not  think  that

cf.  suspect  that  〜であることが真実、あり得ると思う  ≒  think  that

We had no reason to suspect (that) he might try  to  kill  himself.

 彼が自殺を図るかもしれないと疑う理由はなかった。(ここの might  は単なる may の過去型です)



Recent work on the religious demography of  Northern  Ireland   indicates  a separating out of protestant and catholic, with the catholic  population  drifting westwards and vice versa.

 北アイルランドの宗教人口統計に関する最近の研究は、プロテスタントとカトリックの分離を示唆しており、カトリックの人口は西に向かって移動し、プロテスタントは東に向かっています。 


cf. Recent work on the religious demography of  Northern  Ireland  shows a separating out of protestant and catholic, with the catholic  population   drifting westwards and vice versa.

 北アイルランドの宗教人口統計に関する最近の研究は、プロテスタントとカトリックの分離を示しており、カトリックの人口は西に向かって移動し、プロテスタントは東に向かっています。 


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2. Certain lexical verbs

 或る種の一般動詞


e.g. believe,  assume,  suggest

 〜と信じる、思う、〜だと示唆する


Weismann  suggested that animals become  old  because, if  they  did  not, there could be no successive replacement of individuals and hence no  evolution.

 ワイスマンは、もしそうでなかったら個体に連綿とした置き換えが起こり得ず隠した進化も起きないとの理由から動物が老化することを示唆した。


cf. Weismann proved that animals become  old  because, if they  did  not, there could be no successive replacement of individuals and hence no  evolution.

 ワイスマンは、もしそうでなかったら個体に理連綿とした置き換えが起こり得ず隠した進化も起きないとの理由から動物が老化することを明らかにした。




3. Certain modal verbs:

 ある特定の法助動詞


will,  must,  would,  may,  might,  could,  can

*蓋然性、可能性を示す法助動詞ですね。


The lives they chose  may  seem overly ascetic  and  self-denying  to  most women today.

 彼女らが選択した人生は、今日の大方の女性には、過度に禁欲的で自己否定的なものと見えるかもしれない。


cf. The lives they chose seem overly ascetic and  self-denying  to  most women today.

 彼女らが選択した人生は、今日の大方の女性には。過度に禁欲的で自己否定的なものと目に映る。


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4. Adverbs of frequency

 頻度の副詞


*どの程度の割合で事象が発生するのかの情報、見解を加えます。


e.g. often,  sometimes,  usually,  rarely,  regularly,  generally,  typically


cf. typically

 典型的な、の意味がよく知られますが、ここでは

used when you are giving an average or usual  example  of  a particular thing:

 ある事についての平均的な或いは通常の例を与える、平均すると、通常は、普通は、の意味になります。<典型的に>では意味が通じませんね。


Typically, a doctor will see about 30 patients  a  day.

 通常は医師は一日当たり30人の患者を診ることになっています。

= A doctor will usually see about 30 patients  a  day.

= A doctor will see about 30 patients a day on the  average.


Tickets for these events will typically cost  around  thirty  dollars.

 これらのイベントのチケットは平均すると30ドル前後です。

= Tickets for these events will usually cost  around  thirty dollars.


(つづく)








謙譲・丁寧・曖昧表現@




2023年3月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 modal verbs の過去形 could, would, might を用いて、非直接的な奥ゆかしい表現(謙譲表現)や丁寧な物言いをする用例をこれまでに紹介して来ました。そこで本コラムでは、modal expressions の解説シリーズ中に飛び入りさせますが、この様な謙譲表現、更には曖昧表現、丁寧表現、それと関連表現について纏めて解説して行くことにしましょう。これらは互いに重複するところがあります。

 日本語を学習中の外国人から、日本語には敬語表現が有りこれを使える様にしないと日本ではまともに勤務にありつけず苦労すると指摘されます。実際、英語には宗教的表現を除き基本的に敬語はありませんが、それでも丁寧表現は存在します。自分の意図をオブラートを被せてソフトに丁寧に伝える表現であり、自分の伝えたい中身や自己主張を曲げるものではありません。この辺の誤解の無きよう日本語の敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)との性質の違いを考えて見るのも面白いでしょう。

 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。その第1回目です。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hedges-just

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/vague-expressions

http://www.uefap.com/writing/feature/hedge.htm





hedge とは




hedge  (文法用語)

a  word  or  phrase  that  makes  what  you  say  less  strong

 (英文法用語)自分が言いたいことをマイルドにする言葉や語句


*hedge とは一般用語では防御壁、生け垣、垣根などの意味で用いられ、例えば日本語でもインフレヘッジ(インフレに備えてそれのリスクを低減する対抗策を取る事)などとして使われます。因みにハリネズミ  hedgehog  とは垣根 hedge に潜む豚 hog の意味です。この意味から派生して英文法用語では、自分が言いたいことをマイルドにする言葉や語句の事を指します。まぁ、ボカし表現、曖昧表現です。これは基本的に、直截な物言いをして相手の機嫌を損ねるのを避ける、或いは気遣いの出来ない不躾な奴だと思われるのを避ける (謙譲・丁寧表現)、或いは何かを断定してのちにお前がそう言っただろと相手から追及されるのを防ぐ(言質を取られない様にする)為の防御壁の言葉でもありますが、そればかりでは無く、(広義には) 物の名前が分からなくなってアレですなどと言う時のちょっと便利な言葉でもあります。


*即ち、狭義には hedge とは自己防衛の為の曖昧表現(垣根表現)ですが、広義には vague expression 曖昧表現、と同一と見做して良かろうと思います。


謙譲・丁寧・曖昧表現の間には明確な線引きが出来るものではありませんが、幾通りにかは分けて考えることが出来ます。


*話し言葉、書き言葉の両者共に利用されます。


*丁寧な会話をするには大切な要素になります。直截な物言いを避けてオブラートを被せ聴き手側の耳を刺激しないようにしつつも自説を主張する言わば一種の高等テクニックあり修辞法の1つと言えます。


*相手の機嫌を損ねることを怖れ自分が主張したいことを曲げる (people pleaser: 八方美人、someone who cares a lot about whether other people likethem, and always wants others to approve  of  their  actions: 他の者のが自己を気に入ってくれ常に自己を認めてくれるように心を砕く者) 表現ではありません。


*hedge 表現の最も通常な形態は、時制と相、法助動詞と動詞を含めた様相表現、sort of, kind of (ちょっと〜だ)の様な曖昧な用語、そして幾つかの動詞から成ります。


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Tense and aspect

 時制と相


*英文法用語 相 aspect とは、簡単に言えば完了表現と進行形のことですが、時制がピンポイントとして時間軸の中のある一点を指し示すのに対し、相は時間的連続性を示す表現になります。aspecs とはモノを三次元的に周囲から見た時の或る一面を差しますが、広さ、幅を持っている訳です。


I  wondered  if  I  could  have a word with  you?   (less  direct  and more polite than Could I have a word with you?)

 あなたとちょっとお話しせさて戴いてもても宜しいかしら?

 (Could I have a word with you? よりもより間接的で丁寧です)


<字義>言葉を交わせることが出来ればと迷っていました (→質問してもいいのかしらと散々逡巡した挙げ句、あなたに質問致します)


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Modal expressions

 様相表現


The answercouldbe that the trees have  some  sort  of  disease. (less direct than The answer is that …)

 その答えですがそれらの木々は一種の病気に罹っていると言えるだろうと思います。

 (The answer is that よりもより間接的)


Maybewe should have a word with him  about  it?  (less  direct than We should or we must have a word with him about it.)

 多分我々はそれについて彼と話を交わすべきでしょう。

 (We should or we must have a word with  him  about  it より、より間接的)


This ispossiblythe best performance in the  Olympics.

 これはオリンピックで最高の演技の可能性がある。

 (possible で断定を避ける)


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Vague language

 曖昧な用語


It’s  sort  of difficult to say. (less direct than  It’s  difficult  to  say)

 言うのはちょっと困難だね。

 (It’s difficult to say より、より間接的)


Could you  just  post this letter for me?

 この手紙をちょっと投函してくれますか?


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Verbs (feel)

 動詞 feel


* feel, suppose, reckon と言った幾つかの動詞は個人的な発言をマイルドに、即ちより間接的にする為に利用されます。


We  feel  he should let them decide whether  to  buy  the  flat.  (less direct than He should let them decide …)

 そのアパートを買うかどうか彼らの判断に任せるべきと感じるね。

 (He should let them decide …より、より間接的)


UK  I  reckon  that’s the best answer to the  problem.  (less  direct than That’s the best answer to the problem.)

 それはその問題への最善の答えだと僕は思う。

 (That’s the best answer to the problem. より、より間接的)


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cf. I suppose には様々な意味がありますが、日本人には使いこなしにくい動詞ですね。全て I think に置換可能です。


*但し、I  think  に比べると  I  suppose  は確信性は低下し、<確信は持てないけれど〜じゃあないかと思う>の意味合いになります。〜かもね。

*I suppose には、〜と思うと気懸かりだ、残念ながら〜だ、の、<思う>を述べるシーンも多いです。


* I guess は気乗りの無さを示し、〜もいいかもね、のニュアンスになります。「私は〜と推測する」などと訳さないで下さい。相当にぞんざいな口語表現です。



suppose

1. to think that something is likely to be true 本当でありそうに思う、そうではないかと思う

He found it a lot more difficult to get a job than  he  supposed  it  would be.

 そうじゃないかと思っていたより職を得る事はずっと難しいと彼は知った。


2.used to show that you think something is true,  although  you  wish that it were not:

 そうであって欲しくないが何かが本当だと思う。残念ながら〜と思う。

I suppose (that) all the tickets will be sold  by  now.

 残念ながら今はもうチケットは全て売れているだろうと思います。

≒ I'm afraid (that) all the tickets will be  sold  by  now.


cf. will = probably


3. used to show unwillingness to agree: いやいやながら同意する

"Can I go out tonight?" "Oh, I suppose  so."

 今晩出掛けてもいいですか? それもいいんぢゃあないか。


4.used when you are annoyed:

 〜だと思うと気懸かりだ

I suppose (that) you're going to be late  again.

I suppose (that) you think that's funny. Well,  I  certainly  don't.


5. used in making polite requests:

 丁寧にものを頼む

I don't suppose (that) you could lend me £5 till  tomorrow?

 明日までに5ポンドお貸し戴ければ嬉しいのですが。


6. to expect and need:

 〜を必要とすると期待される

Investment of this kind supposes (= would not be  possible  without)  an increase in the company's profits this year.

 この種の投資は今年の企業利益の増大を必要とするだろう(増大無しでは不可能だろう)。



* be  supposed  to  do  は別の意味になります。以前のコラムにて解説していますので参照して下さい。




Hedges in academic writing


学術的著述に於ける hedge 表現




*文章、特に学術文に於いては或る形式の hedge 表現を用います。これは、その発言が単に著者の個人的な見解(独断)に拠るものではない事を示すためのものでもありますが、他からの言質を取られない為の用心、慎重さの現れでもあるでしょう。まぁ、断定する事、言い切ってしまう事に対しての慎重姿勢を示す訳です。実際のところ、一見真実に見える事であっても、全ての分野、観点から観察される訳では無く、それが真実では無い可能性を鑑みて hedge の表現の纏を付け加えて述べることになります。或る意味、真実に対する公平且つ誠実な態度とも言えるでしょう。


*これは、他の見解に価値が有る可能性を認め更なる議論がこの先提出されることを許しますが、自身がそうなる余地、自由度、逃げの手を残すことにもなります。まぁ科学的に見て客観的な自己評定を正しく加える記述法でもありますが、勿論必要以上の hedge を加えればそれは非科学的になってしまい正しい主張が出来なくなります。


*この点からも hedge の使い方に習熟すべきでしょう。と言いますか論文を多読する内に記述の型が自ずと分かってくる筈です・・・。


*hedge にどの様な表現方法が見られるのか、これから見て行きましょう。


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受動態の利用



*しばしば  it is argued that や it has been agreed  that (〜と論議されている、同意されて来た)の様な受動態で利用します。


It  has  been  generally  agreed  thatthese new  video  phone  technologies will transform everyday life.

 (a more cautious and less personal  statement  than  I  agree that …)

 これらの新たな視聴技術は日々の生活を変容することになろうとこれまで広く同意されて来ている。

 (I agree that … よりは、より注意深くまたより非個人的な陳述となっている)


*学術論文では客観的な evidence を示す事がキモですので、個人性、主観性の極致である主語 I は使いません。この意味からも受動態が頻用される訳ですが、近頃はチーム(複数人)として論文を執筆する場合には We を主語とする能動態での記述が利用される様になりました。〜の実験が行なわれた、ではなく、我々は〜の実験を行った、〜と結論された、ではなく、我々は〜と結論したのストレートな表現です。全てを受動態で固めて記述するのは寧ろ奇妙にも見えます


(次回に続く)








法助動詞 modal verbs と関連表現22




2023年3月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第22回目です。will, would に関しては既に未来表現の項にて解説を加えましたのでこのシリーズでは採りあげません。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/may

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/might




might 意味と用法 (つづき)




Suggestions 提案


We can use might to give advice or make  a  suggestion  sound  more polite or less direct, especially when used together with like, prefer or want:

 助言を与えたり、より丁寧或いはより婉曲に提案を行う時に might が利用出来ます。これは、特に動詞 like, prefer, want と共に使われます。


might  like,  might  prefer,  might  want  to  do

 〜したら如何でしょうか?


(A waiter politely suggesting a dessert to  a  customer.)

給仕が顧客に丁寧にデザートを提案しているシーン

You might like to try one of our wonderful  desserts.

 私どもの素晴らしいデザートの1つをお試しなされたら如何でしょうか?


You might try a little more basil in the sauce  next  time.

 次はソースにもう少しバジルを加えてみて下さい。


I thought you might want to join me for dinner.

 あなたがディナーを私とご一緒したらと如何かと思いました。

= I thought "You might want to join me for  dinner".

 (might は同じままです)


You might like to stay an extra night.

 もう一晩滞在されたら如何ですか?


You might prefer a stronger drink?

 もっと強いお酒はお好きでしょうか?


I thought you might like to consider a holiday.

 休暇についてお考え戴けたらと思いました。



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Criticism  批判


We often use might have + -ed form to express  disapproval  or  criticism:

 <might  have  +  過去分詞>の組み合わせで、非難や批判、不満をしばしば表現します。

 〜すべきだったよな、 〜しても良かっただろうに


You might have told me you weren’t coming home  for  dinner. (you  didn’t tell me)

 我が家に夕食を食べには来ないと君は僕に言っても良かったじゃないか。


You might have tidied your room.

 君は自分の部屋を片付けてても良かったよな。


You might at least try to look like you're  enjoying  yourself!

 少なくとも君は楽しんでいる風を見せる様にしてもいいよな。


"I asked my boss over for dinner tonight." "Well,  you  might  have  asked me first!"

 僕は今晩上司を夕食に家に招待したよ。ええと、私を最初に招待すべきだったろうが。



cf. I might have known

idiom   disapproving 非難、批判、不満の表現

said when you are not surprised at a situation  or  someone's  behaviour,  because you expected it:

 そうなると思って居たが故に状況や誰かの振るまいに驚いていない、そんなことだろうと思って居た、そんなことは分かっていた


I might have known (that) he'd still be in bed  at  noon.

 彼が正午にまだ寝ているだろうことを僕は知っているべきだったよ。

→そうかと思ってたけど (そうかと思っていた通り) やっぱり彼は正午にまだ寝ていたよ。

→案の定奴は昼にまだ寝ていた。

 (一種の反語表現)




Might: reporting may 報告文(=間接話法)での時制の一致の  might


We use might as the past form of may in  indirect  reports:

 that 節中の may を主節動詞の過去形に合わせて機械的に might にします。


*訳出時にご注意下さい。意味が取りにくい場合は、間接話法を直接話法に直してから理解するのも良い方法です。

‘That may not be true’, she said.

 She said that it might not be true.

 彼女はそれは真実では無いかも知れないと言った。


I brought him some sandwiches because I thought  he  might  be hungry.

 私は彼にサンドイッチを幾らか買いました。と言うのは彼が空腹かもしれないと考えたからです。

= I thought "He may be hungry".


Very politely the little boy asked if he might have  another  piece  of cake

 とても丁寧にその小さな男の子はケーキをもう1つ食べてもいいかと訊いた。

= he said "May I have another piece of cake, please?"


"I thought you might have helped, " she  replied  peevishly.

 あなたが助けるかもしれないと考えたのよ、と彼女は不機嫌そうに答えた。


cf. peevishly

in an easily annoyed way: イライラして、不機嫌そうに

"I thought you might have helped," she replied peevishly.

 あなたが他掛けてくれても良かったでしょ、と彼女は不機嫌そうに答えた。



He wrote to me last week regarding a business  proposition  he  thought might interest me.

