英文長文読解 短期集中 個別指導 

KVC Tokyo  英語塾

                               




























































































































































































































































































塾長のコラム 2020年1月5日  入試英文を添削する@







入試英文を添削する@




2020年1月5日

  皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 新年明けましておめでとうございます。本年も本コラムを利用してどうぞ勉強を進めて下さい!

 英語の成立に纏わる話題をあと数回述べる予定でいたのですが、入試も近づいて来ましたので、6回に亘り、入試英文に関する話題を押し込むことにしました。皆様のカンフル剤となれば幸いです。

 さて、普段一般的な英語の文章を多読している塾長からすると、大学入試の英語文に触れてギョッとなることがそこそこあります。意味は通るが木に竹を接いだ様な聞き慣れない表現であったり、鹿爪話を述べる評論文の筈が表現が非常に稚拙だったりもします。一つには、 native  speaker には通りの良い英文だと却って出題の意図に沿わず、敢えて入試問題のレベルに加工する(劣化させる?)過程でちぐはぐな表現、子供じみた間延びした英文になってしまう可能性もあるでしょう。出題する側も色々と大変ですね・・・。言い換えれば、試験用にあれこれ加工してある英文でもありますので、英文としてお手本とすべき文章とは別個のものと考えても良いでしょう。

 英文長文読解の参考書の内、定評あるものをアマゾン通販から購入して紐解いてみましたが、解説者はそれらの入試英文をカッコで要素を括って分解し、どの要素がどこに掛かるのだとまでは、恰もパズルを解くが如くに、親切丁寧には教えてくれますが、「一流大にも拘わらずこのような英文で出題するとはケシカラン」とはけして主張はしません。大手予備校の講師がその様な参考書を執筆している訳ですが、彼らは過去の出題傾向を把握、分析し、どの様な解法でアプローチすれば入試英語は突破出来るとの当然ながらのスタンスに立ちますので、日本の大学の入試問題以外の英文を浴びる経験が少ない可能性もあるでしょうし、また<貴大学の入試英語は良くない>とクレームを付ける訳にも行かない立場にもありましょう。

 内容的にはそこそこ優れていますので、一定以上の実力を既に備えて居る受験生はその手の参考書を購入してせっせと自己勉学に励めば、格安で大学合格の栄冠を勝ち取ることが出来るでしょうね。塾を開設している身ですが、勉学自体にはお金を掛けず、世に出ている資材を上手く利用するのがキモと考えます。時に自分の泳法を見て貰うためにプロの水泳指導者に助言を貰うのも有益ですが。最先端の資料と資材が必要な研究活動には勿論ゼニを惜しんではなりません。

 当塾は大学入試のみに特化したスタンスには無く、それを超えた英語読解力のレベルアップを目標にしていますので、その様な制約無く、入試英文も一つの英語の文章として、まだしも公平な観点から扱う事が出来ます。

 以下、過去問となりますが具体例を挙げながら入試英文を<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。


利用した辞書サイト:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/







植木等 "ハイそれまでョ" (1962, Toshiba  EMI,  Japan)

2013/12/21  GoodJapaneseMusic

植木等主演映画『ニッポン無責任時代』主題曲。

シングル盤「無責任一代男」B面に収録。 作詞:青島幸男

https://youtu.be/8w-6uPw0TZY


<てなこと言われてその気になって> どなたか歌詞を英訳してください!


30年程前でしたが、正月の深夜TVにクレージーキャッツの映画とフランキー堺の

駅前シリーズの映画が連日続けて放送され、腹を抱えて見ていました。






Frank talks between an adolescent and  his  parents  often  reveal that  the adolescent is basically willing to rely on his  parents for protection in  many  situations.

