英文長文読解 短期集中 個別指導 

KVC Tokyo  英語塾

                               



































































































































































塾長のコラム 2020年6月20日  思考連結詞@







思考連結詞@




2020年6月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の内の接続詞としての機能を持つ言葉について扱います。

 文章と文章とを円滑に、段差無く繋ぐ為の言葉として、1987年に Deborah Schiffrin 女史が Discourse markers 談話標識なる概念を提出しましたが、これは言語学と社会学との学際的な考究に立つものでした。その後に、より言語学に近い立場の考究が他の者らにより引き継がれて来ていますが、本コラムではその様な一群の言葉のなかでも特に明確な意思の方向付けを示す言葉を思考連結詞の名の下に扱う事にします。これらは後ろの方の文章全体に掛かる独立した性格の強い一種の副詞的接続詞とも言えるでしょう。日本語でも、<従って、ところで、そんな塩梅で、こういう訳で、更に>などの接続句を用いて文章或いはスピーチの流れを相手に対して分かり易く明瞭に或いは円滑なものとすることが出来ます。<次に私が述べることは思考の流れの中で斯く斯く然々となります>、とワンクッション入れる誘導役の表現ですね。適宜この様な言葉を利用する事で、明確性以外にも文章やスピーチを引き締まった緊張感有るものに仕上げることが出来ます。これまで扱った、原因、理由、目的を表す表現も実は思考連結詞と言えます。逆に、この様な言葉を利用せずに文章を続けると意味を把握するために読み手側に余計な負担を掛けると同時に誤解を招く事態にもつながりかねません。木に竹を接いだ様な連続性の悪い文章となってしまいます。数学のような厳密な証明的論考の中で、∴ゆえに、などの記号を用いますが、これも思考連結詞と言えるでしょう。

 女流のエッセイストなどが、文章中からこの様な一種の接続詞を排除することが文章作成の要などと主張しますが、塾長にしてみれば、そんな背骨の通らない文章作成を最初から勧めるから相手に対して明確な意思表示が出来ず、外交関係でも相手に言いくるめられてしまうのだがと反論したくなります。<ええっと>などは省略しても構いませんが、話の筋や展開を明確に示す論理接続語までカットする事は良くありません。その手の文章は「雰囲気」だけの散漫な文章になりがちです。学究生活や文筆生活などを通じて明確且つ informative な和文作成の経験を既に積んだ者は推敲の末に「多すぎる」接続詞を省略しても問題ないとしても、心に思い浮かんだままを作文させる様な、意志薄弱な文学もどきの低レベルの作文を、子供達に書く事を許すと確実に頭が悪くなります明確な論理の思考様式が頭の中に育たないからです。まぁ、大仰に言えば日本の国力低下に繋がります。教員の趣味で児童に綴り方コンクールに応募させる様な意味不明のことは直ちに止めさせた方が良いでしょう。

 優れた文学作品とは、実は明確性を内包しつつ、表現技法を通じて芸術としての新たな精神的境地を読者に誘い得るものです。鴨長明や兼好法師は別格として、凡庸な者が<筆のおもむくまま>に文章をしたためても主張の焦点のぼやけた単なる雑文以上の価値は持たないでしょう。

 英語に於いてもこれは然りで、話の流れの分かり難いダラダラした文章を書いたり話したりするのは良いことではありません。思考の流れに明確性や円滑性を与える表現を知っておくと、英文解釈上また英作文上大きな力となります。何よりも自分の思考活動を見直し、主張内容が深まる大きな利点があります。

https://www.friends.ac.jp/about/friends.html

 普連土学園の教育がめざすもの 「国語科とは別に「論文科」を設置し、生徒の発達に応じて「書く力」を養成するプログラムを設定しています。高3では個別に入試対策の論文指導が受けられます。」とあります。塾長は実際の指導方法については全く関知する立場には有りませんが、論文科、即ち論理国語科を別個に設けることを通じて、個人の中に物事を筋道を立てて考え表現し、結果として他を導くことに通ずる創造性をも高められる様にも思います。この様な取り組みが一般化することを願っています。