 私が興味を惹くかもしれないと彼が考えた仕事の1つの提案に関して先週彼は手紙を私に寄越した。

→彼から先週手紙が届いたが、私が興味を惹くかもと彼が考えた仕事の提案について書いてあった。

 (which he thought の 関係代名詞 which が省略されています、he thought は挿入句。)


I suggested that a cup of tea might settle her  stomach.

 一杯のお茶が彼女の気分の悪さを和らげるかもしれないと私は提案しました。

→お茶を一杯飲めばが気分が良くなるかも知れないよと私は彼女に提案した。


cf.  settle  your  stomach

idiom

to  make  you  feel  less  sick:

 気分の悪さを和らげる


I've brought with me an article from yesterday's  paper  that  I t hought might amuse you.

= I thought "An articke from  yesterday's paper may  amuse  you.


 君を楽しませるかもしれないと思って私は昨日の新聞からの記事を持って来た。

→僕は昨日の新聞からの記事を持って来たけど君が楽しんで呉れるかもと思ってね。

 (関係代名詞以下を返り点読みせずに、<分割>して理解します)


-----------------------------------------


Introduce 話の冒頭の might

(also may)

used to introduce a statement that is very different  from  the  statement you really want to make, in order to compare the two:

 これから話そうと本当に思っていることとはかけ離れた対比を言う、

 (2つを対比させて)確かに〜ではありますが、でも

 (修辞学の1方法ですね。)


The amount you save might be small, but it's  still  worth  doing.

 あなたが節約する金額は確かに小さいかも知れませんが、でもそれにも関わらずそうすることには価値があるのです。


-----------------------------------------


Might: typical error 典型的な間違い


We don’t use might for ability; we use can or  could:

 能力を表す時には might は使わずに can か  could を使います。


Although you can visit these places, if you are  tired,  you’re  welcome to stay in the hotel.

 あなたはこれらの場所を訪問する事はできますが、もし疲れているならホテルに留まるのも全然OKです。


X Although you might visit these places …


I could hear the noise of an engine.

 私はエンジンの異音を聞いた。


X I might hear the noise of an engine.




 今回で法助動詞に関する解説は終わりです。will と would については以前の未来時制のコラムをご参照下さい。次回からは一旦曖昧・謙譲表現のコラムに入り、そののちに準法助動詞の説明に入ることとします。








法助動詞 modal verbs と関連表現21




2023年3月1日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第21回目です。will, would に関しては既に未来表現の項にて解説を加えましたのでこのシリーズでは採りあげません。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/may

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/might




might 意味と用法




*may  の過去形です。

*might  の文法的用法は他の modal verbs  と変わるところはありません。

*might  の 否定形は might not または mightn't となります。




might の用法


基本的に may の用法に同じですが、更に謙譲の意味合いが強くなります

*まぁ、<弱含み>です。

*may の、〜かも知れない、に対し、might は、ひょっとして〜かも知れない、との訳を当てるのも良いでしょう。


*即ち、 might には may  の過去型としての might  と、may  の弱い表現としての might  の2通りありますが、これは  will に対する would,  can に対するcould  と同じです。


*詰まりは過去時制表現なのか、謙譲表現なのか見分ける必要がある訳です。


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Possibility 可能性


We use might most often to refer to  weak  possibility:

 余り起こりそうにない弱い可能性を言う場合に最も頻繁に might を用います。

もしかすると、ひょっとして、ひょっとすると



I might go to Japan for a month to study  Japanese.

 もしかすると僕は日本語を勉強するために一ヶ月日本に行くかもしれない。(Cambridge dictionary の例文から)


*ここで go を<移動する>、の意味に捉えると、<一ヶ月掛けて日本に行く>意味となり文章としての意味が成立しません。実際には<日本への移動日と滞在日含めて一ヶ月掛ける>のですから、go = travel <旅行する>の意味で利用されていることが判ります。


I might travel to Japan for a month to study  Japanese.

I might travel around Japan for a month to learn  Japanese.

ですね。


I might go to Japan and stay there for a month  to  study  Japanese.

 もしかすると僕は日本語を勉強するために日本に出掛けてそこで一ヶ月滞在するかもしれない。とすると一段と明確(却ってくどい?)でしょう。


 go  <行く>に  go  and  stay  there  <出掛けてそこに滞在する> =  travel  <旅行する>の意味まで持たせている訳です


*<僕は東京に一ヶ月行くんだ>の極めて自然な日本語も、<行く>=<行って&滞在する>=<旅行する>の意味ですが、英語も日本語も似た様なものかもしれません。



The dog might bark when we pass by the gate.

 門の傍を通る時にそのイヌがひょっとして吠えるかもしれません。


They might not like very hot food.

 彼らはひょっとするとあまり辛い食べ物が好きでは無いかもしれません。


I might come and visit you next year, if I can  save  enough  money.

 もしそれに足りるお金が貯められたらもしかすると来年君のところに訪ねに来るかもしれない。


Don't go any closer - it might be dangerous/it  might  not  be  safe.

 少しでも近づくな。それは危険/安全では無いかもしれない。


Driving so fast, he might have had a  nasty  accident  (= it  could  have happened but it did not).

 もしそんなに速く運転していたら彼はひょっとして非道い事故を起こしていたかもしれない。(それが起きる可能性はあったが実際には起きなかった)

= If he had driven so fast, he might have  had  a  nasty  accident.

 (分詞構文化していたら本来は Having driven  so fast の筈ですが、口語としての破格でしょう)


He hesitated before ringing her, fearful of  what  she  might  say.

 彼女が言い出すかも知れないことを怖れ、彼は彼女に電話する前に躊躇した。

= He hesitated before ringing her, being fearful  of  what  she  might say.

= He hesitated before ringing her as he was  fearful  of  what  she  might say.

 (might は may の単なる過去)


I waited in all evening in the fond hope that  he  might  call.

 彼が電話してくるかもしれないとの甘い(儚い)希望を抱き私は夕方ずっと待った。

(that 以下は hope の同格、〜との希望; might は may の単なる過去形とも考えることが可能)

 

You should hang onto that painting - it  might  be  valuable  one day.

 君はその絵にしがみついた方がいいよ。ひょっとするといつの日か価値が出るかもしれないし。


Keep a lookout for small objects that a baby  might  swallow.

 赤ん坊が呑み込むかも知れない小さな物にいつも気を付けなさい。

赤ん坊が呑み込むといけないから小さな物にはいつも気を付けなさい。

= Keep a lookout for small objects in case  a  baby  swallows  them.

= Keep a lookout for small objects in case  a  baby  should  swallow them.

Keep a lookout for small objects lest a baby  should  swallow  them.

= Keep a lookout for small objects if a baby  should  swallow  them.(これは文法的には破格)


cf. keep  a  lookout  for  something/someone

to  continue  to  watch  carefully  for  something  or  someone,  especially  in  order  to  avoid  danger

 特に危険を避けるために何か或いは誰かを注意深く見続ける、監視する、注視する、見張る




Permission  許可


We use might to refer to permission. It is very  formal  and  is  not used very often:

 許可について言及する時に  may  のより丁寧な表現として  might  を使います。大変 formal ですがあまり多くは使いません。


may  の許可表現同様、相手と直接対しての会話時にのみしか使われません。


Might I ask your name?

 お名前をお訊きして宜しいですか?


Might I interrupt you for a moment?

 ちょっとお話をよろしいですか?(会話中に割り込む表現)


I wonder if I might have a quick look at your  newspaper?

 あなたの新聞をざっと見せて貰って宜しいでしょうか?


Might I borrow your pen?

 ペンをお借りしてもよろしいでしょうか?


He asked if he might accompany her.

 彼女にお供していいかどうか彼は尋ねた。


Might I sit with you?

 あなたと相席しても宜しいでしょうか?


註:

Might I ask you a question? の質問に対しては

◯ Yes. Of course.とは答えることは出来ますが、

X  Yes. You might. と答えるのは間違いです。

◯ Yes, you may. はOKです。








法助動詞 modal verbs と関連表現20




2023年2月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞 (正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第20回目です。will, would に関しては既に未来表現の項にて既に解説を加えましたのでこのシリーズでは採りあげません。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/may

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/might

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/may-as-well-and-might-as-well?q=may%2F+might+as+well+




may 意味と用法




*may の文法的用法は他の  modal  verbs  と変わるところはありません。

*may の 否定形は  may  not となり、短縮形は存在しません。




may の用法


*may の意味を、〜しても良い、〜かも知れないの2つだけから類推しても、意味が取れない、或いは誤訳に通じる場合があります。以下の4つの意味用法を明確に頭に入れて下さい。

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Permission 許可


We use may to ask for, give and refuse permission.  It  is  quite  formal.

 何かをする許可を求め、与え、拒否する為に may を用いますが、大変 formal な表現です。


*相手を目の前にしての会話シーンでの遣り取りのみに利用されます


*can, could と may は全て許可を求める場合に利用可能ですが、 may  が一番 formal で丁寧で、could は can よりは formal で 丁寧です。

*may > could > can の順ですね。



asking for permission 相手に許可を求める

May I leave the room?

 部屋を離れてもいいですか?


giving permission 許可を与える

Yes, you may. You may leave the room.

はい、いいですよ。部屋を離れていいです。


refusing permission 許可を拒絶する

No, you may not. You may not leave the room.

 いいえ、してはいけません。部屋を離れてはいけません。


*may not は禁止を表します。


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Possibility 可能性


We use may to refer to weak possibility in the  present  and  future:

 現在若しくは未来に於ける弱い可能性を言う時に may を使います。

〜かもしれない


*現在に於いて〜かもしれない、未来に於いて〜かもしれない、ことを示します。未来の意味を含んでいますので、may be going to などの用法は取り得ません

*過去に〜だったかも知れない、の意味を表すには、may + 完了形を用います。この場合従節が仮定法であっても、might は使わず may のままです。

*might have done とすると、ひょっとして〜だったかも知れない、との弱い表現になります。



<未来表現>

The economy may go up or down in the next year. (I  think  both  are  possible,  the  economy going up or the economy going down. I am not  making either one a strong possibility.)

 経済は来年上下するかもしれない。(経済が上昇する、下降するの両方が可能性があると私は思う。どちらか片方を強い可能性としているのではない。)


cf. make sth a strong possibility  〜を強い可能性とする

→ consider sth to be strongly possible 〜を強い可能性があると考える。



I think I may go to the doctor today and try to  get  some  antibiotics.  (I  am not very sure yet if I will go to the doctor.)

 思うんだが僕は今日医者に行って抗生剤を手に入れるかもしれない。(医者に行くかどうかはまだ余り確かでは無い。)


I may see you tomorrow before I leave.

 立ち去る前に明日君に会うかもしれない。


The cause of the accident may never be  discovered.

 その事故の原因はけして見付からないかもしれない。


This afternoon we may see some wintry showers  over  higher  ground.

 今日の午後、高地では氷雨を見るかもしれません。


We may have to sell the house, but I hope it won't  come  to t hat.

 僕らは家を売らねばならないかもしれないがそう来ないことを願ってるよ。


cf.  come to

(REACH)

to reach a particular point or state:

 何か特定の点、状態に達する



<現在表現>

There may be other problems that we don't  know  about.

 僕らが知らない他の問題があるかも知れない。


I worry about the destructive effect that violent  films  may  have  on children.

暴力映画が子供達に与える可能性のある破壊的な(有害な)影響について私は心配しています。


There may be some evidence to suggest she's guilty,  but  it's  hardly  conclusive.

 彼女が有罪だと示す証拠があるかもしれないが、それは殆ど決定的な(確固たる)ものではない。


We'd better not interfere - she may not like it.

 僕らは干渉しない方がいいよ。彼女はそれが好きでは無いかもしれないし。



<過去表現>

The explosion may have been caused by a  faulty  electrical  connection.

 その爆発は電線の誤配線により引き起こされたのかも知れない。

= It is possible that the explosion was caused by a  faulty  electrical  connection.



<仮定法表現>(過去の起こり得なかったことの推測、もしもの話)

If the electrical cord had been faultly connected, it  may  have  caused  explosion.

 もしその電線が間違って繋がれていたら爆発を起こしたかもしれない。

= As the electrical cord was precisely connected, it  didn't  cause  any  explosion.

 その電線は適切に繋がれたので、何らの爆発も起こさなかった。


If the electrical cord had been faultly connected, it might  have  caused  explosion.

 もしその電線が間違って繋がれていたらひょっとして爆発を起こしたかもしれない。


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General truths  一般的な真実


We use may in formal writing, especially academic  English,  to  describe  things which the speaker thinks are generally true or possible. In this  case, it is a more formal equivalent of can.

 formal な文書、特に学術的な英語に於いて may を使いますが、これは話し手が一般的な真実或いは可能性があると考える時に利用します。この場合、 canのより  formal  な形となります。

 〜であり得る、〜し得る、〜出来る


*この用法の may を、〜かも知れない、と訳すと誤訳になる場合がありますのでご注意下さい。


A typical farmer’s cottage may be seen in the  Ulster  Folk  Museum.

A typical farmer’s cottage can be seen in the  Ulster  Folk  Museum.

 典型的な農民の小屋はウルスター民俗博物館で見る事が出来ます。


*いずれの文章も話し手が小屋がどこに位置するかについて普遍的な真実と信じていることを表現します。話し手は小屋がその博物館に存在し訪問者が望めばそこで見る事が出来ることを知っています。may の方がより  formal です。


上の文例の場合、may は can を意味しますので、〜かもしれない、即ち確率50%で見る事が出来る、と解釈すると間違いになります。蓋然性は50%よりは高い、とのニュアンスでしょう。


People who suffer a stroke may experience a loss  of  speech.

 発作を経験した者達は発語を失う可能性があります。(医学的普遍的事実)

 (この文例の場合、may のままで確率50%と捉える事も可能です。)

 その場合は以下に書き換え可能です。

= It is possible that people who suffer a stroke will  experience  a  loss  of speech. 


If used on delicate skin, this cream may produce  a  stinging  sensation.

 もし敏感肌に利用した場合、このクリームは刺すような感じがする場合があります。(医学的普遍的事実)

= If used on delicate skin, this cream can produce  a  stinging  sensation. (蓋然性は50%よりは高い)


cf. produce = give


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Accepting a different view or opinion 異なる見解、意見を受け入れる


We often use may to accept a different view  or  opinion,  especially  with  well, and/or followed by but:

 他人からの異なる見解や意見を受け入れる時に  may  を用いますが、特に、 well  や  but  が後に伴います。


may  well .. .but,     may . ..but,     may  well

 〜なのももっともだ、〜するのももっともだ


One month may well be too long to go away  on  holiday.

 一ヶ月は休暇に出掛けるには長すぎるのはもっともな話です。


cf. on holiday

*曜日や day で終わる言葉には前置詞 on を用います。

go away on holiday 休日に出掛ける


I may be wrong but I am going to tell the police  about  it.

 僕は間違っているかも知れないが、でもそれについて警察に話す予定です。

 (僕が警察に話に行くのが間違っている、と他の誰かが考える)


The couch may well cost more but it’s going  to  be  different.

 そのコーチには確かにもっとお金が掛かるのはごもっともなことですが、でも(今までとは)違ったものになる筈です。


*註 may well には、it is likely to 〜しそうに見える、の別の意味用法もあります


She may well not want to travel alone.

 彼女は一人で旅行したくない様です。

= She is unlikely to travel alone.

= It is unlikely that she will travel alone.



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Wish 祈りの気持を表す

formal

used to introduce a wish or a hope:

 祈りや希望を述べる表現です。


May you have a long and fruitful marriage.

 君たちが末永く実りある結婚生活を送らんことを。


may the best man/person win!

idiom

said before a race or competition, meaning that you  want  the  person  who  is the fastest, strongest, or most skilled to win or succeed

 競技、競争前に最速、最強、最熟練の者が(当然の如くに)勝利、成功して欲しいと願う文句


*真に実力の有る者がその当然のこととして勝利して欲しい、勝利すべきとの決まり文句です。競技者が互いに声を掛け合う場面なら 「正々堂々と戦おうぜ」 などと訳せるでしょう。




cf. may as well/ might as well


*提案を行う時に may/ might as well を利用します。(ちょっと困った状況にあって)他に何かよりよい案が無い時に、最も容易で論理的な方途だとその時頭に浮かんだことを述べます。


*may/ might as well  (as not) 〜するのは〜しないのと同じかも →〜するのもいいかも


*まぁ、その状況を打破するべきアイデアをパッと述べる表現です。

 〜するのも良いかも、(どうせなら)〜するのもいいんじゃね?、〜する案、手もあるよ


共に相当に informal な表現であり、砕けた会話にはまだ良いですが  formal  なスピーチや formal な文章中では使えません。

*この点の記述が受験参考書の大半には無く、砕けた表現なのにしかつめらしく解説されています。これには驚きを禁じ得ませんね。


might  as  well の方がより普通に利用されます。

*否定文は may/ might as well not do の形を取ります。〜しないのも良いかも


* OED 2nd edition の as well の項に

With may, might, had, etc., implying the equivalence  or  equal  result  of  one action in comparison with another.

 may, might, had その他を伴って、もう1つのものと比較して或る1つの行動が同等である、或いは等しい結果をもたらすことを意味する、とあります。即ち、〜するのと同じだ、同じぐらいかも、の文字通りの源義です。現在用法ではこれから意味が派生して、〜してもいいかも、との1つの提案表現としての比重を高めて来たとも言えそうです。


*<何もせずに居る>のと<こうするのもいい>が同じなら<こうする>のがもっと良かろう、と解釈するのは無理強いで、どちらが良いの比較を表すのでは無く、1つの提案を基本的に示す表現です。まぁ、してもいいし、しなくてもいい、の may の源義そのものです


You might as well get a taxi from the station. It’ll be quicker  than  me  coming in to get you.

