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塾長のコラム 2019年12月5日  『アングロサクソン人とはA 言語文化







アングロサクソン人とはA 言語文化



2019年12月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 アングロサクソン人とは何者なのか、どこから遣って来てどんな言葉を話していたのでしょうか?

 この話の第2回目です。



 引き続き、以下のサイト群を参考にして話を進めます。

https://www.bl.uk/anglo-saxons/articles/who-were-the-anglo-saxons

British Library Who were the Anglo-Saxons?

Article written by: Julian Harrison


https://www.bl.uk/anglo-saxons/articles/who-were-the-anglo-saxons

British Library

Who were the Anglo-Saxons?

Article written by: Julian Harrison


https://ja.wikipedia.org/wiki/アングロ・サクソン人


https://en.wikipedia.org/wiki/C%C3%A6dmon%27s_Hymn


https://en.wikipedia.org/wiki/%C3%86thelstan

https://ja.wikipedia.org/wiki/アゼルスタン_(イングランド王)


https://ja.wikipedia.org/wiki/リンディスファーン島









なぜアングロサクソン人はアングロサクソンと呼ばれるのか?




 アングロサクソン人は自身をアングロサクソンどは呼びませんでした。この用語は8世紀になり初めて使われましたが、それはブリテン島に住むゲルマン語話者をヨーロッパ大陸のゲルマン語話者達と区別する為の用語でした。


 786年に、オスティアの司教ゲオルグがイングランドに旅行し教会の会合に参加しましたが、彼はその時のことを教皇に、自分は Angul Saxnia アングルサクスニアに行ってきたと報告しています。今日では、歴史学者はアングロサクソンの用語を、ローマ占領時代とイングランドのノルマンコンクエストの間の時代に言及する時の簡潔な言い回しとして使っています







The Christmas Story in Old English ? Luke Ch. 2 in Anglo-Saxon

2015/12/23 Josh Tyra

The Gospel according to St. Luke, Chapter 2, read in Old English (Anglo-Saxon)by Joshua

Tyra. This is a late 10th- or early 11th-century translation, traditionally calledthe Wessex

or West Saxon Gospels, in an 11th-century manuscript known as the Bath OldEnglish

Gospels (CCCC MS 140). Special thanks to the Master and Fellows of CorpusChristi College,

Cambridge, for their permission to reproduce images of CCCC MS 140, nowhoused in the

Parker Library. To learn more about the Library's manuscript digitalizationeffort in

partnership with Stanford University, visit the Parker Library on the Web

(https://parker.stanford.edu?). Modern English narration by George Gibb.

https://youtu.be/XOfvCN_F5cg


West Saxon Gospels と呼称される10世紀後期〜11世紀初頭に(当時の英語に)翻訳された

ゴスペルですが、近代英語とは似ても似つかず、ゲルマン語の方言そのものに聞こえます。近代

英語とはこののちに随分と烈しい変容を受けて出来上がった言語となりますね。こに対し日本語

だと1000年前のものでも高校生が古文の学習で<翻訳>し得る程度の変化に留まり、言語と

しての安定性が高いですね。以前紹介したフリージア語と類似している様に聞こえますか?





Wikipedia contributors, 'Cadmon's Hymn', Wikipedia, The Free Encyclopedia,

14 June 2019, 04:26 UTC, <https://en.wikipedia.org/w/index.php?

title=C%C3%A6dmon%27s_Hymn&oldid=901768985>

[accessed 19 November 2019]


Caedmon's Hymn の一節。古英語のノーザンブリア方言で書かれていますが

現代英語とは似ても似つきません。別の言語の域にあります。






アングロサクソン人は何語を喋っていたのか?



 アングロサクソン人は我々が今日知る古英語 Old English を話していましたが、近代英語の祖先に当たります。例えば古フリージア語、古ノルウェー語、古高地ドイツ語と言った他のゲルマン諸語とは最も近い親戚関係にあるのです。


 イングランドのアングロサクソン人に拠るアングロサクソン語の文献が遺っていますが、West  Saxon, 西サクソン、Northumbrian ノーザムブリア、またMercian. マーシアと言ったイングランド内の異なる地域で異なる方言が話されていたことが分かっています。最古の英語詩である Caedmon’s Hymn (658 -680 年頃に編纂された)はイングランドのノーサンブリアンの方言で編まれています。


 イングランドのアングロサクソンでは、或る特定の個人に於いては数多くの他の言語が話され理解もされていました。これにはラテン語(教会の言語並びに学習言語)。ギリシャ語、コーンウォール語、アイルランド語(アイルランド語は初期の数多くの伝道師の言語でした)

 9世紀に始まるイングランドへのバイキングの侵入の時から、イングランドの北部並びに東部の多くの地域にわたり、古ノルウェー語が話されましたが、これは現在まで遺る多くの地名からも明白です。例えば、近代のヨーク York はスカンジナビアの名前、ヨーヴィック Jorvik に由来しています。


 遺された英語の古文書を見ると塾長は1語も読めません。上代語である万葉集 (630?- 759年までの約 130年間の歌が収録)や古事記 (和銅 5年 712年 に太安万侶が編纂し元明天皇に献上)をひらがな表記にすれば、大方の意味が掴めますが、この様に考えると日本語は大して変遷もしていない言語だなぁと感じてしまいます。近頃の日本語が乱れてケシカラんなどと、いわゆる文化人らが悲憤慷慨しますが、いや実は揺るぎない背骨を持った言語の様です。







https://www.bl.uk/britishlibrary/~/media/bl/global/dl%20medieval/collection%20items

/beowulf-cotton_ms_vitellius_a_xv_f132r.jpg

Beowulf is the longest epic poem in Old English, the language

spoken in Anglo-Saxon England before the Norman Conquest.


ノルマンコンクェスト以前の古英語で書かれた最長の叙事詩 Beowulf。

1000年前の平安時代の日本語ならわりかしスイスイ読めて意味も

掴めますが、古英語と現代英語の乖離が大きく、記された文字の

形態のみならず文の構造が理解出来ません。別人の言語と言っても

良さそうに感じますが皆さんは如何でしょうか?






アングロサクソン人は読み書き出来たのか?



 イングランドのアングロサクソン人の読み書き能力のレベルは後の世紀のものほど高くはありませんでしたが、アングロサクソン人社会の数多くの者達は読み書きが出来ました。1100年以前に書かれ或いは所有されたほぼ1000冊に達する書物が、数百の書類(羊皮紙1枚に書かれたもの)と共に現在まで遺っています。

 これら書籍や書類には、


 宗教目的で作られた写本 (聖書、詩編、祈祷書)


 聖人の生涯並びに伝記 (Asser に拠る『アルフレッド王の生涯』の類例無き中世写本は残念ながら1731年に焼失しました)


 修道士の記録 (例えば Ely の農作業雑録)


 などが含まれます。


 英語の最も偉大な叙事詩の1つである Beowulf の類例無き写本が遺されていますが、これは西暦1000年頃に写されたものです。ノルマンコンクェスト以前の古英語で書かれた最長の叙事詩となります。


 イングランドのアングロサクソン人のラテン語学習熱は、Aldhelm 並びに Bedeなどの著作者に例示されますが、 Theodore 大司教(669−690)が7世紀にカンタベリーに設立した学校に拠っても示されます。


 ウェセックスのアルフレッド王 King Alfred of Wessex (871−899)は、9世紀にラテン語学習の低下について問題視し、それに対応せんと重要ラテン語を古英語に翻訳する制度を制定したのです。