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関係詞15 |
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2025年12月10日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 少し前に分詞構文について解説しましたが、そこでは分詞構文が従属接続詞、等位接続詞、或いは非接続用法の関係詞(=関係代名詞、関係形容詞、関係副詞など)を利用しての書き換えが適宜可能である事を述べました。いずれも1つの文(主文)に対して、別の情報を加える、併記する用法ですが、考えて見ると少なくとも英語とは、ダラダラと何かの文言を付け加えるのが好きな一面のある言語であることが分かります。しかし、人間の脳の認知機能からは一つの発想に対してあれこれ付け加えるには理解の限度が有り、当然乍ら際限なく文言を加えて行くことは出来ません。<節度>が求められると言うことになります。分詞構文についても然りなのですが、複数の文章を<短縮して繋ぎ合わせる>と言葉の経済に資する上に、<何だか端整で知的な雰囲気も纏えて>カッコいい、の発想自体は特に悪いものではありませんが、1つの文にては単純な1つの事実のみを述べるのが矢張り本来のあるべき姿なのだろうと塾長は考えます。複数情報を繋ぎ合わせる際に、主文に対して、どの文言が付け加えの部分であるのかを示す標識、即ちマーカーの類いを接続詞と言うのですが、関係詞はその1つになります。 まぁ、文章同士をくっつけて<関係させる>際に利用される語のことを関係詞と呼称するのですが、広い意味での接続詞の仲間の1つになります。従属接続詞、等位接続詞を利用して付け加える文構造、即ち従属接続節、等位接続節(独立節とも言う)は、飽くまで主文全体に付加情報を与えるものであるのに対し、主文の中の特定の名詞や主文が主張する想念(これは1つのモノ扱いになります)をキメ打ちして追加情報を<貼り付ける>、強い或いは比較的強い接着剤の働きをするのが関係詞です。この意味で形容詞として機能するもの故、関係詞が構成する節、即ち関詞詞節 relative clauses は形容詞節と呼称出来ます。 モノの形容に関してですが、日本語ではモノの形容語句は名詞の前に置く一方、英語では極く短い文言は別として、長い構造は後置修飾させます。これ故、日本語で解釈するには返り点読みを余儀なくされ、特に初学者は頭を抱えるに至りますし、実際そのまま愚直に!訳したところで意味が取れないなどと却って苦情を言われてしまい兼ねません。この返り点読みを止めさせ、英文を語順のままに理解させるべく、巷ではスラッシュリーディング法が良い、同時通訳的者を倣え(これは当塾長の考え)などと主張されますが、要は、そのまま意味を頭に input しつつ英文を読み下すのが合理的だ、との指導法になりますね。 この様な英文解釈、リーディング上の技法面にも触れつつ、関係詞−関係代名詞、関係形容詞、関係副詞などが有ります−を文法面と意味用法面から含めてザッと一通り見て行きましょう。関係詞の構文上の理解は容易ゆえ、個々の用法や注意点を列挙する形がメインとなりますが、これまでの知識の整理がてら読み進めてみて下さい。損はしない筈です。その第15回目となります。 英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/whichhttps://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/whichhttps://en.wikipedia.org/wiki/English_relative_clauseshttps://en.wikipedia.org/wiki/Conjunction_(grammar)#Subordinating_conjunctionshttps://ja.wikipedia.org/wiki/関係詞https://en.wikipedia.org/wiki/Relativizer*これらに引用されている文献を参照すると更に詳細な学説が得られます。https://www.thoughtco.com/zero-relative-pronoun-1692623https://www.thoughtco.com/zero-or-bare-infinitive-1692621『試験に出る英文法』 森一郎、青春出版社、1971年 第4章 関係代名詞・関係副詞 pp.58-78『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第2編文の構造上よりの解釈 第3章2 形容詞節 pp.132-168『チャート式 英文法』 荒木良治、数研出版、昭和62年、第3章 5関係代名詞pp.103-11 第5章 3関係副詞 pp.164-168これらの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。https://en.wikipedia.org/wiki/Reduced_relative_clause |
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縮約関係詞節 Reduced Relative Clauses 2分詞利用の短縮表現が不可の例*関係代名詞を用いてフルに記述した表現の全てが、分詞を用いた縮約形に変換出来る訳ではけしてありません。*以下の注意点を頭に入れて、妙な分詞表現の文を作らないようにして下さい!1. 動作を表す動詞 (active verbs) を用いた現在進行中の動作のみが原則、現在分詞利用表現が可能になります。*即ち、原則、今正に〜しているところだ、の意味の形容表現のみ分詞化が可能です。*逆に言えば、現在分詞利用表現を関係詞利用のフルの文に戻す場合は、動詞を進行形とするのが原則になる訳です。*動詞の現在分詞が第一に進行形で利用される表現であることを考えれば理解は容易かと思います。*過去分詞利用表現をフルに戻す場合は、be 動詞を添える形になります。