 (只待っているよりは)駅からタクシーに乗るのもいいんじゃね? 僕が君を拾いに来るよりもその方が速いと思う。

cf. than me coming = than my coming

 (動名詞の意味上の主語を加える場合、代名詞であれば所有格或いは目的格を添えます)


What time does the film finish?

 この映画は何時に終わりますか?

I think it’s ten o’clock.

 10時だと思います。

Uh-huh. We may as well eat in town before it,  then.

 うわぁ。それじゃあ(待っているよりは)事前に街で食べるのもいいんじゃね?。

≒ It would be better for us to eat in town before it,  then.  (than  to  wait for it to finish)





cf. may/ might as well do A as do B

 AするのはBするのと同じだ、Bするのと同様Aするのも良い、Bする手もあるがAする手もある


*日本の受験参考書また web 解説記事にはこの用例がおきまりの如くに登場しますが、Cambridge dictionary には用例が掲載されていません。死語になりつつある表現なのかもしれませんね。


*以下昔の参考書からの記述 (数研出版 チャート式英文解釈 鈴木進、昭和51年)


Friend ship is a vase, which, if it is cracked by accident, may  as  well  be broken at one.

友情は花瓶のようなもので、ふとしたことでひびが入った時には、いっそすぐ壊してしまう方が良い。


との和訳が添えられていますが、すぐ壊してしまう方が良い、ではなく、すぐに壊してしまう手もある、すぐに壊してしまうのも良い、と1つの提案を行うように訳すのが正しいだろうと思います。



*因みに上記参考書には、might as well do A as  do  B の場合は、A,B共に実現不可能な文言を述べるとありますが、英語圏の web 上にこの様な記述を見つける事が出来ません。


同じくそこからの引用:

You might as well throw your money into the sea as  lend  it  to him.

 君の金を彼に貸すのは、海に捨ててしまう様なものだ。→彼に金を貸すならいっそ海に捨ててしまう方がマシだ。

の和訳が添えられていますが、矢印以下は意訳と言えるでしょう。


字義通りに訳せば

 君は彼に金を貸すのも良いし同様に金を海に捨てもよかろう。→彼に金を貸しても良いし、海に捨てても良い。

彼に金を貸すのも海に捨てるのも結果は同じだ、金が返ってこないのは同じだが君の好きにしたまえ。

 です。


*この表現も上記 OED の定義 (と言うより字義通りの定義)に倣えば、AするのはBするのと十分に同じかもしれない、の意味ですが、(碌でもない) BするぐらいならまだAする方がマシ、との参考書サイトの A>B の比較表現としての記述はおそらく踏み越えすぎた解釈でしょう。


*持って回った曖昧性を含む表現であり、文学作品には許されるとしても契約文書などには全く利用出来ません。


*動作の好みを比較するなら would rather do A than  do  B、 prefer to do A to do B、 BするよりAする方が良い、などにキチンと置換すべき表現でしょうね。




may I ask

idiom

used in questions to show disapproval: 質問の際に同意出来ないの意を示す、お尋ねしますが、お尋ねですが


What, may I ask, was the point of repeating the  tests?

 お尋ねしますが、その試験を繰り返したことの利点は何だったんですか?(試験を繰り返したのは無駄だったのではないか)


might I ask/inquire/know

idiom   formal

used in questions to show disapproval by being more  polite  than is expected:

 may I ask の更に丁寧な表現になります。ちょっと宜しいですか? 


And what are you doing in there, might I ask?

 ちょっとお尋ね致しますがそこで一体何をされているんですか?(止めて欲しいのですが)








法助動詞 modal verbs と関連表現R




2023年2月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞に並びにその関連表現ついて深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第19回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/should




should と would の違い




UK formal

*主語が I と we の場合には、英国では would  の代わりに  should  を用います。

*米国では全て would で置き換えて利用します。


*当然乍らこの should  自体には〜すべきとの義務の念は全くありません。しかし、未来に〜する、が転じて、〜する事になっている、〜する義務だ、に転ずる未来派生義務の概念が英語には存在し、その流れに沿えば  should  が〜すべきだとの義務の念を一方で表すことは理解可能でしょう。


* この should  の用法は希望を述べる表現、その他幾つかの定型的謙譲表現に用法が限定されています。

 〜したく思います、〜


*should  +  (like, love, want, expect)  +  to do

 〜したく思います


I should like a cup of tea before I go to bed. (UK)

 床に就く前に私はお茶を一杯戴きたい。

= I would like a cup of tea before I go to bed. (US)

= I'd like a cup of tea before I go to bed.


I think I should like to go to bed now.

 今眠れればと思います。


I shouldn't want to be paid for the work.

 その仕事に対してはお金を貰おうとは思いません。


I should like to speak with Mr Lansley.

 ランズレーさんとお話したいのですが。


I shouldn't expect you to pay, of course.

 勿論、あなたにお支払い戴こうとは思いません。

= I shouldn't like you to pay, of course.


I should like you to send this for me, please.

 どうかこれを私の為に(代わりに)送って戴ければと思います。

= I'd like you to send this for me, please.


-------------------------------------


*条件節を伴う主節では、主語  I と we に対しては would のより formal な代替えとして should 利用します。


I/We should love to meet her again if I/we  had  a  chance. (formal)

 もしチャンスがあるならば、私/私たちは、もう一度彼女にお会いしたいのですが。


I/We would love to meet her again if I/we  had  a  chance. (neutral)

 もしチャンスがあるならば、私/私たちは、もう一度彼女に会いたいのですが。


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*謙譲表現に於いては、主語  I と we  に対しては  would  の より  formal  な代替えとして  should  を利用します。


I should think,  I would think

= I think の謙譲表現、〜と思うのですが (如何でしょうか?)


I should think that a lot of people will be  interested.  (formal)

 多くの人々が興味を持つと思うのですけれど。


I would think that a lot of people will be  interested.  (neutral)

 多くの人々が興味を持つと思うのですが。


cf. 口語表現にて I would say  言うなれば、〜と言いましょうか、の挿入句的フレーズが多用されますが、同様に I should say  も利用されます。




should,  ought  to,  be supposed to,  had better の違い




*義務の念を表す should  と ought  to  は、ほぼ同様の意味と用法を持って居ます。 ought  to  の方がより  formal 且つ  old-fashioned  で、あまり一般的ではありません。


*should は疑問文と否定文では  ought  to よりもずっと一般的です。

*即ちought to は疑問文と否定文形式では現在では殆ど利用されず肯定文の形でのみで使われると言う訳です。


*should が話し手の意思を強く示すのに対して、ought  to はより neutral 中立的な立ち位置から一般的な義務について〜すべきだ、との意味合いになります。


*この意味では、第三者的な視点から<〜すべきことになっている>、換言すれば話し手以外の別の者が<そうすべき should>と考えて居ることを示す表現のbe supposed to に近いとも言えます。


*be supposed to は、本当は遣りたくないし実際そうしない、の意味用法もあります。

*be supposed to の過去形即ちwas/were  supposed  to  は過去にそうすべきだったがそうしておらず、現在もそうする気がないことを表します


*had better はそうしないとマズいことが起きるの意味であり、忠告や脅しの意味も持ち得ます。


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We should clean up the garden.

 僕らは庭を掃除し切った方が良い。(自分達自ら主体的にそうすべきだと考えて居る)

≒ We think personally it's important for us  to clean  up  the  garden.


We ought to clean up the garden.

 僕らは庭を掃除し切らないといけない。(状況がそうさせる)

≒ We are obliged to clean up the  garden.


We are supposed to clean up the garden.

 僕らは庭を掃除し切ることになっている。(遣りたくもないが第三者がそうすべきだと言っている)

≒ We don't want to clean up the garden, but  someone  else  thinks it's important for us to clean up the garden.


I was supposed to finish this essay  yesterday.

 僕は昨日この作文を終わらせることになっていた。

= I didn't finish this essay yesterday, and  I  don't  really  want to finish it.

 (was/were supposed to で過去にそうすべきだったが行わなかったことを示す)


We had better clean up the garden.

 僕らは庭を掃除し切らないとマズいぜ。(そうしないと良くない事態を招きそうだ)

= We had better clean up the garden, or something  bad  will happen

≒ We don't really have a choice. Because  if  we  do  not  clean up the garden something bad will happen

 選択の余地は無い。なぜならもし庭を掃除し切らないと何か悪いことが起きるからだ


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Should we keep a seat for Margaret?

 マーガレットには秘密にしておいた方が良いですか。 (ずっとより一般的な表現)


Ought we to keep a seat for Margaret?  (ought  to の疑問文はガチガチにかしこまった表現になります、普段利用しません)


He shouldn’t speak to his parents in that  way.  

そんな遣り方で彼は両親に話すべきでは無い。 (ずっとより一般的な表現)


He oughtn’t/ought not to speak to his parents  in  that  way.  (ought  to の否定文即ち  ought  not  to も疑問文同様に極めて古風に聞こえ、現在ではほとんど使用されません)


*ought not の短縮形 oughtn't は文法的に認められないと考える者ももいます。








法助動詞 modal verbs と関連表現Q




2023年2月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第18回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/should

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/so-that-or-in-order-that?q=so+that




主に英国で利用される should の用法




*主に英国に於いて、いずれも that 節中や why、how の後ろで利用され、感情表現〜だなんて、或いは可能性、目的を表す should の用法です。


*日本人には理解の難しい should の用法ですが、自分で英作文する場合には、この用法の should は使わずに英作すれば問題は有りません。


*〜すべき、などと訳すと却って誤訳になってしまいます。


*中学英語の授業で should を〜すべきと訳すと頭に擦り込まれてしまいその後に困る方が多々おられるものと思いますが、<悪癖>から脱却して下さい。


*逆に、〜すべきだ、と訳すと違和感がある時には、should  の存在をないものとして和訳すると上手く行きます。


*どの様な文中で利用されるのかを、一通り頭に入れておけば十分でしょう。


*この用法の should はしばしば省略されますが、その時は動詞を主語や時制に合わせ変化させます。





感情表現の should


*感情表現の should  は省略可能です。


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that 節中で用い、驚き、後悔の感情を示す should

 〜だなんて〜だ、〜だったなんて〜だ


*amazed, amused, anxiuos, astounded,  disappionted,  shocked,  surprized,  upset などの<驚いた>の意味の形容詞の中身を示す that 節中で should  を使います。


他の感情表出表現、例えば、心配だ、奇妙だ、不公平だ、残念だ、当然だ、などを含む形容詞 + that 節中でも  should が利用されます


*should を略する事も可能ですが、その時の動詞は原型では無く、主語や時制に合わせます。



I am concerned that she should think I stole  the  money.

彼女が僕がその金を盗んだと考えて居るなんて僕は心配だ。

= I am concerned that she thinks I stole the  money.


It's odd that she should think I would want to  see  her  again.

 僕が彼女にまた会いたいと彼女が考えるなんて奇妙だよ。

= It's odd that she thinks I would want to see  her  again.


It's so unfair that she should have died  so  young.

 彼女がそんなに若くして死んだなんてあまりに不公平だ。

= It's so unfair that she died so young.


It's strange that he should have confided  in  her.

 彼が彼女を信じ切っていたなんて奇妙だ。

= It's strange that he confided in her.


cf.  confide  in  〜を(全面的に)信用する、秘密を打ち明ける


I’m amazed that he should have done  something  so  stupid.

 彼がそんな馬鹿げたことをしたなんて驚いたよ。

= I’m amazed that he did something so  stupid.


I’m sorry that he should be so upset by what  I  said.

 僕が言った事で彼がそんなに取り乱すなんて残念だ。

= I’m sorry that he is so upset by what I  said.


It's natural that you should feel anxious  when  you  first  leave  home.

 初めて家を出るとき、不安になるのは当然です。


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for fear that と in case, lest 節中に用い、恐れを表す should


He took his umbrella in case it should  rain.

 雨が降る場合に備えて(雨が降るといけないので)彼は傘を持った。

= He took his umbrella in case  it  rains.


in case 節は、主節の時制に拘わらず should を利用する以外では常に現在形を用いることにご注意下さい


詳細は、以下をご参照下さい。

https://www.kensvetblog.net/column/202206/20220625/

塾長のコラム 2022年6月25日 仮定・条件を表す表現H



for fear that/of something

because you are worried that a particular thing might happen:

特定の事がひょっとして起きるかもしれないと心配して、〜を怖れて

for fear that 節中の時勢は特に制約無く自由です。未来形も取れます。


They wouldn't let their cat outside for fear that it sould get run over.

= They wouldn't let their cat outside for fear that it would get run over.

 逃げるのではないかと心配して彼らはネコを外に出そうとしなかった。


They searched his computer for fear that he had been blackmailed.

脅迫されたのではと思い、彼らは彼のパソコンを探った。

We couldn't move for fear of triggering an avalanche.

 我々は雪崩を起こすのではと心配して動けないかった。


Many parents pay for tutoring they can't afford, for fear that if they don't, their children will be left behind.

 多くの親は、このままでは子供が取り残されてしまうという不安から、払えないほどの家庭教師の費用を支払っています。



lest

in order to prevent any possibility that something will happen:

 何かが起きるだろうとのあらゆる可能性を排除するために、〜が起きない様にと、〜がしたくないので、〜を怖れて

= for fear that


They were afraid to complain about the noise lest they annoyed the neighbours.

 近隣の住民に迷惑を掛けたくないので、彼らは騒音の苦情を言うのを怖れていた。


Gramps is too frightened to move, lest he disturb the infant.

 赤ん坊の邪魔をしてはいけないと思い、おじいさんは怖くて動けません。


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why や how の後ろで用い、理由を尋ねる should

(also would)

 一体どうして〜なのか、一体どうやって〜なのか (相手への反論、疑問の念)


Why should anyone want to eat something  so  horrible?

 一体誰がそんな非道いものを食べたがると言うのかい?


Why should she not buy it if she can afford  it?

 それを買うお金があるならどうして彼女がそれを買わないのかい?


Why should the boys get more to eat than the  girls?

 なぜ男の子は女の子よりも多くの食べ物を与えられるのですか?


Why should Maurice care if the shop  closes  down?

 なぜその店が閉まっているのかどうかとモーリスが気に掛けるのですか?


I don't see why he should get more  money  than  me.

 なぜ彼が私よりも多くの金を得るのか分かりません。


Why should they have to travel second  class?

 一体どうして彼らは二等車で旅行しなければならないのですか?


How should I know where you put the car  keys?

 きみがどこに車のキーを置いたのかをどうやって僕が知ると言うんだい?


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Why should I do all the tidying up?

 どうして私が全部片付けなきゃいけないの?


cf. do the tidying up 片付けをする

  do the dishes (食後の)皿洗いをする

  do the laundry 洗濯をする

  do the cooking 炊事する

  do house-work 家事をする

  do homework 宿題をする


日常の身近なことを行う場合には、動詞 do 〜をする、を使います




可能性の should


that 節中で用い、1つの状況があり得る、或いは起こるかも知れないことを示す should


*この場合の should は could や would に置換可能です。


We agreed that we should meet the next  week.

 翌週に我々は会うことに同意した。

→僕らは翌週に会おうとなった。

= We agreed that we would meet the next  week.


I agreed that he should continue to see the  children.

 彼がその子供達を見続けるのではと、僕もそう思う。

= I agreed that he would/ could continue to see  the  children.


cf. agree = to have the same opinion:




目的の should


so that と in order that 節中に用い、目的を示す should


*〜しようと、の未来を表す意味ですので、この場合の should は would に置換可能です。


He took his umbrella so that he shouldn't get  wet.

 雨に濡れないようにと彼は傘を取った。

= He took his umbrella so that he wouldn't get  wet.




<参考>

so that と in order that 意味と用法


*共に目的を表す so that と in order that ですが、 so  that  は in  order  that よりもずっと一般的であり、in order that はより formal です。


*informal な状況では、so that のthat をしばしば省略します。


*未来の事に言及する場合、 so  that  の後ろには動詞現在形または  will  を使いますが、in  order  that  の後ろには動詞現在形を通常使います


*しばしば can, would, will などの法助動詞と共に使います。



I’ll go by car so that I can take more  luggage.

より多くの荷物を運べる様に僕は車で行くよ。


We left a message with his neighbour so  that  he  would  know we’d called.

