英文長文読解 短期集中 個別指導 

KVC Tokyo  英語塾

                               















































































塾長のコラム 2019年4月20日  『参考書の話』







参考書の話




2019年4月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 勉強とは、その根本は個人が自分のペースで着実に課題を咀嚼しながら血肉の栄養とする過程ですので、多人数の塾に通うにせよ、当塾の様な個人指導塾に通うにせよ、最後は自分の勉強のスタイルが構築出来、歯車が確実に噛み合って車体が前に進めるかどうかが鍵になります。

 勉強の遣り方、詰まりは自己鍛錬のノウハウを身に付けた者は、大手の書店や web などで定評ある参考書を入手して自主学習すれば成績は遣っただけ伸びていく筈です。まぁ、弾み車が回り始めているので、少しのエネルギー補填で車輪は回り続ける訳ですね。その様な者は他人の指導を受ける必要性は少なく、時々予備校主催の模試を受けに行き、自己の学力の客観的な位置づけや問題点をチェックする程度で入試も突破出来るでしょう。まぁ、いわゆる試験に強い奴の類いです。

 参考書を吟味して本当に自分の為になるものを見つけられた者は幸せと思います。金銭的負担も掛からずで万々歳です。何も籠もって勉強せずとも、司法試験の勉強会の様に、勉学は基本は個人のものであっても、仲間内のホットスポットに身を置いて倦まず弛まず自分を鼓舞して進める方法も勿論有ります。これにも電車賃とお茶代ぐらいしか要しませんね。







夏目漱石 『三四郎』  Soseki Natsume - Sanshiro

文學ト云フ事 #2

https://youtu.be/JI5duG1GXes


実際の三四郎池や東大構内で撮影されている様に見えます。






 問題は、途中から stray  sheep*) になってしまった者達です。勉強の遣り方が判らないうちに、あれこれ多数の参考書に手を伸ばしたが、遣り果せず、積まれているそれらを見ると精神的に苦しいとの面々です。水に飛び込んだが泳ぎ方 (=勉強法) に習熟せずになかなか前に進めずに、或いは沈みそうになり悪戦苦闘している者達です。あなたがもしそうであればですが、上ずってあれこれ参考書を買い込んだりせずに、まずはヴェテランから効率の良いスマートな泳ぎ方を習うのが最善且つ最短距離です。自己流で状況をなんとか改善しようとしても藻掻くだけで体力を消耗し身体は沈んでいきます。沈まないうちに早めに第三者からの指導や助言を受けるべきで、一度正しい泳ぎ方を身に付ける事が出来れば、効率的に疲れ知らずでスイスイと泳ぎ進める様になります。勿論泳ぐのはあなた自身ですが、こちらは泳法をコーチする側と言う立場です。もし自分の勉強の進め方に疑問を抱いているならコーチに一度見て貰うのも良い方法と思います。相性の良いコーチが見つかると良いですね。参考書を求めるのはそのあとでよいでしょう。当塾での指導を受ける方には、各人に最適な参考書をピックアップする事が出来ます。せいぜいが計数千円以内に収まる程度の市販の参考書ですので負担にはならないと思います。ご自身でアマゾン等に発注してお買い求め下さい。



*) 『三四郎』 夏目漱石


「迷子」

 女は三四郎を見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。

「迷子の英訳を知っていらしって」

 三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬほどに、この問を予期していなかった。

「教えてあげましょうか」

「ええ」

「迷える子 ストレイシープ――わかって?」

 三四郎はこういう場合になると挨拶に困る男である。咄嗟の機が過ぎて、頭が冷やかに働きだした時、過去を顧みて、ああ言えばよかった、こうすればよかったと後悔する。といって、この後悔を予期して、むりに応急の返事を、さもしぜんらしく得意に吐き散らすほどに軽薄ではなかった。だからただ黙っている。そうして黙っていることがいかにも半間であると自覚している。

 迷える子という言葉はわかったようでもある。またわからないようでもある。わかるわからないはこの言葉の意味よりも、むしろこの言葉を使った女の意味である。三四郎はいたずらに女の顔をながめて黙っていた。すると女は急にまじめになった。

「私そんなに生意気に見えますか」

https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/794_14946.html


 三四郎が淡い恋心を抱く里見 美禰子(みねこ)は婦人運動家平塚雷鳥がモデルとされます。三四郎が帰省している間にスルリと嫁いでしまいます。