*以上から言える事は、縮約表現とは、<関係代名詞+be 動詞>をセットにして省略する表現であるということですね。*以下、縮約表現にはせずに、関係詞利用の構文のままで記述して下さい。1a. 日常の反復的動作や習慣については分詞利用表現は行いません。The girl who studies everyday is smart.毎日勉強する女の子は賢い。×The girl studying everyday is smart.1b. 状態を表す動詞 (stative verbs) には分詞利用表現は行いません。*要は進行形が取れない動詞ですね。She is the teacher who knows all the students' names.彼女は生徒全員の名前を知っている先生です。×She is the teacher knowing all the students' names.1c. (既に起きた)単独の或いは突発的な動作に関しては分詞利用表現は行いません。There was a sudden noise that woke me up.突然の物音で私は目が覚めました。×There was a sudden noise woking me up.The boy who won the competition was very young.その大会で優勝した少年はとても幼かった。× The boy winning the competition was very young.---------------------------------------------------------2. 助動詞 do, have 利用の文は分詞利用表現化は行いません。He is the man who doesn't work here.彼はここに勤めていない人物だ。× He is the man not working here.The students who have been working hard can leave early.これまで一生懸命取り組んできた生徒は、早く帰ってもいいです。× The students having been working hard can leave early.---------------------------------------------------------3. 主文の主語と関係詞の主語が異なる時は分詞利用表現は出来ません。There were several bags that we need from the house.家から必要なバッグがいくつかあった。×There were several bags needing from the house.There isn't the exam that I was given before.私が以前受けた試験は有りません。×There isn't the exam given before.---------------------------------------------------------4. 先行詞の前に、first, secongd, third などが付いているときには、to 不定詞は利用出来ますが、分詞は利用出来ません。Diane Nyard was the first person who swam from Florida to Cuba.ダイアン・ナイヤードはフロリダからキューバまで泳いで渡った最初の人物です。×Diane Nyard was the first person swimming from Florida to Cuba.◯Diane Nyard was the first person to swim from Florida to Cuba.---------------------------------------------------------Academic writing に利用される分詞表現*formal な文に於いては、主文の後ろに添える形で、前文の全体或いはその一部内容を先行詞として関係代名詞 which で繋ぐ表現は頻用されますが、which以下を分詞化する表現は、academic writing では紋切り型と言って良い程に頻用される表現です。*但し、学術雑誌に拠ってはこの表現形式を許容していないものも見られます。*一部重複しますが以下をご参照下さい:https://www.kensvetblog.net/column/202506/20250620/疑似分詞構文1https://www.kensvetblog.net/column/202506/20250625/疑似分詞構文2*which の後ろには、indicate, show, mean, suggest, demonstrate, prove などの動詞が利用出来ます。*即ち、result 結果、opinion 意見、meaning 意味合い、evaluation 評価を表す動詞などが多く利用されます。The product sold out quickly, which indicates that it is popular.その商品はすぐに売り切れましたが、これはそれが人気があることを示しています。→これは以下の様に書き換え出来ます。The product sold out quickly, indicating that it is popular.Eveyone finished early, which meant that we ware able to leave on time.皆が早く終えたので、時間通りに帰ることができたと言うわけです。→Eveyone finished early, meaning that we were able to leave on time. |