 僕らが電話したと彼が知る様にと僕らは隣人にメモを残した。


In order that you can sign the form, please  print  it  out  and mail it to this address.

 君がそのフォームに署名出来る様に、どうぞそれを印刷してこの住所に送って下さい。


I’ve made some sandwiches so (that) we can  have  a  snack  on the way.

 途中で私たちが軽食が摂れる様にと私は幾らかサンドイッチを作りました。


I’ll post the CD today so that you get it by the  weekend.  (or … so that you will get it …)

 君が週末までに受け取れる様に私はそのCDを投函します。


We will send you a reminder in order that you  arrive  on  time  for your appointment.

 約束の時間に間に合う様に、私たちはあなたに確認メールを送ります。

= We will send you a reminder so that you arrive  on  time  for  your appointment.

= We will send you a reminder so that you'll arrive  on  time  for your appointment.



注意

*so that は with the result that その結果として、の意味用法も持ちます。


The birds return every year around March, so that  April  is  a  good time to see them.

 そのトリは毎年3月付近に戻りますが、それで4月はそれを見るのに良い時です。








法助動詞 modal verbs と関連表現P




2023年2月10日

 KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞 (正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第17回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/should




should  用法 (続き)




What  is  likely  to  happen

 起こりそうなことを語る should


*未来に起こりそうなこと、期待されることを語る為に  should  を使います。

= be  likely  to.  will  probably 〜しそうだ、多分〜だろう、〜のはずだ


*単純に、should を will に置き換えても意味は通じます。


この用法の should を、〜すべきだ、と解釈すると間違いになりますのでご注意下さい。


*学校英語では殆ど should = 〜すべきだ(軽い義務、助言の気持)の意味しか習いませんので、この用法の存在をしっかりと頭に入れて下さい。


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My dry cleaning should be ready this afternoon.

 私のドライクリーニングは午後に仕上がりそうだわ。

= My dry cleaning is likely to be ready this  afternoon.


You should find this guidebook helpful.

 このガイドブックが役に立つと君は分かるはずさ。

= You are likely to find this guidebook helpful.


I wonder what's happened to Annie. She  should  be  (=  it  was expected that she would be) here by now.

 アニーに何が起こったのかと思う。彼女は今はここに到着していても良い筈なのですが。


UK 用法

"Could you have the report ready by Friday?" "Yes,  I  should  think so (= it is likely that it will be ready)."

 金曜日までにその報告書を準備して貰えますか? はい、多分準備出来ると思います。


This should be good (= this is likely to be  interesting  or  amusing).

 これは多分良いだろう。(面白くなりそうに見える)


The building work should be finished by Christmas.

 その建設作業はクリスマスまでに終わりそうだ。

= It is likely that the building work will be finished  by  Christmas.


*この should を、〜するべきだと解釈すると誤りになります。



We should get around 50 people at the event.

 我々はそのイベントに約50名の参加者を得そうだ。

= We are likely to get about 50 people at  the  event.


I think it should stay sunny all afternoon.

 午後はずっと晴れのままの筈だと僕は思うよ。

= I think it is likely to stay sunny all  afternoon.


According to his teacher, he should pass the  exam.

 彼の先生に拠ると彼はその試験におそらくパスするだろうと言う。

= According to his teacher, he will probably  pass the  exam.


The football match should be really tense.

 そのサッカー試合は本当に伯仲戦になるだろう。


She should be back at any minute.

 彼女はすぐにも戻ってくるだろう。

= She is likely to be back at any minute.


That should be enough food for five people.

あれなら5人に対して十分な食料となるに見える。

= That will probably be enough food for five people.


Shall we start? Luke’s delayed but he says he  should  be  here in ten minutes.

始めないか?ルークは遅刻しているが10分後にはここに来るだろうと言っている。

= Shall we start? Luke’s delayed but he says he'll  probably  be  here in ten minutes.


There should be a very big crowd at the party. Mary has so many friends.

 そのパーティにはもの凄い群衆が来そうだ。メアリーはとても友達が多いからね。

= There will probably  be a very big crowd at the  party.  Mary  has  so many friends.

= There is likely to come a very big crowd at the  party.  Mary  has so many friends.



If you follow these directions, you shouldn’t  have  any  trouble  finding our house.

 もし君がこれらの指示に従うなら、君は僕らの家を見つけるのに何ら造作もないだろう。

= If you follow these directions, you won’t  have  any  trouble  finding our house.


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cf. have trouble doing

 〜するのが困難だ、〜に苦労する


Parents often have trouble finding good carers  for  their  children.

 親達は子供達の為に良い保育者を見つけるのにしばしば困る。

 親達は子供達の為に良い保育者を見つけるのに苦労することがよくあります。



*have trouble in doing の in が省略された形と考える事も出来ます。同様な表現として spend  time  doing  〜して時を過ごす、なども有ります。




<読み手未来>について




以下、https://www.kensvetblog.net/column/202010/20201015/ にて一度触れていますがここに一部再掲します。

 (ここに 20230424 追記)


 英語では書籍或いは論文などで、先の章などで述べることが確定していること(書籍、論文として既に出来上がっている訳ですから当然のことになります)を、我々は第X章にて詳細を述べる  should/  would  discuss などの未来表現で示すことが普通にあります。


例えば、

Strictly speaking, because our study  only  concerned  a non-clinical   sample, our conclusions should only address non-pathological functioning.

 厳密に言うと、我々の研究は非臨床的な試料のみに関与しているゆえ、結論は非病理学的な機能についてのみ扱う(考察する)ことになる。


 ここに should は shall の過去型ですが、(過去の)未来・意志、義務、婉曲(米国では would) の意味を持ちます。上記文では、(この先)〜することになる、の訳で良いと思いますが、〜を扱うことにした(意志)、と訳しても OK です。


*執筆者がこの文章を書いている時点で実は結論も既に出来上がっているわけですので、日本語の〜だろう、の訳だと結論で何を扱うかについての不確かさを含む表現になってしまいます。まぁ、意思、推量、未来など多義性を持つ日本語の助詞<だろう>の使用と言うことになります。


*上記  should  は、文章構成の中の時間軸で後ほど結論として扱うことになる(文章の流れの中での未来)、あなたはそれをこの先目にすることになる、との、「読み手未来」ともいうべき用法です。


*文章の中で、日本語では、この先に〜について述べるだろう、とは通常表現せず、現在形を用いて、この先に〜について述べる、触れる、と表現するのが正しいですので、それを意識して訳してください。日本語には未来形は無く、未来の日時、場所+現在形で未来を表す言語ですので、日時や場所が確定しているなら、<だろう>の使用は曖昧さを加えるだけとなってしまいます。


英語の読み手未来表現→日本語で現在形に訳す、のが良い。


*もしこの文章をしたためた時点で、本当に結論として何を扱うのか確として決まっていない場合 (例えば連載記事の執筆途中などのケース) は、

our conclusions should probably only  address  non-pathological  functioning  おそらく〜になるのではないか、などにすべきです。


*この用法の should  を義務の意味、〜べき、した方が良い、と訳すと間違いです。




conditional  sentences

 仮定の文章に使う should


*何かの偶然や出来事でひょっとすると起こるかもしれない (might happen) 可能性 possibility を表す為に、if 節中に should を時に用います


*可能性が低い仮定内容になりますが、日本で言う、<万一〜の場合は>程に低くは無く、普通に、<もし〜した場合には>或いは、<たまたま〜した場合>、<ひょっとして〜した場合には>、の訳で良いでしょう。


if  should  =  might  do  by  chance,  might  happen  to  do,  happen  to  do


*<もし〜した場合には>の日本語の過去形表現<〜した>に、可能性の低さが訳出出来ています。


*日本語では仮定の蓋然性の高低を描写する語句に乏しく、もし〜なら、もし万一〜、の2極分化します。かといってもし30%の確率で〜なら、などと言うのも一般的ではありませんね。



If I should love again  (by Barry Manilow)

 もしまた愛する時が来れば(曲のタイトル)


If anyone should ask for me, I'll be in the manager's office.

 もし誰かが僕のことを尋ねたら、事務室にいるよ。(頻用されるが論理がおかしな文)

= If anyone should ask for me, tell him that I'll be in  the  manager's  office. (tell him that のフレーズが省略されていると考えます)

=  When anyone might ask for me, tell him that I'll be in  the  manager's  office.


If you should bump into Carol, can you tell her I’m  looking  for  her?  (If by chance you bump into Carol.)

 もしキャロルにばったり出会ったら僕が彼女を探していると伝えてくれないか? (もしたまたまキャロルに出くわしたら)

= If you happen to bump into Carol by chance, can  you  tell  her  I’m  looking for her?

= If you might happen to bump into Carol, can you  tell  her  I’m  looking for her?


------------------------------------


cf.  bump  into  someone

phrasal verb

to meet someone you know when you have not planned to meet them :

to  meet  someone  unexpectedly

知人に予期せず出会う、ばったり出会う

We bumped into Amy when we were in town last week.

僕らは先週街に居るときにエイミーにたまたま出会ったよ


cf. encounter

to meet someone unexpectedly, or to experience,  esp. something  unpleasant:

予期せず誰かと会う、不愉快なことを経験する


In the kitchen I encountered a woman I had never seen  before.

 台所で私は前に会ったことの無い女性に出会いました 。


He was shocked by the hostility he encountered.

 彼が味わった敵意に彼はショックを受けた。


On their way home they encountered a woman selling flowers.

 帰宅途中に彼らは花売りの女性に出くわした。


cf.  come  across  something/someone

(FIND)

to find something or someone by chance:

 偶然に見つける

He came across some old love letters.

 彼は古いラブレターを幾つか見つけた。


come across someone だと、誰かに出くわす、と言うよりは、偶々見かける、の意味の方が近いでしょう。


*come across は別の意味も持ちます。


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If the government should ever find itself in this  situation  again,  it  is to be hoped it would act more quickly.

 もし政府が自身が再びこの状況にあるとたまたま知った場合、より迅速に行動することを期待すべきです。

= If the government might happen to find itself  in  this  situation  again, it is to be hoped it would act more quickly.


If you should wish to use the Internet, there is  a  code  available  at the reception desk.

 もしインターネットをご利用になりたいのでしたら、受付でケーブルが手に入ります。


*上の例文は丁寧+謙譲表現  would like to do を主語に合わせて should  like  to  do、更に謙譲の度合いを強めて should wish to do に変えたと理解して下さい。



If you should decide not to go on the trip, you  will  get  a  full  refund.

 もしあなたがその旅行に出掛けないと決めた場合は、全額の返金を受けられます。


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*if you should の代わりに Should you の語順を取る事が出来ます。意味は全く同等ですが、formal な表現になります。


Should you wish to use the Internet, there is a  code  available  at  the reception desk.

 もしインターネットをご利用になりたいのでしたら、受付でケーブルが手に入ります。


Should you decide not to go on the trip, you  will  get  a  full  refund.

  もしお客様がその旅行を取りやめるとお決めの場合は、全額の返金が受けられます。


Should you (= if you should) ever need anything,  please  don't  hesitate  to contact me.

  もし何か必要だったら、躊躇無く僕に連絡して下さい。


Should you need it, there's more food in   the  fridge.

 もしそれが入用なら冷蔵庫にもっと食べ物があるよ。


Should the money not be forthcoming, we will  have  to  go  to court.

 もしそのお金が提供されないなら、我々は裁判に訴えねば成らなくなる。


cf. forthcoming

(SUPPLIED)

produced,  supplied,  or  given:

 提供される、与えられる


No explanation for his absence was forthcoming.

 彼の不在の説明は全く与えられなかった。

= No explanation for his absence was given.


Will financial support for the theatre project  be  forthcoming?

 その劇場の事業計画に対する財政支援は提供されるのですか?

= Will financial support for the theatre project  be  given?





thanking

感謝を示す should

(会話表現)


*会話中に贈り物をくれた相手に  you  shouldn't  のフレーズで感謝を示します。


I got you something from Texas. A cowboy  hat.

Oh Ken, you shouldn’t have!

 テキサスで君に良いものを買ったよ。カウボーイハットさ。

 ケン、わざわざ買わなくても良かったのにありがとう。




opinion

意見を表す should

fml

used to express a desire or opinion:

 希望或いは意見を表す should


日本語には訳しようが無い表現です謙譲表現と考えて  would  にも置換出来ます。〜と思う

*なんと〜だ、の意味の感情表現を表す場合もあります。

*義務の念の意味の〜すべき、と訳すのは誤りです。


I should think he’d be happy just to have a  job.

 仕事をきっかり見つけられて彼は幸せだろうと僕は思うよ。

≒I would think he’d be happy just to have a  job.


I shouldn’t worry about that if I were you.

 もし僕が君ならそれについては心配しないと思うよ。

≒ I wouldn’t worry about that if I were you.


I was just getting off the bus when who should I  see  but  my  old school friend Pat!

 バスから丁度降りる時に誰を隠そう(なんと)僕の級友パットに会ったんだよ!


I was just getting off the bus when I  saw  astonishingly  my  old  school friend Pat!

= When I was just getting off the bus I  saw  astonishingly  my  old  school friend Pat!









法助動詞 modal verbs と関連表現O




2023年2月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第16回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/should



以下接続法について

https://www.france-jp.net/01cours/04bunpo/31.html

 フランス語学習ネット講座 フランス語の文法−フランス語 接続法 / Subjonctif


https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/227414/1/zep00029_030.pdf

初期アメリカ英語の仮定法現在 --ジョン・ウィンスロップの用法分析から 福永, 眞理子

Zephyr 2017, 29: 30-43  https://doi.org/10.14989/227414


Oxford English Dictionary 2nd. ed. "shall" 11a, 14d, 22a


https://en.wikipedia.org/wiki/Old_English_subjunctive

https://en.wikipedia.org/wiki/English_subjunctive#Use_of_the_present_subjunctive





should  文法




*should は時制的には shall の過去型ですが、実際には shall の謙譲表現として現在或いは未来の意味で利用される例が殆どです。即ち、1個の法助動詞としての独立性を高めています。

*should は他の法助動詞と共に利用は出来ません。


◯ It should probably be sunny at that time  of  year.

 その季節には多分晴れているよ。

= It will be likely to be sunny at that  time  of  year.

= It will probably be sunny at that  time  of  year.


× It should may be sunny … or It may  should  be  sunny …



*should の否定形は  shouldn't  と  should  not ですが、後者は  formal  な context 中で、或いは否定の意味を強調したい時に利用します。

There shouldn’t be many people at the beach  today.

 今日は浜には人出は多く無さそうだ。

= There is unlikely to be many people at the  beach  today.


We should not forget those who have given  their  lives  in  the  defence of freedom.

 自由の防衛に命を捧げた者達を忘れるべきでは無い。



*付加疑問文では should  と shouldn't を使います。


I shouldn’t have told her that, should I?

 僕はそのことを彼女に話すべきだったよね?


They should be getting back on Sunday,  shouldn’t  they?

 彼らは日曜日に戻ってくるべきだよね?


*be getting back on Sunday の表現は、<現在進行形+未来の日時>で未来を表します。


cf. Should I be waiting for a taxi outside the house?

