英文長文読解 短期集中 個別指導 

must 文法と用法 その1: deduction  obligation

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/
























































































































































塾長のコラム 2023年1月10日 法助動詞 modal verbs と関連表現J






法助動詞 modal verbs と関連表現J




2023年1月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第11回目です。

英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modality

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/must








How  to  Use Must in English - English  Modal  Verbs

2016/06/08 Oxford Online  English

In this  lesson,  you  can learn about the verb 'must'. 'Must' can  have  many

different  meanings  in English. In this video, you can learn about  the  different

meanings  of 'must', and how to use 'must'  in  English.

https://youtu.be/oiIa2nAHkBw


9分以降に  must  の否定表現について解説が為されます。元の must の意味

を考えれば適切な否定表現を選択出来る筈です。初心者には複雑怪奇に

思えるかもしれません。解説者はややクセのある英国英語を話し、幾らか聴き

取りにくい単語があると感じました。


<推量の must 〜に違いない、の逆の表現としては can't 〜の筈が無い、となるが、

mustn't は禁止を表す為使えないが、非短縮形の must not なら、〜の筈が無いの意味

で使える>と解説されています。Cambridge  Dictionary  にこの用例の記載はなく、

Oxford  との間で揺れ動きが見られる様ですね。






must  文法と用法



*法助動詞 must には大きく分けて、〜に違いない(強い推量)、と、〜ねばならない(義務、強制)、の2つの意味用法がありますが、前後の流れ  context  を掴んで意味を把握する必要があります。


*同様に、must の否定表現も  must の持つ意味を考えて作出する必要があります。


*他の法助動詞と異なり、時制表現(過去形)を持たない、否定表現形態が別の表現となる、など特有の複雑さを持つ  must  ですが、慌てずに例文と共に用法を覚えるのが最善です。


*will  と  be  going  to  の並列同様に、must  と  have  to  も並立しますが、2つには意味合いの違いが存在します。各々英語の歴史的経過に伴い派生した表現ですが、ここにも、英語なる言語の裏表が出て来ます。




deductions  and  conclusions

推論+結論の  must


*事実に基づいて強力に推論したり結論する場合に  must を利用します。(〜だから)〜に違いない

*事実に基づかない推論は、〜かも知れない、〜の可能性がある、となり、must ではなく  may,  might,  can を利用します。


[fact] He’s so small.

(事実)この子はとても小さい。


[deduction/conclusion] He must be no  more  than  four  years  old.

(推論/結論)この子は4歳以下に違いない。



It must be a difficult exam; only 10% of  candidates  pass.

 それは難しい試験に違いない。応募者のたった10%しか受からないし。


You know only 10% of candidates pass.  (fact)

 応募者のたった10%しか受からないことをあなたは知っている。(事実)


This makes you sure that it's a difficult exam.  (deduction/ conclusion)

 これがそれが難しい試験であるとあなたに確信させた。(推論/結論)



[Two teachers talking about a student]

2人の教師がある生徒について語っている:

A: He falls asleep in class every morning. (fact)

 彼は午前中毎日授業中に居眠りする。(事実)

B:  He must be out late every night or  maybe  he  works  at  night. (deduction/conclusion)

 彼は毎夜外遅くに外出しているに違いない。或いは多分夜働くのかもしれない。(推論/結論)



I can see the ground wet. (fact)

 地面が濡れているのが見える。(事実)


It must have rained last night. (deduction/conclusion)

 昨晩雨が降ったに違い無い。(推論/結論)


It may have rained last night.

 昨晩は雨が降ったのかも知れない。(弱い推論)


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Harry's been driving all day - he must be  tired.

 ハリーは一日中運転して来ている。疲れているに違いない。


There's no food left - we must have eaten  it  all.

 残された食料は無い。我々は皆食べてしまったに違い無い。


When you got lost in the forest you must have been  very  frightened.

 君が森の中で迷子になった時には君はとても驚いたに違い無い。


"You must know Frank." "No, I don't."