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wh-/ how Words Followed by Infinitivesto 不定詞を後ろに取る wh-/how*疑問詞を先頭に置いた疑問文の内部を平叙文の順序にすると、名詞節化することが出来ますが、それを疑問詞+to 不定詞の組み合わせに簡略化した用法(名詞句扱いになります)は日常的に普通に利用されます。*これは関係詞の導く節を意味内容を同じままに to不定詞で簡潔に表わす用法とも言えます。*簡略にせずにフルな表現にした方が formal になります。*whether の場合、直前に使用される動詞は、know, explain, understand, decide, ask その他の動詞になります。Sometimes I don't know how I can fit everything into a single day.= Sometimes I don't know how to fit everything into a single day.時々、どうやって一日の中に全てを詰め込めばいいのかわからなくなります。People don't know what to do with their time.= People don't know what they shoud do with their time.人々は自分の時間をどう使えばいいのかわからないのです。I want someone to explain where to go.= I want someone to explain where I should go.誰かに行くべき場所を説明してほしいのです。I wasn't sure where to start.= I wasn't sure where we should start.どこから始めればいいのか分かりませんでした。We don't understand how to start the project.= We don't understand how we should start the project.プロジェクトをどう始めるべきかわからないのです。Do you know who to talk to about his?= Do you know who I can talk to about his?この件について誰に相談すればいいか知ってる?I asked what to do for neck pain.=I asked what I can do for neck pain.首の痛みの対処法を訊きました。I couldn't decide whether to teach on Instagram or not.I couldn't decide whether or not to teach on Instagram.= I couldn't decide whether I should teach on Instagram or not.Instagramで教えるべきかどうか私は決められませんでした。註: why の場合は後ろに to 不定詞を取らずに、原形不定詞を取ります。Why make the effort to learn grammar?= Why should you make the effort to learn grammar?文法学習に努力すべき理由は何ですか?Why not dare to dream beyond what's possible today?= Why should we not dare to dream beyond what's possible today?今日可能な範囲を超えて夢を見る勇気を持てないのはなぜ?----------------------------------------------------------*一方、<先行詞+(関係代名詞や関係副詞)+to 不定詞> の組み合わせの用法は、堅い文語的表現或いは formal な表現にのみ見られ、普段は目にする事は少ないでしょう。*wh-/ how の前に先行詞が存在する事で明らかに関係代名詞用法だと気が付きますが、先行詞が無い場合もあり得ます。*上でも扱いましたが、先行詞が無い場合は、動詞の種類に拠り判断しますが、これは単に文法上の区別に過ぎず、実際には、元が疑問文なのか、元が関係節なのか区別出来ない場合も多いです。*疑問詞が関係代名詞として利用されるに至る中間的な様相を表している姿だ、と考える事も出来ますね。*上にて扱った分詞利用の短縮法と同様に、wh-/how の後ろの主語+法助動詞 (can, could, will, would, shoud) が省略されるパターンになります。*それらの文言を適宜補えば非省略形が容易に再現可能です。Clearly the time had come at which to speak plainly.はっきり言うべき時が明らかに来ていました。*この文で which の先行詞は timeであり、節に書き直せば at which one should speak plainly となります。= Clearly the time had come when to speak plainly.Automation would give society the free time and the wealth through which to expose people to the opportunity of self-development.オートトメーションは人々に自己発展の機会を与える自由な時間と富を社会に与えるでしょう。= Automation would give society the free time and the wealth through which it would expose people to the opportunity of self-development.She is a woman who to beat.彼女は打倒すべき女性です。= She is a woman who we should beat.He is the man who to rely on.彼は頼るべき男性です。= He is the man who we should rely on. |
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