 家の外でタクシーを待っている方が良いですか? (現在しているべきことの問い)





should  用法




〜すべきの should と should の省略


*下記、理想、欲望、義務、助言、提案の  should は互いに意味合いが重複するところがあり厳密に分類できるのではありません。

*これらは便宜的な分類とも言えるでしょう。

*文意  context  から適宜和訳して下さい。

*基本は全て、〜べきだ、と訳せば間違いにはなりません。


*この should  を用いずに動詞原形で繋げる表現を、 subjunctive mandative 即ち、現実として確定していないことを主張する為の表現、<仮定法現在>と考える者も居ます。これは一般的には接続法と呼称されるものであり、下にもフランス語の事例を述べていますが、古英語が次第に動詞の接続法としての活用を失い単純化して行った1つの姿として動詞の原形即ち不定形でを採用した−格変化も時制も無く何ら事象の確定性を持たない形−とも考えて良い模様ですが(それの変遷に関する詳細な記述が見付からない)、OED を参照すると実際には幾つかの法助動詞と共に利用される例が古くから存在しており、法助動詞無しでの原形の使用が拡大したのは米国に於いて特に近年の事象(20世紀初頭)であるとされています。


*因みに be  動詞の接続法の生き残りが were であり、これは現在では仮定法過去の動詞として使われています。


*要するに英国などではまだshould が利用されていますので、米国での should 無しの用法が、寧ろ二次的に派生したもの、つまりは should が省略された用法と考えても問題無い様には見えます。


*動詞原形を、確定しないことを述べるのに使う接続法だ、と捉え(直し)、推し進める主張は、合理性を認めるものの、或る意味、取って付けた様な形式性の感を塾長には拭えません。

*まぁ、一種の新英文法体系の構築を目指しているのでしょうか?



that 節中の should の省略


*動詞  advise,  ask,  beg,  command,  demand,  insist,  instruct,  intend,  order,  preferm,  recommend,  request,  require,  stipulate,  suggest,  urge,  warn 等 (助言、提言、主張、要求、警告の動詞) 以下の  that  節中の  should  <〜すべきだ、〜した方が良い>に関しては、formal な文中、特に書き言葉に於いては should  を省略し、動詞は原型のままを使用することが特に米国ではしばしば起こります


*動詞原型を用いずに、主語に合わせて格変化させると、よりこなれた  informal  な表現に近づきますが、これで特に問題も生じません。

*受験参考書ではこの用法(動詞を主語の格に合わせる用法)が誤りであるかの様な記述も散見されますが、米国での近年に拡大した用法であり、英国ではshould を用いたり通常の動詞活用を行わせる表現が普通に見られますので、奇妙な主張と言えしょう。医学部の入試に出るから、これの解答を確実にしっかり遣ろうなどとの web サイトも出てくるのですが、広い視野に欠けた英語指導ですね。


They have proposed that Felix shoud move to  their  Munich  office.(英)

→They have proposed that Felix move to their  Munich office. (more formal) (米)

→They have proposed that Felix moves to their  Munich  office. (less formal) (英)

 彼らはフェリックスがミュンヘン事務所に移動すべきと提案している。


*that 節の中身は未来のこと、これからのことを示しますが、未来形 will などは用いません。


They directed that the building should be pulled down. (英)

→ They directed that the building be pulled down. (more  formal) (米)

→They directed that the building was pulled down. (less  formal) (英)

 彼らはそのビルが取り壊されるべきだと指示した。


I suggested that he shouldn't give up golf. (英)

→ I suggested that he not  give up golf. (more formal) (米)

→ I suggested that he didn't give up golf. (less formal) (英)

 私は彼がゴルフを止めるべきではないと提案した。



*It is + 形容詞 + that 節の中の should は特に米国ではしばしば同様に省略されます。

*この形容詞には、advisable, appalling,  appropriate,  (in)conceivable,  crucial, essntilal, imperative, important, obligatory, (un)necessory, urgent,vital  などがあります。

*normal or expected 〜して当然だ、の意味の natural も該当します。

助言、必要性、主張、義務を表す形容詞、即ち〜すべき、の、価値判断の意味が入る形容詞であることがお判り戴けるかと思います。


It is unaapropriate that he should receive the  award  again. (英)

= It is unaapropriate that he receives the  award  again.  (英)

= It is unaapropriate that he receive the  award  again. (米)

 彼がその賞を再び受賞するのは不適切だ。


It's natural that you should feel anxious when you first leave home.(英)

 初めて家を出るとき、不安になるのは当然です。



*フランス語の接続法との関連

 接続法 / Subjonctif


*フランス語の接続法は主観的に事柄を述べる時制で、主節が「義務、願望、感情、命令、疑惑」などを表す表現のあと "que" で導かれる従節で接続法が使われます。

*即ち、上記の should を付けるべき、付けないべきの英語表現そのもののの平行現象になります。que はthat に相当します。

*フランス語では接続法に於いては動詞の語幹の後に固有な活用語尾を添えればそれで終わりですが、動詞原形を使うなどは全くありません。





What is ideal and desired

 理想と欲望の should

 〜だと良い、〜が理想だ、〜だと最善だ、〜すると良い、〜すべきだ


*should は、或る状況の下で為すべき理想的なこと、或いは最善のことについて話す、或いは頼む時に最も普通に使われます。

= I think it's a good idea to do...


*下記の、助言と提案の should と意味が重なり、意味的に区別が明確なものではありません。


There should be more public hospitals.

 もっと公立病院があるといいね。


They should reduce the price of petrol. It’s  so  expensive.

 ガソリン価格を彼らは下げるべきだ。高すぎるよ。


cf. petrol UK = gas  US ガソリン


There should be four more candles on the cake.

 そのケーキの上にはあと4本のロウソクがあると最高だ。


I think I should have given check at move 23  instead  of  trying  to  find a safer square for the rook.

 ルーク(飛車に相当するチェスの駒の名)の為により安全なマスを見つけようとせずに、僕は23手目に王手を掛けるべきだったと思うよ。


A long wool coat is a classic no wardrobe  should  be  without.

 ウールのロングコートは衣装部屋(衣装ダンス)無しでは済まされないクラシックだよ。

= A long wool coat is a classic which/ that some  wardrobe  should  be  with.

 (Some  wardrobe should be with a long  wool  coat.)



should have + ed

*should have + ed は、過去に於いて理想的だった、望ましかったが起こらなかったことについて話す為に使われます。これで後悔の念或いは自身や他人への批判を表すことも出来ます。

 〜だったら良かったのに、〜していたら良かったのに


I shouldn't  have told fer.

= I told her, but I wish I hadn't; it was  a  mistale to tell  fer.

 彼女に話さなければ良かった。

=私は彼女に話したがそうしなければ良かったのに。彼女に話したのは間違いだった。


He should have told me about the change  in  plans.

 計画の変更について彼は僕に話すべきだったのに。

= He didn't tell me about the change in  plans, and  this  was  a  mistake.

 彼は計画の変更について僕に話さなかった。これは誤りだった。


Everyone knows that this is a busy restaurant. They  should  have  made a reservation.

 皆ここが繁盛しているレストランであることを知っている。彼らは予約をしておくと良かったのになぁ。


I should have written to her but I haven't  had  time.

 私は彼女に手紙を書くべきだったが時間がずっと無かったのです。


I should have studied harder when I  was  young.  I  wish  I  had gone to college.

 若い時にもっと懸命に勉強しておくべきだったよ。大学に行っていればなぁ。





duty 義務の should

 行動を遂行するのが必要或いは望ましい、重要であることを表す should


〜するべきだ


*これは第三者に対する助言とも言えます。


This computer isn't working as it should.

 このパソコンはあるべきように動作していません。


The government should raise taxes on the  rich.

 政府は金持ちの税金を上げるべきです。


Everybody who works should get four weeks'  paid  holiday  a  year

 働く者は誰も1年当たり4週間の有給を得るべきです。


There should be an investigation into the cause  of  the  disaster.

 その災害の原因への調査があるべきです。

→その災害の原因究明が為されるべきです。


Who should I make out this cheque to ?

僕は誰宛にこの小切手を切る(降り出す)べきなんだい?

= Whom should I make out this cheque to ?


People like that should go to jail.

 そう言う連中は監獄に行くべきだ。





advice and suggestions

 助言と提案の should


*目の前の相手に助言したり提案する時に should を使います。

 〜すべきだ、〜する方が良い


You  should  do = I  think  it  would  be  better  for  you  to  do

You  shouldn't  do =  I  don't  think  it's  a  good  idea  for  you  to  do


If you're annoyed with him, you  should  tell  him.

 もし彼に悩まされているなら彼にそう言った方がいいよ。


You shouldn't eat mushrooms if you don't  know  what  kind they are.

 もし何の種類か分からない時はキノコは食べるべきではない。

= I think it's best for you not to eat  mushrooms  if  you  aren't sure what they are.


*if 節は直前の  not  to  eat に掛かり、 be  best  や  think  には掛かりません。これは元の文の意味合いを引きずっていることから理解可能です。



You should take the bus - it's the easiest way  to  get  there.

 バスに乗るといいよ。そこに着く一番ラクな遣り方さ。


"Should I apologize to him?" "Yes, I think you  should."

 彼に謝るべきかな?僕はそうすべきだと思う。


You should be ashamed of yourselves.

 君達は自身を恥じた方が良い。


He said that I should see a doctor.

 僕が医者に行くべきだと彼は言った。(that 節内は現在に生きている内容ですので現在形のままにしています)


You should always check your oil, water and  tyres  before taking  your car on a long trip.

 車を長旅に連れ出す前には常にオイルと水とタイヤを点検した方がいいよ。


Under no circumstances should you approach the man.

 どんな状況の下であろうと君はその男に接近すべきではない。


*You shouldn't approach the man under  any  circumstances  の強調、倒置文です。



You should tell him what you think.

 自分が思っていることを君は彼に言うべきだよ。


We should leave it until tomorrow; it’s late  now.

 私たちはその仕事を明日まで放置する方が良い。今はもう遅くなったし。


You shouldn't have said anything.

 君は一言も話すべきではなかった。


Where should  (= do you suggest that) we  meet tonight?

 今夜はどこで会うのがいいと君は思う?


It's rather cold in here. Should I (= do you want  me  to)  turn the heating on?

 ここは相当に冷えるね。ヒーターを点灯しようか?


I shouldn't worry about it if I were you.

 もし僕が君だったら僕はそれには悩まないと思うよ。

=  I wouldn't worry about it if I were you. (仮定法)



I shouldn't (= I advise you not to) let it worry  you.

= I wouldn't (= I advise you not to) let it worry  you.

 僕だったらそれに君を悩ませたままにはさせないよ。(仮定法、後ろに if I were you が略されている)


=それに君を悩ませたままにはさせない方がいいよ。

→ そんなことにクヨクヨしない方がいいよ。


(つづく)








法助動詞 modal verbs と関連表現N




2023年2月1日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第15回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/shall




shall 意味と用法




*昔は一人称 (I と we)の英語の未来時制には shall を使うと教えられていたのですが、近代英語では、会話、書き言葉、全ての人称で will を使うのが一般的です。


* shall は主に英国英語で利用されます。


現代では shall は主に formal な場面や、或いは法律文書に使用されます。


*主語が I,  we の場合に比して、それ以外では、shall の意味が限定され、規則や法律、命令でそうなっている、の意味しか持ちません。


* shall の過去型 should  が、〜すべき、した方が良い、の意味をその1つに持ちますが、それの非謙譲表現、詰まりは意味の強い、元のものが  shall  であると考えるのも良いでしょう。


*主語が I,  we の場合に、shall は、規則や法律、命令でそうなっている、の意味にも利用出来ますし、単純未来、意志の表明にも利用出来ます。


*法助動詞 shall の文法と意味用法は基本的に will と同じですが、幾らか違いがあります。





shall 文法


*法助動詞ですので他の法助動詞と共には利用出来ません。


◯ I shall have to be at the airport by 5 pm.

 僕は5時までに空港に到着しなければならなくなる(だろう)。

= I will have to be at the airport by 5 pm.


cf. I have to be at the airport by 5 pm.

 僕は5時までに空港に到着しなければならない。


*shall/ will have to で未来に於いて義務が生じることを示します。〜せねばならなくなる


× I shall must be … or I must shall be …



*他の modal  expressions 、have  to,  need to,  be  able  to を後ろに従える事は出来ます。


We shall have to tell him what happened.

 我々は何が起きたのかを彼に言わねばならなくなるだろう。

= We will have to tell him what happened.


The good news is I shall be able to join you at your  meeting  next  week.

 良いニュースは僕が来週君の会合で君に加わることが出来るだろうと言う事だ。

= The good news is I will be able to join you at your  meeting  next  week.



*shall の否定表現は shan't と shall not の形が取れます。

*shall not は formal な場面や、否定の意味を強調する場合に利用します。

*shall の否定表現はあまり利用されません。


I shan’t be home tomorrow night.

 僕は明日の夜は家に居ないよ。

= I won’t be home tomorrow night.



We shan’t know the result of the tests till  Tuesday.

 火曜日まではそのテストの結果を僕らは知らない。

= We won’t know the result of the tests till  Tuesday.



The management shall not be responsible for  damage  to  personal  property.

 経営者は個人的な資産への損害に対しては責任は取らないことになっている。(規則・法律・命令の shall)

 (主語が  I,  we 以外の全ての文章で  shall  は規則・法律・命令の意味になります)





shall 用法


offers,  suggestions  and  advice

 申し出、提供、助言


主語が I と we の場合に限り、疑問文の形 (Shall  I,  Shall  we のみしかありません)で、申し出、提供を行ったり、助言を求める場合に shall を使います。

*この shall は一部  should に置き換え可能です。


*米国では formal な表現の扱いになります。

*相手が同意するだろうと期待する気持があっての提案、申し出になります。〜してあげましょうか?〜して差し上げましょうか?


Shall I carry your bag?

 あなたの鞄を運びましょうか?


"I'm cold." "Shall I close this window?"

 寒いよ。この窓を閉めましょうか?


I'll leave you to get on then, shall I?

 それではあなたを乗せたままにしておきましょうか?


cf.  leave  sb  to  do

 人を〜のままにさせておく


Shall I call him tomorrow?

明日彼に電話しましょうか?


Shall I call again on Thursday?

 木曜日にまた電話しましょうか?


Are you comfortable or shall I turn the heat  down?

 快適でしょうか?そうでなければ加温を下げましょうか?


--------------------------------


What shall we do with this?

これをどう扱おうか?

= What should we do with this?


Shall we go out for dinner tonight?

 今夜ディナーに出掛けませんか?


"So we'll meet at 5.30, shall we?" "Agreed ."

 それでは5時半に僕らは会おう、いいね? 賛成。


Since it's such a nice day, shall we eat  outside?

 こんなに気持ちの良いという次第で、外で食べないかい?


What about Lola - shall we invite her?

 ローラはどうする?彼女を招待しようよ?



注意

*平叙文では、相手に助言や提案を行う場合には  shall ではなく  should  を用います。


◯ In my opinion, we should book another  hotel.

 僕の意見では、我々は別のホテルを予約すべきだよ。


× In my opinion, we shall book another  hotel.




predictions  and  intentions

 未来予測と意図


主語が I と we の場合に限り、formal な流れで未来の事を述べる、また意図や決定を述べるのに will の代わりに shall を用います。

〜だろう、〜するつもりだ  (will と同じ意味用法)


*他の主語の場合は will を使います。


*これは英国英語では利用される用法ですが米国英語では用いられません。

*しかし英国に於いても will に比べると利用されることはずっと少ないです。old-fashioned に感じられることもあります。


◯ The new business cards will be ready at the end  of  the  month.

 新しい名刺が月末には準備出来るでしょう。

 

× The new business cards shall be ready at the  end  of  the  month.(shall  の未来用法は主語が I と we の時にしか利用出来ない

 (主語が  I,  we 以外の全ての文章で  shall  は規則・法律・命令の意味になります)


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*以下全て英国での formal な用法です:

*全て will に置換可能です。


We shall remember this day forever.

 今日この日を我々は永遠に覚えているだろう。


less formal

We will remember this day forever.



If you do that one more time, I shall be very  angry.

 君がそれをもう一度遣るなら私はとても腹立たしくなる。


I'm afraid I shall not/shan't be able to come to your  party.

 済まんが君のパーティには来れない。


formal

I shall look forward to meeting you next week.

 来週あなたとお会いすることを楽しみにしております。


So we'll see you at the weekend, shall we (= is  that  right)?

 それで私たちは週末に会いますよね?(we'll = we  shall の短縮形です)


We shall (= intend to) let you know as soon as there's  any  news.

 何かニュースが有り次第あなたにおしらせするつもりです。


Unless the money is returned, we shall shortly  be  contacting  our  legal  department.

 そのお金が戻されない場合は、我々は直ちに我々の法務部門に接触しているつもりです。


I can't afford a lawyer so I shall defend myself.

 私には弁護士を雇う余裕無く、それで自身を弁護することになります。


I did meet him once and it was an experience  I  shall  never  forget.

 私は一度実際に彼に会いましたが、それはけして忘れない経験となりました。(忘れないことは現在でも事実なので現在形で語ります)


I shall list my objections to the plan in ascending  order  of  importance.

 重要な順に私は計画に自分の目的を配列するつもりです。


When we receive your instructions we shall  act  accordingly.

 あなたの指示を受ければ我々はそれに従い活動するつもりです。





determination,  commands

 確定事項、命令の  shall


非常に formal な場面で命令を与えたり、規則、法律の確定事項、決定事項を表す場合に shall  を利用します

 〜と言う事になっている、決まっている、〜しなければならない、〜でなければならない、〜するものとする


*実際には、主語が〜されることになっている、との受動態となることが多いです。


*確定事項と命令の意味用法では主語は、未来用法の  shall  とは異なり全ての人称が使えます。


*逆に言えば、主語が I と we 以外の場合は、規則や法律、命令で<そうなっている>の意味になります


主語が I と we の場合は、未来予測と意図(〜だろう、〜するつもりだ)、或いは、規則や法律、命令で<そうなっている>のいずれかの意味になります


* この意味用法の shall の過去型 should が弱含みの表現となり、強い命令の意ではなく、〜すべきだ、〜した方が良い、との意味になる事が理解出来るでしょう。逆に、shall が出て来たら、should 〜すべき、の強意としての規則、命令を意味すると判断することも出来ますね。



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determination 確定事項

This door shall be kept closed at all times.

 このドアは何時も締められて居なければならない。 (そう言う決まりになっている)


Nothing in this letter shall be construed as a  license  to  use  our  property.

 本書簡のいずれも我々の資産を使うライセンスとして解釈されるものではない。(法律文書)


The school rules state that no child shall be  allowed  out  of  the  school  during the day, unless accompanied by an adult.