 君はフランクを知っているに違い無い。いいや知らないよ。


There must be a phone directory in the office  somewhere.

 事務所のどこかに電話帳があるに違い無い。


There's water on the floor - we must have a leak.

 床の上に水がある。漏れが有るに違い無い。

 

Try to imagine what life must have been like  for  Neolithic  man  10,000  years ago.

 1万年前の新石器人にとって人生とはどの様なものだったに違い無かったのか想像してみなさい。


The letter must have gone astray in the  post.

 その手紙はポストの中で迷子になったに違い無い。





注意:


*何かを否定する、或いは否定の推論/結論を行う為には must の否定形として mustn't  を用いずに can't/ cannot を利用します。〜の筈が無い。


*短縮形 mustn't はこの意味で利用出来ない(禁止、〜してはならない、の意味になる)が、must not は使える、との解説動画 (Oxford Online English) も存在します。揺れ動きが見られる模様です。 must  +  (not 以下) と考えれば、否定内容をそうに違いないと主張することになりますので、〜で無いに違い無い→〜の筈が無い、としても良さそうですが、初学者に対しては混乱をもたらしそうに感じます。


*must not が禁止を表すのか、〜の筈が無い、を表すのかは前後の流れ  context  から判断するしか有りませんね。


It just can’t be true. He can’t have left his  job.

 それは絶対に真実の筈が無い。彼が仕事を止めてしまった筈が無い。


cf.  just  can't

 絶対に〜出来ない、あり得ない

 

cf.  can't  just

 簡単には〜できない、〜で済む話しでは無い

 

That cannot be his sister. She looks so  different.

 あの人は彼の姉妹の筈がない。見た目がとても違ってるもの。


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*過去の推論/結論を行うには  must  have  +  ed  form 〜だったに違いない、を、また過去の否定の推論/結論を行う為には can’t  have  +  ed 〜だった筈が無い、の形を使います。


A: I called you yesterday around three  o’clock  but  you  must  have been out.

B: We must have been in the garden. That’s  a  pity.

 昨日の3時頃に電話したんだけどあなたは外出してたに違いないわね。

 僕らは庭にいたに違いない。それは悪かったね。


A: I spent a month in hospital before  I  was  able  to  walk

B: That can’t have been easy for you.

 歩ける様になるまで僕は病院で一ヶ月を費やしたよ。

 それはラクだった筈はないわね。



They must have been on the subway. I  couldn't  get  through  on the phone.

 彼らは地下鉄に乗っていたに違い無い。僕は電話出来なかった。


They can't have been on the subway. I  could  get  through  on the phone.

 彼らは地下鉄に乗っていた筈が無い。僕は電話出来たし。


cf. get  through

phrasa l verb

to  succeed  in  talking  to  someone  on  the  phone:

 電話で相手と話すのに成功する、電話が通じる


I tried to call her but couldn't get through.

 彼女に電話しようとしたけど通じなかった。


I got through to the wrong department.

 僕は間違った部署に電話が通じた。(交換手が間違えた可能性)


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*会話に於いては相手の発言へのリアクションとして That  must  be や That  must  have  been の表現が極めて頻繁に用いられます。

A: She lives in Thailand now.

B: That must be amazing!

 今彼女はタイに住んで居るんだ。

 そりゃ素晴らしいに違い無いね。


A: Twelve years ago Kevin and I went on a  six-week  camping  trip.

B: That must have been fun.

 12年前にケビンと私は6週間のキャンプ旅行に行ったのよ。

 それは楽しかったに違いないわね。


cf. that は直前に述べられた文内容を示す代名詞ですが、 that  が本来遠いモノを指すのに対しthis が近いものを指す代名詞である事を考えると、頭の中に一度納められた<想念、情報、発言>は、遠い距離にあるもの、として英語では扱われることが理解出来ます。








Roxette - It Must Have Been Love  (Official  Music  Video)

2009/03/04 Roxette Official  music video for Roxette - "It Must Have  Been  Love"

from  the movie 'Pretty Woman' (1990) 


映画 Pretty  Woman から。リチャードギアがチラと出ていますね。

It  Must  Have Been Love それは愛だったに違いない






obligation  and  necessity

義務と必要性の must


*must は強い義務と必要性を表します。〜せねばならない


I must talk to you about the new project.