(日大)


 言いたい事は、

「若者と両親との間で歯に衣を着せない遣り取りをすると、基本的には若者が自分を様々な状況で守る様に両親に依頼する気持でいることがしばしば明るみにされる。」 


 まぁ、親には反抗的な態度を取っても、独立して自身の身を守る力量無く、基本は親に守って貰いたいと虫良く?依頼する積もりでいる、との訳ですね。若者は一丁前に巣立つ前の半独立的な状況に有る、とのもっともな論評です。大学入試に当たっても、受験に掛かる費用、大学の授業料、生活費などを全て自前で稼ぐ若者は皆無に近く、当然ながら誰でも親の経済的庇護下に入らざるをえませんね。塾長の場合は、都立高から国立大に進み(当時の授業料は格安だった)、大学の専門学部に進学してのちは授業料免除、大学院は入学金半額免除となり、更には日本育英会から奨学金を貰い(研究職に就いたので返済は免除)、自宅通学の上に家庭教師と塾講師で稼いでいましたので、親にはあまりゼニの負担を掛けずに来れたのが密かな矜持でもあります。只で獣医師になったようなものです。


 年明け早々からの塾長の自慢話はさておきまして!、この英文をまず目のままに読み進めると、Frank さんが何かについてこれから話すのかぁと頭の中で構えますが、<若者と両親との間で>の表現が入り混乱させられます。Frank さんが若者と両親の間に割って入って一体何を話すのかとなります。


 どうやら Frank さんではなく、形容詞の frank (相手が気分を害そうともお構いなしに本音を言う態度、率直)であることが判っても、更にtalk (about  something) between 〜について話を交わす、との表現も見た経験がなくギョッとさせられます。複数人の間で何かを話題にして言葉を交わすのであれば、それは<会話>ですのでそれに適した言葉を使うべきです。


 talk とは一方から他方に話をする動作ですので、talk between 〜の間で話を交わす、は意味は分かりますが真に colloquial (問題なく通用する表現)かどうかですね。同様に、speak  something  between, say  something  between, tell something between なども聞いたことがありません。意味は分かりますが。


 どう言う意図でこの様な入試英文が出題されたのかは不明ですが、日大流のおおらかさ、伸びやかさを逆に感じない訳でもありません。逆に、毎年この問題を出題するのも面白いでしょう。我が校の入試問題をきちんと勉強してくれているな、で得点をドカッと与えると言う次第です。


 実際に

have a frank talk with each  other 互いに打ち明け話しをする

 この様な真っ当な表現もあります。<互いに>とは、f rom  A  to  B  and from B to A の意味になります。


この表現を使えば、


Rewrite その@

When an adolescent and his parents  have  a  frank  talk with each other, it is often apparent that the adolescent is willing  to  rely on his parents for protection  in  many  situations.


 若者と両親が互いに本音を語り合う時には、若者が多くの状況のもとで自分を庇護して欲しい気持でいることがしばしば明らかである。


 これが平易且つ一番良い書き換えに思います。



Rewrite そのA

 受け身型にせずに、そのままの形で、Frank  が人名では無い事をまず明確に示すためには以下に取り敢えず書き換えます。


A frank talking between an adolescent  and  his  parents  often reveals that the adolescent is willing to rely on his parents  for  protection in many situations.



 意味は通じますが talk between の表現にまだ幾らか疑問が残ります。


 そこで

Rewrite そのB


An honest conversation between an  adolescent  and  his parents often reveals that the adolescent is willing to rely on his  parents for protection in many  situations.


 若者と両親との忌憚のない会話のなかで、若者が自分を様々な状況で守って呉れる様に両親に依頼しようとする態度がしばしば明るみにされる。

 としてみました。


* honest = frank です。誠実な、の意味では無く、率直な、自分に正直な、の意味になります。会話でも to be honest, honestly (ぶっちゃげた話だけど)が頻用されます。


 ちなみに 

be willing to do

= disposed or consenting, inclined, prepared

= willingly

 その気になっている、気持が傾いている、準備が出来ている


I am willing to overlook your mistakes.

 君の過ちを大目に見ようかとの気持になっている。


反対語

 be unwilling to do

 be reluctant to do

= unwillingly, reluctantly

〜しようとの気持になれない


 I am unwilling to help them.

 I am reluctant to help them.

 彼らを助けようとの気持になれない。