 その学校のルールには、成人が伴わない限り日中は子供は校外に出る事は許されないと記されています。(ルールとなっている)


*、〜に記述が為されている>、無生物主語に対して say,  state が普通に使われます。


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commands  命令

You shall go to the ball, Cinderella.

 シンデレラよ、お前はその舞踏会に必ず出るのだよ。(そう決定されているとの命令)




certainly  will

 確定的意志の  shall


主語  I  と we の文で強い確定した意志を表明するのに shall を利用します。これは米国英語でも利用されます

 必ず〜してみせる

=  will  certainly  happen,  must  happen,  be  determined  that  something  will  happen


will  も意志を示す用法を持ちますが、shall  の方が強い意志を持ちます。shall  =  will  +  certainlyですね。


*英国英語に於いては、単純未来の shall  なのか強い意志の shall なのかは context で判断するしかありません。

*しかし現在では単純未来には will を使いますので、 I  shall..., We  shall... の文章は、(特に米国英語では)必ず〜してみせる、と考えて大方間違いはないでしょう。



I shall never forget you.

 君のことはけして忘れまい。


Don't worry - I shall make sure he comes!

 心配するな。彼が来ることを必ず確かめるから。

= Don't worry - I will certainly make sure he  comes!


I shall make sure she knows.

 彼女が知っているのか確かめてみせるよ。


cf. make sth sure


Don't worry, I shall be there to meet the train.

 心配するな。列車交換の為に僕はそこに必ず居るよ。


If he won't do it, I shall do it and then there'll  be  trouble!

 もし彼がそれをしようとしないのなら、僕がそれを遣ってみせますが、そうなると問題が起きますね。


*if 節の中は未来の事を想定しても未来形では無く現在形で記述します。この文章の he won't do it は、現在に於いて彼がどうしてもそうしない、との、意志を表す用法であり、未来表現では無いゆえ使用できると考えて良いでしょう。








法助動詞 modal verbs と関連表現M




2023年1月25日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第14回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/must




must を用いた例文



纏めを兼ねて must を用いた文例をじっくり見ていきましょう。和訳のコツも掴んで下さい。


deduction

推論 〜に違い無い


There must be an increased availability and  access  to  drug  treatment  that is sensitive to pregnant and post-partum women in an urban society.

 都会社会に生きる妊娠中並びに産後の女性に影響を与える薬物療法に対して、増大する入手性と接近性が存在するに違い無い。

→妊娠中並びに産後の女性に危険な薬物が、都会ではより入手性と接近性を高めているに違い無い。


以下の様に脳内変換します:

*There must be an increased availability and  access  to  drug  treatment...

→Availability and access to drug treatment  must  be  increasing ...

 増大する〜が存在する

→ 〜が増大している




obligation

義務 〜せねばならない


The stretching of these variables is restricted,  however,  by  the  condition  that both terms in the equation of continuity must remain of the  same order of magnitude.

 しかしながら、連続性の等式に於いて2つの用語共に同じ規模のオーダーを維持せねばならないとの条件によって、これらの変数の拡張は制約を受けている。

 (一応和訳出来ますが塾長には意味不明な内容です)


cf. be restricted by the condition  that 〜との条件に拠り制約を受ける




prohibition

禁止 〜してはならない

*禁止 mustn't の例文が一番多いですね。


One mustn't think it's a miracle.

(人は)それを奇跡と考えてはならない。

→誰もそれを奇跡と考えてはならない。


The top of the cooker mustn't look dirty,  whatever  happens.

 何が起ころうとも炊事道具(cf. a rice cooker で炊飯器の意)のてっぺんは汚く見えてはならない。


If they have not got any amusements up in  their  backwoods,  we  mustn't  have none.

 もし彼らが彼らの僻地の果てまでに娯楽を何も持って居ないのであれば、我々は1つも持ってはならない。(文末にeither が略されている)


In fact, one mustn't do it, not like that; one  couldn't  go  on.

 実際のところ、人はそれを、その様なことを行ってはならない。それを継続することは不可能だろう。


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Many of our participants clearly felt that they '  mustn't  complain ',  which  may be an adaptive psychological strategy for coping with thevicissitudes of advancing age.

 我々の参加者の多くは<文句を言ってはならない>と明確に感じている。これは、年齢を経ることの浮き沈みに上手く対処する為の適応心理戦略と言えるかも知れない。


cf. vicissitudes

changes that happen at different times during the  life  or  development  of  someone or something, especially those that result in conditionsbeing worse:

特により悪い状態に帰結する人生上或いは何かの過程の変化、人生の浮き沈み


Losing your job is just one of the vicissitudes of  life.

 仕事を失うことは人生の浮き沈みの1つのことに過ぎない。


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Just because there are dark fogs which our sun  hasn't  yet  penetrated  we  mustn't let the sun lose its glare.

 我々の太陽がまだ透過していない暗い霧があるからと言うだけで、我々は太陽にその輝きを失わせてはならない。


* ここでは just because = just even because  譲歩用法です。単に〜だからと言う理由で。頻用される表現です。


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We mustn't endorse technology for its own  sake,  nor  simply  for  its  economic potential, but ask what its ends are.

 技術をそれ自体の為またその経済的な潜在性ゆえに是認するのではなく、その行き着く先が何であるのかを我々は問わねばならない。


*must + (not A but B) 、A ではなく B せねばならない、と解釈します。

*but (we must) ask と考えないと意味が通りませんね。


cf. endorse

(SUPPORT)

to make a public statement of your approval  or  support  for  something  or someone:

 何か或いは誰かを是認したり支持する事を公に述べる、是認、支持を表明する


The Council is expected to endorse  the  committee's  recommendations.

 議会はその委員会の推薦を是認するよう期待されている。


formal

I fully endorse (= agree with) everything the  Chairperson  has  said.

 私は議長が言った全てを全面的に支持します(同意します)。


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You mustn't confuse the problem with the  way  in  which  the  problem will be resolved.

 その問題がこの先解決されるだろう遣り方とその問題自体とを君は混同してはならない。


cf. confuse A with B

to mix up two separate things or people in  your  mind,  imagining  that they are one:

 2つの別のものを同じだと想像する、混同する


You're confusing me with my sister - she's  the  singer.

 あなたは私と妹とを混同しているわね。妹は歌手をしているの。


It's easy to confuse his films, because he  tends  to  use  the  same  actors.

 彼の映画作品を混同するのは易しい。と言うのは彼は同じ役者を使いがちだからだ。


cf. resolve (SOLVE)

to solve or end a problem or difficulty:  solve とほぼ同じ意味の動詞です。

Have you resolved the problem of  transport  yet?

輸送の問題を既に解決しましたか?


The couple resolved their differences and  made  an  effort  to get along.

 その恋人同士は違いを解決し仲良く遣っていく努力をした。




prohibition (続き)


You mustn't allow enough time for the mind  to  think  of  an  alternative.

 精神的に代替えを検討する時間的余裕は君には許されてない。


cf. allow

(MAKE AVAILABLE)

to make it possible for something to be done  or  to  happen:

 何かが行われる或いは起きるのを可能にさせる


allow  time  to  do  〜する時間的余裕が有る

allow  room  for 〜 〜の為の空間的余裕、余地がある


He didn’t allow enough time to finish the  test.

 その試験を終わらせるに足る時間は彼には無かった。

≒ He didn’t have enough time to finish the test.


Be sure to allow room in your bags for the  souvenirs  you’ll  want  to bring home.

 家に持ち帰りたい土産の為に鞄に余地を作るのを忘れずに。


cf. make room for

 〜に道を譲る、席を譲る


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What you mustn't do is waver, say in the same  breath  that  he  both  can and can't, and then claim that this contradiction proves that time  travel is impossible.


= What you mustn't { do is waver, say (in the same  breath)  that  he  both  can and can't, and then claim that this contradiction proves that time  travel is impossible.}


 君がしてはならないことはためらいであり、ひと呼吸の内に彼が出来る出来ないと共に言い、そしてこの矛盾ゆえに時間旅行は不可能だと証明されると主張することである。

*say, claim の前には mustn't が掛かると考えて下さい。


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You mustn't reinforce the role with  'gimmicks'.

 君はその役割を<仕掛け>で補強してはならない。


cf. reinforce

to  make  something  stronger: 増強する


The pockets on my jeans are reinforced with  double  stitching.

 僕のジーンズのポケットは二重縫いで増強されている。



cf. strengthen

to  make  something  stronger  or  more  effective, or  to  become  stronger  or more effective:

 何かをより強く或いは効果的にする、或いはより強くなる、より効果的になる


They have been strengthening their border  defences  in  preparation  for war.

 戦争に備え彼らは国境防衛を強化し続けて来ている。


His battle against cancer has strengthened his  belief  in  God.

 癌に対する彼の戦いは彼の神への信仰を強化した。


The accident strengthened the case for better  safety  measures  at fairgrounds.

 その事故はその事例を見本市会場でのより安全な手段を設ける方向に強化した。

 (起きて仕舞った事例を今更強化することは不可能であり、意味不明の英文)

→ The accident strengthened better the safety  measures  at fairgrounds.

 この事故により、見本市会場の安全対策はより強化されました。


The bank loan has greatly strengthened our  financial  position.

 この銀行借入により、当社の財務体質は大きく強化されました。


The organization's aim is to strengthen the  cultural  ties  between  Britain and Germany.

 その機構の目的は英国とドイツの間の文化的な結びつきを強化することです。

 

The rise in US interest rates caused the dollar  to  strengthen  (=  increase  in value) against all the Asian currencies.

 米国利率の上昇は米ドルを全アジアの通貨に対して強化させた(価値を高めさせた)。


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I mustn't prejudice my relationship with my minister  beyond  refusing  to accept a ban on internal discussions within the department.

= I mustn't prejudice my relationship with my  minister  more  than refusing to accept a ban on internal discussions within the department.

 その部門内部での議論禁止に対する拒絶をする以上に、私は自分の大臣との関係に先入観を持つ積もりは無い。


=  I refused to accept a ban on internal  discussions  within  the  department. And beyond that, I'm not intending to prejudice my relationship  with  my  minister.

私は部内議論の禁止について拒否した。それを超えては、大臣との関係に偏見を持つつもりもない。


*では、それを超えない範囲では私はその大臣に偏見、先入観を抱いていた、との主張になります。どうも論理のおかしな文章です。


→ I have rejected the prohibition on  intra-departmental  discussions.  Beyond that, I have no intention of worsening my relationship with theminister.

 私は部内議論の禁止について拒否した。それを超えて、大臣との関係を悪化させるつもりもない。

(私は部内議論の禁止に関しては大臣との意見の対立はあったが、それを超えてこの先の大臣との関係に影響はさせないつもりだ)


或いは

I have rejected the prohibition on  intra-departmental  discussions.  That said, I do not intend to look at the minister with prejudice in the future.

 私は部内議論の禁止について拒否した。だからと言ってこの先私はその大臣を色眼鏡で見るつもりもない。


= Although I have rejected the prohibition  on  intra-departmental  discussions,  I do not intend to look at the minister with prejudice in the future.

 部内協議の禁止は却下しましたが、今後、その大臣を偏見で見るつもりはありません。

これなら意味が通ります。


*beyond と prejudice の組み合わせがマズかった、と言うオチになりそうです。この種の、細部を突き詰めていくと論理のおかしな英文は良く見ます。推敲の足りない英文ですね。最初から明確な英文で記述すれば済む話です。


*not do A beyond do B  Bを超えてAしない → B したが、だからと言ってこの先A はしない、と<公式化>出来るのかは今のところ不明です。そもそもbeyond doing の例文が見付かりません。


*〜を超えては〜してはならない、との自身に対する禁止表現ですので、自戒の意味を込めて〜以上はする積もりは無い、との意志表明と解釈すべきです。


*前後の流れ context が不明ですので何を主張したいのか単独の文では良く理解出来ない例文です。首相が自分に対して意見を具申した内閣の大臣に対する扱いについて述べているのでしょうか?


cf. It is not beyond the realm of possibility  that  we'll  succeed.

僕らが成功することは可能性の領域にある。→僕らが成功する可能性はゼロではない。


cf. It is beyond the realm of possibility that  we'll  succeed.

 僕らが成功することは可能性を超えている。→僕らが成功する可能性はゼロです。








法助動詞 modal verbs と関連表現L




2023年1月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第13回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/must




must  と  have  (got)  to の違い




obligations

義務


*一般的に、話者 (I の場合を除き文の主語とは一致しません)に発する義務の念について語る時は  must  を用い、話者以外に発する義務の念には  have  (got)  to  を用います。


*have  to の方が他律的の意味合いが強い訳です。


*尤も、過去の義務を話す時には must には過去形がありませんので  had  to  を使うしかありません。


*must  は formal、一方  have  to は informal な場でより使われる傾向があります。


*初学者、例えば日本の中高生に対しては、2つの違いは無くイコールだ、との指導が行われますが、実際この遣り方で native 相手には支障なく十分に意思疎通が可能です。


*理由を表す接続詞には、as,  since,  because など多々ありますが、全て  because で通せば相手は理解してくれるのと同じで、最初は紋切り型の荒削りで行き、英語に習熟していく過程でニュアンスの違いを知ればそれで足りるだろうと塾長も思います。


*細かな違いに触れると初学者は混乱し萎縮させる弊害も大きいかもしれません。結局英語が口から出ないままでは本末転倒です。

*当指導塾は上級者を対象としていますので、モヤモヤを解消すべく徹底的な文法的な解説を行う方針です。従って、must と have to の違いについても詳述していきます。



I must buy some new clothes. Mine look so  old.

(The obligation is from me to buy new  c lothes.)

 私は新しい服を何枚か買わねばならない。私のはとても古びて見える。

 (服を買うとの義務は話者=主語である私に発している)

≒ I'm impelled to buy some new clothes. Mine  look  so  old.

 私は新しい服を何枚か買おうとの衝動に駆られている。私のはとても古びて見える。


I’ve got to buy some new clothes. I’m  starting  a  new  job  as  a teacher and we have to wear formal clothes.

 (The obligation is from the school to buy new clothes.)

 私は新しい服を何枚か買わねばならない。教師として新たな仕事を始めるつもりだしフォーマルな服を着なければならない。

 (服を買うとの義務は学校に発している)

≒ I’m obliged to buy some new clothes.



注意:


*must  not,  mustn't は禁止を表しますが、don't/  doesn't  have  to ,  haven't/ hasn't  got  to は必要では無いことを表します。否定表現にすると2者の意味が乖離してしまう訳です。


*mustn't は禁止の意味用法しかありませんが、must  not  は、〜の筈が無い、との意味用法も持ちますのでご注意下さい。


You mustn’t tell this to anyone. It’s a secret.

 君はこのことを誰にも話してはならない。それは秘密だ。


We haven’t got to wear a uniform to work.

我々は勤務用の制服を着る必要はありません。

=  We don't have to wear a uniform to work.

=  We don't need to wear a uniform to work.

=  We need not to wear a uniform to work.



*don't  have  to は他人を批判したり何かをするなと命ずる時に使われますが、 must  not よりは勿論柔らかい表現になります。


You don’t have to drink all of the juice!  (stop  drinking  the  juice!)

 君はジュースを全部飲む必要はないのに! (ジュースを飲むのを止めて呉れ!)




deductions

推論


*have got to を推論や結論する時に利用もしますが、must  を使う方がより普通です。


That picture has got to be a fake!

 その絵は偽物に違いない!


That must be a fake!

 (こちらの表現の方がより一般的)





cf. have to do with

= = to be related to or connected with, to be associated with

 〜と関係する、 通例は have a lot/nothing/ something などのhave の目的語を入れる




must:  typical  errors 典型的な間違い




*過去に於ける義務と必要性 (〜せねばならなかった) を語る時には  must  は使わずに had  to を代わりに使います。


◯ When she got home, she had to cook dinner  before  everyone  arrived.

 家に着いた時に、彼女は皆が戻る前に夕食を調理せねばならなかった、


× When she got home, she must cook dinner  before …


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*未来の事について明確に語る (〜に違い無かろう) 時には must は使わず will を代わりに使います。


◯ Don’t worry about our accommodation  because  I  found  a  nice hotel which will be suitable for us.

僕らの宿泊場所について心配しないで下さい。なぜなら僕らに適しそうな良いホテルを見つけたからです。


× Don’t worry about our accommodation because  I  found  a  nice hotel which must be suitable for us.

僕らの宿泊場所について心配しないで下さい。なぜなら僕らに適するに違いない良いホテルを見つけたからです。

 (未来を明確に語る表現、即ち、〜に違いなかろう、を1語で明確に表す法助動詞表現は英語には存在しません)


未来に関する強い推論を述べたいのであれば、

→Don’t worry about our accommodation because  I  found  a  nice hotel which  will  be  definitely  (絶対に) suitable for us.