 私は新事業計画について君に話さなくてはならない。


Seat belts must be worn even in the back of  the  car.

 車の後部座席にいる時にさえ、シートベルトは装着されねばならない。


There must be a minimum of two members of  the  company at  the meeting.

 その会合に際しては最低社員2名が出席せねばなりません。


We must get someone to fix that wheel.

 我々は誰かにそのタイヤを修理して貰わねばならない。


cf. get someone to do 誰かに〜して貰う

= have someone do


I must do some ironing tonight.

 私は今日は幾らかアイロン掛けをしないといけない。


Food must be heated to a high temperature to  kill  harmful  bacteria.

 食べ物は有害細菌を殺すために高温に加熱せねばなりません。


formal

Must you leave so soon?

 あなたはそんなに早く発たねばなりませんか?





注意:

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*must には過去形が無く、過去に於ける義務と必要性について語る時には must ではなく、had  to を使います。


*must have + ed とすると、これは過去への推論、結論、〜だったに違い無い、の意味になってしまいます。



◯ By the time we got back to our bikes, it was  dark  and  we  had  to cycle home in the dark without any lights …

 僕らが自転車のところに戻った時までには空は暗く、暗い中を無灯火で家まで漕がねばならなかった。


×: … it was dark and we must cycle home in  the  dark …


◯ Last year, teachers had to make a report  on  each  child  every week.

 昨年教師等は毎週各子供に関する報告を行わねばならなかった。


× Last year, teachers must make a report …


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*フォーマルな流れで他の者の考えや発言を報告する際には、過去に於ける未来表現として must を使います。

*間接話法では主節動詞が過去時制でも must のままで良い、との話です。


The pain was back in full force, but she  knew  she  must  not  give in to it. She must go on day by day.

 痛みは最強レベルでぶり返したが、彼女はそれに屈してはならないことが分かっていた。日々邁進せねばならなかったのだ。

 (過去の状況ですが、must を過去表現として利用します。) 関節話法ですが括弧で括られた直接話法と同じ表現となると考えて下さい。


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*未来の義務、特に未来の特定の時点に於ける義務について話す時には、must では無く will  have  to  を利用します。


He’ll have to wait five weeks for his eye  operation.  Then  he’ll  have to have both eyes operated on.

 目の手術の為に彼は5週間待たねばならない。その次に彼は両目をオペして貰わねばならない。


cf. wait + 時間+ for で、〜を〜の間待つ、の表現になります。時間を表す名詞の前に for を付けないことにご注意下さい。詰まり表現としては〜のために〜時を待つ、との、時間が wait の目的語になっていると見做せます。或いは、名詞部分が副詞として機能している、とも考える事も出来ます。



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*一般的な未来に言及する時、時に話し手が義務について話す時には、must を通常使います。

*即ち、〜せねばならない、とは未来に於ける義務目標ですから、元々 must には未来の意味が含まれている訳です。


The Prime Minister must decide in the next  month.

 首相は来月決定せねばならない。


I must try harder next time.

 僕は次回はもっと頑張らないと。


I must pop round one evening next week.

 僕は来週は一晩顔を出さねばならない。


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*義務が無いことを話す時には、need  not,  don’t/doesn’t/didn’t  have  to  或いは don’t/doesn’t  need を用います。


You needn’t worry about it. I’ll take care of it.

 それについて君は心配する必要は無いよ。僕がそれの面倒をみるつもりだ。

= You don't have to worry about it. I’ll take care of  it.

= You don't need to worry about it. I’ll take care of  it.


cf. take care of = nurture, care for, look after