以下本コラム執筆の為の参考サイト:


https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/


https://en.wikipedia.org/wiki/Discourse_marker

談話標識 (ディスコース・マーカー  discourse marker )

 この用語概念については定義内容もまだ煮詰まっていないように塾長は感じます。


https://dictionnaire.reverso.net/francais-anglais/essay


https://msu.edu/~jdowell/135/transw.html

Transition Words






   

Discourse markers  Deborah Schiffrin

Cambridge University Press, 1987 ISBN 0-521-35718-7

英国アマゾンにて3000円程度で入手しました。





How to write a good essay: Paraphrasing the question

2016/09/13 Learn English with Emma [engVid]

Do you sometimes struggle to begin writing an essay when taking an exam?

Good news! There is an important writing skill that will help you improve your essay

introductions. This technique is called "paraphrasing", and it means rewriting something

using different words. In this lesson, I will teach you how to paraphrase successfully

and how to change essay questions into your own words. These skills are very useful

for university and high school students, as well as any students writing English

proficiency exams like the TOEFL or IELTS.

https://youtu.be/o9aVjBHEEbU


課題に対して自由に論述せよとの設問に対する明確な指導が提示されます。paraphrase

(意味は変えずに別の言葉に変換)し、適宜言葉の品詞や語順を変え、その上で課題、質

問の内容を取り込み、自分の考えをスタートさせる、との技法です。これ以後は<と言うの

は、なぜなら>の語句を使い自分の主張を明確な論理構造で展開して行くことになります。

ちなみに essay (仏語の動詞 essayer 試みるの意に由来)とは、日本語のエッセイ即ち

<気ままに思いつくまでを書く随筆>の意味は無く、課題に対する短い評論、小論の意味

になります。当然、そこには明確な論理的展開が必要です。入試を含めテストの小論文作

成にそのまま生かせる手法で大変有益です。聞き取り易い英語ですが理解出来ましたか?






思考の流れをつなぐ表現



 思考の流れを円滑にし、また思考の方向性を示すための単語やイディオム(慣用表現)としては、例えば以下のサイトを参照して下さい。


https://dictionary.cambridge.org/ja/topics/language/connecting-words-joining-words-or-phrases-with-similar-or-related-meanings/


Linguistics: connecting words joining words or phrases with similar or related   meanings


 詰まりは基本は順接の意味で繋ぐ語ですが、<ええっと>等の、話題をスタートする為の表現も含まれています。


   and and/or anyhow anyroad anyway anyways  consequently ergo hence   hereby I mean idiom indeed ipso facto less let mean moreover much/still  less  idiom  nay never never mind idiom now now then idiom  OK  so sure  sure  enough idiom that is to say ... idiom the thing is idiom then  there  thereby  therefore therein therein lies idiom thing thus well  what's more  idiom  with  that idiom


 など多数が挙げられますが、次回から5回に分けて一通り見て行きましょう。<あのぉ、これに対し、にも拘わらず>などの逆説的な接続用語に関しては、後日、<対照概念を表す表現>のコラムにて扱う予定です。



 また特に学術論文等で多用される<論理接続詞>−思考連結詞の中のエッセンス−については後日例文と共に一括してリストアップする予定です。

 これは、transition words 或いは transitions (転換語)と呼称されるもので、


Additive transitions

  情報を付加する表現(付け加え、紹介、参照、類似、明示)


Adversative transitions

  対立、強調、譲歩、却下、代替えの表現


Causal transitions

  原因、結果、目的、影響を示す表現


Sequential transitions

 順序、余談、話題の再開、要約を明示して文章の流れを明確にする表現


 に分類されています (この分類並びに内容自体、まだ検討の余地がある様に塾長は感じています)が、論拠を立ててなにゆえ自分がその様な考えを持つに至ったかを筋道を立て出来るだけ濁り無く明確に示す文章、詰まり論文を執筆の際には大いに役立つと思います。