 などと強調表現の副詞を入れるしかありません。








法助動詞 modal verbs と関連表現K




2023年1月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第12回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/must




must  (つづき)


*以下は全て、obligation  and  necessity 〜せねばならない、の用法からの派生表現と考える事が出来ます。



rules  and  laws

規則と法律の  must


*不許可、禁止を mustn't,  must  not で表します。〜してはならない

*これは formal,  informal 共に使えます。


* must not は mustn't に比べると、not  を独立させて強調する分、より強い禁止 stronfer  prohibition  の意味合いが出ます。


*can't を利用しても良いでしょう。

*must には過去形がありませんので禁止の過去表現は  couldn't を使います。


*短縮形 mustn't は禁止の意味に限定されますが、 must  not  には、〜の筈が無い、の意味用法でも利用されます。



You must not park outside the  entrance.

 入り口の外に駐車してはなりません。

= It's forbidden to park outside the  entrance;  it's  against  the  rules to park outside the entrance.


You mustn't make noise after 9 o’clock.

 9時以降は騒音を出すことは禁止されています。(現在の禁止)


You couldn't make noise after 9 o’clock.

 9時以降は騒音を出すことは出来なかった(禁じられた)。(過去の禁止)


× You must not have made noise after 9 o’clock.

 君は9時以降に騒音を出した筈が無い。(完了形を使うと全く別の意味になってしまいます)


You mustn't show this letter to anyone  else.

 君はこの手紙を誰にも見せてはならない。


Soldiers must obey orders.

 兵隊は命令に従わねばならない。


Candidates must answer two questions  from  each  paper.

 候補者は各新聞社からの2つの質問に答えねばなりません。



* must  と  must  not  は、法津、規則、禁止事項を表示する公の注意書きに良く見られます。


All passengers must present valid photo  identification  at  check-in  for all flights.

 全ての搭乗客は全フライトのチェックインに際して有効な写真付き身分証明書を提示せねばなりません。


You must give the bank a written  notification  if  you  wish  to close your account.

 もし口座を閉じたいのであれば、書面にて銀行に通知せねばなりません。


Luggage must not be left unattended (= it is  against  the  rules).

 荷物を行き先不明のままにしておくことは禁止されます。


Tickets must be retained for inspection, and  must  be  produced  for inspection on request by any authorised official of Bus Eireann. (Bus  Eireann is the name of the Irish national  bus  company)

 切符は検査に備えて保持し、またエーランバス社の認可された職員の求めに応じ検査のために提示されねばなりません。


cf. produce

(BRING OUT)  to  bring  something  out  from  somewhere  and  show  it:

 取りだして示す、提示する


He produced a letter from his desk that he  asked  me  to  read.

 彼は机から手紙を取りだして私に読めと頼んだ。


One of the men suddenly produced a knife  from  his  pocket.

 男達の1人が突然ポケットからナイフを取りだした。




invitations  and e ncouragement

 招待と励ましの must


*丁寧な招待や励ましを表すために  must  を利用します。絶対に〜する方が良いよ、絶対に〜すべきだ

*義務の念は全くありません。即ち、〜せねばならない、と訳すと間違いです。


*これは、強い助言  strong  advise  の表現とも言えます。

= I  really  recomment  that


*助言の意味なのか、義務の意味なのかは、前後の状況  context  から判断するしかありません。


*この用法での否定表現、即ち  mustn't の用法 (〜しないことを勧める) は有りませんのでご注意下さい。mustn't は禁止 (してはならない)を表してしまいます。この場合は、 shouldn't 〜すべきではない、〜しない方が良い、を使います。


*must  は過去形がありませんので、過去に〜すべきだったのに、と表現するには  should  have  の完了表現を用います。



You must come and stay with us one weekend.

 君は絶対に僕たちのところで週末泊まりに来いよ。

= I really recommend that youcome and  stay  with  us  one  weekend.


We must meet for lunch soon.

 僕らはすぐに絶対一緒にランチした方が良いよ。


You must try some of this chocolate cake.  It’s  delicious.

 このチョコレートケーキを絶対試さなくては駄目よ。美味しいのよ。(現在の推薦、助言)

= I really recommend that you try some of  this  chocolate  cake.  It’s delicious.


You should have tried some of this  chocolate  cake.  It  is delicious.

 このチョコレートケーキを試すべきだったのよ。美味しいのよ。(過去の推薦、助言)



You must go and see that film.

 その映画は絶対に見に行かないとね。

= I really recommend that film to you.(強い推薦)


 君はその映画は見に行かねばならない。

= You have to go and see that film. (他律的義務)

*前後の状況 context によりいずれの意味か判定する必要があります。



If you go to Paris, you must take a walk by  the  river  at  night.

 もしパリに行くなら、夜に川辺を絶対に歩いた方がいいよ。

= If you go to Paris, I really recommend  your  taking  a  walk  by the river at night.



cf. must

informal noun

an indispensable item

 必須、必要不可欠の物


If you live in the country a car is a must.

 もしその国に住むのなら車は欠かせないよ。




他人に助言を与える  modal  expressions


could  <  should  <  ought to  <  had better  <  must   の順に強制力が高まると考えて間違いではありません。


*could は casual な気持で、〜したらどう?、意味で使われます。


*ought to は米国では一般的では無く、特に若者の間では利用は退けられます。should に置き換えれば良いでしょう。


*had better  は強い助言となりますが、従わないと否定の結果を招くとの意味を含みます。〜しないとマズい、の意味ですね。そうしないとマズいことになるぞ、罰を喰らうぞ、の意味から相手を脅す意味合いも出て来ます。



You could ask the pfofessor for help.

教授に助けを求めたらどう?


You should join a study group.

 何か勉強会に入った方がいいよ。


You shouldn't miss any lectures.

講義はどれも逃さない方がいいよ。


We'd better call the cops.

 オレらはサツを呼ばないとマズいんじゃあないか。


You had better move your car, or the police  will  give  you  a  parking ticket!

 車を移動しないとマズいぜ。さもないと警察に(駐車違反の)反則切符を切られるよ。


You must ask for help.

 きみは絶対に助けを求めるべきだ。




criticisms

批判の must


*疑問文で must を批判の意味で用います。


Must you keep playing that terrible music?

 君はその非道い音楽を演奏し続けねばならんのかい? (いつまで非道い演奏を続けるつもりだ?)


Why must you mispronounce my name  every  time?

 どうして君は僕の名前を毎回間違って発音しなくてはならんのだ? (いい加減俺の名を正しく発音しろ!)




emphasis

強調の must


*以下の表現にほぼ限定されます。


I must say, you look absolutely great.

 君は絶対に偉大だと僕は言わねばならない。


I must admit, I wasn't looking forward to it.

 僕はそれを期待していなかったと認めねばならない。








法助動詞 modal verbs と関連表現J




2023年1月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第11回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/must




must  文法と用法



*法助動詞 must には大きく分けて、〜に違いない(強い推量)、と、〜ねばならない(義務、強制)、の2つの意味用法がありますが、前後の流れ  context  を掴んで意味を把握する必要があります。


*同様に、must の否定表現も  must の持つ意味を考えて作出する必要があります。


*他の法助動詞と異なり、時制表現(過去形)を持たない、否定表現形態が別の表現となる、など特有の複雑さを持つ  must  ですが、慌てずに例文と共に用法を覚えるのが最善です。


*will  と  be  going  to  の並列同様に、must  と  have  to  も並立しますが、2つには意味合いの違いが存在します。各々英語の歴史的経過に伴い派生した表現ですが、ここにも、英語なる言語の裏表が出て来ます。




deductions  and  conclusions

推論+結論の  must


*事実に基づいて強力に推論したり結論する場合に  must を利用します。(〜だから)〜に違いない

*事実に基づかない推論は、〜かも知れない、〜の可能性がある、となり、must ではなく  may,  might,  can を利用します。


[fact] He’s so small.

(事実)この子はとても小さい。


[deduction/conclusion] He must be no  more  than  four  years  old.

(推論/結論)この子は4歳以下に違いない。



It must be a difficult exam; only 10% of  candidates  pass.

 それは難しい試験に違いない。応募者のたった10%しか受からないし。


You know only 10% of candidates pass.  (fact)

 応募者のたった10%しか受からないことをあなたは知っている。(事実)


This makes you sure that it's a difficult exam.  (deduction/ conclusion)

 これがそれが難しい試験であるとあなたに確信させた。(推論/結論)



[Two teachers talking about a student]

2人の教師がある生徒について語っている:

A: He falls asleep in class every morning. (fact)

 彼は午前中毎日授業中に居眠りする。(事実)

B:  He must be out late every night or  maybe  he  works  at  night. (deduction/conclusion)

 彼は毎夜外遅くに外出しているに違いない。或いは多分夜働くのかもしれない。(推論/結論)



I can see the ground wet. (fact)

 地面が濡れているのが見える。(事実)


It must have rained last night. (deduction/conclusion)

 昨晩雨が降ったに違い無い。(推論/結論)


It may have rained last night.

 昨晩は雨が降ったのかも知れない。(弱い推論)


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Harry's been driving all day - he must be  tired.

 ハリーは一日中運転して来ている。疲れているに違いない。


There's no food left - we must have eaten  it  all.

 残された食料は無い。我々は皆食べてしまったに違い無い。


When you got lost in the forest you must have been  very  frightened.

 君が森の中で迷子になった時には君はとても驚いたに違い無い。


"You must know Frank." "No, I don't."

 君はフランクを知っているに違い無い。いいや知らないよ。


There must be a phone directory in the office  somewhere.

 事務所のどこかに電話帳があるに違い無い。


There's water on the floor - we must have a leak.

 床の上に水がある。漏れが有るに違い無い。

 

Try to imagine what life must have been like  for  Neolithic  man  10,000  years ago.

 1万年前の新石器人にとって人生とはどの様なものだったに違い無かったのか想像してみなさい。


The letter must have gone astray in the  post.

 その手紙はポストの中で迷子になったに違い無い。





注意:


*何かを否定する、或いは否定の推論/結論を行う為には must の否定形として mustn't  を用いずに can't/ cannot を利用します。〜の筈が無い。


*短縮形 mustn't はこの意味で利用出来ない(禁止、〜してはならない、の意味になる)が、must not は使える、との解説動画 (Oxford Online English) も存在します。揺れ動きが見られる模様です。 must  +  (not 以下) と考えれば、否定内容をそうに違いないと主張することになりますので、〜で無いに違い無い→〜の筈が無い、としても良さそうですが、初学者に対しては混乱をもたらしそうに感じます。


*must not が禁止を表すのか、〜の筈が無い、を表すのかは前後の流れ  context  から判断するしか有りませんね。


It just can’t be true. He can’t have left his  job.

 それは絶対に真実の筈が無い。彼が仕事を止めてしまった筈が無い。


cf.  just  can't

 絶対に〜出来ない、あり得ない

 

cf.  can't  just

 簡単には〜できない、〜で済む話しでは無い

 

That cannot be his sister. She looks so  different.

 あの人は彼の姉妹の筈がない。見た目がとても違ってるもの。


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*過去の推論/結論を行うには  must  have  +  ed  form 〜だったに違いない、を、また過去の否定の推論/結論を行う為には can’t  have  +  ed 〜だった筈が無い、の形を使います。


A: I called you yesterday around three  o’clock  but  you  must  have been out.

B: We must have been in the garden. That’s  a  pity.

 昨日の3時頃に電話したんだけどあなたは外出してたに違いないわね。

 僕らは庭にいたに違いない。それは悪かったね。


A: I spent a month in hospital before  I  was  able  to  walk

B: That can’t have been easy for you.

 歩ける様になるまで僕は病院で一ヶ月を費やしたよ。

 それはラクだった筈はないわね。



They must have been on the subway. I  couldn't  get  through  on the phone.

 彼らは地下鉄に乗っていたに違い無い。僕は電話出来なかった。


They can't have been on the subway. I  could  get  through  on the phone.

 彼らは地下鉄に乗っていた筈が無い。僕は電話出来たし。


cf. get  through

phrasa l verb

to  succeed  in  talking  to  someone  on  the  phone:

 電話で相手と話すのに成功する、電話が通じる


I tried to call her but couldn't get through.

 彼女に電話しようとしたけど通じなかった。


I got through to the wrong department.

 僕は間違った部署に電話が通じた。(交換手が間違えた可能性)


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*会話に於いては相手の発言へのリアクションとして That  must  be や That  must  have  been の表現が極めて頻繁に用いられます。

A: She lives in Thailand now.

B: That must be amazing!

 今彼女はタイに住んで居るんだ。

 そりゃ素晴らしいに違い無いね。


A: Twelve years ago Kevin and I went on a  six-week  camping  trip.

B: That must have been fun.

 12年前にケビンと私は6週間のキャンプ旅行に行ったのよ。

 それは楽しかったに違いないわね。


cf. that は直前に述べられた文内容を示す代名詞ですが、 that  が本来遠いモノを指すのに対しthis が近いものを指す代名詞である事を考えると、頭の中に一度納められた<想念、情報、発言>は、遠い距離にあるもの、として英語では扱われることが理解出来ます。




obligation  and  necessity

義務と必要性の must


*must は強い義務と必要性を表します。〜せねばならない


I must talk to you about the new project.

 私は新事業計画について君に話さなくてはならない。


Seat belts must be worn even in the back of  the  car.

 車の後部座席にいる時にさえ、シートベルトは装着されねばならない。


There must be a minimum of two members of  the  company at  the meeting.

 その会合に際しては最低社員2名が出席せねばなりません。


We must get someone to fix that wheel.

 我々は誰かにそのタイヤを修理して貰わねばならない。


cf. get someone to do 誰かに〜して貰う

= have someone do


I must do some ironing tonight.

 私は今日は幾らかアイロン掛けをしないといけない。


Food must be heated to a high temperature to  kill  harmful  bacteria.

 食べ物は有害細菌を殺すために高温に加熱せねばなりません。


formal

Must you leave so soon?

 あなたはそんなに早く発たねばなりませんか?





注意:

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*must には過去形が無く、過去に於ける義務と必要性について語る時には must ではなく、had  to を使います。


*must have + ed とすると、これは過去への推論、結論、〜だったに違い無い、の意味になってしまいます。



◯ By the time we got back to our bikes, it was  dark  and  we  had  to cycle home in the dark without any lights …

 僕らが自転車のところに戻った時までには空は暗く、暗い中を無灯火で家まで漕がねばならなかった。


×: … it was dark and we must cycle home in  the  dark …


◯ Last year, teachers had to make a report  on  each  child  every week.

 昨年教師等は毎週各子供に関する報告を行わねばならなかった。


× Last year, teachers must make a report …


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*フォーマルな流れで他の者の考えや発言を報告する際には、過去に於ける未来表現として must を使います。

*間接話法では主節動詞が過去時制でも must のままで良い、との話です。


The pain was back in full force, but she  knew  she  must  not  give in to it. She must go on day by day.

 痛みは最強レベルでぶり返したが、彼女はそれに屈してはならないことが分かっていた。日々邁進せねばならなかったのだ。

 (過去の状況ですが、must を過去表現として利用します。) 関節話法ですが括弧で括られた直接話法と同じ表現となると考えて下さい。


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*未来の義務、特に未来の特定の時点に於ける義務について話す時には、must では無く will  have  to  を利用します。


He’ll have to wait five weeks for his eye  operation.  Then  he’ll  have to have both eyes operated on.

 目の手術の為に彼は5週間待たねばならない。その次に彼は両目をオペして貰わねばならない。


cf. wait + 時間+ for で、〜を〜の間待つ、の表現になります。時間を表す名詞の前に for を付けないことにご注意下さい。詰まり表現としては〜のために〜時を待つ、との、時間が wait の目的語になっていると見做せます。或いは、名詞部分が副詞として機能している、とも考える事も出来ます。



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*一般的な未来に言及する時、時に話し手が義務について話す時には、must を通常使います。

*即ち、〜せねばならない、とは未来に於ける義務目標ですから、元々 must には未来の意味が含まれている訳です。


The Prime Minister must decide in the next  month.

 首相は来月決定せねばならない。


I must try harder next time.

 僕は次回はもっと頑張らないと。


I must pop round one evening next week.

 僕は来週は一晩顔を出さねばならない。


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*義務が無いことを話す時には、need  not,  don’t/doesn’t/didn’t  have  to  或いは don’t/doesn’t  need を用います。


You needn’t worry about it. I’ll take care of it.

 それについて君は心配する必要は無いよ。僕がそれの面倒をみるつもりだ。

= You don't have to worry about it. I’ll take care of  it.

= You don't need to worry about it. I’ll take care of  it.


cf. take care of = nurture, care for, look after








法助動詞 modal verbs と関連表現I




2023年1月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第10回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://grammar.collinsdictionary.com/english-usage/what-is-the-difference-between-can-could-and-be-able-to

https://www.grammarbank.com/can-cant-esl.html




could


注意と補足事項

*これまで述べて来たことの注意点と要点を纏めます。


*過去に起きた1つの出来事(実際に〜出来た、し終えた、実現出来た、遂行出来た)の動作(動作の遂行)について語る際には通常 could は使いません。

*但し、感覚動詞 (feel, see, hear, touch, smell など)並びに精神作用の動詞(think, believe, understand など)については例外となります。


*実際の過去の出来事について〜出来たと話す時(肯定文)には、通常 was/were able to (〜する事が出来た)或いは manage to (何とか〜出来た)を使います。これらは〜できたとの事実を述べる表現です。

*could を使うと現在の可能性(出来るのだが、かも知れない)を意味してしまうからです。意味の混乱を避けるべく使い分けしようとの方針なのでしょう。

*一方、出来なかった、には couldn't がそのまま利用出来ます。


*この様に過去の出来事を語る法助動詞と仮定を表す法助動詞の区別が無く兼用しているところが、英語なる言語の非合理なところですね。

*結局慣用的な文例パターンと前後の context 流れ、とから、どちらの意味で使われているのか判断する必要があり、幼少から慣れ親しんだ native speakerにはスンナリ理解出来ても、英語を新たに学習する non-native には混乱を来します。


◯ I was able to/managed to buy a wonderful bag to  match  my  shoes.

 私は自分の靴に合う素敵な鞄を買えた/何とか買えたわ。


× I could buy a wonderful bag to match my  shoes.

 (条件が満たせば)私は自分の靴に合う素敵な鞄を買えるのだけれど。(現在の仮定、謙譲表現)


◯  I couldn't buy a wonderful bag to match my shoes.

 私は自分の靴に合う素敵な鞄を買えなかった。(過去に出来なかったこと)



◯ We hired a car and we were able to/managed to  drive  1,000  miles  in one week.

 ぼくらは車を借りて1週間で1000マイルドライブ出来たよ。


× We hired a car and we could drive 1,000 miles  in  one  week.

 ぼくらは車を借りた。1週間で1000マイルドライブ出来るのだけど。

 (文法的に意味が通らない表現になります)


◯ We hired a car but we couldn't drive 1,000 miles  in  one  week.

 ぼくらは車を借りた。でも1週間で1000マイルはドライブ出来なかった。




could の総復習

以下用例ごと頭に入れて下さい。


Ability

 過去に於ける能力

We use could to talk about past ability:

*could は過去の能力について話すのに利用出来ます。


When I was young, I could easily touch my  toes.

 若い時には、私は楽に前屈み出来たんだ。


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Possibility

 過去に於ける可能性

We use could have + -ed form to talk about  possibility  in  the  past:

*could + 完了形で過去の可能性について話すのに利用出来ます。


I could have been a lawyer.

 僕は法律家になれたのだが。(過去に於いて実際にはそうでなかった)


I could be a lawyer.

 僕は法律家になれるのだが。(現在または未来についての不確定な事実)


I can be a lawyer.

僕は法律家になれる。(現在または未来についての確信)


They could have taken a taxi home instead  of  walking  and  getting wet.

 歩いて濡れる代わりに彼らはタクシーに乗り家に帰ることも出来たのだが。


Janette couldn’t have done any better.

 ジャネットはそれ以上上手くは出来なかっただろう。


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Guessing  and  predicting: couldn’t  as  the  negative  of  must

must の否定形としての推測、予見の couldn't


*現在或いは未来の何かを推測したり予見する時には、must (〜に違いない)を使いますが、その否定表現としてcouldn't (〜の筈がない)を利用します。

過去の推測  must + have + -ed  (〜したに違いない) の否定表現として、couldn’t have + -ed  (〜した筈が無い、あり得ない) を使います。

*これをmustn't + have + -ed とすると、過去に於ける禁止命令 (〜してはならなかった) を表し、別の意味になってしまいます


She must have made a mistake. It couldn’t be  true.

 彼女はミスをしたに違いないよ。それが真実な筈が無い。

⇔ She couldn't have made a mistake. It must be  true.

彼女がミスをした筈はない(あり得ない)よ。それは真実に違いない。


×She mustn't have made a mistake.

 (彼女はミスをしてはならなかった、の別に意味になります)


A firework couldn’t have done all that damage.

 1本の花火が全ての損害を与えた筈はない。(not...all で部分否定、全部が〜と言う訳では無い)


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Could  +  smell,  taste,  think,  believe,  etc.

could  +  感覚動詞、精神活動の動詞の組み合わせ

*could は感覚動詞  (smell,  taste,  see,  hear,  touch,  etc.) 並びに精神活動の動詞  (think,  believe,  remember,  understand  etc.) を伴い、過去の1つの出来事 (〜出来た)を表します。


The food was terrible. I could taste nothing  but  salt.

 その食べ物は非道かった。塩味だけを味わう事が出来た。

→非道い食べ物で、只しょっぱかっただけだぜ。


We knew they were in there. We could hear  voices  inside.

 彼らがそこに居ると我々は知っていた。中の声を(中に声がするのが)聞けたからだ。


*inside = in the room, in there の意味ですが、We  could  hear  voices  inside the room. の the room が省略された、名詞 voices に掛かる後方修飾の形容詞と考えると妥当です。inside を副詞と考えると。動詞 hear に掛かりますが、そうするとその内部に我々が居て声を聴いた、の意味になってしまいます。



He came and spoke to me, but I couldn’t  remember  his  name.

 彼は僕に話しに来たけれど、僕は彼の名を思い出せ無かった。


cf remember

 思い起こす(動作)と覚えている(状態)の2通りの意味が有りますが、ここでは動作の方の意味です。


これに対して

cf.recall の方は、

to bring the memory of a past event into your  mind:

過去の記憶を思い出す、思い起こす、ですので状態では無く動作に傾いた動詞ですね。

I can vividly recall our first kiss.

 ファーストキスを生々と思い起こせるよ。

[ + that clause ] He recalled that he had sent the l etter  over  a month ago.

 彼女に一月前に手紙を出したことを彼は思い出した。

[ + question word ] Can you recall what happened  last  night?

 昨夜起きたことを思い出して下さい。(can you で他人への依頼表現)




could の総復習(つづき)


以下用例ごと頭に入れて下さい。


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Reporting  can

報告内容の時制の一致としての could

We use could when reporting clauses  with can  as  past  events:

 過去の出来事を報告する時に could を使います。主動詞である報告動詞の過去形に合わせて告げた内容の時制を過去に合わせる用法ですね。


They told us we could wait in the hallway. (The  original  words  were  probably: ‘You can wait in the hallway.’)

 君らは廊下で待つことも出来るよと彼らは我々に言った。

= They told us "You can wait in the hallway."


She said we could book the tickets online.  (The  speaker  remembers  hearing ‘You can book the tickets online.’)

 オンラインで切符を予約することが出来ますよと彼女は言った。

= She said "You can book the tickets online".


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Criticism

過去にそうすべきであったとの批判を表す could

We often use could have + -ed form to  express  disapproval  or  criticism:

*could have + -ed の形で、非難や批判を表明します。〜も出来たろうに


You could have called to say you would be  late.  (You  didn’t  call ? I think you should have called.)

 遅れそうだと君は電話も出来ただろうに。(君は電話しなかったが、そうすべきだった)


You could have tidied your room.

 自分の部屋をきちんとすることも出来たろうに。


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Regret

過去に起こらなかったことへの後悔を表す could

We use could have + -ed form to talk about things  that  did  not  happen  and sometimes to expresses regret:

*could have + -ed の形で、起きなかった事とそれへの後悔の念を表明します。


He could have been a doctor.

 彼が医者だったらなぁ。


I could have been famous.

 僕は有名だったならなぁ。


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Disappointment

*how could you/she/he/they? の表現で他人が過去にしたことへの失望の念をしばしば表明します。良く〜できたもんだな


Grandfather, how could you? How could you  leave  me?

 おじいちゃん、どうしてなの?どうして私を置き去りにしたの?(よくも私を置き去りにできたわね)


How could you have gone without telling me?

 どうして僕に話さずに君は去ってしまったのかい?

 (如何なる方法で君は去り得たのか?→まともならそんな方法は取り得なかった筈だ!→よくもそん事が出来たもんだ!)


We had to give away our dog when we moved  to  England.

 イングランドに転居する時にイヌを人に譲らねばならなかった。

Oh, how could you? 良くそんなことが出来たわね。




おまけ


could を使った idiom

*いずれも informal な表現になります。


could do with sth

informal

If something could do with something, it needs  it  very  much:

 〜がとても必要である

*源義:〜があれば上手く行き得る


This place could do with a good cleaning.

 この場所は良く掃除する必要がある。


You could do with a haircut.

 君は散髪が必要だ。

= You need to have your hair cut.(こちらの cut は動詞原型)

= You need to get your hair cut.(こちらの cut は動詞過去分詞)



could use

to need or want something:

 〜が必要だ、欲しい

*could の request, suggestion 用法の派生でしょう。


I could use some help over here!

 私はこちらでは助けが必要だ。



could care less

not care at all:

 全く気にならない、知ったことでは無い

*源義:より少なく気になり得る


Most fans could care less about how players  behave  off  the field.

 ファンの殆どは選手が試合場から離れてどう振る舞おうか知ったことでは無い。



could have died

infml

felt very embarrassed:

 とても恥ずかしく感じた、恥ずかしくて死にそうだった

*源義:死ぬこともあり得た、死ぬことも出来た


I could have died when my friends saw me  shopping  for  clothes  with my mom.

 僕が母と衣服を買っているところを友人に見られ、僕は死ぬほど恥ずかしかった。


*まぁ、思春期特有の心情ですね。他人に自分の母親を見られたこと、母親の世話を受けているところを見られたこと、の強烈な羞恥心とも言えましょうか。








法助動詞 modal verbs と関連表現H




2023年1月1日

皆様、新年明けましておめでとうございます。KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びに関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第9回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://grammar.collinsdictionary.com/english-usage/what-is-the-difference-between-can-could-and-be-able-to

https://www.grammarbank.com/can-cant-esl.html




could


B (REQUEST)

used as a more polite form of "can" when  asking  someone  to  provide  something or do something:


他人にものを頼む時の can の、より丁寧な表現としての could

 〜して戴けますか?


Could you lend me £5?

 僕に5ポンド貸してくれませんか?


Could you turn that music down a little,  please?

 その音楽を少し音量下げて戴けますか?


Please could you explain why you're so  late.

 どうしてそんなに遅刻したのか説明して戴けますか?


I'm frozen - could you close the window?

 僕は凍えそうだ。窓を閉めて戴けますか?


If you could get that report finished by Thursday  I'd  be  very  grateful.

 もし君が木曜までにその報告書を完成して貰えると僕はとても有り難いのですが。


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cf. grateful

showing or expressing thanks, especially to  another  person:

 特に他の人に対して感謝を示す、有り難い、有りがたく思う

=  thankful


I'm so grateful (to you) for all that you've  done.

 君がしてくれたこと全てにとても感謝しています。

.

After the earthquake we felt grateful to be  alive.

 その地震のあとで我々は生きている事に感謝を覚えました。


I'm just grateful that I'm not still working for  him.

 依然として彼の為に働いて居ないままであることに只もう感謝しています。

 (働いていない状態が過去から継続している)


cf.I'm just grateful that I'm not working for  him  yet.

 彼の為に未だ働いて居ないことに只もう感謝しています。

 (働いていることがまだ未経験である)


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Ben, could you hand round the biscuits?

 ベン、ビスケットを廻して(配って)戴けますこと?


I've got rather a full week next week - could  we  postpone  our meeting?

 僕は来週は一週間全部もの休暇を採る。我々の会合を延期して貰えませんか?

*この rather は、程度を強調する用法で、可なりの、相当の、〜もの、の意味ですが、


cf. rather + a/an + noun の語順を採る事も出来ますし、a  +  rather  +  noun  も取り得ます。

 しかし、限定辞 some, those などを添える場合は、some/  those  +  rather +  形容詞  +  noun  の語順になります。


We had to wait rather a long time. (or, less  common,  We  had to  wait a rather long time.)

 僕らは可なりの長時間待たされた。


He helped her out of rather an  uncomfortable  situation. (or  He  helped her out of a rather uncomfortable situation.)

 相当の不快な状況から彼は彼女を助け出した。


I had some rather bad news today.

 私は今日は可なり非道い知らせを受けました。




could


C (POSSIBILITY)

現在或いは未来に於ける特に軽度の或いは不確かな可能性を表す could


used to express possibility, especially slight  or  uncertain  possibility:

 〜かもしれない、〜はあり得そうだ、〜する可能性がある、出来るかもしれない

= may, might

= It is possible that


A lot of crime could be prevented.

 多くの犯罪は防止出来るかもしれない。

= It's possible that a lot of crime will be prevented.


She could arrive anytime now.

 彼女は今はいつでも到着する可能性がある。。


This new drug could be an important step in  the  fight  against  cancer.

 この新薬は癌への戦いに於ける重要な一歩となる可能がある。


Be careful with that stick - you could have  hit  your  sister!

 その杖に気を付けて。君の姉妹に当たったかも知れない。


Passengers could face long delays.

 乗客は長時間の遅延に遭う可能性があります。


The temperature could fall below zero overnight.

 夜通し温度が氷点下に落ちる可能性があります。


Anything could happen in the next half hour.

 次の30分後に何かが起こるかも知れない。


It is not inconceivable that she could be lying.

 彼女が嘘を衝いている可能性は想像出来なくも無い。


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cf. inconceivable

1. impossible to imagine or think of:

 想像出来ない、考えることが出来ない

The idea that they might not win was inconceivable to them.

彼らが勝利しないかもしれないとの考えは彼らには想像出来なかった。


It would be inconceivable for her to change her mind.

 彼女が決心を変えることは想像出来ないだろう。


2.extremely unlikely:

 全く起こりそうもない、殆どあり得ない

Another nuclear accident in the same place is virtually/almost  inconceivable.

 同じ場所での別の核事故は殆ど想像出来ません。

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You could be the Queen of England, for all I  care  -  you're  not coming in here without a ticket.

 君はイングランド女王なのかもしれない、僕の知ったことではないが(特権でもあるのかい?)。だがチケット無しではここには入れんよ。


cf. for all someone cares/knows

idiom   informal

for all I care

used to say that you are not interested in or  worried  about  what someone else is doing:

 俺の知ったことではないが

= as if I care


cf. You're  not coming in here without a ticket.

= You're  not supposed to come in here without a ticket.

現在進行形の否定で禁止(〜するな)を表します。



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確証性と不確証性の表現の違い


It’s blue.

I am certain that it is blue. It’s a fact.

 それは青色です。(それが事実であることを確証している)


It could be blue. (present)

I’m not certain that it is blue.

 それは青色かもしれない。(それが事実であることが不確かである)


The storm will get worse.

I’m certain that the storm will get worse.

 嵐は悪くなるだろう。(そうなることを確証している)


The storm could get worse. (future)

I’m not certain that the storm will get worse.

 嵐は悪くなり得る。(そうなることを確証していない)




could


D used for  making  a  suggestion:

提案する時の  could

 〜しませんか? 〜したらどうですか?


*この用法を知らない日本人が多いのではと思いますが、しっかり学習して下さい。

*源義は、〜出来るのですが、の意味です。これが申し出表現になる訳ですね。


*疑問形にせずとも平叙文のままで提案になります。


We could go out for a drink after work  tomorrow,  if  you want.

 もしお望みなら明日の仕事のあとで呑みに行きませんか?


 同じ意味内容の表現として

Let's go out for a drink after work tomorrow.

Why don't we go out for a drink after work  tomorrow?

How about going out for a drink after work  tomorrow?

 などの提案表現も可能ですが、could を用いるとより丁寧且つ formal に成ります。



You could always call Susie and see if she will  babysit.

 スージーにいつでも電話して彼女が子守りをするのかどうか尋ねたらどうですか?


You could offer to buy her a new one.

 彼女に新品を買おうと申し出たら如何でしょう?


Could you get a bigger house?

 もっと大きな家を買ったら如何ですか?


We could try mending it with glue.

 僕らはそれを糊で修理したらどうだろうか。


I could look after Toby for you.

 君の代わりに僕がトビーの面倒を見ましょうか?


We could have lunch one day.

 いつかランチを食べよう。


I could go as Julius Caesar.

Again? How many times have you done that?

(ハロウィーンで)

 僕はジュリアスシーザーの格好で行くのはどうかな?

 またかい?それを何度遣ったんだい?


I’ve got to be in the meeting at 10 and the train  doesn’t  get  in  until 10.15.

Could you get an earlier train?

 10時に会合に臨んでいる必要があるのに列車は10時15分まで入線しないよ。

 早い列車にしたらどうだい?


*and は驚きを表します。〜というのに、それなのに




could


E  (SHOULD)

特に怒りの気持を込めて他人が何かをすべきだと言う時の  could


used for saying, especially angrily, what you think  someone  else  should do:

 〜できるだろうが、〜できたろうが


Well, you could try to look a little more  enthusiastic!

 ええと、君はもう少し熱意のあるフリが出来るだろう?


I waited ages for you - you could have said that  you  weren't  coming!

 僕は何年も君を待っていた。君は来ないよと(その時に)言うべきだったと思うが。